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ケータイ刑事銭形雷20話[改訂版] [ケータイ刑事]

今回は第20話「タネも仕掛けもありません ~売れないマジシャン殺人事件」である。(「銭形雷」は全40話ですから、半分までやってきました。)1話でもないのに、ゲストは「クイーン女優」でお馴染みの宝積有香さんである。当然、今回も「クイーン」であるが、今回は「マジック・クイーン」ということで、派手な衣装での登場です。BS-iの放送時に「クリミィーマミ」の名前を記したが、やはり「クリミィマミ」をイメージしたキャラということでした。(「M2」オフィシャルブックより)とにかくこの物語は「クルクル、ミラクル~!」につきます。

尚、BS-iの放送時もそうだったが、EPGではこの物語のサブタイトルは「ネタも仕掛けもありません ~売れないマジシャン殺人事件」となっていたが、今回のMBSの放送でもEPGのデータでは「ネタも…」となっていました。物語の中に出るサブタイトルは「タネも…」になっているのですから、しっかりとチェックしてもらいたい所です。(EPGのデータ誤植は結構あることで、BS-iの時はともかく、MBSでは初放送と言っても時間も経っているのですから...)→何でもネタにする「ケー刑事」ですから、これをネタにした物語が6代目であるかも...?

尚、この物語のBS-iでの放送日は2006/5/13でしたが、4月からは関東、中京、関西でワンセグ放送が始まったばかりということもあって、トミーの携帯がワンセグ対応のP901iTVで、ワンセグ放送のPRも兼ねていました。(現在だったら、特に意識することはないものの、やはり時事ネタとして仕込まれているのが「ケー刑事」です。)

この記事のタイトルに「[改訂版]」と付いているのは、BS-iの本放送時に記したものをベースにして加筆を行っているためです。(BS-iの放送時に記したものはその物語が最新作であった時に記したものですが、今回は「銭形雷」全40話まで見た後なので、全体を見通した観点からも追記しています。)BS-iの本放送時に記したものと合わせてご覧頂ければ幸いです。(BS-iでの放送時に記したものは、ここをクリックして下さい。)ということで、いつものように長文&今更ながらのネタバレありで、本編に行きます。

マジッククイーン ミラクルあゆみのくるくるマジックショー」の会場。人気売れっ子マジシャンのミラクルあゆみ(宝積さん、ノリノリですね。)のショーが行われている。「くるくるミラクル~!」と言って魔法のスティックを手にしてそれを回すあゆみ。(衣装はアニメ「クリミィーマミ」です。)で、その模様がワンセグ放送で流されていて、トミーが公園で携帯(P901iTV)でそれを見ている。そうしているとトミーの背後から雷ちゃんが「わっ!」と肩を叩く。驚くトミーに笑顔でいる雷ちゃんは「珍しいですね、岡野さんがマジックなんて...」と言うと、トミーの手から携帯を取り、画面に集中。トミーは懐から資格証を取り出して「私、こうみえてもマジック検定3級なんですからね」とトミーの資格自慢が始まる。(でも、雷ちゃんは相手にしない...)番組の方では、ミラクルあゆみがシルクハットからウサギを出すというマジックをしている。で、タネも仕掛けもないシルクハットからウサギを出したミラクルあゆみを見たトミーは「凄いよなぁ、これ。一体どうなっているんだろう?」と言うが、雷ちゃんは笑顔で「簡単ですよ」と言う。で「えっ?このタネ、分かるの?教えて」とトミー。しかし雷ちゃんは「ダメですよ。マジックのタネをばらすのはルールに反します」と言って、タネ明かしを拒否する。でもトミーは「いいじゃないか~、そんな固いこと言わないでね。僕、寝られなくなるんだから~」と駄々をこねる子供のようにタネ明かしを雷ちゃんに頼むトミー。すると「しょうがないなぁ~」と雷ちゃん。で、「雷ちゃんのタネあかしコーナー」となる。(雷ちゃんがマジックを行う訳ではなく、ミラクルあゆみが行うマジックを別角度から撮影した映像が流れ、雷ちゃんがタネの説明してくれる。→ここではマジックのタネは省略します。)となり、タネ明かしをした雷ちゃん。

タネを知ったトミーは「何てことしてくれるんだよ~!」と態度が変わる。そして「マジックのタネをバラすなんて、大体ルール違反だよ」と雷ちゃんに文句を言い出して。これに雷ちゃんは「自分が聞きたいと言ったんじゃないですか」と反論するが「何を言ってるんだ...」と、先ほど自分が言ったことを完全に忘れているトミーでした。

