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PHILIP BAILEY『CHINESE WALL』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1985年に発表されたものである。彼はEARTH WIND & FIREのリードボーカリストとして有名であるが、そんな彼が当時次々と大ヒット曲を放っていたPHIL COLLINSをプロデューサとして迎えたソロ・プロジェクトが本アルバムである。EW & Fのサウンドとは異なり、ポップでありながらも彼のファルセットの利いたボーカルを前面に押し出したボーカル・ナンバーは秀逸である。また、プロデューサのPHIL COLLINSが自らデュエットを申し出た『Easy Lover』はシングルとしてリリースされると、大ヒットを記録をした。(が、本アルバムではこの曲が例外と言った方が良い。それにしても、PHIL COLLINSはよほどこの曲が気に入ったようで、自分のベスト盤にまで収録している。)

収録曲は以下の全10曲である。『Photogenic Memory』『I Go Crazy』『Walking On The Chinese Wall』『For Every Heart That's Been Broken』『Go』『Easy Lover』『Show You The Way To Love』『Time Is A Woman』『Woman』『Children Of The Ghetto』。

この中からは、やはりPHIL COLLINSとのデュエットである『Easy Lover』が目立ってしまう。(この曲のクレジットは「PHILIP BAILEY with PHIL COLLINS」となっていて、PHILIPがメインになっているが、それにしてもPHIL COLLINSが相当出しゃばっている...)何せ、この曲は大ヒットとなり、Billboardのチャートを上昇し、最高位2位を記録し、1985年のBillboard年間シングル・チャートでも12位にランクインしている。テンポの良いポップな一曲である。が、本アルバムでは、この大ヒット曲よりも、彼のボーカルをたっぷりと堪能できる『Walking On The Chinese Wall』や『Show You The Way To Love』の方が、彼の持ち味が良く出ている。(伊達にEW & Fでリードボーカルを務めていなかったということが分かります。)

ボーカルをたっぷりと楽しみたいと言う方にはお薦めであるが、『Easy Lover』を気に入ったポップスのお好きな方は、じっくりと彼のサウンドに酔いしれると共に、EW & Fの方も聴いてもらいたいところである。(これはPHIL COLLINSのファンの方にも当てはまる。)じっくりと接してもらいたいアルバムである。

 

Chinese Wall

Chinese Wall

  • アーティスト: Philip Bailey
  • 出版社/メーカー: Sony Budget
  • 発売日: 2003/07/14
  • メディア: CD


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PAUL DAVIS『SWEET LIFE: HIS GREATEST HIT SINGLES』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1999年にリリースされたベスト盤である。PAUL DAVISと言えばA.O.R.の雄の一人として知られているアーティストであるが、その風貌からは全く想像できない良い声の持ち主で、美しくメロディアスなヒットを放ったアーティストである。本ベスト盤は、そんな彼のシングル曲を集めたものであり、大ヒットを記録した名曲の数々が収録されている。

収録曲は以下の全14曲である。『Cool Night』『Sweet Life』『'65 Love Affair』『I Go Crazy』『Little Bit Of Soap』『Thinking Of You』『Superstar』『Darlin'』『Ride 'Em Cowboy』『I Won't Take Less Than Your Love』『Keep Our Love Alive』『Love Or Let Me Be Lonely』『Do Right』『You're Still New To Me』。

いずれの曲もがじっくりと聴き込むことの出来る曲であるが、この中からは、やはり彼の名前を一躍有名にした1977年に発表した『I Go Crazy』(1978年のBillboard年間シングル・チャートで12位、レギュラー・チャートでは最高位7位、この曲は長期間TOP 100内にランクインしていたことで有名な曲であり、40週連続でランクインした。→集計方法が変わった1994年以降、次々と記録を破られ、現在では長期TOP 100内記録の上位20位にも残っていないが、SOFT CELLの『Tainted Love』の43週と共に、長い間、長期ヒット曲の代名詞となっていた名曲である。)や、A.O.R.がブームになった時期のヒット曲『Do Right』(年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていないが、レギュラー・チャートでは最高位23位を記録した)、そして名盤である「COOL NIGHT」から生まれた2曲の大ヒット曲である名曲『Cool Night』(1982年のBillboard年間シングル・チャートでは52位、レギュラー・チャートでは最高位11位)と明るく楽しいポップス調の『'65 Love Affair』(1982年のBillboard年間シングル・チャートでは39位、レギュラー・チャートでは最高位6位)という彼の代表曲は素晴らしいと感じることが出来る。

