COCTEAU TWINS『TREASURE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1984年に発表された彼らの3rd.アルバムである。ポスト・パンクのバンドとして(インディーズから)スタートした彼らであるが、独特のサウンドを構築していって、何を歌っているのか分からないようなポーカルは、彼らのスタイルとして人気を集めることになったが、その代表的な作品が本アルバムである。チャート成績の方は、本国イギリスのインディーズ・チャートでは2位を記録し、イギリスのアルバム・チャートでは最高位29位を記録している。また、スウェーデンで32位、ニュージーランドで34位を記録するというように、イギリス以外の国でもチャートインを果たした国がある。
収録曲は以下の全10曲である。『Ivo』『Lorelei』『Beatrix』『Persephone』『Pandora』『Amelia』『Aloysius』『Cicely』『Otterley』『Donimo』。
彼らはアルバムからの「シングル・カット」ということは'88年の6th.アルバムで初めて行っていて、それまでの9枚のシングルは全てアルバム・未収録曲である。よって、本アルバムからのシングル・カット曲は無い。
お薦め曲としては、『Ivo』『Lorelei』『Persephone』『Pandora』『Otterley』と言うところをピックアップしておく。(『Ivo』や『Lorelei』『Pandora』という曲は、シングル・カットをしたら、それなりのヒットを記録したのではないかと思うほど、素敵な曲である。)
音楽であるが、単なる音楽ではなく、幻想的な世界を見事に構築していて、その幻想的な世界をたっぷりと堪能することが出来るアルバムである。特に前半は、余りにも綺麗な曲が揃っていて、ながらで聴いていたら、曲の美しさのために、何かをしている手が止まってしまって、曲に聴き入ってしまうほどの素敵な曲が揃っている。それでいて、後半になると、着飾った貴婦人のような美しさを感じられるようになるということで、曲が進化していっていることがよく分かることになる。
ということで、アルバムとして1つの作品として聴くべき内容のアルバムである。シングル・カットされる曲が無いのも、アルバム全体を聴けば納得できるだけのものであって、全10曲と言うよりも10の楽章から成る作品と言った方が良いですね。
ということで、心の清涼剤にもなるアルバムであるだけに、お手元にどうぞ。
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