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LUTHER VANDROSS『BUSY BODY』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1983年に発表されたものである。本アルバムは軽快なテンポのアップナンバーとスローなテンポの曲がバランス良く配置されているということで、緩急の付け方が抜群のアルバムである。これが落ち着いた大人の感覚にマッチしていて、聴く者を虜にする魅力に溢れている。一聴しただけではこの良さは分かりづらいのだが、聴き込むことでその良さが分かってくる。ということもあって、Billboardのアルバム・チャートでもそれがよく分かる結果が出ていて、レギュラー・チャートでは最高位32位、1984年の年間アルバム・チャートでは45位というように、ロングセラーを記録している。(最高位が30位ぐらいのアルバムでは、年間チャートのTOP 50にランクインするのは、普通は困難である。まして、1983年に発表されたアルバムはレベルが高いだけに、より困難である。)

収録されているのは以下の全7曲である。『I Wanted Your Love』『Busy Body』『I'll Let You Slide』『Make Me a Believer』『For the Sweetness of Your Love』『How Many Times Can We Say Goodbye』『Superstar/Until You Come Back to Me (That's What I'm Gonna Do)』。

収録曲は7曲であるが、3分半という1曲を除いて、5分前後という曲が並んでいて、聴き応えがある者となっている。本アルバムからは、何と言っても『Superstar/Until You Come Back to Me (That's What I'm Gonna Do)』である。9分半に近い超大作であるこの曲は往年の名曲のカヴァー曲であり、メドレーというものであるが、彼自身の曲ではなくCARPENTERSなどの曲を取り上げている。'80's初頭にはSTARS ONがBEATLESの(そっくりな)メドレーのヒットが売れたことで、一時的にメドレーのブームが起こったが、それに便乗した訳ではないものの、「名曲はいつの時代でも名曲である」ということを感じさせてくれることになっている。

本アルバムからの筆者のお薦め曲は、テンポの良いダンス系ナンバーの『I Wanted Your Love』と、前述のメドレーである『Superstar/Until You Come Back to Me (That's What I'm Gonna Do)』、そして、彼のボーカルをたっぷりと堪能できるスローなテンポのボーカル・ナンバーである『Busy Body』、ディオンヌ・ワーウィックとのデュエット・ソングである『How Many Times Can We Say Goodbye』をピックアップしておく。

本アルバムからは、マーカス・ミラーのプロデュースによるアルバムが続くことになるが、結果的にこのことが彼のサウンドに'80'sらしさを吹き込み、同時に彼が本来持っている聴かせるボーカルの良さが出て、'80'sという時代にその名を残すアルバムが誕生した。そういうことで、彼のキャリアの上でも本アルバムは忘れることの出来ない一枚である。たっぷりと聴き込みましょう。

 

Busy Body

Busy Body

  • アーティスト: Luther Vandross
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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LEE RITENOUR『RIT』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年に法被要されたものである。このアルバムが彼の発表したこれまでのアルバムと違うのは、デビッド・フォスターと組んで、ヒットすることを狙ったたもので、しかも、当時ブームとなっていたA.O.R.路線のサウンドで勝負したものである。で、その思惑は当たり、『Is It You?』はシングル・ヒットを記録している。また、本アルバムは1981年のBillboard年間アルバム・チャートでは91位にランクインし、レギュラー・チャートでは最高位26位を記録している。ジャズ・ギタリストとして名前を知られている彼であるが、ボーカリストとしての才能を示すことになった。

収録されているのは以下の全10曲である。『Mr. Briefcase』『(Just) Tell Me Pretty Lies』『No Sympathy』『Is It You?』『Dreamwalk』『Countdown (Captain Fingers)』『Good Question』『(You Caught Me) Smilin'』『On The Slow Glide』『No Sympathy (Reprise)』。

