太田裕美『こけてぃっしゅ』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1977年7月に発表された彼女の6枚目のアルバムである。本アルバムからはヒット曲『九月の雨』が生まれているが、同時に彼女の全盛期に幕を下ろすことになるアルバムでもある。内容的には、A面(5曲目まで)を「GIRL SIDE」、B面(6曲目以降)を「LADY SIDE」としていて、上手くまとめている。
収録曲は以下の全10曲である。『夏風通信』『レインボー・シティ・ライト』『心象風景』『自然に愛して』『太陽写真』『恋愛遊戯』『トライアングル・ラヴ』『ロンドン街便り』『暗くなるまで待って』『九月の雨』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。まずはアルバムから2ヶ月先行する形でリリースされた『恋愛遊戯』(B面曲は『心象風景』)で、オリコンで13位を記録している。そしてアルバムリリースから2ヶ月語の9月にリリースされた『九月の雨』(B面曲はアルバム未収録の『マニキュアの小壜』、但し、アルバム・バージョンとはアレンジが異なっている。)で、オリコンで7位を記録している。
お薦め曲は『夏風通信』『心象風景』『恋愛遊戯』『トライアングル・ラヴ』『ロンドン街便り』『九月の雨』という所をピックアップしておくが、やはり『九月の雨』は良い曲ですね。
前作までのサウンドはフォーク調を基本としていたが、本作ではそれがポップな方向に向かったことで、サウンドに変化が見られている。そして、彼女のボーカルの表現力が高いことを改めて知らしめることになり、シンガーとしては高く評価できるところである。
が、このサウンドの変化には賛否両論あって、以前の路線も捨てがたいという声も多かった。が、サウンドの変化というのは進化のステップでもあることを考えると、悪いものではない。ただ、それが受け入れられずに、以後はヒットに恵まれなくなるので、アーティストとしては成長であっても商業的には成功したとは言えない、ということになったのですが...
とは言っても、本アルバムから生まれたヒット曲『九月の雨』は、現在でも毎年9月になると耳にすることのある定番ソングとなっていることを考えると、これはこれで大きく評価できる處であるのは言うまでもないところですが...
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