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「LA CIOCIARA」(1960) [映画(洋画)]

表題の作品は1960年のイタリア映画「ふたりの女」である。英語タイトルは「TWO WOMEN」である。日本では1961年7月に劇場公開になった。また、本作は1989年にリメイクされている。(そのため、製作年を括弧付きで記しておきました。)S・ローレンがアカデミー主演女優賞をはじめ、カンヌ、イギリスアカデミー賞など、多数の賞を受賞することになった作品でもある。戦争下の混乱の中を生き抜く二人の女(母と娘)の姿を描いた戦争ドラマである。

作品データを記しておくと、時間は99分、白黒作品である。原作はアルベルト・モラヴィア、監督はヴィットリオ・デ・シーカ、脚本はチェザーレ・ザヴァッティーニ、撮影はガボール・ポガニー、音楽はアルマンド・トロヴァヨーリである。そして出演は、ソフィア・ローレン、ジャン・ポール・ベルモンド、ラフ・ヴァローネ、エレオノラ・ブラウン、レナート・サルヴァトーリ、たちである。

第二次大戦中のイタリア。ローマは連日の大空襲を受けていた。食料品店を営むチェジラは夫を亡くし、女手一つで店を経営しながら娘・ロゼッタを育てていたが、遂に娘を連れて故郷の田舎の方に疎開する決心をした。で、店の方は夫の友人で石炭屋をしているジョヴァンニに管理を頼もうとした。が、そこで彼女はジョヴァンニから愛を告白され、押し倒された。翌日、チェジラはロゼッタを連れて田舎に向かった。大勢の疎開者がいる中、ミケーレという青年が何かと彼女たちを気に掛けてくれた。そしてロゼッタは彼を慕うようになったが、彼女はミケーレが母を愛していることに感づいていた。そんな中、イギリス軍が村に潜入し、イタリアの降伏、村を支配していたドイツ軍が敗残兵となって散り散りとなり、アメリカ軍が進駐軍としてやってきて、戦争は終わった。が、ミケーレは、敗残ドイツ兵に道案内として拉致されてしまう。チェジラはロゼッタを連れローマニ戻ることにして村を旅立った。戦禍で荒廃した道には様々な魔の手が潜んでいた。各地から入ってきた残兵は好き放題の無法ぶりで、娘を守ろうとするチェジラ。が、ロゼッタは太腿もあらわに仰向いていた。それでも何とかしてローマを目指す2人。或る夜、チェジラは、ロゼッタが若者と戦勝祝賀パーティに行ったこと、ミケーレが死体となって発見されたことを知る。夜明けに成ってロゼッタが帰ってきた。娘を詰ったものの、ロゼッタは平然としていた。しかし、ミケーレの死を知ると、ロゼッタは激しく泣き出してしまい、母娘はいつまでも抱き合っていた...

白黒の映像が母娘の信条を巧みに描いている。物語の時代が時代と言うこともあるのだが、白黒の映像美が、戦争という時代を表現するのには向いているようですね。

ただ、本作ではS・ローレンとE・ブラウンが母娘というのは、少なくともS・ローレンは若すぎると感じられる。(本作撮影時は25歳、E・ブラウンは11歳であった。)が、どう見ても30代の未亡人にしか見えない演技をしている所は流石であって、各賞を受賞するだけの貫禄のある演技を見せている。(この時期の彼女は、本当に美くしく、画にもなります。)

戦争が遠い昔のことになりつつあって、第二次大戦を知る世代も少なくなってきているが、人間の強さを感じられる物語でもあるだけに、色々と見所があるだけに、見ておきたい作品の一つである。

 

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