「宮本武蔵」(その7) [映画(邦画)]
今回は、1960年代の東映製作の五部作の完結編となるシリーズ第5作の「宮本武蔵 巌流島の決斗」である。まずは作品データを記しておく。
1965年の東映京都の作品で、時間は121分である。原作は吉川英治、監督は内田吐夢、脚本は鈴木尚也と内田吐夢の2人、撮影は吉田貞次、美術は鈴木孝俊、音楽は小杉太一郎である。そして出演は、中村錦之助、高倉健、入江若葉、木村功、浪花千栄子、丘さとみ、金子吉延、河原崎長一郎、千田是也、中村是好、日高澄子、尾形伸之介、田村高廣、中村錦司、里見浩太郎、内田朝雄、三島ゆり子、有川正治、神木真寿雄、清水元、嶋田景一郎、中村時之介、鈴木金哉、北竜二、三国連太郎、片岡千恵蔵、たちである。
物語は、いよいよ佐々木小次郎との対決となる巌流島が描かれることになる。(それにしても、5作で9時間半にも及ぶとなると、やっと辿り着いた、というのが正直な所でもある。)
前作で、一乗寺において吉岡一門を倒した武蔵は宿敵・佐々木小次郎との再会を約束して再び修業の旅に出た。旅先で伊織との出会い、江戸に出ると、柳生但馬守との出会い、沢庵との再会という手順を踏んで、いよいよ小次郎からの果し状が届き、巌流島での決闘へと続いていく。
「宮本武蔵」と言えば、やっぱり佐々木小次郎との対決の巌流島であるが、それをクライマックスにして、全5作という長尺作品が幕を下ろすことになる。1961年から1年に1作のペースで製作してきたということで、内容も濃く、たっぷりと描いていて、じっくりと武蔵の姿を見ることが出来る。また、武蔵を演じた中村錦之助(現在の萬屋錦之介)も本当に良く見せてくれました。
また、前作の一乗寺の決闘は、武蔵vs多人数(73人)という対決が見せ場であったが、本作では小次郎との一対一の対決ということで、武蔵の決闘もクライマックスになり、これもまたたっぷりと堪能させてくれるのが嬉しい所である。
本シリーズ全5作は見応え十分である。「宮本武蔵」を見るのであれば、三船敏郎が演じた'50年代の東宝三部作(5時間強)は外せないが、時間に余裕が有れば、9時間半に及ぶ本シリーズ('60's東映)も合わせて見ておきたい所である。(どうしても時間がないと言う方には、第4作と第5作の2本に絞って見ることをお薦めします。)
尚、懐かしの邦画ヒーローの第7弾として記している「宮本武蔵」は、今回が最後の予定だったが、1973年の松竹製作版にたまたま触れることが出来たので、それを次回に記すことにします。
「SUDDEN IMPACT」 [映画(洋画)]
表題の作品は1983年映画「ダーティハリー4」である。前作から7年ぶりとなったシリーズ第4作であるが、本作はシリーズ中で唯一、イーストウッドが監督を務めた作品でもある。また、彼の監督作品としても10作目という区切りの1本にもなった。また、ソンドラ・ロックをはじめとして、イーストウッド映画の常連が集結しているが、これも製作までも兼ねたイーストウッドの力でしょうね。
作品データを記しておくと、時間は117分、製作総指揮をフリッツ・メインズが務め、主演と監督、制作の3役をクリント・イーストウッドが担当している。原案はアール・E・スミスとチャールズ・B・ピアースの2人、脚本はジョセフ・スティンソン、撮影はブルース・サーティース、音楽はラロ・シフリン、主題歌をロバータ・フラックが歌った。そして出演は、クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、パット・ヒングル、ブラッドフォード・ディルマン、ポール・ドレイク、ジャック・チボー、アルバート・ポップウェル、ロイス・ド・バンジー、オードリー・J・ニーナン、マイケル・カリー、マーク・キールーン、ケヴィン・メイジャー・ハワード、ベティ・フォード、ナンシー・パーソンズ、たちである。
サンフランシスコ市警のハリー・キャラハン警部は相変わらずのやり方で、市警上層部からは睨まれていた。ある連続殺人事件の捜査をしていたハリーは、北カリフォルニアのリゾート都市サン・パウロへ出張することになった。それは連続殺人事件の被害者の一人がこの町の出身だったためであった。捜査を続けている内に、この町でもシスコと同様の手口で殺人事件が起こっていることを知ったハリー。そんな中、ジェニファーという画家の女性と知り合ったハリーは、彼女が数年前に妹と共にレイプされたということ、今回の連続殺人事件の被害者はそのレイプ犯たちだという事実を知った...
