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「日本侠客伝」(その10) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第57弾として記してきた「日本侠客伝」シリーズは今回限りです。で、残っている作品である。1970年12月公開となったシリーズ第10作と、1971年4月公開となったシリーズ最終の第11作について記します。

シリーズ第10作日本侠客伝 昇り龍」(1970年)
作品データを記しておくと、1970年の東映作品で、時間は117分、原作は火野葦平、監督は山下耕作、脚本は笠原和夫、撮影は吉田貞次、美術は鈴木孝俊、疑斗は谷明憲、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、高倉健、藤純子、中村玉緒、片岡千恵蔵、鶴田浩二、伊吹吾郎、荒木道子、遠藤辰雄、小田部通麿、天津敏、島田秀雄、丸平峰子、星野美恵子、河合絃司、矢奈木邦二郎、疋田泰盛、遠山金次郎、木谷邦臣、前川良三、青木卓司、大前釣、諸角啓二郎、東竜子、楠本健二、鈴木金哉、加賀邦男、市川裕二、大城泰、たちである。

前作の続きの物語。大正期、若松の石炭仲仕の小頭である玉井金五郎は、武蔵野温泉に行く仲仕の親分衆の旅行会に同行するが、そこで共同組の友田喜造の子分たちに襲われて、深手を負った。そんな金五郎を救ったのは浅草の女刺青師のお京だった。金五郎に一目惚れしたお京は、金五郎の体に「昇り竜」の入れ墨を彫り込む。やがて傷が癒えた金五郎は、若松に戻るが、パナマ丸の荷役をめぐる争いから、共同組と一触即発になっていた。そして友田は金五郎に喧嘩状を叩きつけ、金五郎はそのことを誰にも話さずに一人で指定の場所に向かう。金五郎を慕うお京も若松にやって来るが、金五郎にはマンという恋女房が居ることを知り、ショックを受けるが、一触即発状態を知り、何とかして金五郎とマンを助けるために、島村ギンに2人の仲裁を願い出る。ギンはお京の心を知り、2人の仲裁を行った。が、手打式で金五郎が小頭組合のことを問題にすると、再び険悪なムードになる。しかし、そこに同席していた代議士・吉田が組合問題を了承し、友田を説得し、丸く収まった。それから数年が流れ、昭和になった。金五郎と友田は、失業者たちの転業資金援助問題で対立していた。金五郎は、ギン、小倉の元博徒・島崎の助けで市民大会を開催したが、その会場に友田が乱入し、ギンが殺されてしまう。金五郎は翌日、友田の所に乗り込むが、その場は吉田の仲裁で引き下がった。その頃、お京は病気で、長く生きられないことを知る。で、金五郎に会いに若松にやってきた。金五郎はそんなお京を武蔵野温泉に連れて行く。そこでお京は、金五郎の背に彫られた「京」の文字を墨で塗りつぶし、心も体もマンに返す儀式を行い、息絶えた...

本シリーズ初の試みとして、前作の続編という物語にしたのだが、「続編というものは...」ということになってしまったのは残念でした。(前作と足して、内容的に整理して120~130分ぐらいにまとめたら良かったでしょうに...)

シリーズ第11作日本侠客伝 刃(ドス)」(1971年)
作品データを記しておくと、1968年の東映作品で、時間は97分、監督は小沢茂弘、脚本は笠原和夫、撮影は吉田貞次、美術は鈴木孝俊、音楽は津島利章である。そして出演は、高倉健、十朱幸代、藤浩、辰巳柳太郎、池部良、大木実、山本麟一、玉川良一、汐路章、野口貴史、渡辺文雄、小田部通麿、有川正治、阿波地大輔、白川浩二郎、青木卓司、小峰一男、林彰太郎、本健二、京町一代、西岡絵里子、小島恵子、国一太郎、平沢彰、那須伸太朗、香月涼二、唐沢民賢、丘路千、加藤博、たちである。

明治中期、博多で車夫をしていた松吉は事件を起こし、金沢に流れていく。空腹で倒れた松吉を介抱したのは稲垣芳恵という女だった。彼女は弟・伸太郎に医学の勉強をさせるために、小芳という名前で芸者として働いていた。松吉は、恩人である小芳を身請けするために、北陸逓送馬車会社に勤めることになり、一心不乱に働いた。その頃伸太郎は政治運動に走り、救国社に加わり、代議士の青山の命を狙っていた。そんな青山が帰郷することになり、救国社から身を守るため、黒田に護衛を依頼する。弟のことを知った小芳のために松吉は、救国社に殴り込んで伸太郎を連れ出して、金沢を去った。5年後、衆議院総選挙か行われるが、野党には大弾圧が下される。金沢では荒れに荒れて、救国社は白昼でも暴れ回り、警察も見て見ぬ振りをした。また、北陸逓送は青山を支援している琴が分かると、仕事を奪われ、倒産してしまった。そんな金沢に戻ってきた松吉は、青山が小芳の料亭をアジトにして選挙活動をしていることを知り、その力になることを決める。そんな中、青山の護衛をしていた黒田が殺され、青山も負傷した。松吉の怒りは爆発し、救国社に殴り込み、かつて男の絆で結ばれた御家政と対決し、相打ちになって果てた...

任侠映画であるが政治色を出したことが話を複雑にしてしまい、ボタンを掛け違えたように感じられる。そのため、歯切れの悪さも感じてしまう。まあ、他の事情があるとはいうものの、シリーズの終焉を感じさせてくれる作品らしい要素のあるものでした。

 

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