DIVORZIO ALL'ITARIANA(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1962年のイタリア映画「イタリア式離婚狂想曲」である。日本での劇場公開は1963年1月であった。また、英語タイトルは「DIVORCE-ITALIAN STYLE」であった。イタリア産の風刺コメディ(カトリックは離婚を禁じているという所がポイントで、その点をいたぶっています。)であるが、本作はアカデミー賞で脚本賞を受賞している作品でもある。
作品データを記しておくと、時間は107分、白黒作品である。監督はピエトロ・ジェルミ、脚本はピエトロ・ジェルミ、エンニオ・デ・コンチーニ、アルフレード・ジャンネッティの3人、撮影はレオニーダ・バルボーニ、音楽はカルロ・ルスティケリである。そして出演は、マルチェロ・マストロヤンニ、ダニエラ・ロッカ、ステファニア・サンドレッリ、レオポルド・トリエステ、オドアルド・スパダーロ、ランド・ブッツァンカ、ピエトル・トルディ、ウーゴ・トレンテ、ニーノ・カステルヌオーヴォ、マルガリータ・ジレリ、アンジェラ・カーデル、たちである。
シチリアの没落貴族であるフェルディナンド・チェファル。彼は結婚12年になる妻・ロザリアがいたが、1年半ぶりに自宅に戻るところであった。が、これには色々と訳があった。というのは、彼は美しい従妹で、当時17歳だったアンジェラに憧れを抱き、口うるさい妻との生活に嫌気がさしたこと、更にアンジェラも自分を愛しているということを知ったため、アンジェラとの恋を固く誓い、それからある計画を実行したためだった。
この国はカトリックの国と言うことで、法律で離婚が認められていなかった。また、落ちぶれたとは言っても貴族という家柄から周りの目がある。ということで、彼とアンジェラとの恋に希望は無かった。で、フェルディナンド、罪に問われること無く、ロザリアを殺してしまうことを考えた。ある日彼は、法律で、配偶者、娘、姉、妹が不法な肉体関係を結んでいて、それを発見して激昂の上殺害した場合は、普通の殺人よりも軽い刑で済むことを知り、これだ、と閃いた。で、妻の浮気相手として、彼女の初恋の画家・カルメロを選び、邸の壁画修理をするという名目で2人を近づけた。そしてカルメロとロザリアは駆け落ちしてしまい、フェルディナンドは妻を寝取られた男として街中の嘲笑を浴びることになった。が、これは彼の計画通りで、妻・ロザリアを殺す口実となった。しかし、そんなフェルディナンドの腰抜けのために、妹・アニエーゼは婚約を解消されしまい、アンジェラの父はこの騒ぎで心臓発作を起して死んでしまうという不幸もあった。やがて、フェルディナンドは駆け落ちした2人の行先を知ることになり、いよいよロザリアを殺すために現地に向かった。が、彼が到着した時、カルメロの妻が夫に復讐していて、血の海になっていた。そんなため、ロザリアも程なく殺した。そして裁判で、最低の3年の刑という判決が出た。しかし、恩赦があって1年半で釈放され、アンジェラの待つ自宅に戻るところだった。アンジェラは父の遺産を受け継いでいたこと化せ、2人は新婚ながら金持夫婦となり、町の人たちも彼を英雄のように迎え入れたのだった。
何と言っても、普通ではない発想が凄いところであって、余りにも常識外れで突拍子もない展開であるが、こういう発想がある所がイタリアらしいところであって、陽気な国である。しかも、それをコメディ・タッチで描いているため、お伽噺のように感じられてしまう。
ただ、本作はアンジェラを演じるS・サンドレッリが余りにも魅力的だからこそ成り立っている所も大きく、キャスティングの妙があってこそ成り立っている物語でもあるのは言うまでも無いですが...
尚、こういう発想は、現在だと余りにも非倫理的として、こういう作品は絶対に不可能でしょうね。お堅い所から火だるまにされてしまうのは確実でしょうし...そういうこともあるのか、ソフトも無いのは残念...→かつてはLDでリリースされていたのですが...)
が、サントラ盤の方はあるので、そちらを取り上げておきます。
収録曲は、ボーナス・トラック扱いの1曲を含めて以下の全15曲である。『Song Of Love』『Traffic』『Funeral March』『Lawyer's Prayer』『Trattoria』『In Love』『Murder Of Wife And Love』『Music Of Love』『Divorce』『Furtively』『Trial』『Deceit And Gossip』『Fefe』『Serenade』『Bonus Suite Of Additional And Alternate Cues』。
コメディ作品のサントラらしく、コミカルなところがあるだけでなく、シリアスな所もあって、これだけでも映画本編が面白く、楽しいところもあることが分かる内容である。映画とセットで楽しみたい所であるが、現在ではソフトが無いというのが重ね重ね残念である。(LDは実に貴重ということになります。)
↓こういうものがありました。
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