ミラクルあゆみのマジックは続いていて、「続いては、絶対に開かない箱からの大脱出を行います」と言うあゆみ。観客の一人に向かって「そこのあなた、ステージにお上がり下さい」と言って一人の観客をスティックで差す。ここで指名されたのはトミーだった。(五代さんや高村さんも観客で指名されたことがありましたが、トミーもやはり指名されました。)それを見た雷ちゃんは「あっ、岡野さん。何でいるんですか?」と尋ねる。するとトミーは笑いながら、昨夜この番組の収録を見に行ったということを語る。で、ステージに上がるトミー。(足がもつれてズッコケながらステージに上がっている、というようにお約束はしっかりとやってくれます。)ミラクルあゆみは段取りを説明し、鍵をトミーに渡し、8時まで3分あり、8時には箱から脱出するということを言い、「くるくる~!」とステッキを回すと箱の中に入った。で、トミーは言われたように鎖で箱の扉が開かないようにして、鍵を鎖に繋いだ。TVを看ているトミーは「そう、この後が凄いんだよ」と言って昨夜の興奮を語る。「一瞬たりとも箱から目を離さなかった」と言うトミーはその時の状況を細かく語る。が、3分後の8時になってもあゆみはいっこうに姿を現さないので、鍵を外して箱の蓋を開いた。が、箱の中は空っぽで、ミラクルあゆみは衣装を変えて、会場の後ろから姿を現した、と興奮しながら話している。(が、雷ちゃんは少々呆れ顔でいる。)更に、記念に曲がったスプーン(この後に放送された「恋する日曜日・ニュータイプ」のみのるからもらう携帯のストラップの曲がったスプーンよりは大きいものです。)をもらったことを自慢するトミーだったが、その時、雷ちゃんの携帯に「警視中から入電中」と事件を知らせる入電が入り、トミーは無視されることに... 事件は港区赤坂のアパート「つぶれ荘」で殺人事件発生。被害者はマジシャンのマジックやえこ。直ちに現場に急行せよ、ということで、雷ちゃんとトミーは現場に向かった。

事件現場、やえこはサングラスを掛けていて、コートを着ている状態で死んでいた。また、部屋も荒らされていた。捜査を開始した雷ちゃんとトミー。そこに、ここのところ影が薄くなった鑑識・柴田束志が逆立ちした状態で「報告します」と言って検死結果を報告する。「死因は頸動脈を締められたことによる窒息死」そして逆立ちを止めて普通に立つと「死亡推定時刻は昨夜の8時、第一発見者はこのアパートの大家さんです」と続ける。それを聴いたトミーは落ちていた財布を手にして「財布の中身は抜き取られているな」と確認すると「おそらくは物取りの仕業だろう」と語る。が、雷ちゃんは「変ですね」と言って、室内なのにコートを着たままということに疑問を抱いた。「何処かに出掛けようとしていたんじゃないのか」とトミーが言うが「夜、サングラスをしてですか?」と更に疑問点を口にする。

とりあえず、第一発見者である大家の津部礼正三(つぶれ・しょうぞう)に事情を聴く雷ちゃんとトミー。が、特に変わったことはない、やえこは手品の練習を普段通りやり、いつも決まった時間に音楽をガンガンかけて練習をしていた、ということで、昨夜の午後7:30の時点では被害者はまだ生きていて、犯行時刻は午後8時、その間に犯人がこの部屋に侵入し、やえこを殺害、逃亡した、という方向になる。で、トミーが同じマジシャンでもミラクルあゆみは人気者で順風満帆、やえこは貧乏暮らしの上に殺害されてしまうということで、「天と地だなぁ」と漏らす。が、それを聴いて大家さんは「でも、自分の弟子がスターになったんだから、師匠としたら本望だったんじゃないの」と言って、やえこはあゆみのマジックの師匠ということが判明する。で、ミラクルあゆみに事情を聴きに行った雷ちゃんとトミー。

