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EMMYLOU HARRIS『CIMARRON』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年に発表されたものであり、'70'sの時代に数々の心に響く歌を発表してきた彼女が'80'sの時代でも健在ぶりを示したアルバムである。カントリーの世界で、数多くのヒット曲を放ってきた彼女であるが、その姿勢は変わっていない。彼女の優しいボーカルを中心として、じっくりと聴かせてくれる曲が集まっている。
 
収録されている曲は以下の11曲である。『Rose Of Cimarron』『Spanish Is A Loving Tongue』『If I Needed You』『Another Lonesome Morning』『Last Cheater's Waltz』『Born To Run』『Price You Pay』『Son Of A Rotten Gambler』『Tennessee Waltz』『Tennessee Rose』『Colors Of Your Heart』。この中で秀逸なのは、やはり彼女のカヴァーがヒットしたことで、改めて名曲だということほ知らしめてくれた『Tennessee Waltz』である。また、注目されるのはBRUCE SPRINGSTEENの『Born To Run』をカヴァーしている所である。雰囲気は随分とオリジナルとは違っているが、こういう曲を彼女が取り上げてそれを自分の世界で表現しているというのは一聴の価値がある。(ロック・ファンにも一度は聴いてもらいたい所である。)
 
元々歌の表現力には秀でたものを持っている彼女であるだけに、そのボーカルには優しさを感じることが出来、安心して落ち着いて聴くことが出来るが、このようなボーカル・アルバムというのは実のところ、意外と少ないものである。(結構、実験的なことに取り組んだりして、それがちょっと心配ということになっているアルバムが実に多い。)本アルバムのように落ち着いて聴くことが出来るものが手持ちのライブラリーにあるだけで、何かの時に安心して落ち着きを取り戻すことが出来るだけに、常備薬の一つとしてライブラリーにくわえられることをお薦めする。(が、たまには聴きましょう!)
 
 
Cimarron

Cimarron

  • アーティスト: Emmylou Harris
  • 出版社/メーカー: Eminent
  • 発売日: 2000/05/09
  • メディア: CD

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ELTON JOHN『21 AT 33』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1980年に発表されたものであり、彼にとっては21枚目のアルバムである。毎年コンスタントにアルバムを発表し続けている彼であるが、'80'sになってもその姿勢は変わらないということを知らしめてくれたアルバムである。本アルバムのヒット(本アルバムはBillboard誌で最高位13位まで上昇した。しかし、年間アルバム・チャートの方はTOP 100にはランクインしていない)によって、彼は'60'sと'70'sに続いて'80'sでもヒットを放ったと言うことになり、3つのディケイドにまたがって活躍するアーティストとなった。(現在では、'90'sと'00'sも加わり、5つのディケイドまで広がっている数少ないアーティストの一人となっている。→それだけ長期にわたってヒット作を放ち続けるELTONはやはり凄い!でも、彼のアルバムには「捨て曲」も結構ありますが、これはご愛敬?)

収録されている曲は以下の全9曲である。『Chasing The Crown』『Little Jeannie』『Sartorial Eloquence』『Two Rooms At The End Of The World』『White Lady White Powder』『Dear God』『Never Gonna Fall In Love Again』『Take Me Back』『Give Me The Love』。

本アルバムからは、何と言っても『Little Jeannie』である。この曲は大ヒットとなり、1980年のBillboard年間シングル・チャートでは16位、レギュラー・チャートでは最高位3位を記録する大ヒットとなったハートフルなラブ・ソングである。この曲のために本アルバムを入手するだけの価値が十分にある一曲である。(尚、この曲以外の曲は、言葉は悪いが「捨て曲」近い曲である。)この曲以外の曲ではシングル・カットされた『Sartorial Eloquence』や聴かせてくれる『Two Rooms At The End Of The World』があるが、全体的には小粒という印象があります...(この辺りが、本アルバムが年間アルバム・チャートのTOP 100に残るようなヒットにならなかった理由でしょうか?)

この時期のELTONと言えば、1976年に発表した「BLUE MOVES」の後で低迷期に入っていた(それでも、それなりのセールスを記録し続けている)のだが、本アルバムではそれを打破するところまではいかず、もうしばらく彼の低迷は続くことになる。(低迷期から脱出するのは1982年の「JUMP UP!」まで待つことになる。)が、'80'sという新しい時代を迎えて復活の確かな手応えを掴むことになったアルバムである。'80'sサウンドを楽しむ上では、まもなくやってくる'80'sの彼の活躍の兆しとなったアルバムであり、後のヒット曲に繋がる『Little Jeannie』だけでも本アルバムからは聴いておいてもらいたいところである。それにしても、彼のアルバムをリリースするペースの早さはそれだけでも感心するところである。

 

21 at 33

21 at 33

  • アーティスト: Elton John
  • 出版社/メーカー: Universal
  • 発売日: 2003/05/05
  • メディア: CD

 


