BOB WELCH『FRENCH KISS』 [音楽(洋楽)]
ここのところ、訃報に対する反応がいくつか続いているが、今度は元FLEETWOOD MACのメンバーで、ブルース・バンドだったMACをポップなバンドに変えたBOB WELCHの訃報が届いたということなので、追悼ということで彼のアルバムと、彼の在籍当時のMACのアルバムを取り上げることにします。
言うまでも無く、彼は第二期MACの看板であり、バンドを変えた男である。が、彼の脱退で更に危機感を持ったMACはもう一度大変身して、あのモンスター・アルバムを発表することになる。そんなこともあって、MACがロックの殿堂入りを果たした時に、彼はMACのメンバーとして扱われなかったのは残念であった。(このことが印象強く残っている...)
それにしても、銃で自殺していて、それを奥さんに発見されたというのは、辛く、そしてとても悲しいですね。ソロになって、近年は低迷していたとはいうものの、66歳って、やはり早すぎます。ご冥福をお祈り致します。
で、今回は、彼のソロ・アルバムを取り上げます。
表題のアルバムは1977年に発表された、彼のソロ・デビュー・アルバムである。FLEETWOOD MACを脱退したのは1974年12月で、その後、バンド・PARISを結成して活動をしていたが、そのバンドが活動停止することになり、バンドとしての3rd.アルバムとして準備していた物が彼のソロ・アルバムに変わったという、曰のあるアルバムである。が、そのポップなサウンドは受け入れられて、彼のソロ・アルバムとしては最大のヒットとなり、プラチナ・DISCを獲得した。チャート成績は、Billboardで最高位12位を記録して、1978年のBillboard年間アルバム・チャートでは17位にランクインしている。
収録曲は以下の全12曲である。『Sentimental Lady』『Easy To Fall』『Hot Love, Cold World』『Mystery Train』『Lose My Heart』『Outskirts』『Ebony Eyes』『Lose Your...』『Carolene』『Dancin' Eyes』『Danchiva』『Lose Your Heart』。
この中からシングル・カットされたのは3曲(のべでいうと4曲とになる。)である。まずは『Ebony Eyes』がシングル・カットされたが、最初は特にヒットを記録しなかった。続いて『Sentimental Lady』かBillboardで最高位8位を記録する大ヒットになった。また、この曲は1978年のBillboard年間シングル・チャートでは78位にランクインしている。すると、『Ebony Eyes』が再発されて、今度は最高位14位を記録するヒットになった。(1978年のBillboard年間シングル・チャートでは96位にランクイン)そして『Hot Love, Cold World』が最高位31位を記録している。
お薦め曲は、結果的に彼の最大のシングル・ヒットになった『Sentimental Lady』、シングル曲の『Ebony Eyes』と『Hot Love, Cold World』、更に『Carolene』と『Lose Your Heart』をピックアップしておく。
サウンドの方は非常にポップであって、とても聴きやすいロックである。一部の曲はMAC時代の曲をカヴァーしているが、MACもブルース・バンドから変身した時期のものであるだけに、アルバムの中から浮いてしまうと言うことも無く、纏まり良く収まっている。
キャッチーで聴きやすいというサウンドで、しかも捨て曲が無く、上手くまとめられているアルバムであるだけに、ヒットするのも当然という内容のアルバムである。また、彼のアルバムを聴く場合は、やはり本アルバムを聴くべきであって、彼の最高傑作である。
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