本作は、派手なアクションの見せ場はやや少なくなり、ミステリー、人間ドラマとしてのドラマ部分が少し強くなっている作品である。(とは言っても、クライマックスはやっぱりやっている...)これまでのシリーズ作品のような派手な所を期待する方にとっては期待はずれということになってしまうが、シリーズ開始から12年の歳月が流れていたら、やっぱり変化があるのも当然である。この変化は、少し年を取って動きが鈍くなったイーストウッドをカバーするため、という見方も出来るが、イーストウッド自身が持っているハリー・キャラハンというキャラクターをより詳しく描ききった、と言うことにもなる。→本作公開時は前者が言われていたが、後にイーストウッドが監督として名声を得るようになると、次第に後者が言われるようになってきた。(一般的な評価というのはそのように時流によって変わるということです。)しかし、そういう評価など気にしないで、娯楽作品としても楽しむことが出来、ミステリーとしてもそれなりに楽しむことが出来るので、楽しめばよろしいかと...
↓シリーズ全5作のBOX
ケータイ刑事銭形海9話(感想)+10話予告 [ケータイ刑事]
二段構成で記している「ケータイ刑事 銭形海」。放送後の最初は、いつものように簡単な感想と次回予告について思ったことを記しています。今回は4回に渡って放送される舞台の2回目ということで、前回の続きであり、いつもの1話完結のストーリーではないので、簡単にします。
が、その前に一つ。10月からは「銭形海・2nd.」となって、五代さんが復帰、海ちゃんも冬服姿になるということが8/30に正式に発表されたということで、(予想されたこととは言っても)一安心です。
今回の物語は第9話「BS初! ついに舞台だ! ~超豪華!演劇者殺人事件」の「捜査編」である。(一応、「事件編」「捜査編」「混迷編」「解決編」と続きます。)今回もお楽しみがたくさん用意されていて、楽しい物語でしたが、前回の「事件編」と同様に、海ちゃんが主役というよりは高村さんとクイーン、そしてスペシャルゲストの金剛地さんが目立つ物語になっていましたね。(海ちゃんは最後の「解決編」でビシッと決めてくれるでしょうが、それまでは他に譲っているということでも良いでしょう)
今回も、放送フォーマットは「雷・2nd.12&13話」がベースとなる途中にCMが入るパターンでしたが、やっぱり「泪・1st.9話」(公開収録)に準じた途中にCMを入れない形で放送した方が良いと思うんですけどね...
そしてもう一つ。やっぱり「ケータイ刑事」のTVシリーズのサントラ盤の完全版をリリースして欲しいという思いが一段と強くなりました。何せ、「愛」からは主題歌の『彼女の情景』しかピックアップされていませんし、「舞」「泪」「零」もほんの一部分ですし、「雷」の主題歌『明日吹く風』(『ラブラブサンダー』もそうです)をはじめ「雷」もTVシリーズからは『トミー』と『雷・口上編』だけしかサントラ盤に収録されていませんからね...→CDで4、5枚組になっても構いませんし、「完全版」とする所に意味があります。
金剛地さんがスペシャルゲストということで、「こんごうぢ/こんごうち」というネタから、エアギター(世界選手権で4位、4位、5位と3年連続入賞というのはやっぱり凄い!、ちなみに今年はというと、金剛地さんは出場しないようです。9/7に開催です。が、その金剛地さん、得点を競うエアギターの方からは引退を発表されました。)の披露、黒子ネタ、薬師丸のものまね、『明日吹く風』の披露(と言っても、殆ど歌っていなかった...)、というように、「スペシャルゲスト」らしく目立っていました。
またも『バーボン刑事のテーマ』を歌った高村さんでしたが、前回との違い(海ちゃんたちのバック・ダンサーズの立ち位置が違っていました)もあり、ノーマル・バージョンだったとはいえ、やっぱり良いものですね。(その後の珍推理もやっぱり高村さんらしいところでした。)そして、今回は『僕は見たんだ』(歌詞の「僕」が「私」に変わっていましたけど...)が登場!!「泪」でこれを歌ったのは、泪ちゃんと柴田太郎さんでしたから、クイーン・宝積さんと高村さんがこれを歌ったというのも新たなバージョンということで良かったですね。(こんなところでこの曲が登場というのも嬉しい所です。)更には「舞・7話」で舞ちゃんと五代さんがやっていたネタ、「泪」と「零」の時にも出てきた「落としのバーボン」も披露した高村さん。(この時の海ちゃんがまた良い味を出していました。)完全に主役になっていました。
更には柴田束志さんも「雷・2nd.13話」以来のギターを持って登場して『鑑識柴田の歌』を歌ってくれましたし、本当にミュージカルでもありました。
そして「「怪談新耳袋」で使った小道具」と言って、人形を出してしっかりと「新耳」の名前を出している所は、演出・丹羽Pはやっぱり営業活動の方も忘れず、しっかりしていましたね。
今回も、高村さん(草刈さん)がメインで、サブがクイーン・宝積さん、そしてスペシャルゲストの金剛地さんに花を持たせた、という形で、海ちゃんは完全に脇役になっていました。が、こういう形で(本来の)主役の海ちゃんが先頭にいない形になると、「解決編」での口上から真犯人逮捕の所が一段と格好良く栄えますからね。(丹羽Pもなかなかの演出をしてくれますね。)
