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「新不了情/C'EST LA VIE, MON CHERI」 [映画(洋画)]

表題の作品は1993年の香港映画「つきせぬ想い」である。で、本作と言えば何と言っても「袁詠儀」である。(こう記したら、殆どの方は分からないでしょうね。よって、カタカナ表記をする。「アニタ・ユン」です。)1990年のミス香港に選ばれた彼女は、何本かのTV出演の後、1992年に「亞飛興亞基」という作品でスクリーン・デヴューを果たし、香港電映金像奨(香港のアカデミー賞です)・新人賞を獲得。人気を獲得すると、本作によって1993年に香港電映金像奨・主演女優賞を獲得。更に翌1994年には「君さえいれば 金枝玉葉」で2年続けて香港電映金像奨・主演女優賞を獲得。'90'sの香港を代表する実力派の女優となった。('90'sの香港映画界を支えた一人になった。)そんな彼女を一躍スターダムに押し上げた本作は、瑞々しい彼女の演技が輝いているが、それだけではなく素晴らしい内容のある秀作である。(香港電映金像奨を総なめにした。)

映画データを記しておくと、監督と脚本はイー・トンシン、撮影はタン・チーワイ、音楽はパオ・ペイタである。そして出演は、ラウ・チンワン、カリーナ・ラウ、アニタ・ユン、フォン・ボー・ボー、チョン・プイたちである。

物語はラブ・ストーリー(悲恋の恋)である。作曲家・キットは妥協することができない職人肌の人間で、鬱屈した日々を送っていた。彼は長年歌手・トレーシーと同棲していたが、そのトレートーが成功を掴んだことから鬱屈した生活に拍車がかかる。ある日、キットはトレーシーと口論をして、部屋を飛び出して行き、新しく安アパートを借りた。そんな彼は、そこで明るく積極的な少女・ミンと出会い、愛しあうようになる。が、ミンは不治の病に冒されていて、余命幾ばくもない体であった...

とにかく泣かせてくれる。しかも、ストーリーが悲恋ということで涙がこぼれるのではなく、アニタ・ユンの演技で泣かせてくれるのである。彼女の笑顔、輝きのある瞳、初々しさ、みずみずしさ、そのいずれもが見る者の心を奪ってしまう。コメディ作品かアクション作品ばかりが目立つ香港映画界であるが、こんなにも心を虜にして泣かせてくれるラブ・ストーリーが生まれるのだから、香港映画界の奥深さを感じる。

この作品を見て涙がこぼれない人は人間の感情を持っていない、とまで言わせる本作は、アニタ・ユンのための作品ではない感動の作品である。本作を見て、たっぷりと泣きましょう。

 

つきせぬ想い

つきせぬ想い

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2004/02/18
  • メディア: DVD


THE ONE(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

表題の作品は2001年のアメリカ映画の「ザ・ワン」である。ハリウッドに進出して成功を収めたジェット・リーが主演のSFアクションであるが、SFという部分は今ひとつ練りが足りず、ジェット・リーのアクション作品という感じの1本である。

映画データを記しておくと、監督はジェームズ・ウォン、脚本はグレン・モーガンとジェームズ・ウォンの2人、撮影はロバート・マクラクラン、音楽はトレヴァー・ラビンである。そして出演はジェット・リー、カーラ・グギーノ、デルロイ・リンドー、ジェイソン・ステイサム、ディラン・ブルーノ、リチャード・スタインメッツ、スティーヴ・ランキン、タッカー・スモールウッドたちである。

物語は、125あるパラレル・ワールドに存在するもう一人の自分を全て抹殺して、唯一の存在(=ザ・ワン)になろうとする野望を描いたものである。

多次元宇宙捜査局の一員であるユーロウ。彼はその地位を利用して123のパラレル・ワールドの自分を抹殺した。残る1人・ゲイブを抹殺すれば野望が達成される。そしてユーロウとゲイブの壮絶な戦いが始まった...

