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「CONRACK」 [映画(洋画)]

表題の作品は1974年のアメリカ映画「コンラック先生」である。日本での劇場公開は1975年4月であった。サウス・カロライナのある孤島の黒人小学校を舞台に、進歩的な考えを持つ若い白人教師かやって来る。そんな学校を舞台にした実話を元にした学園人間ドラマである。

作品データを記しておくと、時間は108分、監督はマーティン・リット、脚本はアーヴィング・ラヴェッチとハリエット・フランク・Jr.の2人、撮影はジョン・A・アロンゾ、音楽はジョン・ウィリアムスである。そして出演は、ジョン・ヴォイト、ポール・ウィンフィールド、マッジ・シンクレア、ヒューム・クローニン、ティナ・アンドリュース、アントニオ・ファーガス、ルス・アタウェイ、ジェームズ・オリア、アーサー・ネルソン。ウィリアム・ハンター3世、たちである。

1969年の春、サウスカロライナ州ビューフォートの沖合にあるヤマクロウ島に、パット・コンロイという若い白人教師がやってきた。彼は此嶋にある小学校の教師として赴任してきたのだった。しかし、ヤマクロウ島は、雑貨屋の主人を除いて全てが黒人という土地であって、美しい自然に恵まれているものの、未開の地であった。赴任早々、コンロイは、校長のスコット夫人が、黒人でありながら黒人を見くだしていて、生徒を人間扱いしないこと、生徒が無気力で無知であることに驚く。更に、生徒たちは彼の名前を正しく発音できず、「コンラック」と呼ぶのであった。更に、子供たちは前時代的な知識しか持たず、映画も知らず、バスも乗ったことが無く、地球は平たい板と思い込んでいるという有様だった。しかも、スコット夫人が鞭を使うため、生徒の中には教室に近づこうとしない者もいた。コンロイはこの状況を打破するために進歩的な授業を開始する。彼は生徒たちにクラシックを中心とする音楽を聴かせ、更に授業では生徒たちを野外に連れ出していく。やがて、そんな彼の授業は、学校に近づくことを避けていた生徒を授業に出てくるようにした。更に、妻を亡くしておかしくなったビリーという男は、自分で作ったウイスキーを持ってきて、その代わりに読み書きを教わりたい、と言ってきた。コンロイの教育は成果を見せて、生徒たちの学力も上がっていくことになるが、スコット夫人とは対立していくことになる。スコット夫人は、生徒を白人のお偉方に気に入るような人間に育てようとしていた。そして、反動的な老教育委員・スケフィントンに手を回し、島を訪れさせると、コンロイに、「教育は従来の型に準じて行うべきで、教師として常規を逸した行動をとることを禁じる」と警告した。が、コンロイはそれを無視して自分の教育方針を貫く。数日後、コンロイの元に解職通知が届いた。それは、スケフィントンの命令を無視して、生徒たちを万聖説に参加させるため、ビューフォートへの一泊旅行を行おうとしたためだった。コンロイが会食されたというニュースは瞬く間に島中に広がり、島民たちは憤慨し、コンロイ支持のデモを行いストライキを行おうとした。しかしコンロイは、ストライキをすると、逮捕されたり生活保護を受ける資格を失う人が出ることを恐れ、島民たちを宥め、ストライキをやめさせた。コンロイは最後の手段として、裁判所に復職願いを出し、裁判で争うことにした。しかし、白人のお偉方の手が回っていて、さいばんはに負けてしまい、彼は島を出ることになった。コンロイが島を離れる日、生徒やその家族たちは河岸で彼を見送った。これにコンロイは、いつも教室でやるように生徒に次々と質問を浴びせ、生徒たちは元気よくそれに答えた。そして分かれの時が来る。コンロイの乗ったモーターボートが動き出すと、生徒たちは先生との思い出のクラシック曲・ベートーベンの交響曲第5番(「運命」)をテープで流したのだった。

保守的な土地、人種問題、教育問題という社会問題の縮図となっている田舎を舞台にした実話を元にした物語である。'60年代末期とは思えないような現実に対して、子供たちのことを第一に考える教師には心が温まります。

美しい風景も見所であるが、子供たちの心を捕らえ、更に住民たちも彼を支援していくというドラマとしても見所たっぷりである。ということで、じっくりと見たい作品の一つである。

 

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