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HENRY MANCINI『THE MUSIC FROM PETER GUNN』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは、伝説のTVシリーズ(1958年~1961年の放送)の音楽集であり、1959年に発表されたものである。で、TVシリーズがヒットしたこともあって本アルバムは大ヒットを記録し、Billboardのアルバム・チャートで10週連続1位に輝いたのをはじめ、1959年の年間アルバム・チャートでも堂々の1位に輝いたアルバムである。このtvシリーズは、後に名コンビとなるブレイク・エドワーズ監督と彼とのファースト・コンタクトとなった作品であり、ここから彼は映画音楽の世界へと入っていくことになる記念碑的な作品である。また、本アルバムには、あのジョン・ウィリアムスがピアノで参加しているということもあり、後に再度注目されることにもなった。

収録されているのは以下の12曲である。(現在は4曲のボーナス・トラックが追加収録されて全16曲というものがリリースされている。)『Peter Gunn』『Sorta Blue』『Brothers Go to Mother's』『Dreamsville』『Session at Pete's Pad』『Soft Sounds』『Fallout!』『Floater』『Slow and Easy』『Profound Gass』『Brief and Breezy』『Not from Dixie』。

ここではやっぱり『Peter Gunn』であろう。8ビートで軽快なテンポのこの曲は、数多くのアーティストたちがカヴァーしたこともあって、あまりにも有名な一曲となっているが、そのオリジナル版ということになる。雄大なスケール感を持ち、パワフルなこの曲は一度耳にしたら忘れられなくなる絶大なインパクトがある。その他の曲も、ジャジーなテイストがするもの、メロディアスなナンバー、愉快なサウンドというように、彼の名前を一気にメジャーな存在にした。

インスト・ナンバーということで、物足りなさを感じる方もいるでしょうが、元々は映画やテレビの音楽(スコア)ということもあり、当時はサントラ盤がアルバム・チャートの中心にあった時代であるが、そんなアルバム・チャートを征するだけの衝撃的なサウンドを奏でる本作は、映画のサントラ盤、舞台のオリジナル・キャスト盤だけではなく、TVシリーズの音楽も一気にポピュラー音楽の一ジャンルにまで高めてくれた歴史的なアルバムである。映画音楽がお好きな方だけでなく、多くの方に聴いてもらいたいアルバムである。

 

The Music from Peter Gunn (1958-1961 TV Series)

The Music from Peter Gunn (1958-1961 TV Series)

  • アーティスト: Henry Mancini
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 1999/06/15
  • メディア: CD

↓ビデオをいくつか

Peter Gunn: Death House Testament

Peter Gunn: Death House Testament

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 1996/06/18
  • メディア: ビデオ

Peter Gunn: Lynn's Blues

Peter Gunn: Lynn's Blues

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 1995/08/18
  • メディア: ビデオ

Peter Gunn: Comic

Peter Gunn: Comic

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 1996/02/06
  • メディア: ビデオ

ピーター・ガン

  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1990/03/21
  • メディア: ビデオ


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HARRY BELAFONTE『CALYPSO』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは、Billboard誌においては記念すべきアルバムでもある1956年に発表されたものである。(発表から半世紀が流れました。)ということで、遂に'50'sのアルバムまでピックアップすることになりました... 本アルバムが「記念すべきアルバム」というのは、Billboardがアルバム・チャートを始めたのが1956年のことであり、本アルバムはその1956年の年間アルバム・チャートで1位を獲得したアルバムである。(ちなみに、毎週掲載されるようになった1956/3/24付けの初めてのレギュラー・チャートで1位を獲得したのも彼である。(本アルバムではなく「BELAFONTE」である。))また、本アルバムは4番目に1位を獲得したアルバムであり、更には初めて1位に返り咲くということを記録したアルバムでもある。その他、現在ではいずれも記録を更新されているものの、20週連続1位、通算31週1位というように、記録ずくめの超大ヒット・アルバムである。で、1956年の年間アルバム・チャート1位に続いて、翌年の1957年も年間6位にランクインしている。ということで、Billboard誌においてはいきなり飛び出した金字塔である。

