「THE QUATERMASS EXPERIMENT」 [映画(洋画)]
表題の作品は1955年のイギリス映画「原子人間」である。この作品はイギリス・子こそが放送していたTVシリーズ「THE QUATERMASS」の映画化作品でもある。SF映画の世界にその名を刻み込んでいるハマー・プロダクション。そのハマー・プロダクションの存在を大いにアピールすることになり、この分野における大家になった作品である。現在のCGを使った特撮技術と比べると、特撮技術は確かに幼稚であって、クオリティは比べようもない。が、物語の構成といい、展開といい、実に斬新なものであり、当時の技術水準を考えたら、ハイグレードな作品である。(だからこそ、現在まで語り継がれる作品になったのである。)
作品データを記しておくと、原作はナイジェル・ニール、製作はアンソニー・ハインズ、監督はヴァル・ゲスト、脚本はリチャード・ローダンとヴァル・ゲストの2人、撮影はジョニー・ハーヴェイ、音楽はジェームズ・バーナードである。そして出演は、ブライアン・ドンレヴィ、リチャード・ワーズワース、デヴィッド・キングウッド、ジャック・ワーナー、マージア・ディーン、ゾーラ・ハード、ゴードン・ジャクソン、ジェーン・アッシャー、たちである。
物語は、有人飛行の探査ロケットが消息を絶っていたが、そのロケットが地球に帰還した。3人の乗員も2人は行方不明で、唯一生存していた1人も体に変調を来していた。実験の責任者の博士は早速ロケットを調べるが、未知の宇宙生命体がロケットを襲い、飛行士たちを吸収していたことが分かった。一方、生還した唯一人の宇宙飛行士は病院から抜け出して餌を求めて町に...
未知の宇宙生命体に取り憑かれ、地球にやってきた宇宙生命体が人々を襲い、それに立ち向かって対決する、という物語の作品は、後に数多く製作されるが、本作はその原点であり、このジャンルの古典となった。また、フランケンシュタインやドラキュラ、狼男などがモンスターとして描かれた作品はこれまでにもあったが、「宇宙人」をモンスターとして扱ったことが斬新なものであった。(そのおかげで「宇宙人」=「怪物/モンスター」というイメージが定着しました。→それを払拭したのが1982年の「E.T.」ですね。)
SF作品であるが、ミステリー・ホラーというような雰囲気で描かれているということで、後のSF映画を多数見ていると全く違うジャンルの作品と感じてしまうが、派手な秘密兵器やアクション、ドンパチを中心としていないということで、ドラマとしてもじっくりと堪能できる作品である。(カルト作品として根強い人気があることも分かります。)しかも、白黒作品ならではの恐怖を感じることが出来るが、これも本作の魅力である。
派手な特撮やアクションを売りにしたSF作品を見ている方にこそ、本作のようなSF作品を見てもらいたい所である。
SPICE GIRLS再結成 [音楽(etc.)]
昨日(6/28)、ロンドン発のニュースとして、SPICE GIRLS(スパイス・ガールズ)が再結成して、12/7からコンサート・ツアーが行われる、というニュースが飛び込んできました。
彼女たちは1996年にデヴューしたイギリス出身の5人組の女性グループである。サッカーのベッカム選手の奥さんとなったビクトリア・アダムス(現在はビクトリア・ベッカム)は何かと話題になっていたということもあって、S.G.の名前は知名度が高い。残る4人は、エマ・バントン、メラニー・ブラウン、メラニー・チズム、ジェリ・ハリウェルであり、1998年にジェリが脱退して4人となり、2001年に活動停止をした。その後、何度も「再結成」の噂は上がったが、その都度、それを否定する発言が繰り返されていた。よって、今回の再結成のニュースを耳にしたとき、「ほんまかいな?」と思いました。
が、発表された内容は、12月から世界11都市(8ヶ国)でツアー(「THE RETURN OF THE SPICE GIRLS」と題するそうです。)を行い、また、ツアーの開始の頃に、新曲を追加したベスト盤をリリースするとのことである。
ツアーは、12/7のロス・アンゼルスから始まり、12/8のラスベガス、12/11のニューヨーク、12/15のロンドン、12/20のケルン、12/23のマドリッド、年が明けて、1/10の北京、1/12の香港、1/17のシドニー、1/20のケープタウン、そしてラストは1/24のブエノスアイレスとなっている。→日本には来ないんですね。(またも「来日公演」は実現しません。)だが、シドニー、ケープタウン、ブエノスアイレスがツアーに入っているということで、北米、欧州、アジア、オセアニア、アフリカ、南米でそれぞれコンサートが行われることになるので、これならば「世界ツアー」と言っても文句の付けようはありません。
ただ、ニュー・シングルの発表はない、ということなので、オリジナル・ニュー・アルバムも期待できない。(ベスト盤に2曲の新曲が入るらしいですが...)ということは、ツアーが終了したらそこまで(再び活動停止)ということになるような予感が...