ミラクルあゆみの楽屋で話を聞く雷ちゃんとトミー。あゆみはやえこが師匠ということを認める。「実は、昨日の夜8時に自宅のアパートで殺害されたんです」と雷ちゃんが言うと、「あ~ら、そうなの?」と素っ気ない返事のあゆみ。一方トミーは「でも、昨日の今日で、また出会えるなんて、運命的ですね」とまた会えたことを喜んでいた。そして「運命ついでに私の新しいマジックを見てもらったりしちゃおうかなぁ~」と言い出す始末。そして公私混同しているトミーは、指から花を出すマジックを始める(が、雷ちゃんがちゃんと止めてくれます。)ミラクルあゆみはトミーの方は一切見向きもしないで、楽屋の中を色々と探していたが「やっぱりないわ~」と言い、昨日の夜にイヤリングの片一方を落としたようだと言う。で、そのイヤリングがダイヤの着いたものだと知ると「そりゃ大変だ」とトミーが言って、トミーと雷ちゃんも探し始める。が、ミラクルあゆみは「まあいいわ、また買えばいいんだし」とスターという所を見せる。(こういうちょっとお高くとまっている「クイーン」というキャラは宝積さんならではです。)でトミーは「スターは違うな...」と感動していました。

雷ちゃんはやえことの出会いについてあゆみに尋ね、それに答えるあゆみ。あゆみの高校時代に田舎の公民館にやえこがショーでやってきて、弟子入りをしたということだった。が、あゆみは特にマジックが好きという訳ではなく、田舎にいても面白くなく、ずっと東京に出たいと思っていて、マジックはきっかけという感じだった。雷ちゃんはあゆみに「あまり悲しくなさそうですね。師匠が殺されたというのに」と言うが「何が言いたいの?」とあゆみ。で、雷ちゃんは、最近はやえことあゆみはあまり仲が良くないということを口にする。これに「もしかして疑われているわけ?」とあゆみ。が「質問に答えて下さい」と雷ちゃん。すると、「あのね、彼女が殺されたのは昨夜の8時なんでしょう。私はその時、ステージでショーをやっていたのよ」と言うあゆみ。その時、本番が始まると言う開幕ブザーが鳴り、あゆみは舞台に出て行った。それを見送る雷ちゃんとトミーだったが、トミーはいつものように鼻の下を伸ばしている発言(「応援していますから」)をするが、雷ちゃんは「犯人はあの人です」と言う。これにトミーは「彼女には完璧なアリバイがあるじゃないですか」と言うも、「大脱出の時、箱から姿を消したんですよね。その間、彼女にはアリバイが無いことになります」と雷ちゃんは言う。だがトミーは「でもね、3分後には客席から現れたんだ。犯行現場まではここから20km以上離れている。3分間でどうやって殺しに行ったと言うの」と言うと「マジックを使って瞬間移動?タネも仕掛けもありましぇーん」と言い笑うだけだった。しかし雷ちゃんは「タネはあります」と言い、「どんなマジックにもタネはあるものです」ときっぱりというと、舞台袖に移動していった。

舞台では、あゆみが絶対に開かない箱からの大脱出を行う所で、客席からは1人の女性客を指名して、手順の説明をするあゆみ。雷ちゃんとトミーは舞台袖にいて、あゆみを見ている。雷ちゃんは手にストップウォッチを持っていて「空白の時間は3分。その間、彼女は何処で何を...?」と呟いた。あゆみは「くるくる~!」と言って箱に入り、女性客が鎖に鍵を掛けた、で、雷ちゃんはストップウォッチを押して時間を計り始めた。が、直ぐに閃き「そういうことか」と言うと、あゆみの楽屋に向かった。

楽屋のドアをノックして「失礼します」と言うと中に入っていく雷ちゃん。楽屋の奥にはあゆみがいて、衣装を着替えている最中だった。で、「あっ、ごめんなさい」という雷ちゃん。が、あゆみは「別に良いのよ、女同士なんだから」と気にしなかった。で、雷ちゃんは腕組みして「大脱出はこういう仕掛けだったんですね」と言ってその仕掛けを知った雷ちゃんはそれを語る。(箱は底の部分が開くようになっていた。ステージの床下から抜け出るとここで衣装替えをして、何食わぬ顔で客席の後ろから登場する。)これにあゆみは「タネが分かれば何てことないでしょう」と言う。すると「でも、みんな信じ込んでいますよ。流石、ミラクルですね」と雷ちゃんが褒め言葉を口にする。が、「今度は褒め殺し?そうやってボロを出すのを待ってるんでしょう」と、雷ちゃんには気を許さないあゆみ。これに「まさか」と言って笑顔を見せる雷ちゃんでした。

