「やくざ非情史」(その2) [映画(邦画)]
懐かしの邦画シリーズの第8弾として記している「やくざ非情史」の第2回はシリーズ第2作となる「やくざ非情史 血の杯」と第3作の「やくざ非情史 血の決着」の2本です。(よって、「やくざ非情史」は今回で終わりです。)尚、この2本はシリーズ作品ではあるが、第1作とは関係ない独立した物語である。
まずは第2作「やくざ非情史 血の杯」
作品データを記しておくと、1969年の日活作品であって、時間は86分である。製作は篠ノ井公平、監督は中川順夫、脚本は中西隆三、撮影は脇野良雄、音楽は小沢英雄である。そして出演は、安藤昇、内田良平、水島道太郎、木村功、沖雅也、瑳峨三智子、月形龍之介、辰巳柳太郎、二本柳敏恵、神代昌子、須賀不二男、夏川大二郎、藤山浩一、たちである。
時は昭和20年、復員帰りの緒形と土井は、米兵に襲われた直美を救うも、別れ別れになって逃げた。そんな緒形を助けたのは、直美と彼女の父である阿佐田親分だった。そして緒形は阿佐田組に入り、頭角を現して勢力を伸ばしていく。一方、土井は阿佐田組と対立する大和会の配下の土井興業の社長として収まっていた。再開した緒形と土井は...
戦友だった二人(緒形、土井)の波乱の出会い、入り乱れる人間関係、組同士の対立、陰謀と裏切りというドラマが見物であるが、本シリーズの特徴であるリアリティのある展開と描写がいい所である。
続いて、シリーズ第3作で最終作となる「やくざ非情史 血の決着」
作品データを記しておくと、1970年の創映プロの作品であり、時間は89分である。製作は篠ノ井公平、監督は萩原遼、脚本は吉寺弾、撮影は星信夫、美術は福島一良、音楽は小沢秀夫である。そして出演は、安藤昇、瑳峨三智子、内田良平、大友柳太朗、二本柳寛、明智十三郎、南川直、高橋俊行、小柳ナナ、丸山麗子、笠達也、香川良介、たちである。
物語は、ある東北の地方都市を舞台に、国道工事利権の入札を巡って対立する2つの一家の対立に利用された男の生き様を描いている。吉井一家と金沢一家は国道工事の入札を目指して鎬を削っていた。吉井は市の土木局長を抱き込んで入札を有利に展開し、金沢一家の潰滅を計り、彼の元に身を置く一匹狼のやくざ・関東常に金沢の親分を殺すことを命じ、渡世の義理から、それを果たした関東常は刑務所に入ることになる。それから三年、出所した関東常はある温泉で金沢の娘・鈴代と出会い、あの町に戻ってくるが...
過去2作と基本的に展開は同じであるが、やはりリアリティのある描写が本作でも生きている。ストーリー展開は同じでも、舞台も状況も全く違うものになっているので、特に嫌な印象を受けることもなく見ることが出来る。が、3作ともなると、やっぱり「飽き」られてくるのでしょうか、シリーズは本作で幕を下ろしてしまったが、それも何となく分かるような気がする。
良くも悪くも、日本映画界がまだ活況の時期の作品ということもあって、時代らしさを感じる作品(シリーズ)である。尚、現在だったら、この作品は間違いなくPG-15ぐらいの指定は受けるでしょうね。(これも時代の変化である。)機会があれば見てもらいたいというシリーズです。
↓いずれもビデオであって、DVDではありません。↓
EVER AFTER(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
1998年の映画「エバー・アフター」である。この作品は、誰もが知っている「シンデレラ」の物語をモチーフにしたラブ・ストーリーであって、ヒロインのハッピーエンドを温かい気持ちで迎えることが出来る作品である。絶世の美女とはほど遠いイメージのドリュー・バリモアが、シンデレラの井メードとはほど遠いお転婆な所を見せるが、こういうものがあるからこと、特に拒否反応することなく受け入れることが出来る物語である。(時には、このようなハッピーエンドを迎える作品というのも良いものです。やっぱり、安心してみることが出来ます。)
作品データを記しておくと、時間は118分、製作はミレーユ・ソリアとトレイシー・トレンチ、監督はアンディ・テナント、脚本はスザンナ・グラント、アンディ・テナント、リック・パークスの3人、撮影はアンドリュー・ダン、音楽はジョージ・フェントンである。そして出演は、ドリュー・バリモア、アンジェリカ・ヒューストン、ダグレー・スコット、ジャンヌ・モロー、パトリック・ゴッドフリー、ミーガン・ドッズ、メラニー・リンスキー、ジェローン・クラッベ、ティモシー・ウェスト、ジュディ・パーフィット、リチャード・オブライエン、エリザベス・アール、たちである。
物語の舞台は16世紀のフランス。少女・ダニエルは田舎で父と暮らしていたが、ある日、父が男爵夫人と再婚し、それから生活が変わる。まもなく父が死んでしまい、継母とその連れ子である2人の娘たちと暮らすダニエルはメイドとしてこき使われていた。そんな中、ダニエルはフランスの王子・ヘンリーと出会い、名前を問われたダニエルは、亡き母の名を口にした。そんなダニエルにヘンリー王子は恋してしまった。しかし、父王は、ヘンリーをスペイン王女と政略結婚させようと考えていた。ヘンリーは父王の反対を押し切ってダニエルを舞踏会に正体するが...
