STEELY DAN『GAUCHO』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表されたアルバムであり、本作発表後、20年の沈黙期に突入することになる彼らであるが、実に完璧なアルバムとして仕上がり、彼らの最高傑作と言われているアルバムである。彼らはドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの2人組であるが、完璧主義者の彼らはスタジオに籠もって、豪華なアーティストたちを参加させて築き上げるという姿勢は変わっておらず、緻密なサウンドを展開している。当然のように本アルバムはヒットして、1981年のBillboard年間アルバム・チャートでは29位、レギュラー・チャートでは最高位9位を記録している。
収録されているのは以下の全7曲である。『Babylon Sisters』『Hey Nineteen』『Glamour Profession』『Gaucho』『Time Out Of Mind』『My Rival』『Third World Man』。
この中からは、『Hey Nineteen』がシングル・ヒットを記録していて、1981年のBillboard年間シングル・チャートの72位にランクインしている。また、レギュラー・チャートでは最高位10位を獲得している。そして、こちらは年間チャートのTOP 100にはランクインしていないが、『Time Out Of Mind』が2nd.シングルとしてシングル・カットされている。こちらは多くのアーティストが取り上げるスタンダード・ナンバーとなった曲であり、曲名についてはご存知の方も多いでしょう。
筆者のお薦め曲は、上記のシングル・カットされた2曲(『Hey Nineteen』、『Time Out Of Mind』)とアルバム・タイトル・ナンバーである『Gaucho』をピックアップしておくが、他の曲も「完璧」と言っていいものであり、捨て曲(彼らのアルバムでは、こういう言葉は存在しない)は一切無い。参加している豪華なアーティストを上手く使っていることも、「完璧」というサウンドを生み出していることに繋がっている。
本アルバムの発表後、次のアルバムが期待される中、20年もの長期にわたってニュー・アルバムを発表しなかった(ソロ名義ではっぴょうしていますが...)ということもあって、伝説のアルバムになっているが、内容もしっかりとしたものがあり、「伝説」に恥じないものとなっている。'80'sサウンドが次々と新しいサウンドを生み出していた'80's初頭に発表されたアルバムの中では、やはり一味違うものであり、多くの方に聴いてもらいたいアルバムである。
↓DVD-AUDIO盤もリリースされています。
RICK JAMES『STREET SONGS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表された彼の5th.アルバムであり、なかなかファンキーなサウンドを聴かせてくれるアルバムである。この当時('70's終盤から'80's初頭)は、ヒップホップ界での彼の名前は大きく、実績のある彼であるが、実にファンキーで楽しいサウンドを聴かせてくれている。後に、MC HAMMERの『You Van't Touch This』の元ネタになったと言われる彼の代表曲『Super Freak』が収録されているアルバムである。本アルバムは1981年のBillboard年間アルバム・チャートでは36位にランクインしていて、レギュラー・チャートでは最高位3位を記録する大ヒットとなっていて、本アルバムは彼の最高傑作と言っても良いアルバムである。
収録されているのは以下の全10曲である。『Give It To Me Baby』『Ghetto Life』『Make Love To Me』『Mr. Policeman』『Super Freak』『Fire And Desire』『Call Me Up』『Below The Funk (Pass The J)』『Give It To Me Baby』『Super Freak[12" Version]』。
この中では、何と言っても彼の代表曲である『Super Freak』である。ノリが良く、実にファンキーな一曲である。また、シングル・カットされた『Give It To Me Baby』も同じ傾向の曲であるが、『Fire And Desire』はバラード・ナンバーであり、全編がファンキー・カラーに染まっておらず、これが本アルバムではポイントとなっている。
筆者のお薦め曲は、『Super Freak』『Fire And Desire』というシングル曲に留めておく。(上記のバラードも悪くない曲であるが、彼と言えばやっぱりファンキーなサウンドが良いということでです。)
そんな彼も、2004年に鬼籍に入ってしまったが、彼の残したサウンドは、'80's中盤以降、大きなうねりとなり、ヒップホップ系サウンドが台頭するようになったのだから、これもまた面白いところである。どことなく'70'sのファンキー・サウンドのテイストも残る彼のファンキーなサウンドは、今多からこそ一度は聴いてもらいたいサウンドでもある。特にファンキーなサウンドがお好きな方には、しっかりと彼の軌跡を辿ってもらいたい所である。
ROLLING STONES『TATTOO YOU』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表されたもので、'80'sになってもSTONESの存在感を示したアルバムである。本アルバムは、billboardのアルバム・チャートを駆け上がり、9週連続1位に輝き、1981年の年間アルバム・チャートでも22位にランクインしている。(9週連続1位というのは、1981年では連続ということでは最長である。尚、1981年のBillboard年間アルバム・チャートで1位を獲得したREO SPEEDWAGONの「HI INFIDELITY」は6週、3週、6週連続で、通算15週No.1の座を獲得しており、9週というのはこれに次ぐものである。が、年間順位が低いのは、発売時期の関係である。)また、本アルバムは、グラミー賞で最優秀アルバム・パッケージ賞を獲得するというちょっと異色のアルバムとなった。(これは、ジャケットのデザインを評価したものである。)
収録されているのは以下の全11曲である。『Start Me Up』『Hang Fire』『Slave』『Little T & A』『Black Limousine』『Neighbours』『Worried About You』『Tops』『Heaven』『No Use In Crying』『Waiting On A Friend』。
この中からは、『Start Me Up』がBillboardのシングル・チャートで最高位2位(年間シングル・チャートでは何故かTOP 100にランクインしていない。)、『Waiting On A Friend』がレギュラー・チャートで最高位13位、(1982年の年間シングル・チャートでは94位)、『Hang Fire』がレギュラー・チャートで最高位20位(これも年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていない。)という3曲のシングル・ヒットが生まれている。
筆者のお薦め曲は、『Start Me Up』『Hang Fire』『Worried About You』『Heaven』『Waiting On A Friend』という所をピックアップするが、やはり本アルバムでは『Start Me Up』である。とにかく、イントロが流れてくるだけで、緻密な音作りをしていることが分かり、いきなり彼らの世界に引き込んでくれる。また、『Neighbours』までのLPではA面に収録されていた曲と、『Worried About You』以降のB面に収録されている曲とでは、雰囲気が変わり、いかにもLPの時代のアルバムということを感じさせてくれるのもまた良いところである。(こういうのは、CDのアルバム全体を連続して聴くことが出来ても、一時的に中断させたくなってくる。→A/B面で雰囲気を変えたアルバムというのは珍しいものではないが、CDではその世界観がどうしても潰れてしまうところがあり、ちょっと残念な所でもある。)が、流石はSTONESであり、脂が乗っていた時期のアルバムである。STONESを語る上では忘れてはならないアルバムである。