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ケータイ刑事銭形舞9話[改訂版] [ケータイ刑事]

前回からの「銭形舞」は、過去に一度記したものをベースとして、時事ネタに関する部分は修正し、物語については加筆を行い、「[改訂版]」とすることにしたが、この調子で最終回までいきます。尚、今回の物語について、過去に記したものをご覧になるのであればここをクリックして下さい

第9話は「最強の心理学者VS銭形舞」ということで、サブタイトルに「VS」という文字が入って銭形姉妹と対決をしたのは、「・16話」の小学生検事・多摩川ドイル以来のこととなり2人目である。(そのドイルくん、「・11話」「・2nd.11話」「・1st.5話」にも登場します。(泪ちゃんにだけは挑みませんでした。))が、今回の古糸教授は逮捕されたので、後に再挑戦はしていません。(「VS」で何度も挑んでくるのは「・2nd.5話」に初登場した怪人○面相(この時は十面相)がいる。次は「三面相」となって、雷ちゃんに再挑戦するでしょうか?)ということで、この「VS」シリーズは登場するキャラクターが楽しみである作品でもある。で、今回の古糸教授は心理学者ということで、なかなか面白いシーンが出てきます。(心理学というのは、色々と興味はありますが、学ぼうとすれば奥が深くて難しくて...)

しかし今回のMBSの再放送はこの物語は飛ばされてしまい、次の第10話が放送されました。(最終回までまだ数回あるから、順番を入れ替えて放送する可能性もゼロとは言えませんが、次回予告は第11話でしたから...)しかし順番に記しているので、この物語についても記すことにしました。(筆者は「銭形舞」もしっかりとDVD-BOXを持っていますから、放送が飛ばされても関係ありませんが...))→よって、今週は「銭形舞」[改訂版]を2本UPすることになります。で、いつもの通りの長文&(今更ながらの)ネタバレありで、本編に行きます。(MBSの再放送を追いかけていて、今回この物語を見ることが出来なかった方も、読んでいただければ幸いです。(でも、2年9ヶ月前にBS-iで放送されたのを始め、約1年7ヶ月前にはMBSでも一度は放送されているので、ご覧になっているでしょうが...))

大江戸女子大に「事件だ!」と言って舞ちゃんがやってくる。で、構内で柴田さんを発見したため、「現場は何処ですか?」と尋ねる。が、柴田さんはきょとんとした顔をして「現場?」と訳が分からない様子。そうしていると舞ちゃんと柴田さんは5号館の入口にやってきて、そこで五代さんと出くわす。五代さんは舞ちゃんに「遅いよ」と言うと「もう事件終わっちゃったんですか?私がいないのに?」と舞ちゃん。すると五代さんは「聴いて驚くな、ついに俺も大学の先生よ」と言って上機嫌。というのは、五代さんは「女性のための護身術教室」の講師として招かれたのだった。すると「な~んだ、事件でも何でもないじゃん。一日講師しただけなんでしょう」と冷ややかな視線で五代さんを見るが、「大事件ですよ」と五代さんは女子大生に「先生」と呼ばれたということがよほど嬉しかったようです。そうしていると、舞ちゃんたちは女性の悲鳴を耳にする。で、舞ちゃんたち3人はその悲鳴のした方に走っていった。

「警察です」と言って警察手帳を見せる五代さんと舞ちゃん。(柴田さんは警察手帳を持ったふりをしているだけ。→警察の人間ならばちゃんと警察手帳を携帯していて、提示するときはしっかりと提示しなければなりません。)「何かあったんですか?」と五代さんが尋ねると、中から「無いの」と言いながら、心理学科3年の仲さや香(なか・さやか)が出てきた。彼女は梨田教授がナイフで刺されて死んでいたのを見たが、警備員を呼びに行っている間に死体が無くなったというのである。「見間違いじゃないの?」と言う五代さんに「見間違いじゃないわ。先生が天井から逆さに吊されていた」「口を開けて苦しそうに...」と証言する。が、さや香が死体があったという場所には何もなかった。舞ちゃんはさや香に「こちらには何時頃来られたんですか?」と尋ねると「3時よ」とさや香。で、携帯で時刻を確認する舞ちゃん。時刻は15:05であった。で「あの悲鳴からまだ5分しか経っていない。ということは犯人はまだ近くにいるはず」と考えて、舞ちゃんは警備員さんに「大学を至急閉鎖してください」と指示を出して敬礼をする。(この辺りはやっぱり警視です。なかなかカッコイイ!)で、警備員が出て行くのとすれ違いに一人の男がやってきた。