SF設定や物語の展開に関しては、頭を抱えてしまう所があるが、それを吹き飛ばしてくれるのがジェット・リーのアクションである。キレのある彼のアクションは必見である。そして、そのアクションを一段と格好良く見せてくれるのが音楽である。ということで、サントラ盤にも注目して貰いたい。

そのサントラ盤に収録されているのは以下の全14曲である。『The Ritual』『Multiverse』『Growing Stronger』『The Light』『Paulie's Member』『Before The Start』『Search For Yulaw』『Sporadic Fire』『The Will To Continue』『Extreme Emotion』『A New Coarse』『Justification』『Rompie's Cue』『The Final Search』。

特に、有名アーティストが参加している訳ではないが、こういうオーソドックスなサントラ盤の方が映画のストーリーに密接に繋がって盛り上げてくれる。(ミュージカルは除く。豪華アーティストの集結によるオムニバス盤だと、映画の方が霞んでしまい、ヒット曲のオムニバスとしてサントラ盤としては浮いてしまう。)映画を楽しんで、サントラ盤をじっくりと聴き込むというセットとして鑑賞して貰いたい作品である。

 

The One [Original Motion Picture Soundtrack]

The One [Original Motion Picture Soundtrack]

  • アーティスト: Trevor Rabin, Gordon Goodwin, Hollywood Studio Symphony
  • 出版社/メーカー: Varese Sarabande
  • 発売日: 2001/12/11
  • メディア: CD

↓映画DVDはこちら

ザ・ワン スペシャル・エディション

ザ・ワン スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2002/11/20
  • メディア: DVD

 


ケータイ刑事銭形愛11話 [ケータイ刑事]

今回の物語は第11話「そんな執事に騙されて殺人事件」である。世の中から隔絶された二重橋家が今回の物語の舞台となっているが、このような浮世離れした家があるなんて、流石は「ケー刑事・ワールド」である。そしてこの「ケー刑事・ワールド」は後の異様な世界へと発展していくことになる。ということで、独特の世界もやっぱり「銭形愛」に原点がある。(現在は、港区赤坂という土地が、海あり山あり、森や沼、秘境まであり、世界最大の流域面積を誇る河川があり、欧州にある有名な建物とそっくりなものまで多数あるという時空が歪んだ世界にまで発展(?)しています。)そんな中、今回の愛ちゃんはミックス・テイストを知っているというように、銭形家のお嬢様という感じではなく、何処に出もいるような極普通の女子高生という一面を見せてくれて、一気に親近感も出てくる物語である。それでは本編に行きます。

二重橋家の墓に誰かがやってくる。が、その人はその場で倒れ込んでしまった。ということで、事件の予感を感じさせるOPでスタート。

放課後の愛ちゃんは、公園で一休みしながらお菓子(マシュマロ)を食べている。そこに「警視庁から入電中」と事件を知らせる入電が入り、携帯を広げる。二重橋公園で身元不明60歳前後の男性が血を流して倒れているのところを付近の住民が発見。被害者は瀕死の重傷で、現在泉田病院に搬送中。直ちに現場に急行せよ。

現場では、五代さんが既に捜査を開始していた。残された下駄を見て首を捻っていると、食事用のナイフが被害者のポケットにあったと報告を受ける。で、「直ぐ、鑑識に回せ」と指示を出す五代さん。(この頃の五代さんは的確な初動捜査をしていました。)

一方、愛ちゃんは自転車で二重橋家に到着。門のマークを見て五代さんに電話を入れる。で「見つけましたよ、無限大、メガネに瓢箪、団子」と伝えるが「分からない」と五代さん。で「絵で送りなさい」と注文を付ける。(「絵」って、「画像」とか「写真」と言いましょうよ、五代さん。)愛ちゃんは門のマークを写す。(こういう時、TV電話というのは本当に役に立ちます。)それを見た五代さんは「あっ!」と気づき「それ、何処だ?」と尋ねるも、丁度梯にいた五代さんは踏み外してしまった。