本アルバムは、これまでの彼の路線のジャズではなく、完全なボーカル・アルバムである。しかも、A.O.R.である。ということで、これまでの彼とは全く違う姿のアルバムである。で、D.フォスターの能力もあるが、TOTOの面々をはじめとする一流のスタジオ・ミュージシャンが集っていると言うこともあって、奏でられるサウンドの方もなかなかのものであり、ボーカル・アルバムとしての仕上がりも良い。

本アルバムからの筆者のお薦め曲は、シングル・ヒットを記録した『Is It You?』(Billboardのシングル・チャートで最高位15位を記録している。尚、年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていない。)を筆頭に、『Mr. Briefcase』『(Just) Tell Me Pretty Lies』と『Countdown (Captain Fingers)』「(Reprise)」を含む『No Sympathy』、そしてインスト・ナンバーでは『Dreamwalk』をピックアップしておく。

尚、彼の名前から、ジャズ・アルバムだと考えるのが普通であろうが、そのように考えて期待すると本アルバムは失望することになる。ギタリストではなくボーカリストの彼だと考えましょう。そういうこともあって、ボーカル、特にA.O.R.がお好きな方には一押しである。(ジャズに興味がないというボーカル・ファンの方も、本アルバムと彼を通してそちらの方に足を踏み入れるのもよろしいかと...)'80's初頭の典型的なA.O.R.を堪能することが出来るアルバムでもあり、当時のA.O.R.を代表する名盤でもあります。じっくりと彼のボーカルを堪能しましょう。

 

RIT

RIT

  • アーティスト: リー・リトナー
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1998/09/25
  • メディア: CD


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LIPPS INC.『FUNCKY WORLD: THE BEST OF LIPPS, INC.』 [音楽(洋楽)]

表題のベスト・アルバムは1992年にリリースされたものである。彼らは'70's終幕の時期から'80'sの頭にかけて活躍したグループであり、『Funkytown』という大ヒット曲を放っている。(あまりにもこの曲のヒットが大きかったことで、一発屋という印象が強いのは仕方のないところでしょうねぇ。)ファンキーでダンサブルな元気なサウンドを聴かせてくれているアルバムである。サウンドの方は、シンセサイザーが音楽シーンに浸透し始めた頃ということもあって、現在のシンセ・サウンドと比べると陳腐化したという印象があるのは仕方のない所であるが、当時の最先端を行くサウンドは何処か懐かしさがあるものでもあり、楽しくなってくるものでもある。

収録曲は以下の全12曲である。『Funkytown』『All Night Dancing』『Rock It』『How Long』『Tight Pair』『Jazzy』『Designer Music』『Hold Me Down』『Addicted To The Night』『Choir Pratice』『Does Anybody Know Me』『Hit The Deck』。

この中からは、やはり『Funkytown』である。この曲は4週連続全米No.1の座を獲得した大ヒット曲であり、1980年のBillboard年間シングル・チャートでも8位にランクインしている。また、日本ではホンダの車のCMソングにも使われたこともあって、この曲は誰でも一度は耳にしたことはあるであろう有名な曲でもある。

それ以外の筆者のお薦め曲は、『All Night Dancing』『Designer Music』『Hold Me Down』『Does Anybody Know Me』『Hit The Deck』という所をピックアップしておく。いずれもが、シンセサイザーが導入されて日が浅い時期の曲らしく、シンプルなものであるが、それが発表から四半世紀以上経過した現在では新鮮な印象を受けることになる。とにかく、'80's初頭の時期のサウンドというのは本当に面白いものである。(サウンド・シーンでは、'80'sが一つの頂点と言われるが、これもこういうサウンドを聴けば分かってきます。)じっくりと聴き込むというものではなく、リズムに乗って体を動かして楽しみましょう!というアルバムである。(無理な動きをして、ぎっくり腰にだけはならないように注意しましょう...)

 

Funkyworld: The Best of Lipps, Inc.

Funkyworld: The Best of Lipps, Inc.

  • アーティスト: Inc. Lipps
  • 出版社/メーカー: Casablanca
  • 発売日: 1994/06/14
  • メディア: CD


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