「DROWNING BY NUMBERS」 [映画(洋画)]
表題の作品は1988年のイギリス映画「数に溺れて」である。日本での劇場公開は1989年3月であった。劇中に「1」から「100」までの数字が登場するという仕掛けが話題になったグリーナウェイ監督作品で、祖母、母、娘の3代にわたる同名女性の物語である。また、本作は1988年のカンヌ国際映画祭で芸術貢献賞を受賞している。
作品データを記しておくと、時間は114分、監督と脚本はピーター・グリーナウェイ、撮影はサッシャ・ヴィエルニ、音楽はマイケル・ナイマンである。そして出演は、ジュリエット・スティーヴンソン、ジョエリー・リチャードソン、ジョーン・プロウライト、ブライアン・プリングル、バーナード・ヒル、ジェーソン・エドワーズ、トレヴァー・クーパー、デイヴィッド・モリッセー、ジョン・ローガン、ポール・ムーニー、ジューン・ガーネット、たちである。
縄跳びをしている少女が百個の星を数えている……。60歳のシシー・コルピッツは、夫・ジェイクが日曜学校の教師・ナンシーと浮気している現場を目撃したことから、酔っ払ってブリキの浴槽で入浴していた夫を溺死させた。で、34歳の娘・シシー・コルピッツと共に、ジェイクの死は事故として処理して欲しいと検死官・マジェットに頼んだ。彼は長年慕っていたシシー(祖母)が自分のプロポーズに応じるのならば要求通りにすると答えた。34歳のシシーは、12歳になる息子・スマットが父親に劣らないゲーム狂で、ゲームに執着する少年だったが、普通の日常を過ごしていた。が、夫・ハーディとの実の無い生活に見切りをつけることを決断し、母を見習って、夫が海で足をつったときに溺死させた。検死官・マジェットは、今度はシシー(母)に、結婚を承諾するのなら、事故死というニセの死亡証明書を発行すると持ちかけるが、断られてしまう。そんなシシー(祖母)には、シシーという孫娘がいて、シシー(孫)はシシー(母)の姪だった。そのシシー(孫)はつきあっていたベラミーと結婚し、妊娠して幸せに包まれていたが、夫が親族の相次ぐ死を不審に思う人たちの周回に参加したことから、その夫をプールで溺れさせて殺してしまった。すると検死官・マジェットは、シシー(孫)に対して、事故として処理するから言うことを聴くように持ちかけるが、それを拒否されて憤慨した。しかし、3人の夫の親族と、それに同情する人々の声は次第に高まっていって、3人のシシーは追いつめられていく。で、3人のシシーは協力してマジェットを誘い出すと、ボートの上でマジェットを殺害し、船に水を引き始めて葬ったのだった...
劇中に「1」から「100」までの数字が散りばめられているので、それを探すという楽しみもあるのだが、それに気を取られていると、本作のブラックな所に置いて行かれてしまうことになる。そのため、まずは物語に集中して、グリーナウェイ監督の独特の映像美による不思議な世界のミステリーを楽しむことにして、その後で新ためて「1」からの数字を探すということで、二度、三度楽しむというのが宜しいかと...
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