とにかく、『I Go Crazy』と『Cool Night』はあまりにも美しいメロディライン、メロウな雰囲気、甘いボーカル、そのサビの切なさ、いずれを取ってもこれぞA.O.R.と言ったツボをしっかりと押さえていて、これを名曲と言わなかったら名曲はこの世に存在しない、と言うことが出来る美しすぎる曲である。これらの2曲はA.O.R.のオムニバス盤には収録されているものの、他の曲となると殆どお目にかかれないだけに、本ベスト盤は実にお涙もののベスト盤である。(ベスト盤にはいくつかの役割があるが、本ベスト盤はベスト盤としての存在理由の全てを満足しているベスト盤でもある。)

A.O.R.がお好きな方は当然であるが、ボーカルもの(特にバラード)がお好きな方や、心が洗われるというような綺麗なサウンドを聴きたいという方には花丸を付けてお薦めするアルバム(ベスト盤)である。尚、彼のオリジナル・アルバムの方もしっかりと聴いてもらいたい所だが、CD化されないのは実に困ったところである。(だから、筆者はLPを今でも再生できる態勢を整えているのです。)→それ故、本ベスト盤の価値は実に高いものがあります。是非、ライブラリーに加えてください。

 

Sweet Life: His Greatest Hit Singles

Sweet Life: His Greatest Hit Singles

  • アーティスト: Paul Davis
  • 出版社/メーカー: Razor & Tie
  • 発売日: 1999/09/28
  • メディア: CD


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「007/FOR YOUR EYES ONLY」 [映画(洋画)]

007シリーズ最新作であるシリーズ第21作の「CASINO ROYALE」が12/1に公開になるが、それに向けて、これまでのシリーズ全20作を7月からDVDで順番に改めて見ている。(シリーズ40周年記念のDVD-BOX+「ダイ・アナザー・デイ」。一応、特典映像の方も改めて見ているので、1本を見るのに3時間半から4時間という時間が必要となる。尚、今度は全20作のアルティメット・コレクションのBOX(スーツケースに収納)が発売されるのですね。全作吹き替え版もあるということで、一応は「アルティメット」と感じます。(が、40周年のBOXを持っているので、流石に購入の方は...)で、今回は前作であまりにもSFの世界に行ってしまったことから「原点回帰」と言うことで、シリーズの原点であるアクション中心に戻ることを目指したシリーズ第12作の「ユア・アイズ・オンリー」です。

尚、007シリーズに関してはHPの方に資料として作っていますので、そちらもご覧頂ければ幸いである。(ここをクリックしてください。)尚、各作品については「作品解説」と「脱線メモ」という2本立てで記していますが、前者は筆者が書いたもの、後者は年間に映画を600本以上見るという友人のG氏が書いたものです。

「FOR YOUR EYES ONLY」は1960年にI.フレミングが5作の短編小説「007号の冒険」の中の作品である「読後消却すべし」と「危険」を組み合わせ、そこにオリジナル・ストーリーであるミサイル誘導装置(ATAC)の争奪戦というものを組み合わせた物語である。ということもあって「つぎはぎ」という声もあるが、原作小説をしっかりと踏襲した部分は評価されている。また、昔からのファンにとって嬉しかったのは、ボンドが亡き妻・テレサの墓参りをするという冒頭や、「女王陛下の007」以来となるカジノでのバカラを行うと言った所があったということで、「女王陛下の007」をかなり意識している所である。(「女王陛下の007」は、シリーズ中でも持つとも原作小説に忠実な作品である。公開時は興行的に転けたことから評価が低かったが、本作の公開以降、徐々に再評価されることになり、現在では高く評価されるようになった。(まあ、勝手と言えば勝手なものですが...))シリーズではお馴染みの派手な爆破シーンというのも殆ど無く、「生身のアクション」ということを前面に押し出したのが本作である。