そしてストップウォッチに目をやった雷ちゃんは(時間はまだ1分半の少し手前だった)「3分て、意外と長いものですね」と口にするが、あゆみはそれを無視してステージに向かおうとする。で「一つだけ教えてください」と雷ちゃん。それに足を止めるあゆみは「何?」雷ちゃんは、やえこのマジックの腕は確かだと聞いていたが、あゆみのような成功を手にすることは出来なかった、それはどうして?と尋ねる。あゆみは、「マジシャンは魔法使いを演じる役者である。ロベール・ウダの言葉よ。19世紀にフランスで活躍した伝説のマジシャン」と言い「どんなマジックにも必ずタネがある。本当のことのように見えても、実は嘘なの。その嘘を本当に変えるのが私たちの仕事。マジシャンは魔法使いを演じる役者である。でも、それにはがなければダメ。彼女にはそれがなかった。殺されたのは気の毒だけど、どのみち彼女は一生スターにはなれなかったでしょうね」と師匠のことをボロクソに言うと楽屋を後にした。(今回も、ちょっと横暴で高慢ちきな「クイーン」というキャラを演じる宝積さんですが、流石は「クイーン」です。しっかりと持ち味を出しています。また「」ということはスターになるには重要な要素ですし、歴代銭形もしっかりと持っています。)あゆみが出て行ったことで雷ちゃんは「よどむ、悪の天気」(ここでAパート終了。経過時間は15分を回ったところですから、Bパートは10分半弱となります。)

警視庁に戻った雷ちゃんは、トミーが舞台上に出た時のビデオを見ている。(この時、部屋のホワイトボードには「ケータイ刑事 THE MOVIE」のちらしが4枚も貼ってある。また「怪談新耳袋」の1と2のちらしは1枚ずつ貼ってある。→この物語の放送日は2006/5/13で、5/27から熊本で公開ということもありました。)そこにトミーがマジックの小道具を色々と手にしてやってくる。雷ちゃんは手掛かりが見つからないかと思ってテレビ局からテープを借りてきたのでした。が、トミーはいつもの様に「しつこいなぁ君も、まだ彼女のこと、疑っているの?」と言うと、雷ちゃんが手にしているリモコンを奪い取り、あゆみの大脱出を褒め称える。が、雷ちゃんが「私、タネ知っていますよ」とクールに口にする。すると「えっ?知ってるの。ねえ、教えて。どうなっているの?」とトミーはタネあかしを頼む。

で、またも「雷ちゃんのタネあかしコーナー」となる。「箱に仕掛けがあって…」と雷ちゃんが語り始めるが、トミーは雷ちゃんの手を掴んで「やっぱり聴きたくない」と言って雷ちゃんのタネあかしを抑える。(で、雷ちゃんは、やっぱりかというように笑っていました。)で、ビデオの続きに目をやる雷ちゃんだったが「あれ?」と気がついた。「どうしたの?」と尋ねるトミー。「さっきと違っています」と言って画面のあゆみほじっくりと見る。そして「そうか」と言うとカメラ目線で「謎は解けたよ、ワトソンくん」(右手の人差し指をミラクルあゆみのように小さくくるくる。)

ミラクルあゆみのショーが行われている劇場。観客席にあゆみを呼び出したが「私、夜の部の準備で忙しいんだけど...」と不満げなあゆみに米つきバッタのように頭を下げるトミーは「そこを何とか、ご協力お願いします」と言ってあゆみを客席に座らせる。ステージに雷ちゃんがシルクハットを被って登場!「銭形雷のマジック教室」の始まり始まり。(パチパチパチ、と言いながら手を叩いている雷ちゃんです。→このパターン、伝説の四姉妹も色々とやってくれました。)トミーは拍手するが、あゆみは不満げな表情を見せた。