男は「君たちの問題はゲシュタルト理論で説明可能だ」と言うと、説明を始めた。で、さや香は疲労困憊の最中にそこにかかっている白衣を見て、それが人間の姿に見えたために勝手に梨田教授と解釈してしまったというのである。が、柴田さんは「古糸教授、お会いできて光栄です」と、その男を知っていて、感激している。その男は犯罪心理学界のフロイトと言われる第一人者の古糸慈具月教授であった。(いつものことながら、柴田さんはマニアックな人をしっかりと知っているものですね。)で、古糸教授は一枚の絵を見せて、「さや香くん、この絵は何に見える?」と尋ねる。「こうもり、狼、カブトムシ」と答えるさや香に、いずれも「違う」と古糸教授。「じゃあ何なの?」と言うさや香に「単なるインクのしみだ」と言う。そして、「人間は何かを見るとき、自然と何かに当てはめようとするものなんだ」と言うが、この答えだと、想像力のない超現実的な狭い視野しか持っていない人だと思われるだけだと思うのですが...(また、こういう場合の回答ならば、「原子の集合体」と答えておいたら、少なくとも間違っているということはないと思います。)

しかし、五代さんは「こちら関係者以外は立ち入り禁止なんですが」と言うと、古糸教授は「大江戸女子大学精神心理学科教授・古糸」と自己紹介をする。(「心理学」ということで、この名前はオーストリアの精神医学者・フロイト教授の名前をもじっています。)そして、柴田さんに対して「君は半端じゃなく胸の大きな女性が好きなんだね。既に気持ちを抑圧していて他人に服従的だ」と言う。(これって、前回の第8話でのことを早速言われていますね...)続いて五代さんには「おしりの大きい女性が好きなんだねぇ。君は非常に受け身的だ。秩序を好んでいるね。それから女性に振り回されるタイプ、気をつけた方がいいよ」と言う。(こちらもその通りですね。)更に舞ちゃんには「アンパンマンよりバイキンマンが好きなタイプだな」(って、どういうタイプなんでしょう?)が「アンパンマンの方が好きですけど」と舞ちゃんは言葉を返す。が、「やっぱり非常に反抗的だ。捻くれている」と言う古糸教授。そして「気づいていないかも知れないが、君はバイキンマンが好きなタイプなんだよ」しかし、舞ちゃんは「決めつけないでくださいよ」と言うも、それ以上は相手にしないでおこうとして、口をとがらせるとその場を離れる。続いてさや香のことを分析しようとするが、五代さんが割って入り「女性に振り回されるタイプの私は結婚には不向きなんでしょうか?」と尋ねるが、舞ちゃんの「血痕がありました」と言う声がする。で、五代さんは「血痕はするものなの、あるものではないの」と言うが「だから血の痕があったんです」と言って床を指し示す。すると確かにカーペットに血痕があった。で「やっぱり殺されていたんだわ」とさや香。

すると舞ちゃんの携帯に「警視庁から入電中」というお馴染みの着ボイスにより事件発生を知らせるメールが届く。事件は世田谷区ドリーム会館横(大学の近く)で殺人事件発生というものであり、被害者は大江戸女子大学人文学部心理学科教授・梨田創(なしだ・そう)であった。

その現場にやってきた舞ちゃんたち。古糸教授が被害者は梨田教授に間違いないと確認する。が、舞ちゃんはいきなり「この遺体って変ですよ」といきなり疑問を口にする。それは、さや香の証言によれば、梨田は逆さに吊されてナイフを刺されて死んでいたのに、目の前の遺体のポケットには複数のペンがきれいに入っていたためであり、死体を運んだ後にわざわざポケットにペンを入れ直すのは不自然だというのである。すると古糸教授が「良い指摘だ」と言い、「死体の姿勢を見たまえ」と続けると心理分析を始める。ちゃんと仰向けに寝かされているということから、(ペンを入れ直したと合わせた)二つの事実から分析できることがある、と語る。ここで五代さんが「謎は解けたよ、エマニエル夫人」と言っていつもの頓珍漢な推理を語り始める。で、「犯人はペンに異常な愛情を持っている人物、すなわちペンは剣よりも強しの駒澤大学の学生だ」すると「慶応大学ですけど」と舞ちゃん。古糸教授は「甘いな」から「犯人が几帳面だということだ」しかし舞ちゃんは「それだけで几帳面とは限らないと思うんですけど...」

