UNDERWORLD『UNDERWORLD 1992-2002』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは、2003年にリリースされた2枚組のベスト盤である。彼らのキャリアの10年間を年代順に綴った構成であり、更にオリジナル・アルバムには未収録の曲が6曲も本ベスト盤に収録されているのは嬉しい所である。また、これとは別に、サントラ盤にのみ収録されているあの曲も収録されている。ベスト盤と謳っているのにこういう構成では、ベスト盤というよりも、新曲を追加したベスト盤という感じがする。(こういう)ベスト盤も有りですが...)また、本ベスト盤はCD2枚組であるが、DVDが付いた3枚組の「SPECIAL EDTION」(これは日本盤のみです)もあって、5曲が収録されている。(これはファンには嬉しいものである。)
収録曲は全部で16曲、それをDISC 1に7曲、DISC 2 に9曲が収録されている。DISC 1の収録曲は以下の通りである。『Big Mouth』『Dirty』『Skyscraper』『Rez』『Spikee』『Dirty Epic』『Dark And Long』。
続いてDISC 2の収録曲は以下の通り。『Cowgirl』『Pearls Girl』『Born Slippy』『Jumbo』『Push Up』『Moaner』『K.O.S.』『8 Ball』『2 Months Off』。
元々はニューウェーブから派生した彼らのサウンドであるが、次第にそのサウンドが変わっていった彼らであるが、年代順に収録されていると言うのは、その変化がよく分かるということで、資料としての存在価値も本ベスト盤にはある。(基本的には、ハウス系ではありますが...)'90'sらしい彼らの「テクノ」とも違うサウンドを楽しむには最適のベスト盤です。
↓DVD付きはこちら
underworld 1992-2002 (Japan Only Special Edition)
- アーティスト: アンダーワールド
- 出版社/メーカー: V2レコーズジャパン/コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2003/10/16
- メディア: CD
さそり8話(阿修羅道・後編)[最終回] [ドラマ]
この作品は放送から2年半以上が経過したが、もっと注目されてもいい作品なので、今になって書き記してきたが、今回は3つのエピソードの最後のエピソードの完結編となる「後編」であり、全8話のTVシリーズの最終話となりました。(これまでは毎週土曜日にUPしていましたが、今回、何処かで放送されたということでは無いので、最終回は少し早めることにしました。)
「父と母を殺した真犯人を捜すため、Y刑務所を脱獄したナミ。幾多の修羅場をくぐり抜け、真犯人を突き止めた。しかし、犬神に犯人を殺された上、無念にも刑務官に捕まってしまう。このまま、全てが終わってしまうのか?」と、前回の簡単なあらすじを簡単に語るナレーションに続いて、いつものナレーション「囚人番号701号、松島ナミ。復讐を誓った女。人は彼女をさそりと呼ぶ」、ナミの台詞「私がサソる」で幕開けです。
ナミを乗せた車は夜の闇を逃げるように走ってきて、ある橋のたもとに止まった。恩田が所長に「701号を確保しました。」と報告すると「恩田、よくやった!相原にもそう伝えておけ」と言ってご機嫌になり高笑いを始める。で、無線を切ると直ぐに電話が鳴った。それに出ると、天童からの電話であり、態度が一変する所長。「声が弾んでる様だなぁ」と天童。更に「犬の飼い方を知らないようだなぁ」と告げる。「犬?」と返す所長に「昔の飼い犬に手を噛まれた」と言うと、飼い犬が噛んだ時は飼い主に責任がある、と言うと「ナミを無傷で戻せ。そうすれば犬神のことは水に流してやる。刑務所の所長ごときが私にたてつくとどういうことになるか、郷田、お前なら分かるな」と言うと電話を切る天童。「待って下さい」と言う郷田だったが、電話は既に切れていた。