ステージ上の机に、雷ちゃんと向かい合った形でトミーとあゆみが座った。で、雷ちゃんの簡単なマジック(スポンジで出来た2匹のウサギの瞬間移動マジック)が始まる。名前は「多聞」と「アンドリウ」ということで、「ケー刑事」ならではの名前です。それを「変な名前」と突っ込むあゆみ。しかし雷ちゃんは気にしないで「ではこれから、世紀の大マジックを始めます。題して、瞬間移動する多聞」と言うと、多聞を右手で握り、続いてアンドリウをトミーに「握っていてください」と言って渡す。そして「さて今、多聞は今、何処にいるでしょう?」とトミーに尋ねる雷ちゃん。これに「もちろん、君の手の中だ」と言って雷ちゃんの右手を指さすトミー。で右手を広げる雷ちゃん。が、そこに多聞はいなかった。「あれ?消えた。じゃあ、こっちかな?」と雷ちゃんの左手を指さすトミー。で、左手を広げる雷ちゃんだったが、そこにもいない。「あれっ?多聞は何処に行ったんだ?」とトミーは分からないが、あゆみは呆れ顔でいる。雷ちゃんが「岡野さん、手を開いてみて下さい」と言い、トミーが手を開くと、そこに多聞とアンドリウがいた。で、稲妻ステッキを手にして「くるくるミラクル~」と雷ちゃん。で、トミーは「どういうこと、これ?まさか、本当に瞬間移動した訳?」とトミー。雷ちゃんは「もちろん、タネがあります」と言い、またまた「雷ちゃんのタネあかしコーナー」となる。で、タネを説明する雷ちゃん。(実に単純なもので、トミーにアンドリウを渡すときに多聞も一緒に渡しただけでした。→誰でもこんなタネは簡単に分かりますよね...)これに「馬鹿馬鹿しい!こんな初歩的なマジック、つきあってらんないわ」とあゆみは立ち上がり、舞台袖に歩いていこうとする。

その時、雷雲が現れて雷鳴が轟いた。で、「雷鳴轟く積乱雲。…」雷ちゃんの口上が始まり、「私の稲妻でしびれなさい!」であゆみに稲妻が落とされる。「くるくる、ミラクル~」と言いながら倒れるあゆみは煙を噴く。で、「何すんのよ!」と怒るあゆみ。雷ちゃんはゆっくりとあゆみの方に歩を進めると「あなたがマジックやえこさんを殺した犯人ですね」と言う。が、あゆみは「しつこいわね。あの時、私はここでマジックをやっていたのよ。犯行現場に行けるはずないじゃない」と反論する。これに「確かにそうですね。でも、殺すことは出来ます」と言う雷ちゃんは、トリックの説明を始める。

「今のマジックと同じです。やえこさんはあの時間、アパートではなくこの会場にいたんです」と言うと、事件の真相を説明する雷ちゃん。昨夜、空白の3分間にあゆみは楽屋でやえこを殺害し、遺体を隠すと何食わぬ顔で会場に戻りショーを続けた。そしてマジック・ショーの終了後、遺体をアパートへ運び、物取りの仕業のように見せかける細工をした。これにあゆみは「なかなか大胆な推理ね」と言うとゆっくりと立ち上がった。そして「やえこさんがこの会場にいたという証拠はあるの?」と、犯人が必ず口にする証拠を求める台詞を口にするあゆみ。雷ちゃんはいきなり語らず「そう言えば、あれって見つかりました?ダイヤの...」と尋ねる。あゆみは思い出したように「イヤリング、無かったわよ、結局」と答える。すると「これってそうですか?」と言ってイヤリングを見せる雷ちゃん。(お約束の「星形のイヤリング」でした。→お約束はしっかりと守ってくれます。)それを見たあゆみは「それよ、何処にあったの?」と雷ちゃんの所に駆け寄る。すかさず「この中です」と言って、やえこが亡くなった時に履いていたズボンを見せ、その裾の中に入り込んでいたと告げる。で、あゆみは雷ちゃんに背を向けるが、「変ですよね。やえこそんが殺された時、ここから20kmも離れたアパートにいたはずです。なのにどうして、あなたが控え室で無くしたイヤリングが裾の中に入り込んでいたんでしょう?それはあの時、やえこさんがあなたの控え室にいたからです」と説明し「これがその動かぬ証拠です」とトドメを刺した。すると、あゆみは観念して膝をついた。

