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DARYL HALL & JOHN OATES『PRIVATE EYES』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年に発表されたものであり、本アルバムの大ヒットによって彼らは不動の人気ポップ・デュオとなる。彼らのサウンドを確立させたアルバムである。セールスの方も好調であり、1982年のBillbpars年間アルバム・チャートでは16位、レギュラー・チャートでは最高位5位を記録している。また、本アルバムからは2曲の全米No.1ソングが生まれているが、ちよっと面白いことになっている。というのは、1981年の11月から翌1982年の1月には、当時、連続1位獲得の最長タイ記録を樹立したOLIVIA NEWTON JOHNの『Phisical』が10週連続1位の座を獲得したのだが、この『Phisical』の前の1位の曲が『Private Eyes』であり、後の1位が『I Can't Go For That (No Can Do)』なのである。つまり、OLIVIAの大記録はHALL & OATESによって挟まれていて、HALL & OATES次第では、タイ記録にならなかったり、新記録になっていたのかも知れないのである。(HALL & OATESにしたら、奪われた1位の座を次のシングルで奪い返したとでも言ったところになっている... →10週連続1位というOLIVIAも凄いが、2曲続けて1位を獲得するHALL & OATESもまた凄い!)

収録されているのは以下の全11曲である。『Private Eyes』『Looking For A Good Sign』『I Can't Go For That (No Can Do)』『Mano A Mano』『Did It In A Minute』『Head Above Water』『Tell Me What You Want』『Friday Let Me Down』『Unguarded Minute』『Your Imagination』『Some Men』。この中からは、前述の2曲のNo.1ヒットと、『Did It in a Minute』が全米TOP 10入りとなるヒットを記録している。(この曲は1982年のBillboard年間シングル・チャートでは66位、レギュラー・チャートの最高位は9位)尚、『Private Eyes』は1982年のBillboardねんかんしでは44位、1位の座は2週間、『I Can't Go for That (No Can Do)』は1982年のBillboard年間シングル・チャートでは15位、1位の座は1週間である。ということで、この3曲に目が入ってしまうが、それ以外にも彼ららしい曲があり、『Head Above Water』『Your Imagination』といった所もシングル・カットすれば全米TOP 10ヒットとなったであろうと思えるキャッチーであり、ポップな曲である。

アルバム全体はミディアム・テンポを中心としたポップなテイストに満ちているが、シンプルな構成とリズミカルでテンポの良いとても聴きやすいポップスが集まっているが、DARYLのボーカルもポップな歌い方ではなく、ソウルフルなところをしっかりと披露しているし、聴き入ってしまうことになる。また、JOHNも『Mano A Mano』では持ち味を発揮していて、二人のコンビネーションが高い次元で融合した傑作アルバムである。

'70'sの時代から、それなりのヒット曲を放ってきた彼らであるが、前作「VOICES」から本作、更には「H2O」と続くこの時期はまさに絶頂期でもある。'80'sサウンドを聴くのであれば、本アルバムの存在を無視することは出来ない一枚であり、彼らの代表作と言えば、現在でもライブでの扱い方、またCMソングにも使われた知名度の高さで、やはり本アルバムだと言うことが出来る。たっぷりと堪能しましょう。 

 

Private Eyes

Private Eyes

  • アーティスト: Hall & Oates
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 1997/11/11
  • メディア: CD


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DEEP PURPLE『IN ROCK(25TH ANNIVERSARY)』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1970年に発表されたハードロックの古典であるが、今回ここで取り上げるのは、その25周年を記念してリリースされた方である。オリジナル盤では収録曲は全7曲であったが、25周年盤では13のボーナス・トラックが追加されて20トラックになっているが、その内の6トラックは『Studio Chat』であり、これは曲ではなく、曲間のおしゃべりであるため、曲としては7曲のボーナス・トラックということで、収録曲は全14曲ということになる。で、時間の方も約78分ということで、CDに収録できる時間の上限にかなり近い数字となっている。(1982年にCDが登場した時は、規格で上限時間は74分42秒であったが、記録のやり方の工夫によって80分まで伸びました。現在では問題となることはないが、CD登場時に世の中に登場した各メーカーのCDプレーヤー1号機や初期のプレーヤーでは、正しく再生できない可能性がありますが、そういうプレーヤーは既に20年以上昔のものということで、現役として使われていることは殆ど無いでしょうね...)

