「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その265) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「お風呂の(変わった)楽しみ方」です。取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「愛・14話」、「007」からは「美しき獲物たち」です。
「ケータイ刑事」:「愛・14話」。「どすこい!フンドシ湯けむり殺人事件」という物語。新年の1本目(本放送は2003/1/5であった。)ということもあって、これまでの物語よりもスケールが大きく、大盤振る舞いで地方ロケが行われた物語である。が、警視庁の管轄区域外(群馬県嬬恋村が舞台でした。)で起こったに対して愛ちゃんが捜査をすることになってしまい、物語としては面白いのだが、羽目を外しすぎてしまったと言うことになってしまった物語でもありました。
五代さんがくじ引きで二泊三日の宿泊券を当てたということで、その宿泊券を使って群馬県嬬恋村のバラギ温泉にある温泉旅館・芋酔館(いもようかん)を訪れた五代さんと柴田太郎さん。が、愛ちゃんは補習授業のために遅れて合流することになった。
五代さんと柴田さんは完全に行楽モードで、浴衣に着替えて卓球をして楽しんでいて、愛ちゃんが、場所が分からないというヘルプの電話をしてきても、「刑事なんだから、自分で探せ」と冷たかった。で、五代さんは改めて浴場に行ったが、そこの湯舟で、5人の若い男たち(埼京大学相撲部の学生たち)が浮いていたのを発見した。(五代さんが第一発見者になった。)
で、芋酔館に向かっていた愛ちゃんに事件を知らせる入電が入り、「直ちに現場に急行せよ」と伝えた。(警視庁の愛ちゃんに対して、群馬県で起こった事件の捜査を、というのは...)で、何だかんだで芋酔館に到着した愛ちゃんは捜査を開始した。
死亡推定時刻は午前6時半から7時の間ということだったが、このお風呂は夜の12時に閉まって朝の8時に開くということから、5人は営業を始める前に大浴場にやってきて死亡したことになり、更に遺体は溺死ということで、愛ちゃんは疑問を持った。
更に、浴場には酒が置いてあって、その中には睡眠薬が入っていた。ということで、浴槽の中で寝てしまい、溺死したと考えられ、他殺と判断された。で、被害者たちの泊まっていた部屋を調べると、蒲団は使った様子がなく、干してあったタオルは濡れていた。
やがて、被害者の胃の中から、温泉ではなくてプールの水が検出された。で、旅館・芋酔館の近くあるベルクラブというプールがあることが分かり、そちらに行くと、プールにはお盆に載った徳利とお猪口が浮いていた。で、五代さんは殺害現場はここだと判断し、プールの管理人を犯人と決めつけた。が、愛ちゃんは芋酔館の女将が犯人と考えていた。
更に、プールの管理人の話で、このプールは最近、水が漏れていること、更に死んだ5人は相撲部ではなくてシンクロナイズド・スイミング部であったこと、彼らは昨日からずっとこのプールで練習していたこと、プールを閉める時間になっても帰らず、終了時間を8時間も過ぎた今朝もまだいたことを証言した。
が、愛ちゃんはちょっとしたことに気づき、それを調べると、プール管理に使う薬品、きれいなギザ十、芋酔館の裏まで延びたホースを発見し、「謎は解けたよ、ワトソンくん」
芋酔館の大浴場のお湯は、実はベルクラブのプールの水を引いてきたもので、それに温泉の素を入れて暖めて使っていたのだった。女将が毎朝、水を惹く作業をしていた所を被害者たちに見られてしまったため、口封じのために睡眠薬入りの酒を出してもてなすふりをして殺したのだった。また、5人が朝、浴場に入った時には、まだ温泉の素が入っていなかったため、プールの水と成分が同じだったが、その後で温泉の素を入れたのだった。で、被害者はプールで溺死したように見せかけたのだった。