更に「ビルの谷間」にあると言うことから「人生の谷間」更に犯人は追い込まれている、と言っている(これって心理分析ではなく、単なる連想ゲームだと思います。)と、「一致」という柴田さんの声がする。それは、先ほど舞ちゃんが発見した大学に残っていた血痕と被害者の血液が完全一致したということだった。で、「そうなると死因は刺殺では無く絞殺。死後3時間は経過している」ということで、死亡推定時刻は正午ということになった。すると五代さんが、「犯人は梨田教授を絞殺し、ナイフでとどめを刺した。それから天井からに吊るした。それをさや香さんが目撃した。そしてさや香さんがその場を離れている隙にガイシャをここに運び込んだ、と言うわけだ」と事件の展開を口にするが、「でもどうして、そんな面倒くさいことをしたのでしょう?」と舞ちゃん。すると古糸教授が「ナイフに注目したまえ」と言って梨田の胸に刺さっているナイフを指さす。「果物ナイフですね、でもそれがどうしたんですか?」と舞ちゃん。すると「被害者の名前は何だ?」で「梨田創」、「果物ナイフ」と合わせるとと言うと、柴田さんが犯人は被害者を果物に見立てて殺した猟奇的殺人と言う。すると「君は筋がいいねぇ」と柴田さんを褒める古糸教授。更に続けて、「犯人が逆さに吊るした理由も分かった」と言い、被害者・梨田創(なしだ・そう)を逆さに読むと「うそだしな」ってことでこれはキリングメッセージで、犯人は結婚を約束されて騙されたラマン(愛人)の仕業だと言う。が「でもどうして「うそだしな」が「愛人」なんですか?」と舞ちゃん。これに柴田さんが「おそらく被害者はラマンに嘘ばかりついていたんだ」(で、再び「君は筋が良いねぇ」と古糸教授。)しかしそんな解釈をしていて本当に第一人者なのでしょうか?

調べたところ、梨田教授の愛人というのはさや香だと言うことが分かり、一同はさや香に話を聞く。最初は惚けるさや香だったが、梨田教授のことを「ナッシー」と呼んでいたことも分かってしまったということで「ばれちゃあしょうがないか」とつきあっていたことを認めるが、殺していないと言う。そして梨田教授はさや香にとっては財布代わりだったと言う。すると古糸教授が「君は黒髭危機一髪ゲームをやったことがあるかね?」と尋ねる。「あるわよ」と言うさや香に「何本刺した所で飛び出したと思う?」と尋ねると「10本」と答えるさや香。で、「10本以上刺す人物は物欲が強くて束縛力が強い。で、君は梨田教授の全てが欲しくなった。だから殺した。動機としたら十分だ」とさや香を犯人だと言う古糸教授。が「何言ってるの?」とさや香は古糸教授にも梨田教授を殺す動機があると言う。(梨田と古糸は次期学部長選挙に立候補していて、対立していたというのである。)で、「昼休み、何していたの?」とさや香が尋ねる。舞ちゃんも「今の話、本当ですか?」と確認しようとするが「私を疑っているのかね」と返す古糸教授。五代さんが「これは一応形式なんで...」と言うと、古糸教授は昼休みに梨田教授と激しい口論を交わしたことを認める。(大学の未来について)その後一人で研究室にこもっていたのでアリバイはない。が、さや香の悲鳴を聞いて、舞ちゃんたちと一緒に駆けつけた。ドリーム会館横で死体が発見されたときも舞ちゃんたちと一緒にいたということで、自分は遺体を隠すことは出来ないと主張する。(五代さんはこれに納得してしまう。)が、舞ちゃんは古糸教授が籠もっていたという部屋を見せて欲しい、と言う。

舞ちゃんたちは古糸教授が籠もっていたという部屋に移動した。部屋の壁にはプロジェクターが海に泳ぐ魚の映像を映し出していた。五代さんが「別に怪しいところはないじゃないか」と言う。舞ちゃんは部屋にある人形を目にすると「あれ、何ですか?」と尋ねる。すると、カウンセリングの時につかうもので、カウンセリング・ドール(早い話、腹話術の人形である。)と答える古糸教授。で「試しに受けてみるかね?」と言われた舞ちゃんは「五代さん、どうぞ」と言うと「じゃあ、遠慮無く」で五代さんかせカウンセリングを受けることになる。で、「マイ・ラバー、アニータについて」ということでした。古糸教授が言った言葉に対して思いついた言葉を直ぐに出す、ということで、古糸教授の質問が始まる。

「太陽」「アニータ」、「闇」「男の影」、「恐怖」「回らない寿司」、「砂漠」「東京、いや、私の財布です」で質問が終わると「かなり重症だな」という古糸教授。で「先生、どうしたらいいでしょうか?」と尋ねる五代さんに、古糸教授はカウンセリング・ドールの横に座り、頭のスイッチを入れると「おはよう、アニータ」と語りかける。するとカウンセリング・ドールは古糸教授の方を向いて「私アニータ。先生、はじめまして」と言うが、これって腹話術をやっているようにしか見えないのですが... 「五代さんのことをどう思っているのか」という古糸教授の質問に対して「。私にシッポばかり振るのよ」(何処かの国のバカ首相もアメリカに対してシッポばかり振っていますねぇ...)で「強く引っ張る男が好きなのに...」と言うカウンセリング・ドールを見て五代さんは分かったということを態度で示すが、舞ちゃんは呆れてしまっている。五代さんは「先生、ありがとうございます。迷いが吹っ切れた気がします」と感謝の言葉を述べる。すると「次は君の番だ」と舞ちゃんに語りかける古糸教授。しかし「結構です」と舞ちゃん。五代さんも「お前、ただなんだから見てもらいなさいよ」と言うが、頑なに辞退する舞ちゃん。すると古糸教授は「君は実に頑固だなぁ。警視庁もこんな輩を警視にするとは地に落ちたものだ、頭が硬直している」とボロクソに言う。五代さんは「先生、それはちょっと言い過ぎじゃないですか」と舞ちゃんを庇う発言をするも「まあ若いのに、確かに頭は硬直していますけどね」と、ここぞとばかりに舞ちゃんに口撃をする。が、「硬直?」と舞ちゃんは口にすると、携帯で事件現場での梨田教授の写真を見ると「あっ」と何かに気づいたようで、目を閉じて少し考えると、再び目を開いて「うずく、悪の予感