愛ちゃんは二重橋家の門の前に腰を下ろして五代さんが来るのを待っていた。で、五代さんがやってくると「五代さん、遅い!」と文句を言う。しかし五代さんは「お前の説明が悪いんだよ」と、やっぱりただでは転ばない。(→ケンカするほど仲が良い、と言いますが、正にそんな感じになってきました。)で、五代さんは門に記されたマークを見て「家紋だったのか」と気がついた。

愛ちゃんは表札「二重橋博胤」を見て「にじゅうばし...にじゅうばしひろ…」と読めなかった。すかさず「ひろつぐ」と五代さんは言うと「ほんと、漢字読めないね。」とバカにするのも忘れない。これに「違う、今読もうとしてたんです」と愛ちゃんも負けていなかった。五代さんは「あとは俺に任してここで待機しろ」と言って一人で屋敷に入っていこうとするが「嫌ですよ」と愛ちゃん。で、五代さんが歩いていくと、小走りで愛ちゃんが追いかけ、タッチの差で先に玄関に到着すると、チャイムを押す。で「やっぱり来たな」と五代さん。愛ちゃんは手にしていたマシュマロを出して「マシュマロ、食べますか」。ということで、やっぱりコントをする二人でした。

そうしていると、玄関に男が出てきて「そちたちは何用じゃ?」と公家言葉で尋ねる。五代さんは警察手帳を見せて「ちょっと伺いたいことがありまして」と言う。これに「警察?」と返すが「麿に着いてくるでおじゃる」と言って二人を家の中に入れる。(この男が82代当主の二重橋博胤だった。)で「麿?」「おじゃる?」と声を出す五代さんと愛ちゃん。そして手にしているマシュマロから「マシュ」「マロ」という親父ギャグを口にする二人。(このコンビは親父ギャグが大好きですからね~)

通された二人。愛ちゃんは「この部屋、何でしょうね?」と口にする。応接室にしては何もないし、居間にしてもおかしいということで首を捻っていた。そんな愛ちゃんは「お年賀」と書かれたのし紙を発見する。で、「もうこんな季節か...」と漏らす五代さん。(この物語のBS-iでの初放送は2002/12/15ということで、確かにそんな季節でした。)

そうしていると「待たせたのう...」と言って博胤がやってきて用件を尋ねる。近所で事件があり、聞き込みをしていると伝えた五代さんは、「失礼ですが二重橋さん、今日はどちらで何をしてらっしゃいましたか?」と問う。これに「ちょっと待っておれ」と言って一旦退席する博胤。で、博胤の姿が無くなると、その言動に対して思い出し笑いをする愛ちゃんと五代さん。(こういう所も息のあったコンビです。)すぐに博胤が戻ってくると「そちらが来るまで寝ておった」と答える。五代さんは「それを証明できる人は?」と次の問い。これに「う~ん」と言う博胤は再び「ちょっと待っておれ」と言って、またも退席する。で、愛ちゃんは呆れ顔。五代さんは「何だよ」と愛ちゃんに漏らすが、博胤が直ぐに戻ってきて「おらん」と答える。続いて五代さんは内ポケットから2枚の現場写真(下駄と食事用ナイフ)を取り出して「これに見覚えは?」と尋ねる。「見せてたもれ」と言ってから博胤は写真を見る。ナイフを見て「これは我が家のナイフじゃな」、下駄を見て「じいの下駄じゃな」と答える。愛ちゃんが「じいって?」と尋ねると「じいはじいじゃ。麿の執事じゃ」と答える。愛ちゃんは「どうしてそんな人がナイフを持っていたんですか?」と尋ねるが、博胤は答えられない。で、またも「ちょっと待っておれ」と言って退席する博胤。愛ちゃんは「怪しすぎる」と言って後を追った。

