THE NET(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1995年の映画「ザ・インターネット」である。この作品は、情報化社会である現代社会に潜む危険を描き、情報によって人を窮地に追い込む恐怖を描いたサスペンス作である。本作から10年と少しが流れ、時代は益々ネット社会が進展しているが、こういう作品を見ると、やっぱりネットの怖さというものを感じずにはいられなくなってしまうのも正直なところである。
映画データを記しておくと、監督はアーウィン・ウィンクラー、脚本はジョン・ブランカトーとマイケル・フェリスの2人、撮影はジャック・N・グリーン、音楽はマーク・アイシャムである。そして出演は、サンドラ・ブロック、ジェレミー・ノーサム、デニス・ミラー、ダイアン・ベイカー、ウェンディ・ガゼル、ケン・ハワード、レイ・マッキノンたちである。
物語は、ロスに住んでいるアンジェラは自宅を仕事場にしながらフリーのコンピューター・プログラマーとして働いていた。他人とのつきあいを持たず、アルツハイマーの母の世話をしながら仕事をしている彼女だったが、ある日、彼女の元に政府の機密に関する情報が入ったディスクが送られてくる。ことの重要性に気づかぬまま、アンジェラはバカンスに旅立つ。が、旅先で命を狙われるアンジェラ。ロスに戻ってくると、自分のアイデンティティが全て奪われていて、犯罪歴のある見ず知らずの他人のものとすり替えられていた...
巻き込まれ型のサスペンス劇である。題材がインターネットだ、ウイルスだということで、日進月歩どころか分進秒歩のような世界であるだけに、10年以上も前の作品なので、かなり前時代的な物が出てくるが、これは仕方のない所である。(それだけこの分野の技術進歩は早いということである。)が、ネットに潜む危険ということでは、1983年の映画「ウォー・ゲーム」に通じるところがある。(これは、あまりにも早く登場した作品である。)
また、本作のサントラ盤はちょっと変わったものということで、こちらもチェックして貰いたい所である。というのは、サントラと言ってもそれはスコア集であるのだが、収録曲は4曲のみである。それらの曲名を記すと、『Act I』『Act II』『Act III』『Act IV』となっていて、これでは何が何だか分からない。が、ネット社会において、定型のデータとして管理することを思えば、なかなか考えられたものである、と言うことが出来る。
全4曲で30分弱、派手な曲はない、ということで、特にヒットを記録すると言うこともない極普通のサントラ盤であるが、構成としては面白い。(将来、音楽や映画などのソフトが、このようなコードのような形で全てが管理されるような時代が来るのかも...?→そうなったら確実に表現の幅が狭くなって、文化としては衰退していくのは明らかですが...)
映画好きという方には、こんなサントラもあるということで一聴して貰いたいところであるが、特に特筆するような所はない。が、このようなちょっと変わった構成のサントラ盤となると、(筆者のような)コレクターにとっては完全にコレクターズ・アイテムということになる。(どれだけ聴くのかは関係なく、自分のライブラリーにある、ということがコレクター魂を擽ってくれるのである。)ということで、コレクターの皆さんはお手元に、そうでない方は聴くだけでよろしいかと...
The Net: Original Motion Picture Soundtrack
- アーティスト: Mark Isham
- 出版社/メーカー: Varese Sarabande
- 発売日: 1995/08/15
- メディア: CD
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DVD発売決定!「ケータイ刑事THE MOVIE 2 石川五右衛門一族の陰謀 ~決闘、ゴルゴダの森」 [ケータイ刑事]
いつものように、本日の「恋日」の再確認をしようと思ってBS-iのHPにアクセスしたら、本日付の「お知らせ」に嬉しいニュースがあった。(ということで、記します。)いずれは発売になると思っていたが、「ケータイ刑事THE MOVIE 2」のDVD発売日が決定しました。その日は8/24(金)です。(去年の「M1」とほぼ同じ時期の発売ということになりました。→「M1」よりも一ヶ月公開が遅かっただけに、9月下旬になると思っていたので、予想よりも早いリリースです。)
「M1」と同様に、「スタンダード・エディション」と「プレミアム・エディション」があります。(正確に言うと、「M1」ではHD-DVDバージョンもありましたが、それは今のところは無い様子です。→リリースするのならBDバージョンも出すべきだと思いますが...)
