SLAVE『STONE JAM』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表されたものであり、'70'sのファンク・ミュージックの一つの完成型を示したアルバムである。ただ、時代の方は'80'sという新たな時代を迎え、'70'sサウンドとは違った新たな音楽が次々と生まれ、そしてそれらが広く受け入れられていったことから、'70'sのテイストのあるファンクは時代遅れと言ったように受け取られて、ビッグ・ヒットということにはならなかったものの、堅実な支持者に支えられてそれなりのヒットを記録した。本アルバムはBillboardのアルバム・チャートで、最高位53位、1981年の年間アルバム・チャートでは99位にランクインしている。
収録されているのは3曲のボーナス・トラックを加えて以下の全11曲である。『Let's Spend Some Time』『Feel My Love』『Starting Over』『Sizzlin' Hot』『Watching You』『Dreamin'』『Never Get Away』『Stone Jam』『Feel My Love [Disco Mix]』『Sizzlin' Hot [Single Version]』『Watching You [Single Version]』。
後ろの3曲がボーナス・トラックであるが、シングル・バージョンがここで聴くことが出来るというのは嬉しいところでもある。
この中からの筆者のお薦め曲は、ある程度の売れ筋を狙ったと言うことでとても聴きやすい『Feel My Love』『Starting Over』『Watching You』と、アルバム・タイトル・ナンバーであり、これぞファンキーな楽しさを大いに感じる『Stone Jam』をピックアップしておく。(それ以外も、彼らのファンキー・ミュージックの総決算という感じで、質は高い曲ばかりである。)
本アルバムは全編を通してファンキーなサウンドを堪能できると言うことで、大いに楽しんで聴苦ことが出来る。本アルバムのリリースは'80's初頭ということから、'70'sのファンキーなサウンドがお好きな方にもしっかりと聴いてもらいたいところである。
STEVIE WONDER『FOR ONCE IN MY LIFE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1968年に発表されたものである。子供の時から音楽活動を続けている彼であるが、本アルバム以降、彼の発表するアルバムには社会情勢を背景にした曲が顔を出すようになり、彼自身のパーソナリティが前面に出てくるようになった。また、音楽面でも様々なジャンルを取り入れて、一段と幅が広くなった。本アルバムは、そう言う意味でも彼のキャリアにおいても一つのポイントとなるアルバムである。
収録されているのは以下の全12曲である。『For Once In My Life』『Shoo-Be-Doo-Be-Doo-Da-Day』『You Met Your Match』『I Wanna Make Her Love』『I'm More Than Happy (I'm Satisfied)』『I Don't Know Why』『Sunny』『I'd Be A Fool Right Now』『Ain't No Lovin'』『God Bless the Child』『Do I Love Her』『House On The Hill』。
この中からは『Shoo-Be-Doo-Be-Doo-Da-Day』がシングル・ヒットを記録していて、1968年のBillboard年間シングル・チャートでは75位にランクイン、レギュラー・チャートでは最高位9位を記録している。
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、アルバム・タイトル・ナンバーである『For Once In My Life』を筆頭にする。(この曲はスタンダード・ナンバーとなっていて、多くのアーティスト達が取り上げている名曲です。)ポップなこの曲がアルバム・タイトルになっているということで、本アルバムを聴いたら感じることが出来る哀愁感が少しは和むことになる。
それ以外の曲では『You Met Your Match』『I Wanna Make Her Love』『Sunny』『Ain't No Lovin'』『Do I Love Her』といった所をピックアップしておくが、綺麗なメロディ・ラインが心をうっとりとさせてくれる佳曲が集まっている。
この後、彼は大ヒットを記録するアルバムを連発するようになるが、それは本アルバムの快進撃から始まっている。本アルバムはチャートの点では「大ヒット」ということにはならなかったが、本当に素晴らしいアルバムというのは本アルバムのように隠れた存在の中に多く存在している。ということで、本アルバムも隠れた名盤の一つである。じっくりと聴き込みましょう!
STEPPENWOLF『STEPPENWOLF』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1968年に発表された彼らの1st.アルバムである。本アルバムはバンド名をそのままアルバム・タイトルにしているが、この中から『Born To Be wild』が大ヒットしたことから、再発された本アルバムでは「STEPPENWOLF - BORN TO BE WILD」となっているものがあるが、基本的には同じである。(リマスターなどがされているというエンジニアリングの点は除く。)また、本アルバムは大ヒットを記録して、Billboardのアルバム・チャートで最高位6位を記録すると共に、1968年の年間アルバム・チャートでは39位、翌1969年の年間アルバム・チャートでは60位にランクインするロング・ヒットとなった。
収録曲は以下の全11曲である。『Sookie Sookie』『Everybody's Next One』『Berry Rides Again』『Hootchie Kootchie Man』『Born To Be Wild』『Your Wall's Too High』『Desperation』『Pusher』『Girl I Knew』『Take What You Need』『Ostrich』。
『Born To Be Wild』はBillboardのチャートで2位まで上昇し、1968年の年間シングル・チャートでも31位にランクインする大ヒット曲となり、彼らを代表する一曲になったのはあまりにも有名である。尚、本アルバムからの筆者のお薦め曲は、『Born To Be Wild』は当然であるが、それ以外では『Sookie Sookie』『Hootchie Kootchie Man』『Desperation』『Pusher』という所をピックアップしておく。
また、この当時は彼らは次々とアルバムを発表し、いずれもが大ヒットになったが、やはり本アルバムの衝撃が一番大きい。彼らを語るのであれば、やっぱり本アルバムを抜きにしては語ることはできない。本アルバムは'60's終盤という時代を上手く捉えた名盤である。