CHRIS DE BURGH『FAR BEYOND THESE CASTLE WALLS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1975年に発表された彼のデビュー・アルバムである。父が外交官だったことから、イギリス国籍ながらアルゼンチンで生まれ、いくつかの国で育ったという変わった経歴を持っている。そんな彼は、デビューしても本国イギリスではさっぱりであったが、ブラジルでのみ大ヒットをすることになる。が、2nd.アルバムはイギリスでそれなりのヒットをするが、他国はさっぱり、3rd.と4th.アルバムは世界的にもさっぱり、5th.アルバムはノルウェーでのみ大ヒットというように、特定の国だけでヒットするという変わったことになった・本アルバムはそんな彼の最初のアルバムであって、ブラバルでは1位を獲得するヒットになったが、それ以外の国ではチャートインを果たせなかった。
収録曲は以下の全10曲である。『Hold On』『The Key』『Windy Night』『Sin City』『New Moon』『Watching The World』『Lonesome Cowboy』『Satin Green Shutters』『Turning Round』『Goodnight』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。デビュー・シングルの『Hold On』はいずれの国でもチャートインしなかったが、2nd.シングルの『Turning Round』はブラジルでは1位を獲得する大ヒットになったが、それ以外の国ではさっぱりだった。
お薦め曲はシングル曲でもある『Hold On』と『Turning Round』、そして『New Moon』と『Lonesome Cowboy』をピックアップしておく。
サウンドの方は大人向けの、所謂「アダルト・コンテンポラリー」と言った所であって、比較的聴きやすいものである。本アルバムは1975年の作品ということで、「A.O.R.」という言葉はまだ確立していないが、その路線に近いものであって、'70'sの大人向けのサウンドである。ということなので、「A.O.R.」のブームよりも時期的には少し早かったことで、陽の目を見なかったと言えるが、A.O.R.がお好きな方であれば、ほぼ琴線に触れるようなものである。また、男性ボーカル・アルバムとしても聴き応えがある作品に仕上がっているので、じっくりと聴いてみることをお勧めするアルバムである。
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