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名簿の品質 [選挙関連]

参院選に関することを記すのも8回目となるが、今回は、前回の選挙ハガキの送付のために作成した名簿に関してのPART 1です。

最近は個人情報保護法の影響もあって、以前よりも名簿管理を厳しく行う必要がある。また、名簿業者の方も何かと法的な規制を受けている。学校の卒業生名簿についても、例えその学校の卒業生であっても以前のように簡単に入手しにくくなっている。また、緊急連絡がある場合の「(電話)連絡網」というものも、昔はあって当然であったが、現在では個人情報保護の観点から絶滅している。

そういうこともあって、現在では、学校の卒業生名簿などはとても貴重なものになっている。特に卒業生名簿は、OB会などがメンテを行っていることもあって、データも信頼度が高い。(その分、名簿業者が高値で買ってくれる、という誘惑があるのも事実である。が、その分、管理も厳しく行われているのは言うまでもない。)また、中には、3桁郵便番号が7桁郵便番号に変わった時、本人からの連絡の有無にかかわらず、住所から7桁郵便番号に変換するという作業を行ったり、市町村合併によって自治体名が変更になった場合にはそれに対応するなど、OB会によっては名簿の品質維持に努めている所もたくさんあるだけに、そういう名簿の品質は高いものである。

政党組織がしっかりしているころであれば、政党の有する名簿(支援者名簿や党員名簿)を使えばいいが、そういうものを有していなければ、やはり(候補者、その配偶者の)卒業した学校の卒業生名簿が一番ということになる。(更に、支援者が(自分の卒業校の)名簿を提供してくれれば、大いに助かることになる。)

ただ、卒業校といっても、小学校、中学校、高校、大学などがあるが、それぞれの卒業生名簿が使えるかというと、「はい」とは言えない。

というのは、選挙の場合は、自分が立候補した選挙区の有権者にハガキを送る必要があるため、それ以外の選挙区に住んでいる人はハガキを出しても無意味ということになる。つまり、名簿からデータを入れる時、立候補している選挙区在住者のみを抽出する必要がある。(参院選は都道府県単位であるから、その作業は比較的楽にできるが、衆院の小選挙区の場合は結構手間が掛かります。特に、1つの自治体が複数の小選挙区に分割されている選挙区だと、実に大変なことになる。→ここには記さないが、細かく調べれば、比較的楽に出来る方法がありますけどね...)

そのため、小学校や中学校の名簿は、選挙区から離れている場所の学校であれば、ほぼ使えなくなる可能性が高くなる。(一方、ずっと地元の学校に通っていて、地元から立候補するのであれば、小学校の名簿も使える可能性が高くなる。)

また別の観点から見ると、大学の名簿の場合は、会社は違っても自分と同じ業界に進んでいる人が多いというように、意外としがらみがあるなど、ハガキを出しても効果が期待できないという可能性が高くなる傾向がある。(ただ、学閥が強い業界であれば、それが強みになることもある。)

そういうことを考えると、高校の名簿が意外と有用となる。実際、大学の同窓会よりも高校の同窓会の方が繋がりが深かったりしているもので、大学の同級生よりも高校の同級生とのつきあいの方が、今でも強いということもあったりします、

名簿自体が(OB会などによって)フォローされていて、引っ越した場合の住所変更がしっかりとフォローされていれば、その名簿は信頼度が高いということになるが、紙名簿を使おうとすれば、そのデータは古いものであるため、変更が多くて信頼度が低くなる。(とはいっても、100%使えないという訳ではない。)

また、名簿によっては、同窓生だけではなく、親の名前も掲載されているものもある。(在校生名簿だと、これが当たり前である。)同窓生の方は家を出ていて別の所に住んでいても、親はそのままの場所に住んでいることもあるため、親の名前を使うということもある。しかし、名簿作成時からの歳月の流れている日数が多いため、引っ越しの可能性がより高くなったり、場合によっては鬼籍に入っているという可能性もあるため、信頼度は落ちるのは言うまでも無い。

ただ、その人が引っ越していても、ハガキを出すのは名簿にある住所であっても全く問題はない。但し、「宛先人不在」とか「宛先に該当する人はいません」というように「宛先人不明」ということで戻って来るだけで、郵便局の売り上げに貢献するだけで、宣伝という役割は全く果たせませんが... →条件はあるが、選挙ハガキの費用が公費負担であるため、戻って来るハガキがあっても候補者の懐は全く痛まないので、ダメ元でいいから出そう、ということもあり得ますね。こういう無駄を削減するには、選挙ハガキの場合は、戻って来たハガキについては公費負担しないとすれば良いが、そうしようとすると郵便局の負担が大きくなり、郵便局がしっかりと管理しなければならなくなるので、まず不可能でしょうが...

とは言え、出したハガキをしっかりと管理していれば、戻って来たハガキのデータをフィードバックさせれば、その人はそのデータの場所にはいない、ということから、名簿から削除するということにして、選挙ハガキ用名簿のメンテを行っておけば、次の選挙に備えると言うことはできますけどね...(次の選挙まで時間があると、今回は在住者であっても、次は引っ越している可能性も生じることにはなりますが...)

たかが「名簿」、されど「名簿」ということなのか、「名簿」って以外と奥が深いものである。いずれにしても、当たり前のことであるが、名簿の情報の品質が重要であるということに変わりはありません。(その品質維持のための努力がそれぞれの名簿管理者(団体)の腕の見せ所ということでもある。)

 

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