廊下に出た愛ちゃんだったが、博胤の姿はなく「五代さん、消えたよ。消えちゃった...」と首をかしげる。「消えた?」と言ってやってくる五代さんだったが、その時携帯に着信が入り、電話に出る五代さん。(電話を聴いて「やっぱり、俺が睨んだ通りだったな」と言いました。)その頃、博胤はトイレから出てきて、それに気づいた愛ちゃんは「いた」と口にする。

博胤が寄ってきて、五代さんの携帯を見て「それは何じゃ?。こやつは小箱に何をしゃべっておるのじゃ?」と不思議そうな顔をして愛ちゃんに尋ねる。が、愛ちゃんは「えっ?」(→当然の反応です。)五代さんは博胤の問いを無視して電話で受けた内容を語る。被害者の身元が分かり、それは猫屋佐助(ねこや・さすけ)65歳で、二重橋家の執事ということだった。それを受けて博胤は「佐助は麿の父君の代からずっ~と二重橋家の執事じゃ」と答えた。

執事室(二人が通されたのはここでした。)に戻り、博胤に話を聞く愛ちゃんと五代さん。佐助がナイフを持っていた訳を尋ねると「それはじいが自殺したからじゃな」と答える博胤。で、五代さんは下駄が揃えてあったということから「自殺」に納得してしまうが、愛ちゃんは「絶対自殺じゃない。だってあなたが刺しちゃったんでしょう」と口にする。すると「何を言うか、この小娘は!」と怒る博胤。五代さんはそんな博胤を宥めて「もう少し詳しくお話を伺いたいので、署までご同行願えませんか」と言って博胤の体に触る。すると「何をする、無礼者!」と言って手にしている扇子でバチッと五代さんの腕を叩く博胤は「そちは麿が大化の改新から1300年以上、一度も途絶えることなく続いた直系、二重橋82代目当主二重橋博胤と知っての狼藉か?」と告げる。愛ちゃんは「大化の改新って...???」と指折り数えていました。(→愛ちゃんはIQ180だけど、勉強は苦手ですからね... 「大化の改新」は西暦645年ですから、二重橋家は1350年以上続いていることになる。1350年で82代目となると、一代は約16年ということになる。戦国時代で人生50年、それ以前はもう寿命が少し短いと考えても、20歳で当主となっても20年ぐらいは大丈夫だと思うのですが...)→「ケー刑事」でお馴染みの「28」という数字を使いたいが、28代ではちょっと少ないということで、「2」と「8」をひっくり返したということですかね?)

五代さんは「凄いお家柄なんですね」と感心すると、博胤は「だいたい麿はこの家から出たことがないんじゃ」と語り、この家でずっと育った、と告げる。これに愛ちゃんは呆れ顔で「あり得ない」とバッサリ。(その通りですよね。義務教育の小学校と中学校には行かなくてはなりませんからね。)

話題を変えて五代さんは、佐助が自殺するのに何故あの公園まで行ったのかと問うと「じいは古墳に入ろうとしたんじゃろうな」と答える博胤。すかさず「古墳?」と首をかしげる愛ちゃんは「何処にあるの、そんなの?」これに五代さんは「あの現状は二重橋公園だよ」と口にする。で、愛ちゃんは「二重橋さん家のお墓ってこと?あの公園全部?」と呆れ顔は続いていた。博胤は「さよう、そちたちも死んだら古墳に入るじゃろう」と言うが、首を振って「入んないよ」と愛ちゃん。博胤は最近じいが「疲れた」と言っていたことを語るが「そんなこと言ったってねえ、彼が自殺したという証拠は何処にあるんですか?」と問う愛ちゃん。すると「証拠、それなら覚えておるぞ」と博胤は急に自信たっぷりになり「ついてまいれ」と言って執事室を出て行く。

愛ちゃんは博胤が廊下の角を曲がって姿が見えなくなったのを確認すると「絶対彼が犯人です」と五代さんに言う。五代さんは「そうやって決めつけるのは悪い癖だよ」とお馴染みのパターンへ突入する。で、愛ちゃんは簡単に説明して「この家に絶対証拠があるはずなんですよ」と言うと、素直にそれに従う五代さんでした。(これまでの愛ちゃんの推理の正しさなのか、上司だからなのか???)