後になって気づきましたが、今回は「警視庁から入電中」も「寄せる、悪のさざ波」も、そして口上も、いつものお馴染みのものが全く出てこなかったんですね。これらが出てこないと「ケータイ刑事」とは言えないが、これまでのシリーズでのネタと、たっぷりの歌ということで、それらがなくても十分に楽しめる内容で、これもまた「ケータイ刑事」ですね。「お約束」はお約束として必要ですが、違った形の土壌作りをしていると考えられます。
次回・第10話の物語は今回の続きで、舞台の3回目の「BS初! ついに舞台だ! ~超豪華!演劇者殺人事件」の「混迷編」です。次回予告は、ようやく海ちゃんが活躍するように見えましたが、「起承転結」の「転」のところでしょうから、まだまだお楽しみはたっぷりありそうで、期待します。海ちゃんも本編最後に「お楽しみはこれからですよ!」と言ってましたしね。
鑑識メモは、やはり公演での収録でしたが、今回は4日目(7/27)の時のものでした。(国広さんが出ていました。)ということで、ちょっと思ったことを記しておきます。「銭形海・2nd.」は五代さんが戻ってきますが、こうなると、その後はシリーズ初の「銭形海・3rd.」に突入して、そこで岡野さんのカンバックというのも見たくなります。(「海・2nd.」が1クールだったら、来年1月から「海・3rd.」がスタートできる。「M2」において岡野さんは本年いっぱいはマツとコンビを組むことになったが、来年になったら戻ってくることも可能なので、「海・3rd.」で復帰というのも設定に矛盾なく実現できると思います。また「M2」の「オフィシャルブック」の中で、丹羽Pが「6代目の最初のパートナーは草刈さん。みなさんまたやりたいとおっしゃっていただいてますからね。それこそ春夏秋冬1クールずつやっても1年イケル。」と発言していることから、「海」は1クールだけとは考えられないと思っていましたが、「海・2nd.」で五代さんの復帰、「海・3rd.」でトミーの復帰、そして「海・4th.」(ここでマツがTVシリーズに初登場)ということもあり得るかもしれませんね...???))
途中の海ちゃんCMは、やはりAパートとBパートの間だけに流れました。9月になったということで、新バージョンの登場に期待したが、その通りとなりました。しかし、これは予想外の「舞台・案内編」ということで、今回の舞台の放送用にはピッタリのものでした。(次回と次々回もこれではないかと予想できます。)→詳しくは火曜一番にUPする方に記します。
↓今回はこれの存在が重要です。
ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状+TVシリーズ オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: サントラ, ナミ&チヨ
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックコミュニケーションズ
- 発売日: 2006/02/01
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ケータイ刑事 THE MOVIE2 オリジナル・サウンドトラック・アルバム
- アーティスト: 小出早織/松崎しげる
- 出版社/メーカー: BS-i
- 発売日: 2007/02/28
- メディア: CD
エアギターバイブルDVD 疾風伝説エアギターハイスクール~男子校篇~
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2006/06/21
- メディア: DVD
エアギターバイブルDVD 疾風伝説エアギターハイスクール~女子校篇~
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2006/06/21
- メディア: DVD
ケータイ刑事THE MOVIE2石川五右衛門一族の陰謀~決闘―+TVシリーズ雷★零
- 作者:
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2007/02
- メディア: 単行本
ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 銭形姉妹への挑戦状 オフィシャルガイドブック
- 作者:
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
ケータイ刑事銭形雷20話[裏ネタ編] [ケータイ刑事]
BS-iの再放送枠(毎週日曜日朝10時)に合わせて書いている「[裏ネタ編]」(先週は放送がお休みだったのでお休みしのしたが、今週からはいつものように放送されるので、またいつものように記していきます。)。今回の物語は第20話の「タネも仕掛けもありません ~売れないマジシャン殺人事件」である。今回の物語はマジック(手品)をネタにしたものであるが、公式HPやEPGの番組情報にも「ネタ」が仕込まれている。番組内では「タネも仕掛けも…」とサブタイトルのテロップに出るが、公式HPやEPGでは「ネタも仕掛けも…」と、冒頭の部分がひっくり返ったままで、修正される様子もない。→やっぱりこれは狙って記していますね...(まあ、ケー刑事らしい所でもありますが...)
