井上陽水『二色の独楽』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1974年10月に発表された彼の4枚目のアルバムである。前作同様にオリコンで1位を獲得している。また、本アルバムがポリドール時代のオリジナル・アルバムとしては最後となった。(次作からは発起人の1人として立ち上げたフォーライフ・レコードからのリリースと言うことになる。)また、本作は全曲が彼の作詞作曲である。
収録曲は以下の全14曲である。『傘がない-イントロダクション-』『夕立』『太陽の町』『Happy Birthday』『ゼンマイじかけのカブト虫』『御免』『月が笑う』『二色の独楽』『君と僕のブルース』『野イチゴ』『ロンドン急行』『旅から旅』『眠りにさそわれ』『太陽の町』。
この中からシングル・カットされたのは、アルバム・リリースよりも一ヶ月先行してリリースされた『夕立』である。
お薦め曲はシングル曲の『夕立』とアルバム・タイトル・ナンバーの『二色の独楽』、更に『太陽の町』『Happy Birthday』『ゼンマイじかけのカブト虫』『旅から旅』という所をピックアップしておく。
前作「氷の世界」で大ブレイクした彼であるが、本アルバムではフォークだけで無く、ロックの要素を取り入れたり、'60'sの黒人音楽をリードしたモータウン・サウンドのエッセンスを取り入れるなど、幅広いサウンドを展開していて、内容的にも彼の世界を完成させるものとなっている。歴史的な大ヒットとなった前作の後では何をしてもマイナス的に語られてしまうことが多いが、前作の成功に溺れること無く、新たなチャレンジを行っていて、この点でも十二分に評価できる所である。
確かに、前作の存在が大きすぎるという所があるのだが、本アルバムも内容的には引けを取るようなものではなく、「傑作」と呼ばれるに相応しいものである。じっくりと聴きましょう!
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