和室に移り、座っている博胤はご機嫌だった。そこに愛ちゃんと五代さんがやってくる。部屋の様子を確かめた愛ちゃんは、壁にも掛かっていない、電話もテレビも何処にもないと気づき、疑問を持った。で、携帯を取りだして部屋の様子の写真を撮ろうとすると、博胤が立ち上がって「麿はそれ知っておるぞよ、貸せ」と言って愛ちゃんの手から携帯を奪い取る。が「これはカメラじゃないのか?ボタンだらけじゃなぁ」と口にする。愛ちゃんは「ちょっと、何すんの...」と言って携帯を博胤から取り返すと「女子高生の携帯を勝手にいじるなんていい根性じゃない」とお怒りモードに。が、博胤は愛ちゃんの言葉が理解できず「そちらの言うことは時々訳が分からん」と逆ギレ。愛ちゃんも「こっちが訳分かんないよ~」と返し、二人の間には火花が...

そんな中、五代さんは床の間から広告の裏白を利用した遺書を発見する。直ぐに側にやってきた愛ちゃんは「嘘でしょう?」と信じられない様子。が、のしに書かれた「お年賀」という文字の写真と比べて「筆跡もそっくり」と判断した。そこにまたも五代さんの携帯が鳴り、電話に出る五代さん。で、被害者の指紋とナイフに付いていた指紋が完全に一致し、血液型も一致したというで、捜査本部は自殺と断定したと愛ちゃんに告げる。が「どうして?」と納得できない愛ちゃん。博胤は勝ち誇ったという顔つきで愛ちゃんを見ていた。愛ちゃんは「匂う、悪の香り」(ここでAパート終了。経過時間は13分半強でした。よってBパートは12分強になる。また、今回のアイキャッチの色はでした。)

二重橋家の庭にいる愛ちゃんは一人で事件について推理している。そこに五代さんがやってきて、遺書の筆跡鑑定の結果と、それは執事の佐助が書いた物と断定されたことを告げる。そして「自殺で決まりだ。麿は白じゃのう」と言う。が、愛ちゃんは納得できず「白な訳なかろう。今一度、それをわらわに見せてたもれ」と返す。(この後、「俺たち、何か話し方移ってないか?」と漏らす五代さん。→その通りです。)で、愛ちゃんは遺書を受け取り再度目を通すが、五代さんに尋ねたのは「これ、何処のスーパーですか?」と、広告の表のスーパーの方だった。で、店名(シーストアー)を直ぐに答える五代さんに「流石、一人暮らしですね」と、やっぱり息のあった漫才コンビぶりを発揮する。で、そんな漫才をしていると、博胤が「そち、そち」と言って五代さんを呼んだ。

五代さんは博胤の方に歩み寄ると「麿は腹が減った。食事じゃ。作ってたもれ」と食事を要求する。「何で俺がアンタの食事作んなきゃなんないの...」と言う五代さんに「じいがおらんのじゃ」と言って無理矢理食事を作らせようとする。しかも「ウニ作れ、ウニ」と命令する。これに「ウニは作るもんじゃないのよ」と言う五代さん。すると「食事も作れんのか、そちは...」と呆れ顔。すると食事ぐらい作れる(「独身生活長い」とも言ってました)と反発する五代さんは仕方なく博胤の食事を作ることにした。→結局、博胤に乗せられた五代さんでした。