恩田たちは「明日から鉄格子の中で可愛がってやる」と言ってナミをいたぶっていた。そんな中、犬神を雇ったのは誰だ?、ということを口にした恩田に「郷田」と言うナミ。相原は「そう言えばこちらの行動、筒抜けでしたね」とナミの言葉を信じようとするが「こいつの口車に乗せられてどうするんだ」と恩田は全く信じなかった。そうしているところに所長から無線連絡が入る。で、恩田が無線に出る。「今、何処にいる?」と尋ねる所長。「天童の屋敷から川下に約20キロの地点ですが...」と答える恩田。すると所長は「予定を変更する。天童の屋敷へ戻れ」と命ずる。で、訳を尋ねる恩田。二ヶ月追ってやっと確保したので意地でも刑務所に連れ戻す、と言う恩田だったが諦めたように「同じことだ」と言う郷田。すると相原が無線を恩田の手から奪い「所長、犬神を雇ったの、所長なんですか?」と尋ねる。が「早く戻れ」と言うだけで答えない所長。やりきれない思いの恩田は「刑務所がアカンのやったら、警察に直行します」と宣言する。これに「首になるだけではすまんぞ」と言う所長。これに「上等じゃ!」と叫ぶと恩田は無線を切った。で、相原に「車を出せ!天童の屋敷以外だったら何処でも良い」と言って所長に反旗を翻した。
その頃、天童は影山や配下の男たちを集めて、ナミの奪還作戦を実行しようとしていた。「腹から声を出せ」と言って気合いを入れると、影山たちを送り出した。そして「待ってろよナミ」と呟く天童。
恩田たちは川辺にある掘っ立て小屋にいた。焚き火を焚いている相原、ナミを車から出して小屋に縛り付けている恩田。既に経費は底を尽いていて、所持金のない恩田たち。相原はアンパンを出すが、「最後の晩餐だ。豪勢なものを食べたい」と言うが、ナミは「本当に最後の晩餐にならなきゃいいけど...」と言ってくれます。
その頃郷田は、犬神に電話で「天童のことはいい。お前も一緒に来い」と言って決着を付けようと動き出した。
朝になった。恩田たちが一夜を明かした川辺の掘っ立て小屋に影山たちがやって来た。毛布の下に人型があり、影山たちは刀で襲う。が、既に恩田たちはそこにはいなかった。で、小屋から出て後を追おうとする影山たち。そこに車に乗った恩田たちが現れ、影山の手下をはね飛ばすと、そのまま走り出して逃げていった。影山は「くっそぅっ」
走る車の中で相原は、恩田の彼女である金髪のルーシーの写真を見せてもらっていたが、目の前が工事中で封鎖されていて、警官がいた。慌てて車を止める相原。恩田は「迂回路を教えて」と言うと「100mぐらいバックして戻ってもらえますか」と言う警官。で、道が細いことで運転に自信のない相原は「代わって下さいよ」と言い出し、恩田が車から降りる。続いて運転席の相原も一旦降りるが、その時、先ほどの警官や工事現場にいる男たちが駆け寄ってきて恩田を襲った。更に、道の周囲にも多数の男たちが隠れていて、一斉に飛び出してくると相原を襲った。ナミはその様子を車内でずっと見ていたが、恐ろしさを感じて呆然となっていた。
恩田たちの車が停まっている所に、郷田の車が来る。中から犬神と郷田が降りてくると、ゆっくりと歩み寄ってくる。恩田の車のフロントガラスには血痕がこびりついていたが、車中には誰の姿もなかった。(ルーシーの写真だけでした。)で、「どうするんだよ」と言う犬神に「二人の弔いをしてやれ」と郷田は言うと、車に戻った。
屋敷にいる天童の元に1本の電話。天童は「あの家に出入りしていたのは北見なのか」と言っているが、ナミの家に出入りしていたのが北見だと知った。そして、側にあった「つばき」と名付けたドスを抜いて見つめると「ナミ...」と言ってナミのことを思っていた。そこに「影山です」と言う声がした。で、ドスを戻した天童。影山が入ってくると、続いてナミも入ってきた。「会長、戻りました」と報告する影山に「ご苦労だった」と言う天童。で、影山は退室した。