'90'sの後半、彼女たちは次々とビッグ・ヒットを放ち、世界中にその名を轟かせたが、活動を停止して6年も経過すると、「一つ前の時代の」という印象になってしまう。しかし、10年以内ということで、「懐かしい」という印象もそんなに強くない。
2曲の新曲があるとは言っても、シングルをリリースしないと言うことは、これまでにはなったヒット曲を中心としたライブになるのは明かだが、メンバーの中には完全にブランクのあるメンバーもいる。(そのため、数ヶ月の準備期間をということでしょうね。)その点がちょっと不安であるとはいうものの、今年の終わりから来年頭の目玉にはなりますね。→このツアーのDVDやライブCDは発売するかも知れませんが、ベスト盤だけというのはちょっと寂しい...
THE LITTLE PRINCE(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は、1974年のイギリス映画「星の王子さま」である。サン・テグジュペリ原作のメルヘン小説の映画化作品であり、本作はミュージカル作品である。しかも、有名なミュージカル映画「マイフェアレディ」でもコンビを組んでいるアラン・ジェイ・ラーナーとフレデリック・ロウが本作にタッチしていると言うこともあって、これだけでも家族みんなで楽しむ事が出来る作品になっていることは容易に想像できるが、正にその通りの作品に仕上がっている。日本ではTVアニメ作品として放送されたこともある「星の王子さま」であるが、世界的には本作が有名である。
映画データを記しておくと、1974年の作品で、時間は88分である。原作は言うまでもなくアントワーヌ・ド・サン・テグジュペリで、製作はスタンリー・ドーネン、監督はスタンリー・ドーネン、脚本はアラン・ジェイ・ラーナー、撮影クリストファー・チャリス、音楽はフレデリック・ロウ、アラン・ジェイ・ラーナー、ダグラス・ガムリー、アンジェラ・モーレイの4人が担当している。そして出演は、リチャード・カイリー、スティーヴン・ワーナー、ボブ・フォッシー、ジョス・アックランド、クライヴ・レヴィル、ドナ・マッケニー、ジーン・ワイルダー、たちである。
物語の方は、あまりにも有名なものであり、原作に比較的沿ったものである。(オリジナルの部分もあります。)人一人しか住めない小さな惑星にクラス王子さまが旅に出て、いくつかの惑星を渡り歩いていく冒険ファンタジーである。
本作はミュージカルと言うことなので、当然音楽の方にも注目です。で、そのサントラ盤の方も楽しいものに纏まっていて、映画と同様に家族みんなで楽しんで聴くことが出来るものである。
そのサントラ盤の収録曲は以下の全11曲である。『Overture』『I Need Air』『Be Happy』『I'm On Your Side』『You're A Child』『Little Prince』『I Never Met A Rose』『Why Is The Desert』『A Snake In The Grass』『Closer And Closer And Closer』『Finale: Little Prince』。
しかも、アカデミー編曲賞にノミネートはされるは、『Little Prince』はアカデミー主題歌賞にノミネートされるは、ということで、本作の音楽はとても高い評価を受けている。(両方ともノミネートされたものの、受賞とはなりませんでした。)一方、ゴールデン・グローブ賞の方では音楽賞を受賞しました。
ある部分では、映画よりも音楽の方が高く評価されているが、それだけ内容のあるサントラ盤である。原作小説、映画、サントラ盤。この3つはセットということで、一つでも欠けることが無いように揃えおいておじいちゃん・おばあちゃんからお父さん・お母さん、そしてお子さんまで、家族全員で楽しみましょう!!
