「スーパー・ジャイアンツ」(その3) [映画(邦画)]
「スーパー・ジャイアンツ」の3回目は、全9作ある中の、第5作目と第6作目の2本です。が、この2本で1つの物語となっていて、「スーパー・ジャイアンツ」の第3話の前編と後編といった内容です。(スタッフ、キャストはこの2本は同じである。)また、過去4作では「鋼鉄の巨人」と記して「スーパー・ジャイアンツ」と読ませていたが、本作からは「鋼鉄の巨人」という表記はなくなり、カタカナで「スーパー・ジャイアンツ」というものになりました。
映画データを記しておく(2本共通なので、まとめます)と、監督は石井輝男、脚本は宮川一郎、撮影は鈴木博、音楽は真鍋理一郎である。また、出演は、宇津井健、三ツ矢歌子、林寛、浅見比呂志、ジャック・アルテンバイ、川原健、池田輝久、眞木裕、上田守、浜野桂子、吉田昌代、草間喜代四、大谷友彦、エンベル・アルテンバイ、館正三郎、倉橋宏明、山田長正、千葉徹、高松政雄、山口多賀志、国創典、菊川大二郎、秋山要之助たちである。尚、時間は両作品とも39分で、新東宝の白黒作品である。また、第5作の封切りは1957/12/28、第6作の封切りは1958/1/3ということなので、第6作は1958年の作品として扱われるが、両方とも1957年の作品と言っても差し障りはない。(一応、公開された日付というのがポイントとなるので、違う年の作品として扱うのが筋ですが、1つの物語の前後編であり、正月を挟んで公開になっただけですからね...)
シリーズ第5作「スーパー・ジャイアンツ/人工衛星と人類の破滅」
物語は、地球制服を企む秘密国家の陰謀にスーパー・ジャイアンツが立ち向かっていく物語であるが、人工衛星や原爆ロケット、宇宙艇と言ったSFチックなものが登場していて、近未来のSFチックな物語である。(現在は宇宙基地、スペースシャトルなどがあって、空想物語である本作の世界は現実のものになっていますが...)
秘密国家・黒い衛星は地球制服を企んでいて、それを実現するために、まずは人工衛星に原爆ロケットを運ぶ宇宙艇を手に入れようとして、山中博士とその娘を拉致し、博士に宇宙艇を開発させる。そして、宇宙艇を手に入れた黒い衛星は、地球制服計画を実行するために人工衛星に向かう。が、その陰謀に気づいたスーパー・ジャイアンツが後を追った...
シリーズ第6作「スーパー・ジャイアンツ/宇宙艇と人工衛星の激突」
第5作の続きの物語で、シリーズ第3話の完結編である。地球制服を企む秘密国家・黒い衛星は
地球人類を壊滅させるために人工衛星から地球に向けて原爆ロケットを発射した。しかし、それを阻止しようとするスーパー・ジャイアンツが何とかそれを阻む。そして、黒い衛星の拠点である人工衛星に突入したスーパー・ジャイアンツと最後の決戦が始まる。
雰囲気としたら「007/ムーンレイカー」のような感じのする物語でもあります。でも、特撮技術などは約半世紀も前のものと言うことで、かなり幼稚なものである。しかし、それが手作りの暖かみを感じるものであって、逆に空想の産物であるスーパー・ヒーロー作品らしさを感じさせてくれる。日本でもそんな昔に宇宙空間で戦うスーパー・ヒーロー作品があったということで、ちょっとした再発見も出来る物語である。敵となる宇宙人はいないが、なかなかスケールの大きい物語で、この2本はセットでまとめて一気に見ておきたい作品である。
↓この2作はバラではこれに纏まっています。
帰ってきた時効警察#5 [ドラマ]
今回の物語、相変わらずネタを満載しているが、ちょっと空回りが目立った物語で、内容的には寒いものでした。(麻生監督、やっぱり不調ですねぇ)「ホラー」と「ふたりっ子」を中心にネタを展開させるにしても、用意したネタを十分にさばききれずにいて、中途半端でした。(今回は全9話の予定の丁度中間地点ということで、中休みでしたね。)でも、「ホラー」ということで「寒気」を感じるということでは、逆手に取ったということにもなりますが...
ケチが付いたのは、まずはキャスティングから始まる。「ホラークイーン」というのに、どうして宝積有香さんじゃないのでしょうか。「平成の」という限定をつけたことで「クイーン」は「クイーン」でも分家ですよ、と解釈するとスケールが小さくなっちゃいます。(分家だから宝積さんじゃないと無理矢理解釈すると、キャスティングには納得できますが...)更に、双子(実は五つ子)ということだったら、ここはやっぱり双子の茉奈・佳奈(でも、この二人ならば若すぎるか...)にするとか、菊池麻衣子、岩崎ひろみにするとか、「エコエコ」関係で引っ張るのなら吉野公佳にするとか、とにかくもう少しキャスティングを考えて欲しかったところである。(鶴田真由がダメな女優と言うことではありません。今回は「ベスト」ではないということであって、より「ベター」なキャスティングが出来るという意味です。)
「死霊のはらわた」「トイレの花子さん」「学校の怪談」「エコエコアザラク」など、ホラー作品の名前(またはそのネタ)がいくつか出てきたのはいいけど、どうして「怪談新耳袋」が出てこないの?真加出(早織ちゃん)がその新作「怪談新耳袋 絶叫編」で主演を務めているというのに...(他局だからという理由だとしたら、あまりにも度量が狭すぎる...)
