RICKIE LEE JONES『PIRATES』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表された彼女の2nd.アルバムであり、本アルバムまでは明るく楽しくなってくるサウンドを聴かせてくれている。また、本アルバムでは、参加しているミュージシャンたちの顔ぶれも豪華なものであり、その連中と共に音を楽しんでいるようなアルバムでもある。が、明るいだけでなく、繊細な一面もあり、じっくりと聴かせてくれる曲もあり、後の彼女のスタイルもしっかりと備わっている。ということで、実にバラエティに富んだアルバムである。
収録曲は以下の全8曲である。『We Belong Together』『Living It Up』『Skeletons』『Woody And Dutch On The Slow Train To Peking』『Pirates (So Long Lonely Avenue)』『Lucky Guy』『Traces Of The Western Slopes』『Returns』。
この中からのお薦め曲は、明るく楽しくなってくる『We Belong Together』、アルバム・タイトル・ナンバーである『Pirates (So Long Lonely Avenue)』、そして『Traces Of The Western Slopes』と『Returns』をピックアップしておくが、いずれもが彼女の持ち味をいかんなく発揮していて、緩急のメリハリがあり、楽しいだけではなく、実に深みのあるボーカルを聴かせてくれる。で、最初から最後まで飽きることなく聴き惚れてしまうことになる。
発表から四半世紀が経過しているとは思えないようなサウンドであり、やはり「名曲はいつの時代でも名曲である」ということを感じさせてくれる。特に本アルバムはジャンルがどうのということなく、音を楽しむという方全てに聴いてもらいたいアルバムである。（って、音を楽しまない音楽ってあり得ませんが...）まさに、'80's初期の女性ボーカル・アルバムでは傑作である。
- アーティスト: Rickie Lee Jones
- 出版社/メーカー: Warner Bros.
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
RITA COOLIDGE『ALL TIME HIGH』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1993年にリリースされた彼女のベスト盤である。'70'sの時代から活躍している彼女であるだけに、ヒット曲は多く、その全てを1枚で網羅しているという訳にはいかないものの、ツボはしっかりと押さえてあるベスト盤である。彼女の代表曲は一通り集められていて、じっくりと聴かせてくれるハートフルなボーカルをたっぷりと堪能することが出来る。
収録されているのは以下の全14曲である。『We're All Alone』『I Don't Want To Talk About It』『Loving Arms』『Closer You Get』『You're So Fine』『(Your Love Has Lifted Me) Higher And Higher』『Way You Do The Things You Do』『All Time High』『We've Got Tonite』『Wishin' And Hopin'』『You』『One Fine Day』『I'd Rather Leave While I'm In Love』『Words』。
全米2位まで上昇した『(Your Love Has Lifted Me) Higher And Higher』や映画「007／オクトパシー」の主題歌として使われた『All Time High』などは基本中の基本であるが、面白いのは冒頭の2曲の『We're All Alone』と『I Don't Want To Talk About It』である。前者は言わずと知れたBOZ SCAGGSが大ヒットさせた名曲であり、後者はEVERYTHING BUT THE GIRLが後にカヴァーしてヒットさせることになる曲である。シンガーとしては前者のようなことを行うのは珍しいことではなく、当たり前と言ってもいいが、ライターとしての力量があるからこそ後者のようなことが行われるのである。これはやはり素晴らしい才能を持ち合わせているシンガーソングライターであるということの証でもある。
その他の曲としては、『Closer You Get』『Way You Do The Things You Do』『You』『Words』という所をお薦め曲として記しておくが、本ベスト盤のような構成のものは、捨て曲というものが無いだけに早い話、全てがお薦め曲でもあるのですが...
ベスト盤には、入門用と言うことの出来るものと、深くターゲットを絞ったものとがあるが、本ベスト盤には、彼女を知りたいという入門者にピッタリであると共に、彼女のファンにとっても1枚（ここがポイントである。複数枚でいいとなると、早い話、オリジナル・アルバムの全てを持ってくればいいことですから...）でツボを抑えられるベスト盤である。ということで、ベスト盤としても価値の高い一枚である。是非とも彼女の歌声を、じっくりと聴き込んで欲しい所である。
- アーティスト: Rita Coolidge
- 出版社/メーカー: Spectrum
- 発売日: 1993/05/01
- メディア: CD
↓日本盤はこちら（ジャケットが異なります）
- アーティスト: リタ・クーリッジ
- 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
- 発売日: 1994/11/02
- メディア: CD
RAY PARKER Jr. & RAYDIO『THE BEST OF RAY PARKER Jr. & RAYDIO』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1990年にリリースされたベスト盤である。彼は映画「ゴーストバスターズ」の主題歌を歌い、これが大ヒットしたことで知られているが、'80'sでは大人の鑑賞に堪えるソウルフルなコンテンポラリー・ミュージックを多くヒットさせている。本ベスト盤はそういう彼が放った一連のヒット曲が集められていて、彼のボーカルをたっぷりと満喫できるものとなっている。彼の名前が挙がると、どうしても『Ghostbusters』ということが先に出てくるが、それ以外の曲もたっぷりと味わってもらいたい所である。
収録されているのは以下の全14曲である。『Ghostbusters』『You Can't Change That』『Woman Needs Love (Just Like You Do)』『More Than One Way To Love A Woman』『Stay The Night』『Let Me Go』『Betcha Can't Love Me Just Once』『Jack And Jill』『The Other Woman』『Two Places At The Same Time』『(I Still Can't Get Over) Loving You』『Girls Are More Fun』『Is This A Love Thing』『For Those Who Like To Groove』。
全米No.1ヒットとなり、3週連続1位の上、1984年のBillboard年間シングル・チャートで9位にランクインしている『Ghostbusters』がやはり彼の放ったビッグ・ヒット・ナンバーであるが、このテンポの良く軽快な曲も良いが、彼が着実に評価を高めた曲である1981年の『Woman Needs Love (Just Like You Do)』（1981年のBillboard年間シングル・チャートでは16位、レギュラー・チャートでは最高位4位）は落ち着いた聴かせるナンバーであり、じっくりと聴いてもらいたい曲である。そして『Other Woman』も1982年のBillboard年間シングル・チャートでは26位、レギュラー・チャートでは最高位4位を記録したヒット曲であり、この曲はテンポの良い一曲で、『Ghostbusters』に繋がる部分がある。この他にも『You Can't Change That』や『Is This A Love Thing』『For Those Who Like To Groove』といった曲をお薦め曲として記しておくことにする。
本アルバムはベスト盤ということで、RAYの魅力満載が満載であるのは言うまでもないが、彼の場合は『Ghostbusters』のイメージが強いだけに、それ以外の曲もしっかりと聴いてもらいたい所である。'80'sを語る上でも、彼は『Ghostbusters』だけではありませんから...
The Best of Ray Parker Jr. & Raydio
- アーティスト: Ray Parker Jr. & Raydio
- 出版社/メーカー: Arista
- 発売日: 1999/01/12
- メディア: CD