トミーがあゆみにやえこの殺害理由を尋ねる。あゆみは「あたしを殺そうとしたからよ」と語り始める。大脱出で衣装替えのために楽屋に戻ってきたら、やえこが待ち伏せをしていて、「自分だけが良い思いをして、この裏切り者」と言ってあゆみを襲った。「田舎の芋娘をここまでにしてやったのは誰?私でしょう。この恩知らずが」と言ってあゆみを投げ飛ばし、「だって私はここにはいないんだから」と言って、今アパートでマジックの練習をしているというアリバイ工作(テープでマジックの練習の時に使う音楽を流している)がしてあることを語る。(思い出されるのは「・2nd.19話」です。)あゆみはこのままでは殺されると思い、気がつけばやえこの首を絞めていた。そして、やえこのアリバイを逆に利用しようと閃き、とりあえずやえこの遺体を隠した。で、後は雷ちゃんの推理通りだということだった。(この回想で、宝積さん、セーラー服姿を見せてくれるなど、色々と見せてくれます。)隠し通せるか不安だったが、お客さんの歓声を聞いたら何でも出来ると思ったが、無理だった。と告白する。そして「マジシャンは魔法使いなんかじゃない。魔法使いを演じている役者に過ぎないんだもんね」と続けましたが、この言葉が空しく聞こえます。で、トミーがあゆみを逮捕した。雷ちゃんはその様子を見ていてやりきれないという泪ちゃんが犯人逮捕の時に何度も見せていた表情を見せていた。

事件解決後、街中を歩いている雷ちゃんとトミー。「また一つ、新しいマジックをマスターしましたよ」と言うトミーは雷ちゃんに披露するということで、背広の内ポケットから1本のフェルトペンを取り出し、「取り出しましたのは何の変哲もないフェルトペンだ。お客様、持っていていただけますか」と言って雷ちゃんに渡す。続けて「題して、直ぐに元に戻るメガネ」と言ってメガネを外し、雷ちゃんの手からフェルトペンを受け取ると、両眼のレンズの部分に横線を濃く書き込む。「大丈夫なんですか?」と心配げに言う雷ちゃんに「大丈夫、大丈夫」と余裕を見せるトミー。続いて「このタネも仕掛けもないハンカチを...」と言ってハンカチをメガネに掛け、顔に持って行き、メガネを掛けて一回転する。で、「次の瞬間に…」と言ってハンカチをどけるトミーだったが、フェルトペンで書いた線はそのまま残っていました。すると「おかしいなぁ~?」と言ってハンカチでメガネのレンズを拭き始める。雷ちゃんはフェルトペンを見て「だってこれ、油性ですよ」と言うが「分かっていますよ、中身だけを取り替えておいたんですよ」と言うトミー。雷ちゃんは「これって、デスクの上にあった?」と確認するが「絶対にさわるなって書いて...」と言うトミー。これに「ああ、あれか」と言う雷ちゃんだったが、「何でもありませ~ん」と言って右目の前でVサインの雷ちゃんでした。→インクを水性のものにすり替えたトミー、雷ちゃんはそれを元の油性ペンにすり替えていたということですね。

今回の物語は、やはりクイーン女優・宝積有香さんがいてこその物語でした。本当に何でもやってくれるクイーンですね。尚、その宝積さんですが、3/10放送予定のBS-i「恋する日曜日・3rd.10話」の「41歳の春」という作品で、柴田太郎でお馴染みの金剛地武志さんとラブ・ストーリーに出演です。(それにしても、周知期間が計算されたかのような絶妙のタイミングでMBSは放送してくれますね)

また、「ケー刑事」でマジックと言えば、やはりお姉ちゃまと五代さんが思い出されます。雷ちゃんもマジックということで、銭形家の青リボン・長女はマジック好きなんですね。

次回の物語は、第21話「レッドカードはあいつだ! ~フットサン殺人事件」である。で、雷ちゃんがいつもの制服姿ではなく、サッカーのユニフォーム姿を披露してくれます。(しかも、髪型もいつもと違って、ポニーテールです。)伝説の四姉妹でもスポーツ・ネタの物語はありましたが、銭形が実際にスポーツをするのは、ちゃんのゴルフに次ぐことである。(ちゃんは野球のユニフォーム姿を披露してくれましたが、監督であり、しかもベンチから追い出されましたし...)で、運動神経の良いところを見せてくれます。(で、「2nd.6話」のビーチバレーに繋がることになります。)また、2006年春のWBCで「世紀の誤審」と言われたネタを取り入れています。(やはり、BS-iの放送時に見ておきたい物語です。)

鑑識メモ。「マジック」ということで、柴田がマジックを披露する。(「束志のスーパー・ファンタジック・イリュージョン」と自ら言っている。)まずは普通のプラスティック製のコップを軽く放り投げで軽いことを示しておいて「重くしてみます」と言って気合いを入れて「エイッ!」すると持ち上げようとしても持ち上がらず「すっげぇ重てえ」。(「くるくるミラクル!」と言います。)続くネタは、そのコップにペットボトルの水を注ぎ「お水をお酒に変えて見せます」と言い、また「エイッ!」と年を送るとそれを飲む。で、「酔っぱらっちゃった~」(「くるくる、目が回る~」と言って、その場に倒れてしまいました。)→そんなマジック、いや、これはマジックではなく、ただのコントですから、誰でも出来ますよ。(タネあかしはしないけど... →する必要も全くないですよね。)

