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「ELENI」 [映画(洋画)]

表題の作品は1985年のアメリカ映画「哀愁のエレーニ」である。日本での劇場公開は1985年12月であった。N・ゲイジの小説の映画化作品であって、ギリシャを舞台にしたサスペンス・タッチの人間ドラマである。

作品データを記しておくと、時間は118分、原作はニコラス・ゲイジ、監督はピーター・イエーツ、脚本はスティーヴ・テシック、撮影はビリー・ウィリアムズ、音楽はブルース・スミートンである。そして出演し、ケイト・ネリガン、ジョン・マルコヴィッチ、リンダ・ハント、オリヴァー・コットン、ロナルド・ピックアップ、ロザリー・クラッチェリー、グレン・ヘドリー、ディミトラ・アーリス、アルフレッド・モリナ、スティーヴ・プリータス、たちである。

第2次世界大戦終結直後ギリシャは、政権政府軍と革命派の共産ゲリラとの内乱が続いて混乱していた。アルバニアとの国境近くにある寒村・リアでは、若妻・エレーニが、アメリカに出稼ぎに行っている夫・クリストスの留守を守ッテ、4人の娘と1人息子・ニックと共に暮らしていたが、内乱に巻き込まれてエレーニは死んでしまう。それから30年後、ニューヨーク・タイムズの記者となっていたニックは、亡き母・エレーニの死の真相を知りたいという思いから、アテネ支局へ単身赴任した。妻・ジョーンは反対したが、老いた父は何も言わなかった。ニックは直ぐに調査を開始して、故郷の村などを訪ねていく。

30年前、内乱が激しくなり、ゲリラ軍はリア村を占領した。エレーニの家は占拠され、村人たちは強制労働に、ある年齢以上の子供は兵役に回される。そんな中、エレーニは長女に大火傷を追わせ、兵役を免れたが、それに代わって次女がゲリラ軍に取られてしまう。エレーニの親友・カティナは子供を取られることを絡めてゲリラ軍の指揮者・カティスを非難したため、銃殺されてしまう。エレーニは村人たちと共に村を脱出する計画を練った。しかし、実行の前夜、彼女はカティスに呼ばれたことで、脱出は子供たちだけで行われ、成功した。それを知ったカティスはエレーニを拷問し、銃殺刑にしたのだった。こうしてニックは母の死の真相を知った。で、ニックは、年老いて、現在はアテネに住んでいるカティスの元を訪ねた。そして銃口を彼に向けたものの、カティスの幼い孫娘を目にすると、彼はカティスを殺すことを諦めた。母は我が子を愛するために殺され、その愛に報いることは復讐ではなくて自らの妻や子たちを愛することだと悟ったのだった。こうしてニックは、母の気持ちを初めて理解して、ニューヨークヘ帰っていった。

謎解きの部分をサスペンス・タッチで描いていることが物語に緊張感を与えることになって、メリハリに繋がっている。しかし、映像的には派手な所がなく、人間ドラマとしてじっくりと描くことに力が注がれている。それだけに、人間ドラマとしての深みが出ている。

また、所々に見られる美しいギリシャの景色も見所の一つとなっているだけに、色々と見所のある作品である。ただ、ソフトの点で恵まれていないのが残念である...

 

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