物語の方は「シンデレラ」がベースになっているため、先々の展開が予想した通りに進んでいくので新鮮さや驚きは全くない。が、16世紀という時代設定から、ロマンチックなコスチューム・プレイが展開され、ロマンチックな世界が繰り広げられると、(展開は)分かっていても温かい気持ちになってしまう。どことなく満干/アニメ「キャンディ・キャンディ」のヒロイン・キャンディを感じさせてくれる所あります。(現代を舞台にしなかったことが成功のポイントです。)いつも見るような作品では無く、数年に一度ぐらいは見たくなる典型的なヒロインのハッピーエンドの物語である。そして、こういう作品は音楽の方も切り離すことは出来ない。ヒロインのハッピーエンドとなる物語には、聴くだけでもちょっぴり幸せな気持ち(ドラマ「恋する日曜日」の世界と同じです。)にさせてくれる音楽がピッタリで、こちらも時々聴きたくなるものである。
そのサントラ盤の収録曲は以下の全22曲である。『Ever After Main Title』『Cinerella』『Utopia』『Girls, The Prince And The Painting』『Rescuing Maurice』『Homecoming』『Walking On Water』『Market』『Trying To Relate』『Your Highness-What A Surprise』『First Kiss』『Marguerite』『Ruins』『Going To The Ball』『Prince's Decision』『Danielle's Wings』『Glass Slipper』『Royal Wedding』『Proposal』『Sweet Revenge』『Happily Ever After』『Put Your Arms Around Me』。
派手な所は無いが、粒ぞろいの優しいメロディの曲は、やっぱり心を洗ってくれます。サントラ盤だけでも手元に置いておきたくなるが、映画DVDとセットで置いておきたい作品である。
Ever After: A Cinderella Story - Original Motion Picture Soundtrack
- アーティスト: Original Soundtrack
- 出版社/メーカー: Polygram
- 発売日: 1998/08/04
- メディア: CD
大根刑事#10 [アニメ]
第10話の物語は「ハートブレイク!大根刑事」ということで、「ショート DE アニメ魂」の時には第8話として放送された物語の登場となりました。しかし、BS朝日の放送では「ショート DE アニメ魂」の時になかった物語の第7話「人質を救え、愛」が放送されたことで、今回の物語との整合性がおかしなことになってしまいました。尚、今回の物語は前回の続きである。
街中を走っているカリフラワー刑事。精も根も尽き果てて自慢のアフロが禿げてしまった。ということで、一線を退いて新人の育成に当たることになった。で、ベジタブル課の他の刑事たちに見送られるカリフラワー刑事。
半年後、ベジタブル課御中ということで、カリフラワー刑事から大根刑事に対して手紙が届いた。そこには、カリフラワー刑事は結婚し、もうすぐ子供が出来るということが書かれてあった。それを読んだ大根刑事は、急に結婚したくなった。で、頭を燃やして街中を走り、憧れのさんまさんに「大事な話がある」と言って公演に呼び出した。で、ボートに乗る大根刑事とさんまさん。
大根刑事は「好きだ、結婚してくれ!」といきなりプロポーズ。これにさんまさんは「ごめんなさい。好きだけど、愛してない」ときっぱりと断った。そして、都会の暮らしに自分が向いていないことに気づき、海に帰りたい、と告げると、ボートから池に落ちてしまった。それを見た大根刑事は「さんまさんは海に帰ってしまった」と思い、失恋。(これに、池にいた鴨が「池だけど...」と突っ込んでいた。)大根刑事は雨の中をひたすら走っていた...
