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「博奕打ち」(その10) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第58弾として記してきた「博奕打ち」シリーズも今回で最後となりました。で、残っている1972年7月公開のシリーズ最終作について記します。

シリーズ第10作博奕打ち外伝」(1972年)
作品データを記しておくと、1972年の東映京都の作品であって、時間は103分、原案は鳥村喬、監督は山下耕作、脚本は野上龍雄、撮影は古谷伸、美術は富田治郎、音楽は木下忠司である。そして出演は、鶴田浩二、高倉健、若山富三郎、菅原文太、辰巳柳太郎、松方弘樹、伊吹吾郎、浜木綿子、東竜子、金子信雄、野口貴史、遠藤辰雄、高並功、鈴木康弘、北川恵一、松平純子、石井富子、久保浩、汐路章、有川正治、川谷拓三、岩尾正隆、潮健児、内田朝雄、疋田泰盛、島田秀雄、小田部通麿、楠本健二、藤浩、志賀勝、西田良、那須伸太朗、青木卓司、たちである。

明治中期の北九州・若松。北九州睦会系大室一家組長の大室弥八と、江川組組長の江川周吉とが、何かにつけて対立していた。そんな中、睦会宗家・浦田組組長の常五郎の後継者は、代貸の花井栄次だと衆目の一致するところであったが、常五郎は弥八を二代目に指名した。というのは、栄次は常五郎の隠し子であって、栄次の二代目襲名による内紛を恐れた常五郎の配慮があったためである。その事情を知っている周吉は、神尾鉱山の納屋頭として田川行を決意した栄次を見送り、弥八との喧嘩を避けることを誓う。で、若松に帰ってきた周吉だったが、夫婦気どりの芸者秀子が待っていた。更に、大室一家の嫌がらせも始まった。特に、大室一家代貸の滝は、弥八に無断で江川組の縄張りを荒していたが、周吉は栄次との約束を守って、ひたすらそれに耐えるのだった。そんなある日、周吉の弟・鉄次が若松に戻って来た。そして、組の現状を知った鉄次は、単身で大室一家に乗り込み、騒ぎを起こした。これに周吉は、鉄次を殴り倒し、自ら指をつめて弥八に詫びを入れた。しかし、それでも滝の暴走は止まらず、鉄次を闇打ちにし、仲裁に立った浦田と栄次を殺してしまった。これに弥人は唖然とするが、滝の親を思う心が弥八の心を動かした。遂に周吉は大室一家に殴り込む決意をし、弟、組長、兄弟分の弔い合戦で燃え、大室一家に殴り込んでいった。

本シリーズは「任侠映画」のシリーズであるが、もう一つの看板として、博奕打ちが主役で、博奕シーンが見所というものもあった。が、シリーズが進むにつれて、ありふれた任侠映画になってしまったのが残念である。本作も、そういうシリーズらしい内容であって、普通の任侠映画でしかない。(「博奕打ち」というタイトルである必要性が無いということである。→そもそも、本シリーズは、シリーズを通した主人公がいるのではなく、全10作は全く独立した物語である。)

ということで、任侠映画としては普通であり、「博奕打ち」というのは単なる看板であって、掲げられているだけである。(博奕に関しては何も期待してはイケナイ。)一応「外伝」というタイトルということで、それを逃れようとしているといったところですかね...

まあ、まあ、シリーズ第7作(1969年)以降は1年に1本のペースになっていて、ごく普通の任侠映画を重ねていただけになっていたが、ようやく幕を下ろしたということでしか無い作品でした。

 

↓ビデオです。

博奕打ち外伝 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: VHS

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