古糸教授の部屋。さや香、古糸教授、五代さんがソファに座っているが舞ちゃんは一人立って事件について考えていた。そんな中「いつ解放してくれるのかね」と古糸教授が言うと、舞ちゃんは「犯人はあなたですね、古糸教授」と語る。しかし古糸教授は笑い出して「何を言い出すかと思えば...私のアリバイを証明してくれたのは君たちだったんじゃないのかね」とアリバイを主張する。が「あなたはあるトリックを使ったんです」と舞ちゃんが言うも「どんなトリックだね?」と余裕を見せて尋ねる。で、舞ちゃんがそのトリックを語ってくれる。

12時、梨田と口論している古糸は突発的に梨田の首を絞めて殺害、更にナイフでトドメを刺した。が、学部長選挙のライバルである梨田が殺されたら真っ先に疑われるのは自分だと思った古糸は、どうしたら自分から容疑が外れるかを考えた。最初にここから15分離れたビルの谷間に梨田の死体を置きに行き、生徒が梨田の部屋に来ることを計算してカウンセリング・ドールを逆さに吊して潜んでいた。15時になりさや香がやってきて警備員を呼びに行っている間に古糸は人形をしまい、その場から立ち去った。そして何食わぬ顔で舞ちゃんたちの前に現れた。で「違いますか?」と舞ちゃんが古糸に確かめるように言うが、「言っていること全てが妄想だ。証拠はあるのかね」と古糸教授。すると舞ちゃんはさや香に「吊されていた遺体の口が開いていて苦しそうにしていたと言いましたよね」と確認する。「言ったわよ」とさや香が答えると、舞ちゃんは続けて語る。「私たちが梨田先生の遺体を発見した時、先生の口は閉じていた」ということで、一方は口が閉じている遺体、もう一方は口が開いている遺体ということで、これはおかしい、と言う舞ちゃん。「どういうことよ?」と尋ねる五代さんに「人間には「死後硬直」と言うものがあるんです」と舞ちゃん。(で、柴田さんが「死後硬直」について説明してくれる。→詳しくは自分で調べてみましょう。)で、梨田が殺されたのは12時、遺体が発見されたのが15時ということで、その時には既に死後硬直が始まっていて、口が開いている遺体というのはあり得ない、と舞ちゃん。が、さや香は「あれは人形じゃなく、間違いなくナッシーよ」と言う。すると「そんなぁ...」と舞ちゃんは返す言葉がなかった。で、古糸教授は高笑い。

梨田の部屋に移動した舞ちゃんに対して「どうして古糸教授にそんなに固執するの?」と五代さんが尋ねると「古糸教授には動機はあってアリバイはない。死体移動のトリックだって方向性は間違っていないはずなんです」と答える舞ちゃん。更に「あの人笑ったんですよ」という舞ちゃんだったが「そりゃあ笑いますよ、あなたが素っ頓狂なことを言えば...」と五代さん。そうしていると部屋にあった梨田の写真が目に入ると、梨田はメガネを掛けていたということが分かる。死体はメガネを掛けていなかったですよね、と確認する舞ちゃんだったが、「掛けていたんじゃないの?」と曖昧な五代さん。(死体は掛けていませんでしたよ...)で、「あなた疲れてますよ」と言い、側にあった絵を指して「これ、何に見えます?」と尋ねる。で、舞ちゃんがその絵を見て「鳥ですね」と言うも、五代さんは「これがどうして鳥なんですか、海に浮かんだ無人島でしょう、魚も泳いでいるし」が「どう見ても魚くわえた鳥です」と舞ちゃん。で、ため息をついて「疲れてますねぇ~」と五代さんは言う。すると舞ちゃんは絵の上下を回転させて五代さんに「ほら」と見せる。すると「これ、ペリカンじゃないっすか」と五代さん。で、舞ちゃんは「そうか」から「謎は解けたよ、ワトソンくん

