BONNIE TYLER『DIAMOND CUT』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼女の3rd.アルバムである。前作からヒット曲『It's A Heartache』が生まれたことで、大いに期待されることになった待望のアルバムということになったが、本国イギリスではやはり伸び悩み、前作のような大きなヒットまで至らなかったアルバムである。が、後の路線とは違ってカントリー・テイストもある隠れた名曲が収録されているアルバムでもある。ちなみに本アルバムは、本国イギリスではチャートインせず、ノルウェーとスウェーデンで14位、デンマークで48位、豪州で95位、アメリカでは145位を記録している。(但し、アメリカのカントリー・チャートでは42位である。)
収録曲は、オリジナル盤では全10曲であったが、2009年にリマスターされた時に2曲のボーナス・トラックが追加されて、全12曲になっている。収録曲は以下の通りである。『If You Ever Need Me Again』『Too Good To Last』『What A Way To Treat My Heart』『The Eyes Of A Fool』『Bye Bye Now My Sweet Love』『Louisiana Rain』『Baby I Just Love You』『Words Can Change Your Life』『My Guns Are Loaded』『I'm A Fool』。(以下、ボーナス・トラック)『(The World Is Full Of) Married Men』『My Guns Are Loaded (Single Version)』。
この中からシングル・カットされたのは全部で4曲である。1st.シングルの『Louisiana Rain』、3rd.シングルの『Too Good To Last』、4th.シングルの『What A Way To Treat My Heart』はチャートインせず、2nd.シングルの『My Guns Are Loaded』がフランスで3位、アメリカのカントリー・チャートで86位、BillboardのHOT 100では107位を記録している。
お薦め曲は、シングル曲であり、TPM PETTYのカヴァーある『Louisiana Rain』、更に、シングル曲の『My Guns Are Loaded』と『What A Way To Treat My Heart』、そして『Bye Bye Now My Sweet Love』をピックアップしておく。
本アルバムはカントリー色の強いボーカル・アルバムであるが、ロック色もある。(カントリー・ロックと言った方が良いですが...)そのため、'80'sになって、J・スタインマンと出会ってからの大ヒットを放ち、そちらで彼女を知ったという方には、物足りなさを感じてしまうこともあるでしょうる。が、ハスキーボイスのパワフルなボーカリストとしての彼女を堪能するには、'80'sの彼女の楽曲よりも、より素に近い'70'sの作品の方がベターである。('80'sのビッグ・ヒットは、あのバラード曲は別にして、アップテンポで力強いロックであるだけに、ボーカルをじっくり味わうには今一つである。)
また、本アルバムにはヒットを記録したという曲は(殆ど)無いが、じっくり聞くとなかなかという佳曲が揃っている。(彼女のボーカルに実にマッチしていて、良い雰囲気を作っている。)
ということで、カントリー・テイストの強い初期の彼女のサウンド、及びボーカルを堪能するのには内容も良いだけに、お薦めするアルバムである。
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