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「CRUISING」 [映画(洋画)]

表題の作品は1979年のアメリカ映画「クルージング」である。日本での劇場公開は1981年1月であった。「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」等で知られるW・フリードキン監督による刑事バイオレンス作品である。が、ハード・ゲイのたむろするニューヨーク・クリストファー・ストリートを舞台にした異色のバイオレンス作品として仕上がっている作品であるのだが、同時に彼の'70'sの栄光を過去のものとさせてしまった作品でもある。(ゴールデン・ラズベリー賞のワースト作品賞、監督賞、脚本賞にトリプル・ノミネートとなった。)

作品データを記しておくと、時間は102分、原作はジェラルド・ウォーカー、監督と脚本はウィリアム・フリードキン、撮影はジェームズ・A・コントナー、音楽はジャック・ニッチェである。そして出演は、アル・パチーノ、ポール・ソルヴィノ、カレン・アレン、リチャード・コックス、ドン・スカーディノ、ジョー・スピネル、ジェイ・アコヴォーン、ランディ・ジャーゲンセン、バートン・ヘイマン、ジーン・デイヴィス、ソニー・グロッソ、アラン・ミラー、エド・オニール、パワーズ・ブース、たちである。

ハドソン河口、タイムズ・スクエアの安ホテル、セントラル・パーク、という異なった3つの場所から、同じような手口で男が殺された。更に、その3つの場所はホモ・セクシュアルがたむろする場所で行なわれた模様で、警察はその筋で捜査を進めていた。そして、捜査本部長・イーデルソンは、警官学校を卒業したばかりの若いスチーブ・バーンズという警官を抜擢し、事件解決の際には2階級特進を約束して、彼をゲイになりすまさせて、ゲイたちがたむろするクリストファー・ストリートに潜入させた。更に彼はジョン・フォーブスと名乗り、グリニッチ・ビレッジのアパートに引越した。捜査ということもあって、恋人のナンシーにも内緒にしていた。捜査を進めていく内に、スチーブは、隣人で売れないホモの劇作家・テッドと親しくなり、更に、被害者の1人であるコロムビア大学の教授の授業を受けたことがあり、かつ、凶器のナイフの出所となったステーキハウスで働いた経験のあるスチュアートが怪しいと睨んだ。で、スチュアートの部屋に忍び込んだスチーブは、スチュアートが犯人であることを確信した。ある夜、スチーブはスチュアートをおびき出すことに成功し、夜の公園を2人で歩くことになったが、その時、スチュアートが突然スチーブを襲った。それを巧みにかわしたスチーブは、逆にスチュアートを刺した。重傷を負って入院したスチュアートは一連の犯行を否認したが、凶器から出た指紋はスチュワートの指紋と一致したことで、事件は解決した。で、スチーブは元の場所に戻ってきたが、自分が変わっているを感じていた。そしてグリニッチ・ビレッジのアパートでは、再びホモの男が死体となって発見された...

バイオレンス描写、事件を追っていくという展開については、途中までは良いのだが、終盤は完全に期待外れとなって、後味の悪いものになってしまったのが残念である。

ゲイの世界を描こうとしているのは悪くないが、それが十分に描き切れていないこともあって、折角の設定を生かし切れていないのが残念なところである。A・パチーノの演技の方は悪くなかっただけに、余計に残念なところであった。

ということで、'70年代の終わりに、その'70年代に名作「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」を生んだW・フリードキン監督の時代は終わったと感じさせた作品でした。

 

↓本作はDVD化されていません。ビデオです。

クル―ジング [VHS]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: VHS

Cruising [VHS] [Import]

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