 

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 2

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↓「マジック」ということで
クラシック・マジック入門事典

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  • 作者: 麦谷 眞里
  • 出版社/メーカー: 東京堂出版
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 単行本
クラシック・マジック事典〈2〉タネも仕掛もあるマジック

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京堂出版
  • 発売日: 2003/04
  • メディア: 単行本
トリック・カード事典

トリック・カード事典

  • 作者: 松田 道弘
  • 出版社/メーカー: 東京堂出版
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 単行本
マジック入門

マジック入門

  • 作者: 高木 重朗
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1977/01
  • メディア: -
マジック・ツリーハウス〈3〉アマゾン大脱出

マジック・ツリーハウス〈3〉アマゾン大脱出

  • 作者: メアリー・ポープ オズボーン
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2002/06
  • メディア: 単行本
子どもにウケる科学手品77―簡単にできてインパクトが凄い

子どもにウケる科学手品77―簡単にできてインパクトが凄い

  • 作者: 後藤 道夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/11
  • メディア: 新書
みんなにウケる!超能力手品

みんなにウケる!超能力手品

  • 作者: 堀田 理
  • 出版社/メーカー: 西東社
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 単行本
ミスターラビット

ミスターラビット

  • 出版社/メーカー: テンヨー
  • メディア: おもちゃ&ホビー
スーパースポンジボール

スーパースポンジボール

  • 出版社/メーカー: テンヨー
  • メディア: おもちゃ&ホビー
かわいい花

かわいい花

  • 出版社/メーカー: テンヨー
  • メディア: おもちゃ&ホビー
↓これらを読んでも、トミーのように怒らないでください。

手品と種あかし

  • 作者: 堤 芳郎
  • 出版社/メーカー: 日東書院
  • 発売日: 2000
  • メディア: -

手品タネあかし

  • 作者: 岡田 康彦
  • 出版社/メーカー: 有紀書房
  • 発売日: 1987/01
  • メディア: 単行本

魔術・奇術・手品のタネ明かし―ぜひ見たい知りたい

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 青年書館
  • 発売日: 1983/01
  • メディア: -
↓こちらもピックアップしておきます。
魔法の天使クリィミーマミ コレクションBOX(1)

魔法の天使クリィミーマミ コレクションBOX(1)

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2001/08/25
  • メディア: DVD
魔法の天使クリィミーマミ コレクションBOX(2)

魔法の天使クリィミーマミ コレクションBOX(2)

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2001/11/25
  • メディア: DVD
魔法の天使クリィミーマミ コレクションBOX(3)

魔法の天使クリィミーマミ コレクションBOX(3)

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2002/02/25
  • メディア: DVD

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「PSYCHO」('60) [映画(洋画)]

表題の作品は、1960年に製作されたヒッチコック監督が放ったサイコ・サスペンスの傑作「サイコ」である。また、1998年にリメイクされたのも有名な所である。本Blogでも、以前にそのリメイク盤のサントラ盤を取り上げたことがある(その記事は、ここをクリックして下さい。)が、満を持してオリジナル版の映画を取り上げることにしました。(が、説明の必要のないほど有名な作品ですが...)

まずは、映画データを記しておくと、製作と監督はアルフレッド・ヒッチコック、原作はロバート・ブロック、脚本はジョセフ・ステファノ、撮影はジョン・L・ラッセル、音楽はバーナード・ハーマンである。そして出演は、アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー、ジョン・ギャヴィン、ヴェラ・マイルズ、マーティン・バルサム、サイモン・オークランド、ジョン・マッキンタイア、ジョン・アンダーソン、パトリシア・ヒッチコックたちである。

本作公開時、ラスト30分は観客の入場を禁止したということも話題になった本作は、その後数多く製作されたサイコ・サスペンスの原点となった作品でもあり、ヒッチコック監督の演出が冴え渡っている。また、白黒の映像が一段と恐怖感をかき立ててくれる。

物語は、ある女が恋人のために会社のお金を横領して逃げる。で、彼女が立ち寄った寂れたモーテル(ベイツ・モーテル)で、悪夢のような事件が発生する。そのモーテルを管理しているのはノーマンという青年で、離れの一軒家には年老いた母親が住んでいた...

