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POLICE『GHOST IN THE MACHINE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年に発表されたものである。次作が1983年に発表するあの歴史に残る名盤「SYNCHRONICITY」になる訳だが、本アルバムはそれに繋がる、シンプルながらも緻密な音作りが行われているが、それでいてとても聴きやすいポップなサウンドを奏でている。名盤「SYNCHRONICITY」は前衛芸術と言った所があり、名盤ではあるが、ちょっと近寄りがたさを感じる方もいるようだが、本作にはそういう所はなく、親しみやすさがあるアルバムである。本アルバムは、セールスの点では次作に大きく水を空けられたものの、堅実なヒットとなり、1982年のBillboard年間アルバム・チャートでは10位、レギュラー・チャートでは最高位2位を記録するヒットとなった。が、今ひとつ彼らのアルバムの中では地味な印象のあるアルバムでもある。(これは、本アルバムからのシングル・ヒットが少なかったためでしょう。)が、内容は高いものがあり、3人でこれだけ緻密な音が作れるという、彼らの技量の高さを知ることが出来るアルバムである。

収録されているのは以下の全11曲である。『Spirits In The Material World』『Every Little Thing She Does Is Magic』『Invisible Sun』『Hungry For You (J'Aurais Toujours Faim De Toil)』『Demolition Man』『Too Much Information』『Rehumanize Yourself』『One World (Not Three)』『Omega Man』『Secret Journey』『Darkness』。

この中からは、とてもポップで聴きやすい曲である『Every Little Thing She Does Is Magic』がシングル・ヒットを記録していて、Billboard誌のレギュラー・チャートでは最高位3位、1982年の年間シングル・チャートでは79位にランクインしている。が、彼らが本領を発揮するのは、むしろそれ以外の曲である。で、筆者のお薦め曲は、『Invisible Sun』『One World (Not Three)』『Omega Man』『Darkness』という所をピックアップしておく。シングル・ヒット曲はポップで聴きやすいものであるが、テクニック、音の緻密さ、パフォーマンス、メッセージ性のある歌詞、という所ではこのヒット曲は他の曲に譲ることになる。とにかく「聴いて」という世界である。

シンプルでありながらも緻密な計算された音である「POLICE SOUND」の完成するのは次作「SYNCHRONICITY」であるが、その前である本アルバムにおいて、既に「POLICE SOUND」は完成の域に達している。それを味わうことの出来るアルバムである。今ひとつ地味という印象のある本アルバムであるが、「隠れた名盤」というのはそういうもので、どこかしら目立たないでいるものである。(が高いクオリティをもって、存在感はある。)忘れないでしっかりと聴いてもらいたいアルバムである。

 

Ghost in the Machine

Ghost in the Machine

  • アーティスト: The Police
  • 出版社/メーカー: Polydor
  • 発売日: 2003/03/04
  • メディア: CD


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PUBLIC IMAGE LTD.『THE FLOWERS OF ROMANCE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年に発表されたアルバムである。本アルバムの聴き所は、全編を通してのリズミカルな種々のパーカッションの音である。ワールド・ミュージックや宗教音楽の世界であれば、打楽器がメインとなるサウンドはある(例えば、和太鼓の演奏は、太鼓(=打楽器)があってこそ成り立つもので、主役である。)ものの、ロックの世界ではパーカッションの音というのは、必要不可欠のものであるが、主役になるのではなく、主役となるギターやボーカルを盛り上げる名バイプレーヤーである。が、本アルバムでは、とにかくパーカッションの音が中心になっていて、エネルギッシュにグイグイと迫ってきていて、圧倒されるのである。(聴いていると、アフリカの民族音楽を聴いているような錯覚すら覚える。)

収録されているのは以下の全9曲である。『Four Enclosed Walls』『Track 8』『Phenagen』『Flowers Of Romance』『Under The House』『Hymie's Him』『Banging The Door』『Go Back』『Francis Massacre』。

