AFTER THE FIRE『DER KOMMISSAR』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼らのコンスピレーション・アルバムである。元々は彼らの過去作品と新曲をという構成のアルバムであったのだが、そこからヒット曲が生まれたこととアメリカでヒットしたことで、彼らの代表作となった。尚、アルバム・タイトルはドイツ語であるが、彼らは歴としたイギリスのバンドである。(ヒット曲が、ドイツ語の曲のカヴァーである。)尚、本アルバムは本国イギリスではチャートインしていないが、アメリカではBillboardで最高位25位を記録している。
収録曲はオリジナル盤では全11曲であったが、後にCDでリリースされたときには2曲のボーナス・トラックの追加があって、全13曲の収録になった。収録曲は以下の通りである。『Laser Love』『One Rule For You』『Dancing In The Shadows』『Sometimes』『Sailing Ship』『Carry Me Home』『Frozen Rivers』『Love Will Always Make You Cry』『Starflight』『Der Kommissar』『1980-F』(以下、ボーナス・トラック)『Der Kommissar (Dub)』『Joy』。
元々がベスト盤という構成であるため、シングルとしてリリースされている曲が以下の6曲である。『Laser Love』(UKで40位)、『One Rule For You』(UKで62位)のチャートインしたシングルと、チャートインし無かったシングル『Dancing In The Shadows』『Frozen Rivers』『Love Will Always Make You Cry』、そして新曲としてシングル・カットされた『Der Kommissar』(UKで最高位47位、アメリカではBillboardで最高位5位、1983年の年間シングル・チャートで30位)がシングル曲である。尚、『Dancing In The Shadows』は1981年にシングル・カットされたときはチャートインしなかったが、1983年に再発されたときにはアメリカ(Billboardで85位を記録している。)
お薦め曲は、彼らの代表曲であって、FALCOのカヴァーである『Der Kommissar』、シングル曲の『Laser Love』『One Rule For You』『Dancing In The Shadows』をピックアップしておく。
結果的に、アメリカでは『Der Kommissar』の一発屋ということになり、本国イギリスでは『Laser Love』『One Rule For You』『Der Kommissar』の3曲が小規模なヒットになっただけで、マニア出ないと知られていないバンドである。しかも、初期作品はプログレ系の路線であったが、ニューウェーブ系のバンドに変身し、更にはシンセサイザーを取り入れた'80'sらしいポップなバンドになった。特に代表曲の『Der Kommissar』はキャッチーであり、頭に焼き付くサビの部分が印象的なポップ・テイストのロック・ナンバーであって、'80'sらしいものである。
大成することはなかったが、'70's終盤のパンクの台頭からニューウェーブへ、そして'80'sのシンセサイザーを使った音楽へという流れを具現化しているバンドでもあって、当時の流行りのサウンドを知るには実に分かりやすいバンドでもある。ということで、'70's終盤から'80's初頭のUKの非主流派のバンドの代表的な存在でもあるだけに、当時の流れを知るには最も分かりやすいアルバムでもある。
また、'80's初頭のシンセ・サウンドを知る上でも、キャッチーで親しみ湯水サウンドであるだけに、聴いておきたいアルバムである。
↑UK盤 | US盤 ↓
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