収録されているのは以下の11曲である。(最近では6曲のボーナス・トラックが追加されたものもリリースされていますが、筆者が所有しているのはオリジナルの方なので、11曲ということで述べる。)『Banana Boat Song (Day-O)』『I Do Adore Her』『Jamaica Farewell』『Will His Love Be Like His Rum?』『Dolly Dawn』『Star-O』『Jack-Ass Song』『Come Back Liza』『Hosanna』『Brown Skin Girl』『Man Smart (Woman Smarter)』。

この中では、何と言っても『Banana Boat Song (Day-O)』である。あまりにも有名なこの曲は、数多くの映画にも使われることにもなり、彼の名前を知らなくてもこの曲は必ず何処かで耳にしているであろう。(あの「♪で~~お」である。)この曲はシングルとしても大ヒットを記録していて、1957年のBillboard年間シングル・チャートの15位(レギュラー・チャートでは最高位5位)を記録している。尚、余談であるが、アルバム・チャートの方では凄い記録を持っている彼であるが、シングル・チャートの方では何故か1位を獲得した曲がない。

その他、本アルバムはカリビアン・サウンドのゆったりとしたメロディが流れる曲が詰まっていて、『Jamaica Farewell』をはじめ、『Hosanna』『Man Smart (Woman Smarter)』なども現在ではスタンダード・ナンバーとなっている曲であり、古き良き時代ののんびりしたリゾート地の雰囲気をたっぷりと味わうことが出来る。(まさに「夏」をイメージさせてくれるアルバムである。)

「故きを温ねて新しきを知る」という諺があるが、本アルバムには現在でも輝きを失っていない長閑な安らぎがある。'80's前半のレゲエのブームから始まってワールド・ミュージックの一大ブームが起こったが、本アルバムに接してみると、本当に世界は広い、様々な音楽がある、ということを「当たり前」と思われることを教えてくれる。やっぱり「名曲はいつの時代でも名曲」なんですね。

 

Calypso

Calypso

  • アーティスト: Harry Belafonte
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 1992/04/28
  • メディア: CD

↓ボーナス・トラックありはこちらです。

Calypso

Calypso

  • アーティスト: Harry Belafonte
  • 出版社/メーカー: Universe Italy
  • 発売日: 2005/10/25
  • メディア: CD


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「007/ON HER MAJESTY'S SECRET SERVICE」 [映画(洋画)]

007シリーズ第21作「CASINO ROYALE」が12/1に公開になるが、それに向けて、これまでのシリーズ全20作を7月からDVDで改めて見ている。(シリーズ40周年記念のDVD-BOX+「ダイ・アナザー・デイ」。一応、特典映像の方も改めて見ているので、1本を見るのに3時間半から4時間という時間が必要となる。尚、今度は全20作のアルティメット・コレクションのBOX(スーツケースに収納)が発売されるのですね。全作吹き替え版もあるということで、一応は「アルティメット」と感じます。(が、40周年のBOXを持っているので、流石に購入の方は...)で、今回は2代目ボンドの唯一の作品であり、シリーズ第6作となる「女王陛下の007」です。

尚、007シリーズに関してはHPの方に資料として作っていますので、そちらもご覧頂ければ幸いである。(ここをクリックしてください。)尚、各作品については「作品解説」と「脱線メモ」という2本立てで記していますが、前者は筆者が書いたもの、後者は年間に映画を600本以上見るという友人のG氏が書いたものです。

「ON HER MAJESTY'S SECRET SERVICE」これは1969年製作のシリーズ第6作であり、フレミングの原作小説は1963年に書かれたものである。この作品は映画シリーズの中でも最も原作小説に忠実な物語であり、ラストではボンドが本当に結婚をするという異色の作品でもある。(映画のラストは本当にハッピーエンドではない唯一の作品でもある。)原作に忠実と言うことで、原作小説の方も読んでみることをお薦めします。