その頃愛ちゃんはPDA(今回はシグマリオンではありません)を使って調べ事をしていた。アクセスしていたのはシーストアーのサイトで、「日替り特売市」の情報が画面に出ている。そしてそこにはウニが20円というのがあった。が、「先着10名、今日じゃん。全然ダメじゃん」と諦めました。

五代さんはキッチンでエプロンを着けて、食材を見て頭を抱えていた。そこにあったのは、カッパえびせん、海老煎餅、甘納豆、プリン、うどん、キャベツであり、「何これ、ろくなもん無いじゃないか...」と漏らす。が、そんな中にウニがあるのを発見すると、それを手にする五代さん。そこに愛ちゃんがやってきて、「今日、シーストアーでウニが20円」と告げる。すると「安いね」と同意する五代さん。そこから愛ちゃんは五代さんのエプロン姿のことを突っ込み、またもコントが始まる。そこに博胤がしびれを切らして顔を出すと「何をやっておるのじゃ」と文句を口にする。で「偉そうに...」と反発する五代さん。で、五代さんはウニのことを尋ねるが、博胤は「ニセモノじゃ」と切り捨てるだけで、「早く作れ」と改めて命令するとそのまま去って行った。これに五代さんは腹を立てて、エプロンを外してしまう。

愛ちゃんは食材を見て「何ですか、これ?」と呆れ顔。五代さんは「冷蔵庫にこれしか入ってない」と言い、ウニ(しかも1個だけ誰かが食べていた)を指さす。で、ウニを手にした愛ちゃんは何か閃いたようで、笑顔に変わると「もしかして...」と呟いた。そして目の前の食材のいくつかに手を伸ばし、それを整理すると「謎は解けたよ、ワトソンくん」五代さんが「腹減っている」と言うと「スペシャル・メニューを作ります」と言った。

愛ちゃんの作ったスペシャル・メニューはプリン、甘納豆、海老煎餅の上にマヨネーズという3点だった。で、それらがテーブルの上に並べられ、博胤を真ん中に、愛ちゃんと五代さんがその両端に座っている。五代さんが「今日は、東京都世田谷区の二重橋博胤さんのお宅にお邪魔しております」と、「食いしん坊万歳」の再現である。(山下さん、「食いしん坊万歳」をやっていましたからね。)で、料理は大親友の銭形愛さんが作られた料理だと説明する。博胤はスプーンを手にしていて「どれも美味そうじゃのう~」と食べるのを楽しみにしている子供になっていた。で、「どうぞ、食べてください」と愛ちゃんが言うと、博胤は最初にプリンに手を伸ばし、食べ始めた。で、博胤は満足そうな顔をして「ウニは最高じゃ」とご機嫌になっている。が、「プリンですよ」と言う五代さん。愛ちゃんは「五代さんも食べてみてくださいよ」と勧める。「私は結構です」と辞退する五代さんだったが「美味しいですから」と言う愛ちゃん。(笑顔が素敵な愛ちゃんです。)で、結局五代さんも食べることにした。「カラメルをたくさん掛けて...」と言って、それから口にプリンを運ぶ五代さん。が、直ぐに変な顔をして「何これ、お前?しょっぱいし甘いよ」ということで、直ぐにカラメルの代わりに醤油が掛かっていることに気づき「不味い」と文句を言う。愛ちゃんは醤油を掛けたことを素直に認めて「そう」と言い、続けて「昔流行りましたよね、ミックステイスト」と言って、説明を始める。(確かに流行ったとはいうものの、愛ちゃんの年齢でミックステイストを知っているなんて、恐るべし女子高生ですね...)