監督はこれまで第2班の監督だったジョン・グレンが昇格し、脚本はリチャード・メイバウムとマイケル・G・ウィルソンが担当した。(マイケル・G・ウィルソンはプロデューサのブロッコリの娘婿です。)主題歌はイギリスの歌姫。シーナ・イーストン。驚いたのは、シーナ自身がOPタイトルにも登場したことであり、これまでのシリーズでは主題歌を歌うシンガーが登場したことはありませんでした。パワフルで伸びのあるボーカルを、ゆっくりとしたテンポの同名タイトル曲でしっかりと聴かせてくれている。また、本作では音楽を担当したのは「ロッキー」シリーズでお馴染みのビル・コンティである。

キャストは、5作目のボンドとなるロジャー・ムーアに、ボンドガールはフランス誌湯津心の美人女優のキャロル・ブーケ。長い髪とクールな瞳が印象的な女優さんです。(ソルボンヌ大学出身ということもあり、クール・ビューティとも称されている。)また、シャネルのCMに出ていたと言うことは有名で、この後、フランスを代表する女優に成長する。(ボンドガール経験者では出世しました。)敵となるクリスタトスにはジュリアン・グローヴァー、協力者となるコロンボには「屋根の上のバイオリン弾き」で有名なトポル、リン・ホリー・ジョンソンがスケートで金メダルを夢見るビビを演じている。また、5代目ボンドを襲名するピアース・ブロスナン夫人のカサンドラ・ハリスがリスル伯爵夫人を演じていて、この時にブロスナンは子供と共に007の撮影現場を訪れていて、これのお礼というのか、ブロスナン・ボンドの「トゥモロー・ネバー・ダイ」の撮影時、ロジャーがその現場を訪れて激励した、というのは有名な話です。(5代目は襲名する14年も前にシリーズに繋がりを持っていました。)尚、Qとマネーペニーのデズモンド・リュウェリン、ロイス・マックスウェルは出演しているが、Mのバーナード・リーは本作撮影時には既に入院していて、本作には出演していない。(物語上は、Mは出張中ということになっている。)

オープニングでボンドが亡き妻の墓参りをしていて、そこに絡むのが、かつての宿敵・ブロフェルド(らしき男)である。ということで、このオープニングは、ボンドを演じる役者は変わっても、「007」シリーズは繋がっていると言うことをアピールすることになり、実に嬉しいものでした。

物語は、アルバニア沖でイギリスの電波監視船が何者かによって撃沈される。この船にはミサイル誘導装置(ATAC)が装備されていたため、英国は一刻も早く回収せざるを得なかった。が、ソ連は既にその情報を入手していて、ギリシャの裏組織が活動を開始していた。ATAC回収の指令が出たボンドは黒幕を追う。スペインから始まり、エーゲ海の深海、アルプスの雪山、絶壁の上に建つ修道院など、ヨーロッパ各地の美しい景色を舞台に、本格的なアクションが見られます。

尚、ボンド・カーのロータスは活躍をしない間に爆発してしまいますが、ボンドからボンド・カーを取り上げてしまうというのはなかなか面白いところであり、秘密兵器に頼らないという本作の特徴が出ている所でもある。

派手な爆発はないということで、物足りなく感じるという意見もあるが、その分、生身のアクションをたっぷりと魅せてくれます。そして最後には、サッチャー首相(当時)のそっくりさんが出てくるというお遊びもあり、この辺りはユーモラスなロジャー・ボンド作品という所でもあります。

 

007 / ユア・アイズ・オンリー ― オリジナル・サウンドトラック

007 / ユア・アイズ・オンリー ― オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ, シーナ・イーストン
  • 出版社/メーカー: ビデオアーツ・ミュージック
  • 発売日: 2000/05/10
  • メディア: CD

007 ユア・アイズ・オンリー アルティメット・エディション

007 ユア・アイズ・オンリー アルティメット・エディション

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD
007/ユア・アイズ・オンリー 特別編

007/ユア・アイズ・オンリー 特別編

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2003/02/26
  • メディア: DVD
007 製作40周年記念限定BOX

007 製作40周年記念限定BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/20
  • メディア: DVD
007 アルティメット・コレクション BOX

007 アルティメット・コレクション BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD
James Bond 007 - Legacy Collection 12 Inch Figure: Roger Moore as James Bond

James Bond 007 - Legacy Collection 12 Inch Figure: Roger Moore as James Bond

  • 出版社/メーカー: サイドショウ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

James Bond 007 - 1/4 Scale Premium Figure: Roger Moore as James Bond

  • 出版社/メーカー: サイドショウ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

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