監督はこれまでのシリーズでは編集を担当していたピーター・ハントが監督に昇格した初監督作品でもある。脚本はリチャード・メイバウム、ボンドは2代目となるジョージ・レイゼンビー(2代目ボンドの唯一の作品でもある。)、ボンドガール(ボンドの妻になる)トレーシーにはダイアナ・リグ、スペクターのボス・ブロフェルドにテリー・サバラス、トレーシーの父にガブリエル・フェルゼッティ、バーナード・リー、デズモンド・リュウェリン、ロイス・マックスウェルというM、Q、マネーペニーも当然登場する。そして、主題歌を歌うのはルイ・アームストロングで、「We Have All The Time In The World」という優しいラブ・ソングを熱唱している。(これは挿入歌扱い)オープニングのインストのテーマ曲(同名タイトル)は重厚さとスケールの大きさを感じる一曲である。公開当時は評価が低かったのだが、'90'sになってから再評価されて、現在では高い評価を得ている作品でもある。(まさに手のひらを返したような扱いの差となっています。公開時、興行的には失敗してしまったということもあるのでしょうが、TV放送でも滅多にON AIRされず、ビデオなどの発売でも、本作が発売されて全シリーズ作品が揃う、と言ったような扱いを受けていたのが、今では「誰が2代目ボンドを演じていても失敗しただろう」というように言われるようになり、原作に忠実ということと、人気ボンドの人間的な一面が描かれていること、またスペクターの細菌を使った作戦のスケールの大きさ、スイス・アルプスを舞台にしたスキー・チェイスなど、あらゆる所で評価が変わり、「素晴らしい」ということに成ってしまったのですから、評論家の言うことって、いい加減なものでもある。)

物語は、スペクターの首領・ブロフェルドを追い続けていたボンドだったが、その手掛かりが掴めないでいた。ある日、ふとしたことから一人の女性を助けたボンドだったが、その彼女・トレーシーとの出会いはボンドの運命を大きく変えることになる。また、この出会いが得られなかったブロフェルドに関する情報を得ることにも繋がっていく。ブロフェルドはスイスに逃亡していて、新たな野望に燃えていた。紋章院のヒラリー卿になりすましたボンドはブロフェルドに接近する。が、そこではブロフェルドは細菌兵器を使った人類抹殺計画を進めていた... スキー、ボブスレー、ストック・カー・レースによる追っ駆けっこはスピード感があり手に汗握るものである。

本作は、秘密兵器も登場するが、それに頼ったど派手なアクションはなく、スポーティなアクションを中心としたものになっていて、こういう所もよりヒューマン・ライクなボンドを描くことに繋がっている。何せ、あのJames Bondが本気で恋に落ちて結婚までしてしまうのですから、これだけでも異色作となるが、アクション・ヒーロー作品では考えられないようなエンディングといい、本当に異色作である。が、そこはやっぱり007であり、見所満載の娯楽アクション作品となっている。

尚、次作「ダイヤモンドは永遠に」は本作から続く形で物語がスタートするし、12作目の「ユア・アイズ・オンリー」の冒頭ではボンドがトレーシー(テレサ)の墓参りをするところから始まるというように、シリーズでは後にしっかりとフォローもされています。(そういう甲斐もあって、本作が評価されるようになったと言うことは嬉しい所です。)現在は6代目にバトンが渡されたボンドですが、こういう作品があっても良いところです。また、本作は第20作の「ダイ・アナザー・デイ」までで本編時間が最も長い作品であり、異色のラストまで、たっぷりと味わってください。

 

007/女王陛下の007 特別編

007/女王陛下の007 特別編

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2003/02/26
  • メディア: DVD

女王陛下の007

  • アーティスト: サントラ, ルイ・アームストロング, ニーナ
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 1996/01/17
  • メディア: CD

女王陛下の007

  • 作者: イアン フレミング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 文庫

007 製作40周年記念限定BOX

007 製作40周年記念限定BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/20
  • メディア: DVD

007 アルティメット・コレクション BOX

007 アルティメット・コレクション BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD

 

 


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