飯島真理『Rosé』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1983年9月に発表された彼女の1st.アルバムである。当時の彼女は、アニメ「超時空要塞マクロス」の声優として活動していて、作品のヒットで声優として知られていたが、歌手としてデビューをした。そして彼女の代表曲となった映画「超時空要塞マクロス」の主題歌は1984年年の6月である。ということで、本アルバムは声優の歌手デビューという印象が強かったが、驚かされたのは、坂本龍一のプロデュースということであった。で、アルバムとしても完成度が高く、内容も充実していて、シンガーとしての大いなる可能性を感じさせたアルバムとなった。
収録曲は以下の全11曲である。『ブルーベリー・ジャム』『まりン』『マイ・ベスト・フレンド』『ラヴ・シック』『シークレット・タイム』『きっと言える』『シャイン・ラヴ』『ガラスのこびん』『ひまわり』『ひみつの扉』『おでこにキス』。
この中からシングル・カットされたのは『きっと言える』であるが、本アルバムのリリースから一月半ほどしてからシングル・カットであった。
お薦め曲は、『ブルーベリー・ジャム』『まりン』『ラヴ・シック』『ひみつの扉』とシングル曲の『きっと言える』をピックアップしておく。
本アルバムには、後藤次利、林立夫、大村憲司、清水靖晃と言った顔ぶれが参加していて、デビュー間もない声優のアルバムにしては余りにも名前の通っているミュージシャンが参加しているという異例のことになったが、そういうメンバーとプロデューサの手腕がいかんなく発揮され、更に彼女の頑張りもあって、本当に素晴らしいアルバムに仕上がっている。そして、同時に、シンガーとしての将来性を感じさせたアルバムにもなった。
大ヒットということには成らなかったが、本アルバムのクオリティを考えると、大ヒットにナッテイテモおかしくないだけの要素があるアルバムである。こういうアルバムのことを「隠れた名盤」と言うのである。(実際、彼女のアルバムの中では「最高傑作」と評価する声もあるぐらいですし...)
ということで、'80'sということだけに留まらず、'80's以降のJ-POPにも多大な影響を与えた彼女のデビュー作と言うことで、しっかりと聴いておきたいアルバムである。
コメント 0