The Little Prince (Motion Picture Soundtrack)
- アーティスト: Frederick Loewe, Douglas Gamley, Bob Fosse, Clive Revill, Donna McKechnie, Gene Wilder, Joss Ackland, Richard Kiley, Steven Warner
- 出版社/メーカー: Decca
- 発売日: 2004/07/27
- メディア: CD
↓映画DVDはこちらです。
↓原作小説はこちら
星の王子さま - The Little Prince【講談社英語文庫】
- 作者: サン=テグジュペリ
- 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
- 発売日: 2004/08
- メディア: 文庫
↓こちらも家族みんなで楽しむことが出来ます。
「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その5) [ケータイ刑事]
「007」と「ケータイ刑事」それぞれについて、代ごとに簡単に特徴を記し、その類似点を記していく3回目は「4代目」からです。
「4代目」:007はティモシー・ダルトン、ケー刑事は銭形零。
ダルトン・ボンドは全2作。(「リビング・デイライツ」「消されたライセンス」)故ダイアナ元妃が「最もボンドのイメージに近い」と言ったダルトンは、シェークスピア俳優として高い評価を受けていた。これまでのロジャー・ボンドの世界観をしっかりと受け継いでいるが、ボンドというキャラに人間性を出して、新たな魅力をボンドというキャラクターに吹き込んだ。また、ダルトンは「ユア・アイズ・オンリー」の時に新たなボンド候補として名前が挙がったが、その時はスケジュールの都合もあって実現しなかったが、満を持してのボンド襲名となった。
銭形零、本家の四女(赤リボン)。全26話、相棒は高村巡査、五代巡査部長。唯一人の現役中学生刑事であり、妹キャラという人間的な魅力を前に出し、これまでの「ケー刑事」の世界観を受け継ぎながらも、独自のほんわかした世界を構築した。
4代目の「類似点」は、人間的な側面を前面に出すという新たな魅力を加えながらも、前任者が築き上げた世界観をしっかりと受け継いでいる、という所である。特に、ボンドは、これまで感情を表に出さないということで、「人間ボンド」というのは大きな変化である。が、零ちゃんも現役中学生という歴代との違いによって、「妹・ケー刑事」という誰からも愛されるキャラとなった。また、「リビング・デイライツ」においては、ボンドはプレイボーイではなく、カーラ(ボンド・ガール)一筋という純粋な所を見せたが、零ちゃんも2nd.シリーズで、(五代さんの)二股はダメだと言ったりしていて、純粋な所を見せている。また、4代目・ボンドは終了後、世界情勢の大きな変化があり、それまでの東西冷戦下という世界観の最後の作品となったが、零ちゃんも、本家・姉妹の最後の作品となり、後任は従姉妹、港区赤坂の時空の歪みが一段と強くなった新たな世界としたのは、何となく狙ったように感じる。
相違点は、ダルトン・ボンドのフィギュアは無いが、零ちゃんはあるという事が大きな違いですかね...(笑 ボンドはもう1本(ダルトン・ボンドの3本目)が予定されていたが、裁判に発展したことで製作でボンドはもう1本(ダルトン・ボンドの3本目)が予定されていたが、裁判に発展したことで製作できず、その間にダルトンの契約期間が満了してしまった、という政治的な動きがあったが、零ちゃん(夏帆ポン)は後任に譲ったものの、シリーズから卒業していないということで、5代目とのコンビで新作(映画「M2」)に登場している。(おそらく、6代目以降とも組んだ「M3」もあるでしょう。)→後任と共演できるというのは、同一キャラではない「ケー刑事」だから出来ることである。
「5代目」:007はピアース・ブロスナン、ケー刑事は銭形雷。
