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「CALAMARI UNION」 [映画(洋画)]

表題の作品は1985年のフィンランド映画「カラマリ・ユニオン」である。日本では2002年1月になってようやく劇場公開された。A・カウリスマキ監督の長編第2作である。15人の登場人物の名前が「フランク」というアイデアをはじめ、全てが独特の感覚であって、そこが面白いコメディ作品である。

作品データを記しておくと、時間は80分、監督と脚本はアキ・カウリスマキ、撮影はティモ・サルミネン、音楽はカサブランカ・フォックスである。そして出演は、マッティ・ペロンパー、プンティ・ヴァルトネン、サッケ・ヤルヴェンパー、ピルッカ・ペッカ・ペテリウス、カリ・ヘイスカネン、マッティ・シュルヤ、ミッコ・シュルヤ、ティモ・エランコ、パテ・ムスタヤルヴィ、サカリ・クオスマネン、マト・ヴァルトネン、ミッコ・マッティラ、マルック・トイッカ、アスモ・フルラ、ペルッティ・スヴェーホルム、たちである。

「カラマリ・ユニオン」(イカ墨同盟)のメンバーである15人の男たちが、ある食堂に集まった。全員に共通しているのは、サングラスをしているということ、名前はフランクということだった。そんな彼らは、スラム街を脱出して約束の地・エイラを目指すことを宣言した。15人のフランクは、それぞれが様々な方法を考えてエイラに向かおうとする。そんな彼らには英語しか喋ることの出来ないペッカを交えて知恵を絞ろうとする。で、バスを買うためのお金を銀行から借りようとするが、銀行では彼らは強盗に間違われ、その計画はあっさりと潰れてしまうというように、悪戦苦闘の繰り返しであった。そして、一人、また一人と死んでいって、エイラ行きから脱落していく。そして、ペッカもハンバーガーショップにいたところを射殺されてしまう。結局、15人のフランクの中で、約束の地・エイラに辿り着いたのはたったの3人のフランクだけであった。しかし、苦労の末に辿り着いたエイラは荒れ果てた大地であった。3人のフランクは、約束の地の存在を諦めきれず、エイラの向こう側にあるエストニアへボートで渡ろうとするのだった。

ロードムービーとなっているが、本作は成功する形のロードムービーではなく、結構重いものがある。そうなるのを、ギャグをはじめとするバラエティな内容で楽しませてくれているので、それほど重さは残らない。また、目的地に向かうには道は1つではないということ、そして途中で挫折して了う者と、辿り着く者とがいるのは、人生の縮図のようでもある。が、辿り着いた者がそれでハッピーエンドではないというシニカルなところもまた哲学ですね。

万人向きとは言えないが、痛快さとシニカルさ、お楽しみがバラエティのように詰まった怪作である。

 

カラマリ・ユニオン [DVD]

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