でも「エコエコアザラシ」じゃあ、怖さの前に笑いが先に出てしまい、笑ってしまって怖がらないでしょうし、「がっこうのかいだん」と言えば「学校の階段」の方が先に思い浮かびます。
ネタの空振りはまだ続く。「ものまね」で俊ちゃんネタですか。確かに一時期はそういう時代もありましたが、やっぱりずれているだけでした。そして「ザ・ピーナッツ」。双子と言えばこの名前が出るのは分かるが、このネタは風化しちゃってます。(「モスラ」と繋げてネタとすれば良かったんじゃないの...)
今回の真加出。やっぱり学のあるところ(「デ・ジャ・ヴ」)、読みの鋭いところ(三日月のトランプ・マジックのタネをさりげなく言った)を出している。ということで、正体はやっぱり銭形雷ですね。(で、それを受けて霧山が「分かりましたよ」と、トリックを見抜いたのならば、「ワトソンくん」をパロッテくれなきゃあ...→ここにも麻生監督、冴えていない。尚、早織ちゃんと麻生監督と言えば「愛の道 チャイナロード」の11&12話で顔を合わせているんですけどねぇ~)
尚、雷ちゃんとしたら、妹・銭形海ちゃんが6代目としていよいよ発表される(5/15・横浜球場)ということで、お姉ちゃまとして存在を示そうとして、正体を隠そうとしてもつい出ちゃうということでしょうかねぇ。(※「銭形海」という名前はメルマガ「BS-iマガジン」に出ただけだったので15日までは伏せておくつもりでしたが、既にベイスターズのHPにも「銭形海」の名前が出ているので、記すことにしました。(BS-iのHPではまだ隠しているのに...))
で、桜子が犯人で「誰にも言いませんカード」で結ぶのはいつものことだけど、桜子は女優として仕事をしていたら、15年もの間、少しぐらいは海外に行っているでしょう。そうしたら、時効はまだ成立していないことになる。ということで、やっぱり雷ちゃんがそれを掴んで、本当の公訴時効が成立する前に逮捕が可能という事件でした。
ところで、「桜子」という名前ですが、「桜子」と言えばやっぱり「有森桜子」が浮かんじゃうのですけど...
↓前シリーズ
↓今回のネタ関係
↓どうしてこれを出さない
↓「桜子」といえばやっぱりこちらです。
↓真加出の正体...
ケータイ刑事THE MOVIE2石川五右衛門一族の陰謀~決闘―+TVシリーズ雷★零
- 作者:
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2007/02
- メディア: 単行本
BRUCE SPRINGSTEEN『NEBRASKA』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年9月に発表された彼の6th.アルバムである。本アルバムは、E STREET BANDと録音するつもりで作ったデモ・テープをそのままアルバムとして発表した異色のアルバムである。(当然のように、当時、賛否両論ありました。)基本的には、アコースティック・ギターを中心とした弾き語り調の曲であり、バンドとしてプレイしてもデモ・テープの方が出来が良かったということで、そのままアルバムになったというのは有名な話です。ということで、楽器はアコースティック・ギターとハーモニカだけという実にシンプルなものである。が、歌詞の方は、アメリカの社会の矛盾を鋭く説いたものというように、鋭い視点の切り口を持っている。(商業主義の元では商売にならない内容である。)
前作「THE RIVER」の大ヒットによって、アメリカを代表するアーティストになった彼であるが、大ヒットした次のアルバムというのは実に難しいものであり、セールスの点では苦戦したが、内容については大いに評価されている。Billboardのチャートでも、本アルバムはレギュラー・チャートでは最高位3位を記録しているが、年間アルバムチャート('82年も'83年も)ではTOP100にはランクインしていない。(まあ、'82年9月の発売では、'82年の年間チャートには厳しいですが...)
収録曲は以下の全10曲である。『Nebraska』『Atlantic City』『Mansion On The Hill』『Johnny 99』『Highway Patrolman』『State Trooper』『Used Cars』『Open All Night』『My Father's House』『Reason To Believe』。
この中からは3曲がシングル・カットされてヒットを記録しているが、3曲ともBillboardの年間シングル・チャートのTOP100にはランクインしていない。シングル・カットされたのは『Atlantic City』(レギュラー・チャートの最高位10位)、『Johnny 99』(レギュラー・チャートの最高位50位)、『Open All Night』(レギュラー・チャートの最高位22位)である。
この中からの筆者のお薦め曲は、『Nebraska』『Atlantic City』『Mansion On The Hill』『Highway Patrolman』『Open All Night』『My Father's House』という所をピックアップしておく。特に『Highway Patrolman』は、ショーン・ペンがこの曲にインスパイアされて1991年に「THE INDIAN RUNNER」(邦題:インディアン・ランナー)という映画を製作したということで、後に再度注目されることにもなった。
シンプルなサウンドと弾き語り調の曲ということで、他のアルバムとは違う素に近い彼を知ることが出来るアルバムであり、こういう一面を見せるアーティストは殆どいないだけに、是非とも聴いてもらいたい所である。尚、余談であるが、彼が本アルバムで問いかけたアメリカ社会の問題点は、本アルバムの発表から四半世紀が経過した現在でも解決しておらず、逆により深刻になっている。