筆者のお薦め曲は、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Flowers Of Romance』と、本アルバムの冒頭を飾る『Four Enclosed Walls』、そして『Under The House』、ラストの『Francis Massacre』をピックアップしておく。とにかく、いきなり炸裂する打楽器のビートとの出会いというのは衝撃を受けることになる。そして、聴いているうちにそのビートが宗教音楽を聴いているかのような気持ちにさせてくれる。実際、彼らは本アルバムを発表した直後にこのアルバムが発売された当時に、ジョン。ライドンは「これは古い時代に教会で使われていた宗教的な音楽だ」という発言をしているが、その言葉に嘘がないことを感じることになる。

本アルバムは、PILの三大傑作と言われるアルバムのラストの一枚でもある。パンクの代表的なグループとして伝説になっているSEX PISTOLS解散から突っ走ってきたが、新たな時代である'80'sの始めに傑作を発表したということは、彼らのエネルギーはやはり凄かったと言うことを感じる。この後も彼らはアルバムを発表するものの、メンバーの脱退などにより、そのエネルギーは急速に失せてしまうことになる。それだけ'80'sという時代は変化の激しい時代であることを教えてくれている。(プログレもそうだが、パンクも同様になってしまったのは個人的にはちょっと残念な所でもある。)パンク・ムーブメントの中心であったSEX PISTOLSの終焉と言うこともできる本アルバム、聴かなければなりませんよ。

※この記事には、「セックス・ピストルズ」の名前をアルファベット表記で記したので、この記事に対しては、存在そのものがゴミである生きていても仕方がないカス野郎からのスパムTBが送られてくるのだろうな... (発見次第、無条件削除します!)

 

The Flowers of Romance

The Flowers of Romance

  • アーティスト: Public Image Ltd.
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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ORLEANS『STILL THE ONE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1990年にリリースされた彼らのヒット曲の一つをアルバム・タイトルにしたベスト盤である。彼らは、'70'sの時代において時代の象徴ともなる軽快なウエスト・コースト・サウンド・ロックを奏でるバンドの一つである。が、時代に残るような大きなヒットをあんまり飛ばしていない。が、某パソコンのCMで彼らの音楽が使われたことで、ちょっと話題になったバンドでもある。(が、彼らの奏でるロックも、'70'sロックとしたら粒ぞろいの佳曲が揃っている。)

収録されているのは以下の全15曲である。『Dance With Me』『Still The One』『Reach』『Give One Heart』『If I Don't Have You』『Sails』『What I Need』『Spring Fever』『Walking And Dreaming』『Fresh Wind』『Business As Usual』『Time Passes On』『Your Life My Friend』『Cold Spell』『Ending Of A Song』。

この中で、筆者のお気に入りは、1976年のヒット曲で全米5位まで上昇した『Still The One』(同年のBillboard年間シングル・チャートでは82位にランクインしている。)を筆頭にあげるが、聴きやすく心地良さを与えてくれる曲が多く、本ベスト盤に収録されている曲は半数以上がお気に入りの曲である。(他にお薦め曲と言われれば、『Reach』『Sails』『What I Need』『Cold Spell』『Ending Of A Song』という所を記しておく。)

ベスト盤とはいっても、中には捨て曲と思えるような曲が収録されている場合があるが、本アルバムではそんなことは一切無く、ベスト盤にふさわしい曲が並んでいる。'70'sのウエスト・コースト・ロック・サウンドがお好きな方には、彼らのサウンドは何の抵抗もなくすんなりと受け入れられるサウンドであり、聴きやすいサウンドが心地良さを与えてくれますよ。(ウエスト・コーストを代表する'70'sを代表する「E」で始まるあのバンドを彷彿させてくれます。)

 

Still the One

Still the One

  • アーティスト: Orleans
  • 出版社/メーカー: Asylum
  • 発売日: 1990/03/12
  • メディア: CD


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