オリジナル盤に収録されている7曲(25周年盤では、この7曲が最初に入っている。)は以下の通りである。『Speed King』『Bloodsucker』『Child In Time』『Flight Of The Rat』『Into The Fire』『Living Wreck』『Hard Lovin' Man』。これに7曲と6トラックの『Studio Chat』の合計13トラックのボーナス・トラックが続く。(7曲の曲間である6ヶ所に『Studio Chat』がそれぞれ1トラックずつ収録されている。)で、ボーナス・トラックの7曲は以下の通りである。『Black Night[Original Single Version]』『Speed King[Piano Version]』『Cry Free[Roger Glover Remix]』『Jam Stew[Unreleased Instrumental]』『Flight Of The Rat[Roger Glover Remix]』『Speed King[Roger Glover Remix]』『Black Night[Unedited Roger Glover Remix]』。ボーナス・トラックの曲はリミックスされたものということで、オリジナル曲とは少し雰囲気が違ったものとなっている。(また、『Studio Chat』は、メンバーの生の声を聴くことが出来るので、これはこれでとても貴重なものである。)

このアルバムについては、ハードロック史に残る歴史的なアルバムであり、ごちゃごちゃという必要はないものであり、ハードロックが好きな方であれば、聴いていて当然の一枚である。それが新たな魅力が加わっての再登場というのは実に嬉しいところである。が、ボーナス・トラックの7曲にいきなり飛びつくのではなく、オリジナルの7曲の方をしっかりと聴いて再確認してからボーナス・トラックの方を堪能しましょう。そうすることによって、より本アルバムの歴史的な価値も分かります。(オリジナル・アルバムが発表された1970年当時の録音技術も分かり、このアルバムが如何に時代を超越していたものであったかが分かります。)でも、筆者としたら、お気に入りの曲である『Child In Time』のリミックスしたものも欲しいところなんですが...(でも、『Speed King[Piano Version]』というのにはちょっと驚きました。)

 

In Rock: 25th Anniversary (UK)

In Rock: 25th Anniversary (UK)

  • アーティスト: Deep Purple
  • 出版社/メーカー: Emi
  • 発売日: 2002/02/25
  • メディア: CD


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COREY HART『FIRST OFFENSE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは、カナダ出身のシンガーであるCOREY HARTの1st.アルバムである。母国カナダでは1983年(11月)に発表されたが、アメリカでは翌1984年にリリースされることになったアルバムである。彼のサウンドは、どちらかというと、技術がどうのと言うよりは表現力豊かな芸術的なセンスの良さが光っていて、拘りを持った職人タイプのアーティストである。本アルバムでは行っていないが、次のアルバムからはセルフ・プロデュースを行うようになり、その拘りようは更に深くなっていくのだが、本アルバムでも、当時21歳であったCOREYの拘りを感じることが出来る。で、シンセサイザーをバリバリと使っていかにも'80'sサウンドという雰囲気の『Sunglasses At Night』がデヴュー曲としてカナダでヒットを記録すると、直ぐにアメリカでもデヴューすることになり、この曲はアメリカでも大ヒットを記録し、一気にスターの座を得ることになった。が、そういうスターへの道は本アルバムの製作時には一切考えていないことであって、彼の芸術家的なセンスが高い評価を得ることになったためのヒットである。

収録されている曲は以下の全10曲である。『Sunglasses At Night』『Peruvian Lady』『Lamp At Midnite』『She Got The Radio』『It Ain't Enough』『Does She Love You』『Cheatin' In School』『World Is Fire』『At The Dance』『Jenny Fey』。

彼のデヴュー・シングルである『Sunglasses At Night』は1984年のBillboard年間シングル・チャートでは36位、レギュラー・チャートでは最高位7位を記録する大ヒットとなり、続く2nd.シングルである『It Ain't Enough』もレギュラー・チャートで最高位16位を記録した。(しかし、こちらは年間シング・チャートのTOP 100には入っていない。)で、前者はテンポのいいロックのリズムに乗ったエレクトリック・ロック・ナンバーであって、その勢いが留まるところを知らなかった「第二次ブリティッシュ・インベージョン」で世界を席巻したサウンドをカナダの田舎の出であるお兄ちゃんがロックをしているという雰囲気に満ちているのだが、カナダもかつては大英帝国の支配下にあったことを考えたら、ちょっと面白いところでもあります。一方、後者の方はミディアム・テンポのボーカル・ナンバーとして仕上げられていて、じっくりと聴かせてくれる。しかも、印象的なサックスのサウンドが巧みに入っていて、懐の広いところをたっぷりと披露している。で、この2曲が本アルバムからは対になって語られるが、それ以外の曲も、細部にまで拘った彼の芸術的なセンスがスパイスのように散りばめられていて、じっくりと聴くのにはお勧めである。(特に『Lamp At Midnite』や『Cheatin' In School』をお薦め曲としておきます。)

カナダ出身のアーティストというと、COREYのように何かに拘りを持っているという印象があるのだが(BRYAN ADAMSもそうですね。)、その拘りは「音楽」の「遊び」に繋がるものではなく、「品位」を高めることに繋がる拘りであるので、大いに歓迎されるところでもある。(が、その拘りがお気に召さない、という方もいらっしゃるでしょうが...)そんな「拘りの一品」である本アルバムは、じっくりと聴き込んでもらいたい一枚である。

 

First Offense

First Offense

  • アーティスト: Corey Hart
  • 出版社/メーカー: EMI America
  • 発売日: 1998/06/30
  • メディア: CD


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