「CRASH!」 [映画(洋画)]
表題の作品は1976年のアメリカ映画「クラッシュ!」である。日本での劇場公開は1977年2月であった。尚、元々はTVムービーであって、日本では劇場公開されることになった作品である。また、ややこしい話であるが、本作は原題/邦題のいずれにも感嘆符「!」が入るのが正しく、入らなければ別の複数の作品が該当することになる。(感嘆符が入るのは本作のみであるため、それによって本作は区別が出来る。)'70'sにブームになったオカルト映画の流を受けているオカルト・ホラー作品である。
作品データを記しておくと、時間は90分、製作と監督はチャールズ・バンド、脚本はマーク・マライズ、撮影はアンドリュー・デイヴィス、音楽はアンドリュー・ベリングである。そして出演は、ホセ・ファーラー、スー・リオン、ジョン・キャラダイン、ジョン・エリクソン、レスリー・パリッシュ、ポール・デュボフ、たちである。
マークとキムの夫婦は2人暮らしであった。キムの運転が原因で事故を起こし、今は車椅子生活となっているマークは、キムに対して恨みと殺意を抱いていて、オカルトに凝っていた。ある日、キムが露店で、奇妙な形の魔よけを見つけ、それを買ってきた。が、マークは凄い剣幕で
その魔よけを投げ捨てた。これにキムは、愛車で去ってしまった。山道を走っていたキムは、突然犬が車に飛び乗り、襲われ、事故った。犬はマークの飼い犬であり、この事故はマークが復讐のために図ったものだった。あの魔よけを付けたキーホルダーを固く握っていたキムは、半死状態で病院にかつぎ込まれた。重傷のキムは「アカサ」という言葉をうわごとのように繰り替えしていて、担当医のマーティンと看護婦・キャシーはその言葉が気になった。やがて意識を取り戻したキムだったが、記憶の方は失っていた。で、キムはキャシーの家で静養することになった。マーティンはキムの記憶の手がかりを探るために、彼女の握りしめていた魔よけを持って、ある人類学者を訪れた。人類学者は、魔よけをオカルト研究家のマークに見て貰うことを薦め、マーティンはマークを訪ねて、魔よけを見せた。これによってマークは、キムが生きていることを知ることになる。更に、その夜、魔よけを置いておいた車椅子にマークは襲われた。その時、キムは目を真っ赤にして狂っていた。翌日、マーティンは魔よけを返して貰うために再びマークの所を訪ね、受け取ると帰って行く。その間にマークは、キムを誘い出し、家のサウナ風呂に閉じこめて殺そうとした。その頃、マーティンは発見されたキムの車に魔よけのついたキーホルダーを指し込んだ。すると、無人のまま動き出し、パトカー等の追跡をふりきって、猛スピードでマークの家に向かっていく。マークの家では、サウナに閉じ込められたキムが赤い目をして唸っていた。そしてキムの車がやってきてマークを追いつめていき、轢き殺してしまった。その直後、事態を察したマーティンがマークの家に駆けつけて、キムを救い出した。
オカルト映画のブームによって、同じような作品がいくつか生まれているが、本作は完全にそのブームに便乗したTVムービーであり、映画としたらB級作品の範疇のものである。恐怖感ということではそれなりに出ているのだが、テンポが悪く、今一つ緊張感が無い所が残念である。もう少し緊張感を持たせてクライマックスに繋がっていれば良かったのですが...
まあ、B級の範疇としたら平均点ということになるが、もう一工夫あれば怪作になったであろうと思うと、残念なところでした。(いうことで、LDではリリースされていたが、DVD化されていない作品である。)
↓ソフトが見当たらないので、こういうものを拾っておきます。
なぜいけない?占い・オカルト・新新宗教―ブ-ムが問いかけるもの
- 作者: 田村昭二
- 出版社/メーカー: いのちのことば社
- 発売日: 1993/02
- メディア: 単行本
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