注目の初回特典は、スタンダード・エディションの方は「M2」のオリジナル・サウンドトラック・アルバム(CD)となっている。でもこのCDって、既に発売になっているサントラ盤そのままなんでしょうね。(まさか、主題歌「明日吹く風」と挿入歌「ラブラブ・サンダー」が追加なんてことはあり得ないでしょうね...→追加収録して貰いたいところですが...)
一方、3枚組のプレミアム・エディションの方は、雷&零のストラップのM2バージョンと早織ちゃんの卒業証書レプリカ、夏帆ポンの皆勤賞レプリカということで、「M1」に準じている。(やはり、「M1」と同様に「完全数量限定生産」ということなので、入手するためにはしっかりと予約しておくべきでしょう。)そして、DISC 2は、メイキングや舞台挨拶、雷・零のフィギュア劇、特別番組が収録で、DISC 3はマルチアングル映像コメンタリーという内容を予定しているということです。で、「フィギュア劇」というのはオリジナルの完全新作なのでしょうね。「特別番組」というのはBS-iや東映チャンネルでON AIRされた「M2ナビ ~特別授業」だと思いますが、これには2バージョンあるので、どちらが収録されるのか注目です。(4時間目が「相棒」、5時間目が「音楽」のものと、4時間目が「音楽」で主題歌『ケータイ刑事』のPVがあるものの2バージョン存在する。)
i-shopでは本日5/19から先行予約の受付を始めたようです。(先行予約の締め切りは7/20の昼12時)が、ここは定価販売(スタンダード・エディションが3990円、プレミアム・エディションが9975円です。)だしなぁ~ 尚、いつもなら送料525円を取られるのですが、スタンダード/プレミアムのいずれも先行予約に関しては「送料無料」となっていました。(でも、amazonや楽天で予約した方が安いからなぁ~→amazonには5/19 12:00時点ではまだ無く、楽天は1ショップだけありました。加わるのは時間の問題でしょうけど...)
ケータイ刑事THE MOVIE2石川五右衛門一族の陰謀~決闘―+TVシリーズ雷★零
- 作者:
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2007/02
- メディア: 単行本
ケータイ刑事 THE MOVIE2 オリジナル・サウンドトラック・アルバム
- アーティスト: 小出早織/松崎しげる
- 出版社/メーカー: BS-i
- 発売日: 2007/02/28
- メディア: CD
ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 2006/08/25
- メディア: DVD
ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 (HD-DVD)
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 2006/08/25
- メディア: DVD
ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 プレミアム・エディション
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 2006/08/25
- メディア: DVD
帰ってきた時効警察#6 [ドラマ]
今回の物語はというと、前回の予告で期待をさせてくれたが、はっきり言ってそれらを完全に裏切ってくれた凡作になってしまった。温泉ネタという所ではお楽しみ(いわゆるサービス・ショット)が用意されていたものの、サービスの度合いが低かった。(最初から「只野仁」のレベルまでは期待していませんが、もっとサービス・ショットを入れるべきでしょう。一応深夜枠なんだから...)そして肝心の事件の方は、「ドリアン・グレイの肖像」をネタにしているが、はっきり言って中途半端で、練り方が全然なっていない。(はっきり言って今回は「駄作」である。)また、この小説は色々と哲学めいた内容まであって、奥深いものである。(一部の本作の登場キャラは問題ありとして、存在を否定されてしまう者までいます。)1時間枠のドラマの骨組みに使っても、とてもカバーできない奥深い世界である。そのため、消化不良を起こしてしまって、「時効警察」としての魅力までもが消えてしまった。そして致命傷は「ドリアン・グレイの肖像」について劇中で語られた時点で、事件の骨組みと結末がほぼ予想できてしまった。(「ドリアン・グレイの肖像」を知らなければ、それなりに楽しめたでしょうが...)
また、いつもの小ネタ集の方も控えめになっていて、しかも出てきたネタも今回はレベルが低かった。「時効警察」というフォーマットこそ存在しているものの、「時効警察」らしくない物語になってしまって、ガッカリでした。(まあ、時にはこんな作品も生まれてしまうのでしょうが...)
それにしても、この時期(5月中旬)に温泉ネタの放送というのは、これもあまりにも中途半端である。せめてGWの直前、遅くてもGWの最中に放送するべきですね。時効管理課の面々が遊びに行くという一面がより強く感じられ、「お前ら、税金で食ってるんだろう。もっと真面目に働け!」という反感が生まれてしまった。→悪い要素があまりにも集まってしまい、それ相乗効果で、現時点では1st.を含む「時効警察」の中でワーストの物語でした。(ということで、今回は簡単に...)
