「DINNER WITH THE VAMPIRE」 [映画(洋画)]
表題の作品は1988年のイタリア映画「バンパイア 最後の晩餐」である。日本での劇場公開は1989年4月であった。独特の感覚を持ったニューウェーブ吸血鬼映画である。
作品データを記しておくと、時間は91分、原案はルチアーノ・マルチーノ、製作と監督はランベルト・バーヴァ、脚本はダルダーノ・サケッティとランベルト・バーヴァの2人、撮影はジャックフランコ・トラサント、音楽はサイモン・ボスウェルである。そして出演は、ジョージ・ヒルトン、リカルド・ロッシ、パトリシア・ペレグリーノ、ヴァレリア・ミリッロ、ダニエル・アルドロバンディ、イゴール・ザレウスキー、たちである。
新たなホラー映画が製作されると言うことで、そのオーディションが行われた。そして歌手志望のリタ、ダンサー志望のモニカたち、3人の女性と1人の男性が選ばれた。そして4人は監督のユーレックの古城に招かれた。古城は召し使いジル、黒衣の男たちがうろついている不気味な場所だった。晩餐の始まる前に4人はユーレックの吸血鬼映画を見せられた。そして晩餐が始まると、ユーレックは、自分は4000年前から生きている吸血鬼で、永遠の命ゆえに続く退屈な生活に嫌気がさし、生きることに疲れたので殺してくれ、ヒントは先の映画とドリアン・グレイだ、と語った。そして、朝までに殺さなければ、逆に4人は血を吸い尽くされるという。で、ユーレックは巨大なコウモリに変身した。4人は戸惑うものの、ユーレックの言葉に従って謎を解いていくが、ユーレックやゾンビたちに邪魔をされながらの謎解きとなる。やがて4人は、ユーレックの魂がドリアン・グレイの肖像のように映画に封じ込められていることに気付き、映画フィルムを焼くことでユーレックを倒したのだった。
'80年代には「新感覚」と呼ばれるホラー映画(特に吸血鬼もの)が生まれていて、それまでにはない新たなモンスターの一面が出てくるようになったが、本作はそういう新感覚の吸血鬼ものの一本である。特に、イタリア映画の場合は、本格的なものと、完全な亜流作品というB級、C級作品とがはっきりと分かれているが、本作は前者に含まれる。
舞台となる古城が何とも言えない雰囲気が出ていることもあって、上手くまとめられている作品である。ただ、純粋なホラーではなく、コミカルな要素が部分的にあるのが良いスパイスになっているなど、従来のホラー映画とは違っている部分もある。(正に「ニューウェーブ・ホラー」ということになる。)ということなので、チェックしておきたい1本である。
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