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「LE CARROSSE D'OR」 [映画(洋画)]

表題の作品は1953年のフランスとイタリアの合作映画「黄金の馬車」である。日本では長年劇場未公開であったが、1991年1月になって、ようやく劇場公開された作品である。音楽はルノワールガ聴きながら脚本を書いたと言うヴィヴァルディの音楽を全編に散りばめていて、18世紀・スペインの植民地だったペルーを舞台にした作品である。映像叙事詩と言うことの出来る良作であって、上手く描かれている作品である。

作品データを記しておくと、時間は103分、原作はプロスペル・メリメ、監督はジャン・ルノワール、脚本はジャン・ルノワール、ジャック・カークランド、レンツォ・アヴァンツォ、ジュリオ・マッキ、ジネット・ドワネルの5人、撮影はロドルフォ・ロンバルディとクロード・ルノワールの2人、音楽は、アントニオ・ヴィヴァルディ、アルカンジェロ・ユレッリ、オリヴィエ・メトラの3人である。そして出演は、アンナ・マニャーニ、オドアルド・スパダーロ、ポール・キャンベル、ダンカン・ラモント、ラルフ・トルーマン、ナーダ・フィオレッリ、ジョージ・ヒッギス、ジゼーラ・マシューズ、リカルド・リオリ、たちである。

18世紀、スペインの総督・フェルディナンが支配する南米・ペルー。総督が本国から黄金の馬車を取り寄せたが、それと一緒にやってきたのは、イタリア人のドン・アントニオが率いるコメディア・デラルテ一座であった。彼らは即興仮面劇団として旅を続ける旅芸人の一座であった。また、一座の看板娘のカミーラに恋して、一座と同行する騎士・フェリペもそこにいた。しかし、一座の公演は全く受け入れられず、観客は客席にいた人気闘牛士・ラモンの方が注目されるという有様だった。それに怒ったカミーラがラモンを挑発した時に、初めて喝采を受けたが、興行的には全くだめだった。そんな所に、総督が宮廷での公演話が届けられた。そして、総督はカミーラを気に入り、彼女を大舞踏会にまで招待する熱の入れようだった。これに、今まで総督の寵愛を受けていた侯爵夫人・イネスは面白くなかった。また、フェリペはカミーラが自分を振り向かなくなったことから軍隊に志願して一座を去った。が、今度はラモンがカミーラに言い寄るようになった。一方、総督はカミーラに夢中となり、黄金の馬車をカミーラに与える、とまで言った。が、流石にこれには行きすぎという声が侯爵から出て、総督を罷免するという話に発展してしまった。そんな所に現れたカミーラは、侯爵夫人との間で喧嘩に発展して大混乱となってしまう。結局、黄金の馬車てせカミーラは帰っていった。が、カミーラはその後でラモンから激しく口説かれ、軍に入ったフェリペが帰ってきて、総督は侘びを入れるためにやってきて、3人が鉢合わせとなり、ラモンとフェリペは決闘を始めてしまった。ドン・アントニオはカミーラに逃げるように言うが、カミーラはそれを拒否した。大騒動になったことで、ラモンとフェリペは逮捕され、総督も罷免が確実と噂されるようになったが、カミーラが行動した。大司教と共に宮殿に黄金の馬車で乗りつけたカミーラは、その黄金の馬車を教会に寄付し、来たるミサで歌うので皆を招待したいと申し出た。で、ミサの日、ドン・アントニオ一座が公演する中、カミーラが歌い、ことは丸く収まった。しかし、そこにはカミーラを追いかけていた男たちの姿はなく、カミーラは、自分には舞台しか無いということをって、一抹の寂しさを感じていた。

本作は賛否両論が極端な作品の一つでもあって、ルノワールの最高傑作と評する声がある一方で、駄作と気の捨ててしまう意見もある。賛否両論あるということは珍しくないが、本作の場合はそれが極端過ぎて、中間的な意見が殆ど無いというのは珍しいところである。(が、このような実質的には二値しかない評価がされているのは、「0」か「1」かというデジタル時代のような気がする所でもある。)

ヴィヴァルディの音楽というと、有名なのは「四季」であるが、それ以外のヴィヴァルディの音楽も色々と素晴らしいものがあると言うことが分かるのをはじめ、色々と見所があるだけに、一度鑑賞してから賛否どちらにということを口にするのが宜しいかと...(筆者は肯定派(賛成派)ですが...)

 

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