ジャネット・リーがシャワーを浴びている中で殺害されるシーンはあまりにも有名であるが、このシーンを始め、本作のヒッチコック演出は、その後、数多く模倣されることにもなり、映像作家(監督)の世界でもまさに教科書となった作品である。とにかく、サスペンス作品を見るのであれば、本作は見ておかなければならない作品であり、製作から50年近くが経過しようとしている現在でも、まさにこの世界の金字塔である。

更に、バーナード・ハーマンの音楽も素晴らしく、1998年のリメイク版でもその音楽が使われるということになり、改めて本作村のクオリティが高いことが認識された。とにかく、見ていないという方がいたら、直ぐに見ましょう!(見たことがある方も、再度見てみましょう!)

 

サイコ スペシャル・エディション

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/30
  • メディア: DVD

サイコ・コレクション 1~4

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2004/01/30
  • メディア: DVD
サイコ

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
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サイコ (1960) ― コレクターズ・エディション

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2002/08/01
  • メディア: DVD

Psycho: Essential Alfred Hitchcock

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  • アーティスト: Original Soundtrack
  • 出版社/メーカー: Silva Screen
  • 発売日: 1999/09/21
  • メディア: CD

↓'98のリメイク版のサントラです。

Psycho: Original Motion Picture Score

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  • アーティスト: Original Soundtrack
  • 出版社/メーカー: Virgin
  • 発売日: 1999/06/08
  • メディア: CD

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PAT BENATAR『GET NERVOUS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1982年に発表された彼女の4th.アルバムである。'80'sの初頭は女性ロック・シンガーとしてエネルギッシュなサウンドを聴かせていた彼女であるが、本作はロッカーという意味ではかなり後退してしまったアルバムであり、ポップなサウンドになっている。シンガーとして捉えたら、こういう彼女も悪くないのだが、やはり女性ロック・ボーカリストとして確立していた彼女であるだけに、この変身はちょっと辛いかも... が、本アルバムはBillboardの1983年の年間アルバム・チャートでは16位、レギュラー・チャートでは最高位4位を記録するヒットとなっている。(この辺りは、彼女の名前で売れたと言うところもある。)が、本アルバムからは、特に大きなシングル・ヒット(年間シングル・チャートのTOP 100にランクインした曲)は生まれていない。

収録されているのは以下の全10曲である。『Shadows Of The Night』『Looking For A Stranger』『Anxiety(Get Nervous)』『Fight It Out』『Victim』『Little Too Late』『I'll Do It』『I Want Out』『Tell It To Her』『Silent Partner』。

本アルバムからは、『Shadows Of The Night』や『Looking For A Stranger』、そしてアルバム・タイトル・ナンバーでもある『Anxiety(Get Nervous)』など、彼女らしく聴かせてくれる曲はあり、悪い出来ではないのだが、後半になるとドンドンポップになっていき、ロッカーを期待する方には失望されてしまう。が、ポップな彼女は、それはそれでまた新たな魅力があり、『Victim』『I Want Out』『Tell It To Her』という所はそれなりに纏まっていて、'80'sサウンドらしさがある。

人は変わっていくものであり、彼女もロック・ボーカリストからシンガーへと変わっていこうとしたが、不幸だったのは、彼女があまりにも「女性ロック・ボーカリスト」として大きく祭り上げられていたということであろう。ポップになった彼女はそれなりのヒットはしたものの、大きく受け入れられることはなかった。やはり、「PAT BENATAR」と言えばパワフルなボーカルをエネルギッシュに歌うロック・ナンバーというイメージが大きすぎたのである。

が、'80'sサウンドがお好きな方には、ポップな本アルバムを介して、彼女の熱いロック魂に満ちた他のアルバムを経由して、ロックの世界に足を踏み入れるということをすればよろしいかと。尚、本アルバムは、これまでの彼女の支持者には反発されたが、ポップなサウンドが好きな人たちには受け入れられているので、決して悪いアルバムではありません。(こういうのも'80'sらしいところです。)やはり、'80's前半の時期というのは色々と会って面白いということです。

 

Get Nervous

Get Nervous

  • アーティスト: Pat Benatar
  • 出版社/メーカー: Chrysalis
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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