しかし博胤はその話が分からず「何を訳の分からぬことを言うておるのじゃ」と言って馬鹿にすると、続いて甘納豆に手を伸ばした。そして「マロングラッセは麿の大好物なんじゃ」と言って嬉しそうに口に運ぶ。それに対して「洒落ですか?」と言う五代さん。愛ちゃんは「甘納豆とお酒です」と説明する。更に博胤はカッパえびせんにマヨネーズを付けて口に運ぶと「海老フリャー」とご機嫌になる。これに愛ちゃんは「えびせんにマヨネーズ掛けただけ」と説明する。五代さんは「あんた、本当に美味しいと思うんですか、これ?」と尋ねるが、博胤は「そちたちはこのような高級料理を見たことがないのじゃろう」と言って小馬鹿にして笑うだけだった。

五代さんは「どうなってるの、この人?」と愛ちゃんに問うと「博胤さんはきっと、生まれた時からこれらの料理を高級料理と思い込まされ、食べ続けてきたんだと思います。執事の佐助さんにずっと騙され続けてきたんですよ」と言う。すると博胤が怒って「何を言っておるのじゃ。我が二重橋家は由緒ある名家だぞ。そのような必要はない」と愛ちゃんに食ってかかる。が愛ちゃんは「だってこの家、どう見ても財産なんでしょう」と反論し、二重橋財閥は戦後解体されてそのまま破産したことを口にする。すると博胤は「何を言うておるのじゃ。金ならいっぱい持っておるぞ」と言って財布を取り出すと、そこから紙幣を取り出して五代さんに渡す。「10万?」と言う五代さんだったが、それは人生ゲームのお金であって玩具のお金だった。で、「これ、玩具じゃないか...」と呆れ顔になる。すかさず愛ちゃんは「それも佐助さんに渡されたのでしょう」と言う。すると五代さんは財布を出して「本当のお金っていうのはねぇ、こういうのを言うんです、こういうの」と言って千円札を出して博胤に見せる。が、博胤は「一、十、百、千円?ゼロが少ない割りに紙だけは大きいんじゃな」と言ってお金と言うことに気づかなかった。で、五代さんは「おい銭形。このー人、どうなってるんの?」すると愛ちゃんは、「この家に本物のお金はなかったんでしょう」と言うと、推理を語り始める。佐助は代筆の内職をしていて、この家にはその僅かなバイト料しか収入がなかった。だから20円のウニに飛びついた。(博胤に本物のウニを食べて欲しかったから)が、これを聴いた博胤は「何を言うておるんじゃ」と全く信用しなかった。愛ちゃんの説明は続く。初めて食べた本物のウニを博胤はニセモノと思い、そのことで駄々をこねて言い争いになり、誤ってじいにナイフを刺してしまった。で、じいはその対処法について指示を出し、自殺したことにしようとして、ナイフの指紋を拭き取り、遺書を書き、ナイフを持って家を出た、と語る。そして愛ちゃんは「違いますか?」と博胤に問い糾す。すると目が泳ぎだした博胤は「ちょっと待っておれ」と言って席を外した。

博胤は広告の裏に書かれた文面を見ているが、どうしたらいいのか分からずパニックを起こしていた。そこに愛ちゃんが「往生際が悪いよ」と言って階段から下りてくる。「愛の光で闇を討つ。…」口上が始まり「火傷するよ!」と締めくくると携帯を振ってストラップを飛ばす。ストラップは博胤の腕に巻き付き、手にしていた広告の裏紙が辺りに散った。そして愛ちゃんがそれを拾う。五代さんが「何だそれは?」と声を掛け、目を通す。(で、声を出して読む五代さん。)「警察が来たら家に上げよ。証拠と言われたら広間へ。じいは古墳に入った。ナイフはじいが自殺に使った。」ということで、それは警察に尋問された時のマニュアルだった。

愛ちゃんは「あなたを世間から引き離して真実を隠し続けた佐助さんもどうかと思うけど、そのことに甘んじてきたあなたが一番悪いんじゃないの。この家から一歩でも出る勇気があればこんなことにはならなかったでしょう」と、良いことを言ってくれる。で、五代さんが博胤を逮捕しようとする。その時、五代さんの携帯が鳴り、手錠を愛ちゃんに渡して電話に出る五代さん。それは佐助が一命を取り留めたという知らせだった。で、それを伝えた五代さん。すると「そうか、生きとったか。良かった、良かった」と安心する博胤だった。