大根刑事には早とちりがあるとはいうものの、7話で焼き魚になってしまったさんまさん、8話で割られてしまったすいか刑事、というように、連続作品としたら整合性が合わないことが先に頭に出てくることになったのが痛いですね。(まあ、2代目、3代目、…と考えるとすればそうでもないが...)結局、「ショート DE アニメ魂」の全13話に無かった物語が悪さをしているということで、これはBS朝日のON AIRが悪いということで片付けられることになる。→地上波放送は良かったのに、こういう形が生まれると、作品に対する印象を悪くするだけなので...
次回・第11話は「走らない刑事は腐る」です。「ショート DE アニメ魂」の時には9話として放送された物語です。
キャベツ、アスパラ、レタス、ブロッコリー、カリフラワーのおかず―野菜パワーの活力をいただきます!体のバランスを整える健康料理104品
- 作者: 小川 聖子
- 出版社/メーカー: グラフ社
- 発売日: 2004/04
- メディア: 単行本
美味しい健康食青魚料理―あじ・いわし・さば・さんま (マイライフシリーズ (No.376))
- 作者: 東畑 朝子
- 出版社/メーカー: グラフ社
- 発売日: 1996/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
GEORGE MICHAEL『LISTEN WITHOUT PREJUDICE, VOLUME 1』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1990年に発表された彼の2枚目のソロ・アルバムである。1st.アルバム「FAITH」はソロ・シンガーとしてだけでなく、ソング・ライターとしての才能も世界的に認められて大ヒットを記録したが、本アルバムは内容でもクオリティでもその前作を越えた彼の最高傑作として知られているアルバムである。(但し、セールスの点では1st.アルバムわ及ばなかった。→クオリティとセールスは比例関係にならないということをここでも教えてくれている。)イギリスではNo.1の座を獲得し、アメリカではBillboardのアルバム・チャートで最高位2位、1990年の年間アルバム・チャートでは100位、1991年の年間アルバム・チャートでは44位にランクインしている。(→発売になった時期の関係で年間順位が低くなった。)サウンドはポップなものからアコースティック面が強くなり、一段とアーティストとしての才能が輝いている。
収録されているのは以下の全10曲である。『Praying For Time』『Freedom』『They Won't Go When I Go』『Something To Save』『Cowboys & Angels』『Waiting For That Day/You Can't Always Get What You Want』『Mother's Pride』『Heal The Pain』『Soul Free』『Waiting (Reprise)』。
この中からは、『Praying For Time』が全米No.1ヒットとなり、1990年のBillboard年間シングル・チャートでは51位にランクインしている。(1位は1週間でした。)また『Freedom』もBillboardシングル・チャートで最高位8位、1991年の年間シングル・チャートで95位にランクイン、Billboardの年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていないが『Waiting For That Day』が最高位27位、『Mother's Pride』が最高位46位にランクインしている。そして、アメリカではシングル・カットされていないが、イギリスでは『Heal The Pain』と『Cowboys & Angels』もシングル・カットされていて、前者が最高位31位、後者が最高位45位を記録するというように、多数のヒット曲を生み出している。(前作「FAITH」はもっと凄かったですけど...)
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、『Waiting For That Day』『Praying For Time』『Mother's Pride』というところをピックアップしておく。また、『Freedom』はWHAM!時代にヒットした曲と異なるアレンジということで、聴き比べるのにはもってこいの一曲である。
アイドルとしてではなく、一人のアーティストとして腰を落ち着けたと言うこともあって、じっくりと聴き込むことが出来るアルバムであって、ビッグ・セールスを記録した「FAITH」よりも遙かに内容のあるアルバムになっている。じっくりと聴き込みましょう!
Listen Without Prejudice, Vol. 1
- アーティスト: George Michael
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2004/11/08
- メディア: CD