まず、「温泉」ということで頭に浮かんだのは、嬬恋村のあの温泉事件(「フンドシ湯けむり殺人事件」)である。そして「水道水疑惑」が出た時点で、再度前記事件が、そして「ダイエットクイーン殺人事件」や「ばあちゃんを救え」なども...ただ、これらは全て「疑惑」が真実であって、「水の偽装」がされていたが、本物語は「偽装」ではなく「中傷」であったという違いはありますけど...
今回の真加出。長台詞を口にして、それをテロップで出すなんて、あのシリーズが得意とする表現ではないですか。(謎解きの長台詞をたっぷりと経験している早織ちゃんには、この程度ならお茶の子さいさいでしょう。困らせるなら、それを早口言葉で言わせてあげて下さい。)ということで、こうなると真加出というキャラは、キャスティングを利用した遊びではなく、狙って仕込んでおいたとしか考えられなくなります。しかも「知らないんですか」という(ちょっと小馬鹿にした)台詞まで口にしてくれましたから...
「に~るヤング」って、ネタとしては分かるけど、どれだけの人がNEIL YOUNG(NEIL YOUNG & CRAZY HORSE)のことを知っているのでしょうか?
ところで、今回の物語は旅館を舞台にしたけど、これってやっぱり「どんど晴れ」までをも意識しているのでしょうかねぇ?
- 作者: オダギリジョー, 麻生 久美子, 三木 聡, ケラリーノ・サンドロヴィッチ, 園子 温, 麻生 学, 安見 悟朗, 豊原 功補, 岩松 了
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2007/06/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
↓これは傑作です。
ドリアン・グレイの肖像 - The Picture of Drian Gray
- 作者: オスカー ワイルド
- 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
↓NEIL YOUNGをいくつか。
↓一応これも...
↓真加出の正体は...
EAGLES『EAGLES LIVE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年にリリースされたアルバムであり、当時は彼らのラスト・アルバムということになった。(その後、再結成されまてアルバムが出ましたからね...)それがライブ・アルバムということで、これまでの彼らの総決算という形にもなって、'80'sという新しい時代がスタートした中、'70'sを振り返るという意味でも良い形になった。しかも2枚組ということでたっぷりとそのサウンドを堪能でき、嬉しい所である。尚、収録したのは1980年のアメリカ・サンタモニカでのライブが中心である。
収録曲は全15曲で、DISC 1に6曲、DISC 2に9曲が収録されている。DISC 1の収録曲は以下の通りである。『Hotel California』『Heartache Tonight』『I Can't Tell You Why』『Long Run』『New Kid In Town』『Life's Been Good』。続いてDISC 2の収録曲は以下の通りである。『Seven Bridges Road』『Wasted Time』『Take It To The Limit』『Doolin-Dalton [Reprise II]』『Desperado』『Saturday Night』『All Night Long』『Life In The Fast Lane』『Take It Easy』。
'70'sを象徴する名曲『Hotel California』で始まるというのはお馴染みであるが、そういう所はしっかりと抑えているという構成は、やっぱり嬉しくなるものである。で、その名曲をたっぷりと聴かせてくれると、もはや'70'sという時代にタイムスリップした感覚になる。そしてお馴染みの曲が次々と登場するのだから、タイムカプセルを開けたのではないか、と感じさせる。
彼らのベスト盤を聴くことで、スタジオ収録バージョンをたっぷりと堪能することができるが、本ライブ盤では同じ曲でもまた違った味のある演奏を聴かせてくれている。ということで、これは別物と考えるのが妥当である。そして迷わずに必聴である、と言える。'70'sのウエスト・コースト・サウンドを聴いていた方は本ライブ盤は聴いているであろうが、もしも聴いていないというのであれば、絶対に聴きましょう。また、'70'sのウエスト・コースト・サウンドに興味を持ったという方も、忘れずに本ライブ盤を聴いてもらいたいところである。('70'sサウンドを全く知らないという方は、入口とするのも良いでしょう。)それにしても、本ライブも既に四半世紀以上前になってしまった。「名曲はいつの時代でも名曲である」ということを改めて感じさせてくれる傑作ライブ・アルバムである。