「THE EAGLE AND THE HAWK」 [映画(洋画)]
表題の作品は1933年のアメリカ映画「鷲と鷹」である。戦争の悲劇を描いた反戦映画であり、スカイ・アクション映画である。(本作製作時は第二次大戦前なので、当然のことながら本作で言う「戦争」とは第一次大戦(当時は「欧州大戦」と言っていました。)のことである。)
作品データを記しておくと、時間は73分、原作はジョン・モンク・サウンダース、監督はスチュアート・ウォーカー、脚本はボガート・ロジャースとシートン・I・ミラーの2人、撮影はハリー・フィッシュベックである。そして出演は、フレデリック・マーチ、ケーリー・グラント、キャロル・ロンバード、ジャック・オーキー、サー・ガイ・スタンディング、フォーレスター・ハーヴェイ、ケネス・ハウエル、ヴァージニア・ハモンド、ダグラス・スコット、ロバート・マニング、エイドリアン・ダンブリクール、たちである。
欧州大戦(第一次大戦)が勃発すると、金持クラブに所属していたジェリー・ヤングは、建築技師・ヘンリー・クロッカー、洒落の名人・マイク・リチャーズたちと共にイギリス空軍に志願して入隊する。しかしジェリーは乱暴者のヘンリーが好きになれないでいた。やがてジェリーとヘンリーが偵察飛行を命じられるが、ジェリーはそれを拒否した。まもなくフランス戦線に立った彼らは、偵察飛行にでたジェリーが敵機を落として帰還したことから変わり始める。特に、ジェリーは同乗した将校が次々と倒れていったこともあって戦争懐疑症にとりつかれてしまう。そんな中、ジェリーとヘンリーの仲が悪いことを知らないダンハム少佐は、2人を同じ機に乗せた。その飛行で敵の観測気球を見つけると、ヘンリーは気球を射落とし、更にパラシュートで避難中の敵将校に対して乱射して皆殺しにした。ジェリーはヘンリーの残忍性をまざまざと見せつけられ、より嫌悪するが、その腕の方は認めざるを得なかった。そして、2人が乗る偵察機は、次々と武勲を揚げていき、連合軍の花形となって敵に恐れられる存在となった。しかし、ジェリーの神経は参っていた。反目しているヘンリーも、少佐に頼んでジェリーに休暇を取らせた。そしてヘンリーはマイクの機に乗ることになる。休暇をロンドンで過ごしたジェリーが帰隊した日、マイクが戦死した。それはヘンリーが無理に敵の花形機と渡り合った結果だった。それを知ったジェリーはヘンリーの同乗を拒絶し、少年偵察士を乗せてマイクの敵を討とうとして飛び立った。目指す敵機が目の前に現れると、ジェリーは宙返りを行うが、少年偵察士は機から墜落してしまう。が、ジェリーは憤然と敵に向かっていき、遂に撃墜した。こうしてマイクの仇討ちをしたが、墜落させた敵機のパイロットが少年だったことで、ジェリーの心は崩壊寸前となる。帰還したジェリーは英雄扱いされるが、祝宴も受け付けなく、ジェリーは倒れてしまう。ジェリーの心に同情したヘンリーが付き添い、翌日2人は出撃した。が、ジェリーは敵との交戦中に胸を射抜かれて、空の勇士として名誉の戦死を遂げた...
製作時期が時期(昭和一桁の時代で、映画もトーキーが登場して間もない頃である。)であるが、空中戦のシーンはなかなか迫力がある映像になっている。(当然、最新のCGによる映画とは比べてはならないですが...)また、単なる戦争映画ではなく、反戦というスタンスを基本にして描いているだけに、強いメッセージが伝わってくる。
隠れた名作の1本として、これは是非、見ておきたい作品である。
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