今回は、劇中に登場した「マジック」と、ゲスト出演としてシリーズ最多登場のクイーン・宝積さんについて、そして岡野さんについてもちらっと記しておきます。尚、物語(内容)については、過去に記した記事の方をご覧下さい。BS-iの本放送時に記した記事は「ここをクリック(本放送)」、MBS放送時に「[改訂版]」として記したものは「ここをクリック(改訂版)」して下さい。
シリーズで、劇中にマジックが出てくる物語と言えば、「愛・9話」がある。で、そこで愛ちゃんはマジックのタネを見破っていたこともありました。(まあ、事件の謎を解く銭形にしてみれば、マジックのタネを見抜くのは簡単なことなんでしょう。)しかし、雷ちゃんのようにノリは良くなかったのが愛ちゃんでした。(まあ、この辺りの違いは、キャラの違いでもあって、世の中を斜めに見ている愛ちゃんらしい所でもありますが...)
また、「泪・1st.9話」では、泪ちゃんが「私にも超能力がある」と言ってタバコを立てるという芸を披露したが、これはマジックの一種でもあります。(「超能力」も「マジック」も、エンタテイメントのショーとしたら同じ類になるといって良いでしょう。但し、本当に「超能力」というものが存在していたら、全く別次元ということになります。でも「超能力」をテーマにした「恋日・ニュータイプ」を見たら、「超能力」の存在は信じたくもなりますし、インチキだと強く思うようにもなりますし...)但し、泪ちゃんはその時、タネを明かすことはしませんでした。しかし、見る側にとったらマジックのタネは明かして欲しくないですから、親切と言えば実に親切な泪ちゃんです。→それでいて、タネを明かす愛ちゃんと雷ちゃんも、それはそれで良いんですけど...(と、複雑なんですけど、可愛いから許します!)
また「銭形雷のマジック教室!」というのは、「舞・12話」で舞ちゃんが「銭形舞のお料理教室!」とやったことから、泪ちゃんが色々とやり、それを雷ちゃんも受け継いでくれました。
クイーン・宝積さんは「泪・1st.1話」が「ケータイ刑事」に初登場であったが、その後も「クイーン」として「泪・2nd.1話」「零・1st.1話」「零・2nd.1話、2話」「雷・1st.1話」と積み重ねてきた。(「零・1st.5話」は本人役、「零・2nd.9&10話」はクイーンではない役で出演している。また、この後も「雷・2nd.1話」と「海・1st.1話、8~11話」と出演している。おそらく、発表された「海・2nd.1話」でもクイーンとして登場するものと思われる。)
また、宝積さんは、「海・1st.1話」への出演で「シリーズ」へのゲスト最多出演回数で単独トップに立ち、「海・1st.8~11話」への出演で出演回数を更に伸ばしているが、この「雷・1st.20話」に出演した時も単独トップに立っている。(まあ、「零」の時に既に単独トップに立ち、その後、林和義が何度か追いついている。→「海・1st.9話」終了時点では、宝積さんが単独トップ、林和義さんが1差の2位ですが、3位との間には差があります。)
岡野さんが劇中でTVに登場していましたが、「雷・1st.1話」と同様に雷ちゃんとは一緒に出ていないんですよね。しかも、「雷・1st.1話」でもクイーン・宝積さんと一緒に「お天気おじさん」としてのTV出演でした。(15話のドキュメンタリーでは雷ちゃんと一緒に出ていたものの、殺人事件があったので、おそらくお蔵入りとなっているでしょうし...)尚、五代さんと高村さんもTVに出ていましたが、一応は銭形と一緒に出ていたことを考えたら、岡野さんは銭形と一緒ではないというのはちょっと面白いところです。
※「銭形海・2nd.」が正式に発表されましたので、これからは「海」も「1st./2nd.」を追加して記すことにします。