HEART『PRIVATE AUDITION』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された6枚目のスタジオ・アルバムである。アン&ナンシー姉妹を中心としたバンドとしては相変わらずであったが、'80'sに入ってからのHEARTはセールス的にも苦戦するようになっていた。('85年に見事復活することになる。)本アルバムは、現在でこそ評価されているが、発表当時は苦戦して、彼女たちのアルバムとしては本国アメリカで初めてTOP 20入りを果たすことが出来なかったアルバムとなった。そのことから、出来は今ひとつとされているが、内容の方は決して悪いものではないのは、現在では再評価されていることからも伺い知ることが出来よう。
尚、本アルバムのチャート成績は、アメリカでは最高位25位、カナダで最高位21位、イギリスで最高位77位を記録している。また、セールスの方が苦戦したこともあって、過去5枚のアルバムはプラチナ・ディスクやゴールド・ディスクを獲得しているが、本アルバムはゴールド・ディスクを獲得するだけのセールスに達しなかった。
収録曲は以下の全11曲である。『City's Burning』『Bright Light Girl』『Perfect Stranger』『Private Audition』『Angels』『This Man Is Mine』『The Situation』『Hey Darlin' Darlin'』『One Word』『Fast Times』『America』。
この中からシングル・カットされたのは4曲である。1st.シングルの『This Man Is Mine』はBillboardのHOT 100で最高位33位を記録しているものの、本アルバムからのシングル曲では唯一のHOT 100にランクインした曲となった。また、同メインストリーム・ロック・チャートでは16位を記録している。2nd.シングルの『City's Burning』はBillboardのメインストリーム・ロック・チャートで15位を記録しているが、3rd.シングルの『Bright Light Girl』と4th.シングルの『The Situation』はチャートインを果たせなかった。
お薦め曲は、シングル曲の『This Man Is Mine』『City's Burning』『Bright Light Girl』、更にアルバム・タイトル・ナンバーの『Private Audition』、そしてラストの『America』をピックアップしておく。
セールスという面では確かに失敗作という結果になってしまったが、内容の方は決して悪いものではなく、アンのボーカルは緩急もあり、色々とたっぷりと聴かせてくれている。ということで。アルバムの内容はセールスと比例関係に無いということを教えてくれるアルバムの一つであって、本アルバムのようなアルバムのことを「隠れた傑作」というのである。
しっかりと聴いておきたいアルバムの一つであって、通好みのアルバムである。
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