事件解決後、街中を歩いている愛ちゃんと五代さん。「安い食い物ってどうやったって高いものにはならないなぁ」と感想を語る五代さん。愛ちゃんも「そうですねぇ」と同意する。すると五代さんは「人間も一緒だよ。お前にいくら醤油を掛けても俺みたいに上手くて味のある人間にはなれないってことだよ」と言って笑う。これに愛ちゃんは「なりたくないですよ」と反発する。(いや、五代さんのような人間になる必要はありません。)で、反撃を開始する愛ちゃん。「じゃあ、これ知ってますか?カレーにソースとか」「スイカに塩は」これらに五代さんは「常識じゃない」と返すが、「出来の悪いすいかに塩をかけたら甘くなるじゃないですか。それと同じで、五代さんには私がいないと五代さんの味は出ないんですよ」と愛ちゃん。「それも常識になりつつあるね」と考えずにそのまま返した五代さんだったが、「えっ?出来の悪いすいかって俺のことか?」と気づきました。が、愛ちゃんは満面の笑みで「じゃあね」と言って手を振っていました。

今回の物語は、二重橋家という時代から隔絶された変な家が登場したが、こういう浮世離れした設定は「ケータイ刑事」の世界ではこの後更に進化していくことになります。本作品の放送当初ではその変な設定が笑いを誘うだけだったが、シリーズ作品として後に続く作品が登場したことで、本作もまた、より深い意味のある物語へとなっていきました。今回はそういう「ケー刑事・ワールド」の異質な世界の入口でもある。→(本当に面白い作品というのは、全てが良い方へと回っていって好循環のループに入るものです。(逆に、一度それから外れると、何をしても悪循環に陥って抜け出せなくなってしまう...))

ところで、今回の劇中に登場したミックス・テイストの中の「プリン+醤油=ウニ」「甘納豆+酒=マロングラッセ」は美味しいとは思えませんが、「えびせん+マヨネーズ=海老フライ」はそんなに悪いものではありません。(海老フライと言えるのか、というのが残りますけど...)一度はやってみたらよろしいかと。また、劇中には出なかったミックス・テイストを一つ紹介しておきます。「麦茶+牛乳+ガムシロップコーヒー牛乳」である。このポイントは麦茶は少し濃くしておくことである。ガムシロップはアイスコーヒーに入れるものでOKなので、夏の暑い時期であれば手軽に試すことはできるでしょう。こちらも一度お試しあれ。

次回は第12話「サンタが街にやってきた ~クリスマス誘拐事件~」である。8話を除いて、これまでは全て殺人事件だったが、タイトルにある様に次回は誘拐事件である。(実際は、本当の誘拐ではないんですけど...)一応、誘拐事件は書くシリーズで必ずある事件の一つであるが、やっぱり元祖の「銭形愛」からしっかりとあります。物語は親子の愛を考えさせられる物語ということで、しんみりとなるものであるが、「銭形愛」は凝った演出と合わせて、本当に物語の幅が広い。そして、愛ちゃんの制服姿以外を最後にチラッと見ることが出来ます。

 

 

ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

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大活字 難読語辞典

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↓知っていますか?

大きな活字の実用折り紙百科―冠婚葬祭・年中行事・毎日の暮らしの中で役に立つ

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↓しっかりと勉強しましょう

マンガ 日本の歴史〈5〉隋・唐帝国と大化の改新

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壬申の乱

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巨大古墳と古代国家

巨大古墳と古代国家

  • 作者: 丸山 竜平
  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2004/03
  • メディア: 単行本

↓ミックステイスト以外で、こういうのも如何?

まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ~食品編~

まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ~食品編~

  • 作者: 初見 健一
  • 出版社/メーカー: 大空出版
  • 発売日: 2005/07/01
  • メディア: 文庫


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