ナミは突っ立ったままで天童を見ていた。安心した天童はナミに優しい言葉をかけるも、ナミは何も言わずに視線を動かさない。やがて歩を進めて天童の側に移動するも、視線は天童を捕らえたままで、何も言わない。すると天童は「犬神のことか?」と尋ねる。しかしナミは何も反応しない。少し間をおいてから天童が口を開く。「知らぬが仏、と言う言葉がある」するとナミは素早くテーブルの上にあったドスを手にしてそれを抜き、天童に突きつける。「私は仏ではありません」と言うナミ。これに「阿修羅道という道を知っているか?」と問う天童。「世の中には光の当たる道と、そのために影の差す道がある」と続け「阿修羅道」の説明をする。幾多の道の中で最も地獄に近いのが「阿修羅道」であり、自分はその中からのし上がってきたと言い、更に、「犬神はうちで育てた犬だ。刺客として」と伝える。するとナミは「鈴木は私の親を殺した。けど、そこにもう一人いた」と言う。これに天童は「犬神だ」と答えた。(ナミの回想が入る。)
影山が手下の男たちに「犬神が現れるかもしれん。警戒しろ」と伝えに、見張り後や小屋にやってくるが、既に全員犬神に殺られていた。(小屋の中に死体が詰め込まれている。)驚く影山だったが、その影山も犬神に差された。「敵に後ろを見せるなと教えてくれたのはお前だろう」と笑って言う犬神。影山は「会長...」と言うとその場に倒れて絶命した。
天童に詰め寄っているナミ。天童は「あれはお前の父親だけを狙う手はずだったんだ」と言う。が「違う、母も一緒に殺された。私も殺されかけた」と言うナミ。「暴走したんだ、犬神が...」と言う天童。ナミは「何のために、何のために父を?」と問う。しかし「それは言えん」と天童。すかさず「誰に頼まれたの?」とナミ。これに「阿修羅道にも掟がある」と言うだけの天童。
そこに「あっ、いたいた」と言って犬神がやって来た。犬神は天童の前に座ると「死んだ、みんな死んだよ」と言う。更に「お前らも殺すから」と言う犬神はナミに向かって「やっと家族に会えるな。よかったな」と言って笑う。これに怒りの表情になったナミは手にしているドスで犬神を襲う。が、それをかわされると、逆に左肩を後ろから刺され、押さえられてしまう。で、苦痛の声を上げるナミ。それを見た天童は「ナミから離れろ」と言い、手には刀を持っている。犬神はナミの方に刺さったドスを抜くと天童の方に歩み寄っていく。すかさず天童の刀が犬神を襲う。それをかわして逆襲に出る犬神。何とか刀で受け止める天童だったが、余裕のある犬神は「弱くなったなぁ、天童」と口にする。が、次の瞬間、ナミがドスを手にしていて犬神を背後から刺した。「痛え、今までの中で一番痛え」と漏らす犬神だったが、直ぐに飛んで反撃に出て、ナミを狙う。空いていた右手にもドスを持って二刀流でナミに向かっていく犬神だったが、次の瞬間、天童の刀が犬神の右腕をぶった切った。更に、返す刀で犬神を斬った。で、倒れる犬神。
天童は倒れているナミに向かって「ナミ」と言うと、ナミは立ち上がってドスを天童に向けて「誰に頼まれたの?他に誰が関わっているの?」と激しい口調で問い糾そうとする。しかし天童は何も言わない。「例えそこが阿修羅の道でも、私は行く」とナミは言うと、今にも天童を刺そうという表情を見せる。天童は動ぜず「言ったはずだぞ。阿修羅の道には愛もなければ情けもない」と言うと、上段の構えでナミに向かってくる。が、ナミは手にしていたドスを天童に突き刺した。
天童は刀を落としてしまうが、両手でドスを握ったナミの手を握ると「情けをかけるな」と言い、ドスを一旦抜くと、再び自分に突き刺した。驚くナミに天童は「北見に気をつけろ...北見に関わりがある」と告げると「ナミ、死ぬなよ」と漏らすと倒れ込んで絶命した。天童と犬神が倒れている所を目にするナミはこれから身に降りかかる過酷な運命に身震いをしていた。
警視庁、北見が電話に応対している。「松島ナミはどうしている?」電話の声が尋ねる。これに「彼女でしたら今服役中です。全く心配ないです」と答える北見。すると「北見、信頼しているぞ」と言うと電話を切る謎の男。
その頃、郷田は所長室で「天童税氏殺害」と言う見出しの新聞を目にすると、「お前は私のものだ」と叫んでいた。