再び古糸教授の部屋にやってきた舞ちゃんと五代さん。「一体、いつになったら解放してくれるのかね」と文句を言う古糸教授に「お願いがあるんですけど」と舞ちゃん。「心理分析、いいですか?」ということで古糸教授は舞ちゃんが心理分析を受ける気になったとして「いい兆候だ」から能書きを垂れるが「いいえ、あなたの心理分析です」と、舞ちゃんが心理分析を行うと言うと「素人が何を言うか」と笑う古糸教授。すると「やっぱり犯人だってばれるのが怖いんですか?」と舞ちゃん。(上手い!)すると「やってみたまえ」と古糸教授は舞ちゃんの心理分析を受けることにする。

要領は先ほど五代さんが受けたやり方と同じで、舞ちゃんが言う言葉から連想するものを古糸教授が言うというものである。で、心理分析が始まる。「血」「真っ赤」、「ナイフ」「危険」、「ビルの谷間」「孤独」、「逆さ吊り」「サーカス」、「サッチャー」(少し間をおいてから)「イギリス初の女性首相」と言うと、色々と語り始めるが「はい、どうも」と途中で遮る舞ちゃん。「何か分かったかね」と尋ねる古糸教授に「ええ、色々」と舞ちゃん。すると「そうかそうか。分析結果はレポートで提出してくれ」と言うと、上着を手にして「用事があるから失礼するよ」と言う古糸教授。が、ストラップが飛んできて赤いリボンが古糸教授を縛り上げる。「この世にはびこる悪の舞。…」舞ちゃんの口上が始まり「正義の舞様ステップ、受けてみな!」で大回転となる古糸教授はその場に倒れ込む。「犯人は古糸教授、やっぱりあなたですね」と舞ちゃん。そして「あなたは専門分野である心理学を使って、あの死体移動のトリックをやったんです。さや香さんが見た逆さ吊りの梨田先生の遺体はあなた自身ですね」から一気にトリックを説明する。

女子大という環境を利用して。女性だったら死体には近づかないと計算し、近づかせない保険として首を絞めて殺した後にナイフを突き刺した。そうすることで一瞬で死んでいると目撃者は思いこむ。で、見慣れた白衣とメガネでさや香は梨田先生だと錯覚した。でこれは「サッチャー錯視」の応用である。(ここで「柴田太郎のワンポイントアドバイス」ということで、柴田さんが「サッチャー錯視」について説明してくれる。よく見慣れた顔でも上下180度回転させるとそれが誰か分からなくなるというものである。)古糸は「サッチャー」という言葉に詰まったが、それは今回の殺人が「サッチャー錯視」を応用したものだったから。で「教授、これが真実です」と舞ちゃんは言うが「何を言っているんだ。それは推測だ。全ては状況証拠ばかりではないか。私が犯人だという決定的証拠はあるのかね」と反論する。が、落ち着いて舞ちゃんは「現場で発見された梨田先生の遺体はメガネを掛けていなかった。それは何故か」ここで五代さんが「メガネはなしだ」と駄洒落を一発。しかし、それを全く気にしないで舞ちゃんは続ける。「あなたが梨田先生になりすますために必要だったんです。違いますか?」が、「知らん」と古糸。すると舞ちゃんは側にあった古糸の上着を手にしてポケットから梨田のメガネを発見する。で「このメガネに付着している汗をDNA鑑定すれば証拠になることはご存知ですよね」と舞ちゃん。すると、古糸はカウンセリング・ドールの声で「負けたよ」と言って犯行を認めた。

事件解決後、大学を後にする舞ちゃんと五代さん。舞ちゃんが「心理学的に殺人の素人ほど、証拠や凶器を持ち続けているそうですよ」と言う。(でも「殺人の素人」って、「殺人の玄人」がいたら、これは恐ろしいことになってしまいますが...)で、五代さんは古糸教授が梨田教授のメガネを持ち歩いていたことに納得すると、「俺も心理学の勉強するかなぁ。アニータの心、掴めるかもしれないもんね」と言う。(直ぐに影響される五代さんですが、これはいつものことです。)すると舞ちゃんが「ねえ、五代さん」と言うと「今引っ越しするとしたら、誰に手伝ってもらいます?」と尋ねる。すると「それは心理テストでしょう。何が分かるの?」と尋ね返す五代さん。が「いいから、早く」と舞ちゃん。で少し考えてから「銭形、お前かね」と言うと「お前だったらタダで済み、昼飯も並みの牛丼卵なしで大丈夫でしょう」とその理由を語る。(何か言い訳しているようにしか見えません。で、こういうことを言っているから、この後五代さんは舞ちゃんのお姉ちゃま・大食いの泪ちゃんとコンビを組むことになってしまうのでしょうね...)すると「へぇ~」と言うだけの舞ちゃんは五代さんが「何が分かるのか?」という質問には答えず、自転車に乗ると「それじゃあ、お疲れ様でした」と言って敬礼し、右目でウインクをすると自転車をこぎ出しました。で、五代さんが見えなくなったところで「やっぱり五代さんは私を頼りにしているんだ。可愛いおやじ」と呟くも、何かと嬉しそうな舞ちゃんでした。