ブロスナン・ボンドは全4作。(「ゴールデンアイ」「トゥモロー・ネバー・ダイ」「ワールド・イズ・ノット・イナフ」「ダイ・アナザー・デイ」)東西冷戦が終結し、物語の背景が完全に変わった中、今までのシリーズの世界観を受け継ぎながらも全く新しい世界観を築き上げた。ど同時に、歴代ボンドが持っていた雰囲気を上手くミックスさせ、新たなボンド像(広く支持される人気のあるボンド像)を確立した。また、社会情勢が変わったということもあって、5代目からは上司のMが女性になるというように、重要なキャラのキャスティングにも手が入れられた。
銭形雷、分家の長女(青リボン)。全40話、相棒は岡野警部補、高村巡査。本家ではなく分家の娘。これまでの歴代(本家)銭形が築き上げた世界観を受け継いでいるが、全く違う世界(特に、港区赤坂がとんでもない所になっていきました)を築き上げた。その象徴が、相棒も鑑識(柴田)も全て新顔ということであり、重要なキャラのキャスティングにも手が入れられた。キャラの変化が見られたが、歴代のキャラを吸収していくような形となって、歴代の雰囲気を上手くミックスさせたキャラへとなった。また、話数はシリーズでは最長の40話となったが、前後編の物語の関係で、解決した事件の数は37件で、こちらは歴代2位である。
「類似点」は、これまでに築き上げられた世界観ではなく、新たな世界観で物語が製作されたという背景が共通しているが、これを具現化する手段として、重要なキャラのキャスティング(「007」はM、「ケー刑事」は鑑識)に変更がある。こういう変更はシリーズの命運を託すことにもなり、下手をすれば「終焉」に向かって突き進んでいくことにもなりかねないが、両シリーズともこれが新しい世界観の確立に繋がり、歓迎された。キャラも、歴代の持っている所が上手くミックスされたキャラであると同時に、しっかりとした我も持っている。で、いずれもが新たな黄金時代を築き上げた。物語の方でも、ボンドは敵(北朝鮮)に捕まって14ヶ月もの間監禁されている(「ダイ・アナザー・デイ」)が、雷ちゃんも犯人(黒井ばら)に拉致監禁されている。(1st.7話)
相違点は、ボンドは物語の中で「アクション」の方に力を入れていて、このシリーズの売りである「生身のアクション」をこまめに、そして数多く、たっぷりと見せてくれたが、雷ちゃんは「コミカル」の方向に次第に力が入っていくようになり、ポップな方向に変化していったということが挙げられる。→元々、ジャンルが違う作品ですから、これは当然と言えば当然です。(が、共にシリーズの売りに力を入れたという点では類似点でもある。)
尚、「銭形雷」はDVD-BOXも発売されて、全話見ることが出来る状態になっているが、地上波ではまだ放送が終了していない(放送すら始まっていない地域もあります)こともあるので、少し遠慮しておきます。(後に「続」ということで追記します。)
6代目に関しては、ボンドは1作が公開されたが、ケー刑事は発表こそされたが、放送前ということもあるのだが、「類似点」の方もしっかりとあります。が、4、5代目とは視点も変わるので、それについては次回ということにします。(たっぷりと引っ張ります。しかも、次回は「最終回」とはなりません。それだけ多くの類似点が「ケータイ刑事」と「007」にはありますから...)
007 ピアーズ・ブロスナン・アズ・ジェームスボンド 1/4スケールフィギュア
- 出版社/メーカー: 豆魚雷
- メディア: おもちゃ&ホビー
007 ゴールデンアイ ジェームスボンド 12インチフィギュア
- 出版社/メーカー: 豆魚雷
- メディア: おもちゃ&ホビー
ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀~決闘!ゴルゴダの森 プレミアム・エディション
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2007/08/24
- メディア: DVD
ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀〜決闘!ゴルゴダの森 スタンダード・エディション
- 出版社/メーカー: Tokyo Soft Inc.(SB)(D)
- 発売日: 2007/08/24
- メディア: DVD
ケータイ刑事THE MOVIE2石川五右衛門一族の陰謀~決闘―+TVシリーズ雷★零
- 作者:
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2007/02
- メディア: 単行本