夜の街に右手を失った犬神が走っていた。ドスを手にしていた人を襲っていた。一方ナミは、都会の人混みの中を厳しい顔をして歩いていた。突然立ち止まると、懐からドスを取り出し、それを抜き「私がサソる」と呟き、ドスを元に戻す。「サソリ、誕生の瞬間である」とナレーション。ナミはそのまま夜の街に歩を進め、消えていった。
これにて「後編 了」(特にこのようなテロップは出ませんが...)ということで、物語は終了です。ナミの両親を殺した犯人は分かったものの、誰がそれを頼んだのかが描かれず、天童の今際の言葉「北見に気をつけろ」ということからある程度の予想は付くものの、それは原作や「女囚さそり」を知っているからでもある。(北見は原作では悪徳刑事ですからね...)この部分が描かれていないと言うことで不満は残るのだが、水橋さんのギラギラした目にはしびれます。でも、「恋日」や「愛の道 チャイナロード」では全く違う表情を見せてくれます。(やっぱり、良い女優さんです。)放送から3年近くが経過しようとしているが、続きの話が全く出ないということは、今更製作される可能性はゼロと言って良いでしょうが、ちょっと残念。(BS-iであれば、ナミを演じるのはやはり水橋さんしかいないでしょうし...→その後のナミということで、もう少し時間が経ってから続きが製作されることを期待したいのですけどねぇ~)
尚、「ケータイ刑事銭形泪」の2nd.16話では、本作とのコラボということで、恩田と相原が「ケータイ刑事」に登場していますが、本作を見ていたら、その物語が本作の演出に倣っている所があって、より深く楽しむことが出来ますよ。
↓この物語の単売DVD
「TOUCHEZ PAS AU GRISBI」 [映画(洋画)]
表題の作品は、1954年のフランスとイタリアの合作映画「現金に手を出すな」である。尚、「げんなまにてをだすな」と読みます。本作では、フランスを代表する俳優のジャン・ギャバンが哀愁漂う初老のギャングを演じ、高く評価され、ヴェネチア映画祭で男優賞を獲得した名作である。また、主題歌の「グリスビーのブルース」は不朽の名曲として映画史に残る一曲でもある。
映画データを記しておくと、原作はアルベール・シモナン、監督はジャック・ベッケル、脚本はジャック・ベッケル、モーリス・グリフ、アルベール・シモナンの3人、撮影はピエール・モンタゼル、音楽はジャン・ウィエネルである。そして出演は、ジャン・ギャバン、ルネ・ダリー、ジャンヌ・モロー、リノ・ヴァンチュラ、ポール・フランケン、ミシェル・ジュールダン、ドラ・ドル、デリア・スカラたちである。
初老のギャング・マックスは、親友のリトンと組んで、5000万フランの金塊を強奪することに成功した。これを最後の仕事として引退することを決めていたマックスだったが、リトンがクラブの情婦・ジョジにしゃべってしまったことから、マックスと敵対するギャングであり麻薬密売人のアンジェロの知るところとなってしまい、アンジェロはリトンを拉致して金塊を奪おうとする。マックスは親友を救うためにアンジェロの要求に応じることにしてリトンの救出に向かったが、アンジェロは罠を仕掛けていた...
強奪した金塊を巡ってギャングたちの野望と陰謀が渦巻き、逃走を繰り広げるという暗黒街を舞台にしたギャング映画である。
単なる暗黒街映画ではなく、哀愁感漂うジャン・ギャバンの演技、主題歌がメロウであり、更に白黒の映像と相まって、とても良い雰囲気を醸し出している。製作から50年以上の歳月が流れ、このジャンルでは古典的作品であるが、暗黒街の抗争を描いた作品を見るのであれば、しっかりと見ておきたい名作である。
↓画像がないと寂しいので、J.ギャバンの代表作をいくつか...
ジャン・ギャバン主演 メグレ警視シリーズ 殺人鬼に罠をかけろ
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2005/11/25
- メディア: DVD
ジャン・ギャバン主演 メグレ警視シリーズ サン・フィアクル殺人事件
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2005/11/25
- メディア: DVD