FLEETWOOD MAC『BARE TREES』 [音楽(洋楽)]
元FLEETWOOD MACのBOB WELCHの訃報が届いたということで、追悼の意味から、彼が在籍していた時代のFLEETWOOD MACのアルバムを取り上げます。彼が在籍していたのは1971年から1974年であって、彼が脱退した後にメンバーとなったS. NICKSとL. BUCKINGHAMによって大ブレイクすることになるのだが、彼がMACに加入したことで、ブルース・ロックからサウンドが変わり始めでいるのはご存知の通りである。また、彼の時代は現在ではMACの過渡期とされているが、MACのポップなサウンドには彼が関わっているのは言うまでも無い。
で、FLEETWOOD MACとしては6枚目、BOBの在籍時代の2枚目のアルバムを取り上げることにします。(このアルバムには、後にソロとなった彼がカヴァーした曲もありますし...)
改めて、彼のご冥福をお祈りします。
表題のアルバムは1972年に発表されたバンドとしては6枚目、BOB WELCH時代としては2枚目のアルバムである。邦題は「枯れ木」というタイトルであった。チャート成績は、アメリカで最高位70位、オーストラリアで37位を記録しているが、イギリスではチャートインしなかった。
収録曲は以下の全10曲である。『Child Of Mine』『The Ghost』『Homeward Bound』『Sunny Side Of Heaven』『Bare Trees』『Sentimental Lady』『Danny's Chant』『Spare Me A Little Of Your Love』『Dust』『Thoughts On A Grey Day』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。1st.シングルが『Sentimental Lady』、2nd.シングルが『Spare Me A Little Of Your Love』であるのだが、2曲共、英米双方でチャートインすることは無かった。
お薦め曲は、後にBOB WELCHのセルフカヴァーでヒットすることになる『Sentimental Lady』、そしてシングル曲の『Spare Me A Little Of Your Love』、更に『Child Of Mine』『Sunny Side Of Heaven』とアルバム・タイトル・ナンバーでもある『Bare Trees』をピックアップしておく。
サウンドは、ブルース・ロックが中心であるが、その合間にアメリカ的なポップな楽曲が挟まれていて、アルバム・トータルとしては上手くまとめられている。特に、アメリカ的な要素はBOBによるものであって、UKのブルース・ロック一辺倒だったFLEETWOOD MACに変革が現れることになるのはご存知の通りである。(本アルバムでは、MACの変化が見られ、今後を期待させるものが出ることになった。)
ただ、楽曲としては、全体的におとなしめであって、派手な曲は無い。(シングル・ヒットも生まれず、チャート成績も大ヒットとは言えないレベルであった。)が、アルバムを一つの作品と捉えると、コンセプト・アルバムという形で上手くまとめられているアルバムと言うことになる。ということで、一部の楽曲を聴くというのでは無く、アルバムを通して聴いて、じっくりと味わうことにしましょう!
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