ということで、相撲部(実はシンクロナイズド・スイミング部)の5人は、浴場(お風呂)で出された酒に睡眠薬が入っているとは知らずに飲み、お風呂を楽しんだが、睡眠薬が効いて寝てしまって溺死するという悲しい結果になったのでした。
「007」:「美しき獲物たち」。1985年のシリーズ第14作であって、3代目ボンドの第7作(=最後)である。フランスからアメリカ・西海岸(サンフランシスコやシリコンバレー)を舞台としたノンストップ・アクションとなった。が、年齢的なことからくるR・ムーアの衰えも大きく、C・ウォーケンやT・ロバーツ(=ボンドガール)に救われた形になった。
ゾリンを追ってサンフランシスコに入ったボンドは、ゾリンの会社の石油プラントに忍び込んで調査を行い、夜の闇を利用してそこから脱出して戻って来た。が、そんなボンドと鉢合わせになったのは、KGBの女性情報員のポーラ・イワノワだった。彼女は、以前、ロンドンにいたときにボリショイ・サーカスの一員になりすましてボンドを誘惑するという任務を受けており、ボンドは顔を知っていたのだった。
そのポーラも、やはりゾリンを追っていて、ゾリンの事務所に盗聴器を仕掛けていて、そこでの会話を録音したカセットテープ(これも'80'sの作品らしいところであって、時代を感じるところですね。)を持っていた。彼女はそれを書くそうとしたが、ボンドは直ぐにそのことに気づいていたが、口に出すことは無かった。
ボンドもポーラも、とんでもないところで再開することになってしまったが、そのまま分かれるという形にはならず、双方がそれぞれの思惑を隠したまま、どちらともなくが誘い合い、チャイナタウンにあるニッポン・リラクゼーション・スパに行った。で、思惑が交差する中で、2人はお風呂に入った。
琴の音色がする音楽をバックに、和式の雰囲気が漂う個室のスパで、2人は1つの泡風呂に一緒に入り、「東西の緊張緩和」と口にしながら、互いの思惑を隠しながら、が、互いにそれに気づきながら、ひとときを楽しんだ。
で、別れ際に、ボンドはカセットテープを手に入れるのに成功したが、それを隠したまま、ポーラはカセットテープの秘密を隠したまま、それぞれが思惑通りになったと思って分かれた。で、ポーラは走って飛び出して行って、待っていたゴーゴル将軍の車に拾われた。直ぐにカセットテープを再生してみたが、ボンドにカセットテープをすり替えられていて、琴の音色の音楽が流れてきたのだった。で、ゴーゴル将軍もポーラも頭を抱えてしまったのだった。
その頃ボンドは、ポーラから奪ったカセットテープを一人で聴いていて、ゾリンの事務所での会話をしっかりとメモにして情報収集に成功していた。
互いの思惑が見え見えでありながら、互いに上手く相手を誤魔化すのに成功したと思いながら、「東西の緊張緩和」というブラック・ジョークも利いている独特の雰囲気の中、ポーラにとっては任務失敗という悲劇になってしまったのでした。
共通点は、和式の風呂がある場所(「ケータイ刑事」では温泉旅館、「007」ではスパ)で駆け引きが行われて、大事なもの(「ケータイ刑事」では(人の)命が、「007」では盗聴した内容が録音されたカセットテープ)が奪われているということ、そしてそこでの一連のやりとりの後を知った人(「ケータイ刑事」では事件の第一発見者となった五代さん、「007」では当事者の1人であるポーラと上司のゴーゴル将軍)が驚いているということ、そしてどちらもその裏に「盗み」(「ケータイ刑事」ではプールの水という物が、「007」では盗聴内容を録音したカセットテープ、則ち情報が)が絡んでいたということである。
一方、相違点としては、「ケータイ刑事」では殺人事件となって人が死んでいる(しかも「ケータイ刑事」では一度に5人というのは大量である。)が、「007」では人は死んでいないということである。
次回も今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。
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