それにしても「心理学」というものを取り入れた今回の物語、なかなか面白いものでした。また、「心理学」については筆者も勉強したくなりました。

鑑識メモ。「死体は真実を語っている、講師の柴田太郎です」と自己紹介をして、「今日は皆さんに心理学のテストを行います」ということで、「引っ越しの時、誰に手伝いを頼みますか?」と言うが、これは事件解決後に舞ちゃんが五代さんに尋ねた質問の解説である。「今思い浮かんだ人こそが、心理学的にあなたが一番頼りにしている人物なんです」ということでした。(五代さんは舞ちゃんを一番頼りに思っているのでした。)で、柴田さんはカウンセリング・ドールにその質問をすると「柴田太郎教授です」という回答に、感激して泣き始めました。

 

ケータイ刑事 銭形舞 DVD-BOX

ケータイ刑事 銭形舞 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2004/04/23
  • メディア: DVD

↓まもなく発売です。買わないと逮捕されます。

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 プレミアム・エディション

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2006/08/25
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2006/08/25
  • メディア: DVD
ヒコーキ雲

劇場版の主題歌です。

ヒコーキ雲

  • アーティスト: 黒川芽以, 丹羽多聞アンドリウ, 遠藤浩二, 沢田聖子, 林有三
  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックコミュニケーションズ
  • 発売日: 2006/02/01
  • メディア: CD

↓この後の五代さん

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 1

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 1

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2004/10/22
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX 2

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX 2

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2006/01/27
  • メディア: DVD
ケータイ刑事マニアルBOOK

ケータイ刑事マニアルBOOK

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状+TVシリーズ オリジナル・サウンドトラック

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状+TVシリーズ オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ, ナミ&チヨ
  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックコミュニケーションズ
  • 発売日: 2006/02/01
  • メディア: CD

↓フロイト関係

夢判断 上   新潮文庫 フ 7-1

夢判断 上 新潮文庫 フ 7-1

  • 作者: フロイト
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1969/11
  • メディア: 文庫

フロイトの精神分析

フロイトの精神分析

  • 作者: 鈴木 晶
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2004/01
  • メディア: 単行本

現代の精神分析―フロイトからフロイト以後へ

現代の精神分析―フロイトからフロイト以後へ

  • 作者: 小此木 啓吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/08
  • メディア: 文庫

フロイトからユングへ―無意識の世界

フロイトからユングへ―無意識の世界

  • 作者: 鈴木 晶
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 1999/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

面白いほどよくわかるフロイトの精神分析―思想界の巨人が遺した20世紀最大の「難解な理論」がスラスラ頭に入る

面白いほどよくわかるフロイトの精神分析―思想界の巨人が遺した20世紀最大の「難解な理論」がスラスラ頭に入る

  • 作者: 立木 康介
  • 出版社/メーカー: 日本文芸社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本

↓その他、今回の物語で登場したことに関して学びましょう。

新しい交流分析の実際―TA・ゲシュタルト療法の試み

新しい交流分析の実際―TA・ゲシュタルト療法の試み

  • 作者: 杉田 峰康
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2000/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

実践・“受容的な”ゲシュタルト・セラピー―カウンセリングを学ぶ人のために

実践・“受容的な”ゲシュタルト・セラピー―カウンセリングを学ぶ人のために

  • 作者: 岡田 法悦
  • 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
  • 発売日: 2004/11
  • メディア: 単行本

カニッツァ視覚の文法―ゲシュタルト知覚論

  • 作者: G.カニッツァ
  • 出版社/メーカー: サイエンス社
  • 発売日: 1985/04
  • メディア: 単行本

本能行動とゲシュタルト知覚

  • 作者: 大村 敏輔
  • 出版社/メーカー: 九州大学出版会
  • 発売日: 1991/05
  • メディア: 単行本
心を活かす ドールセラピー

心を活かす ドールセラピー

  • 作者: 芹澤 隆子
  • 出版社/メーカー: 出版文化社
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

サッチャリズムとブレア政治―コンセンサスの変容、規制国家の強まり、そして新しい左右軸

サッチャリズムとブレア政治―コンセンサスの変容、規制国家の強まり、そして新しい左右軸

  • 作者: 小堀 真裕
  • 出版社/メーカー: 晃洋書房
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: 単行本
試してナットク! 錯視図典 CD-ROM付

試してナットク! 錯視図典 CD-ROM付

  • 作者: 田中 康博, 馬場 雄二
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/12/17
  • メディア: 単行本

↓アンパンマン関係

アンパンマン スーパー大図鑑1600―オールキャラクターせいぞろい!

アンパンマン スーパー大図鑑1600―オールキャラクターせいぞろい!

  • 作者: やなせ たかし
  • 出版社/メーカー: フレーベル館
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 大型本

あんぱんまん

あんぱんまん

  • 作者: やなせ たかし
  • 出版社/メーカー: フレーベル館
  • 発売日: 1976/05
  • メディア: -

アンパンマンとばいきんまん

アンパンマンとばいきんまん

  • 作者: やなせ たかし, トムスエンタテインメント, キョクイチ=
  • 出版社/メーカー: フレーベル館
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 大型本

アンパンマン やわらかくにゃぼーる

アンパンマン やわらかくにゃぼーる

  • 出版社/メーカー: トーホー
  • メディア: おもちゃ&ホビー

ビーンズDX ばいきんまん (R)

ビーンズDX ばいきんまん (R)

  • 出版社/メーカー: セガトイズ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

↓「黒髭危機一髪ゲーム」(色々とありますね...)

黒ひげ危機一発 初代復刻版

黒ひげ危機一発 初代復刻版

  • 出版社/メーカー: トミー
  • メディア: おもちゃ&ホビー

アンパンマンのドキドキアンパンチ!

アンパンマンのドキドキアンパンチ!

  • 出版社/メーカー: アガツマ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

ジャンボ黒ひげ危機一発! ゆれタルしゃべっタル!

ジャンボ黒ひげ危機一発! ゆれタルしゃべっタル!

  • 出版社/メーカー: トミー
  • メディア: おもちゃ&ホビー
STAR WARS ダース・ベイダー 危機一発

STAR WARS ダース・ベイダー 危機一発

  • 出版社/メーカー: トミーダイレクト
  • メディア: おもちゃ&ホビー


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ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA『SECRET MESSAGES』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1983年に発表されたアルバムである。本アルバムは、当初は2枚組(LP)の予定だったが、結局は1枚ものとしてまとめられることになったものであり、この辺りは全盛期を過ぎた彼らということもあって、無難な選択をしたということが出来る。サウンドの方は、彼らの特徴であるスケールの大きなサウンドは変わっていないが、'70'sの全盛期よもう一度、という所まで行かなかったのが残念なところである。('80'sでももう一花咲かせて欲しかった所であった。)そしてこの後、彼らは終末を迎えるバンドの道を突き進んでいくことになる。ということで、かつては時代を先取りしていた彼らであったが、時代が進んだことによって時代が彼らのサウンドに追いついてしまったのであった。しかし、本アルバムは決して時代に埋没してしまうものではなく、輝きを持ったものである。

収録されているのは以下の全14曲である。『Secret Messages』『Loser Gone Wild』『Bluebird』『Take Me On And On』『Time After Time』『Four Little Diamonds』『Stranger』『Danger Ahead』『Letter From Spain』『Train Of Gold』『Rock 'N' Roll Is King』『No Way Out』『Endless Lies』『After All』。この中からは『Rock 'N' Roll Is King』がシングル・カットされてヒットをしたが、かつてのような大きなヒットとはなっていない。(年間シングル・チャートのTOP 100にも入っていない。)しかし、テンポの良いエレクトリック・ポップ調の気持ちの良い一曲であり、彼ららしい一曲である。この他にもアルバム・タイトル・ナンバーである『Secret Messages』をはじめ、テンポの良い心地よい彼ららしいサウンドをたっぷりと聴かせてくれている。

時代をリードしてきたサウンドを奏でてきたバンドが時代に追いつかれてしまい、リードすることが出来なくなった時、そのバンドの存在価値は無くなってしまう。'70'sの時代であれば、ストリングスやシンセサイザーを多用してのスケールの大きなサウンドは確かに時代をリードするものであったが、技術の進歩によってシンセサイザーを簡単に利用することが出来るようになったことで、時代がELOの奏でてきたサウンドに追いつき追い越してしまったため、ELOの存在価値は'80'sの時代では無くなってしまった。が、'70'sの時代に彼らが残したサウンドまで否定されると言うことはない。'70'sの時代にあれだけの光を放ったELOの'80'sの姿もしっかりと聴いてもらいたいところである。特に、'70'sの彼らのサウンドをよく聴いたという方であれば、特に抵抗感無く聴くことが出来るものである。また、'80'sのエレクトリック・ポップ調のサウンドがお好きな方も十分に楽しむことが出来るサウンドである。それにしても、本アルバムのジャケットについてであるが、確かに屋外ではあるのだが、人数(鹿まで含める)が13人ということで何となく「最後の晩餐」を連想してしまうのですが...(今は屋外だが、この後屋内に入るとそのようになりそう気がする...)

 

Secret Messages

Secret Messages

  • アーティスト: Electric Light Orchestra
  • 出版社/メーカー: Epic
  • 発売日: 2001/06/12
  • メディア: CD


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