「0093 女王陛下の草刈正雄・ナビ」 [映画(邦画)]
10/13から順次全国公開される「0093 女王陛下の草刈正雄」のナビがBS-iでしっかりと放送されたので、それについた取り上げます。(BS-iが制作に絡んでいる作品は、必ず「ナビ」を放送してくれます。)尚、「全国公開」と行っているが、現時点では、3都市のみのスケジュールとか発表されていない。東京が、シネマート六本木で10/13から、渋谷シネ・ラ・セットで10/20からのレイトショー、大阪がシネマート心斎橋で10/27からのレイトショー、名古屋がシネマスコーレで11月の予定となっている。→「ケータイ刑事」よりはやっぱり小規模になっちゃうのは仕方のない所なのでしょうかねぇ...
本編は、CMを除くと26分ということで、時間的には普通である。内容は、この映画の内容紹介とメイキング、出演者のインタヴューなどで、これもいつもの「ナビ」の範囲である。(まあ、いずれ発売されるDVDには特典映像として収録されるでしょう。)
「草刈正雄は女王陛下に使えるコードネーム「0093」というスパイだった」という大胆な設定の元で展開するストーリーは、言わずと知れた「007」をベースにしている。(「00」ナンバーは殺しのライセンスを与えられたスパイの中でもエリート中のエリートです。)
まずは丹羽Pが語るが「スパイ道」をいずれ映画化したいという野望が実現することになった、と放していたが、その「スパイ道」は現在まで全40話が制作されている。(1話5分のショート作品)最初の20本と「2」としての女スパイ編の2シリーズある。いずれもがコミカルな作品であるが、色々な実験も行われていて、これも楽しい作品である。(筆者は更に第3シリーズの誕生も期待しています。)
脚本の加藤淳也先生が「草刈さんが実はスパイだったら」と言ったら丹羽Pが「それでいこう」ということで一気に映画として動き出したようであるが、こういうノリはやっぱり丹羽ファミリーですね。
また、丹羽Pは「日本人で一番スパイが似合うのは草刈さんをおいて他にはいないと思った」と言っているが、それは筆者も感じていた。雰囲気は5代目・JAMES BONDのピアース・ブロスナンといった感じがするし、「ケータイ刑事」などでのコミカルな所は3代目・JAMES BONDのロジャー・ムーアのような雰囲気もある。しかも「銭形泪・2nd.10話」で「バーボン・ボンド」と言って007を意識した物語があったのをはじめ、夏服になった「銭形泪」(=第3クール)ではOPで映画「007」を意識した演出までありましたからね。(「007」シリーズが大好きな筆者ですから、こんな企画の実現というのは大歓迎です。)
ストーリー紹介では、最初に何処かで見たことがある部屋(「銭形雷・2nd.7話」など多数)に刺客が襲う所、映画「マーズ・アタック」の火星人らしきものが登場するところ、秘密兵器を手にしてそれを使う草刈(サングラスをして、となると「M.I.B.」や「銭形泪・2nd.3話」などを思い出させてくれる。)というように、次から次へと登場する映画のネタは、映画ファンならば「幾つ知っている?」という実力テストのようであって楽しみです。
敵は、洗脳CDを手に入れて陰謀を企んでいるという芸能界に進出してきたIT会社社長三輪嘉門(みわ・かもん→当然、丹羽多聞(にわ・たもん)をいじった名前であることは一目瞭然である。)
また、日刊スポーツ記者・霧島ハルキがスクープを追っているし、草刈の愛娘は父の反対を押し切って女優を目指していて、三輪の会社のイメージガールに選ばれていた...
まあ、こういう作品では、ストーリーはあっても無いようなものであって、元ネタを如何に多く取り込んで、それを1つの物語として、どれだけ面白くしてくれるかである。(例えば「フライング・ハイ」「ホット・ショット」「裸の銃を持つ男」などがその典型例である。)当然、元ネタを理解していることが必要であり、映画ファンでも高度なレベルが要求されるジャンルである。但し、日本では、一般に元ネタに関する知識が低いこともあって、今ひとつヒットしないジャンルでもある...→「修行が足りないだけ」と筆者は言いますが...
本作の目玉は、やっぱり親子共演ということで、草刈正雄の娘・麻有が本作で女優デヴューをすることでしょう。(一応、密着ドキュメントがありました。)が、筆者としたら「銭形泪」の黄金コンビ・泪=高村コンビが形を変えて再現という所の方が気になります。しかも「初代・マサオ・ガール」というふれこみというのも「007」シリーズのファンである筆者としたら楽しみです。(「初代・ボンド・ガール」のウルスラ・アンドレスのような設定でいくのか、中期ボンド・ガールのような悲劇的な設定でいくのか(これはなさそう)、現代のボンド・ガールのようなプロフェッショナルな設定で行くのか、考えるだけでも楽し句なってくる。)が、これに関しては演じる黒川芽以さんが「駄洒落ばっかり言ってて...」と言っていたので、ボンド・ガールの持っているイメージとは全く別のようで、これも楽しみです。(→「駄洒落」といったら五代さんを思い出すが、泪・高村コンビであるだけに、色々とやってくれそうです。→女子大生になった銭形泪と高村さんのコンビも見たくなりますね。)
とにかく、ナビだけでも色々とネタがあって「赤坂十三丁目支部長M」とあるのも「007」だし、三輪嘉門はメディア王というのは「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」のエリオット・カーヴァーだし、最初にベッドが襲われる所は「007は二度死ぬ」だし、...(これだけでも楽しくなりました。)
ベタなネタでは「バナナ」。考えたら「銭形雷」で「バナナ・ネタ」が何度か出てきましたが、丹羽Pのお気に入りと思っていいのでは...?
ところで、草刈さんの娘・麻有って、丹羽Pのことだから、将来の銭形候補の一人としてマークしておくべきでしょうかねぇ...?(やっぱり、高村さんとコンビを組む?)年齢的なことを考えたら、7代目ではなくて8代目という気がしますが...
最後に「草刈正雄は本当にスパイかもしれない」ということでインタヴューをした出演者に質問をしていたけど、こういうネタで締める所は「恋日・ニュータイプ・ナビ」でもありましたが、真相は映画を見て、ということで...
尚、この「ナビ」は、9/23(日)13:30~14:00、10/6(土)18:30~19:00、10/13(土)18:30~19:00に再放送されます。(今までのBS-iでの「ナビ」の放送は3回というのが普通なのに、本作は4回放送されます。)また、CSのTBSチャンネルが9/30(日)16:00~16:30に放送される「スペシャル」というのもこれと同一内容ではないかと思われます。
↓本文中に記した作品を...
007 アルティメット・エディション スペシャル・コレクターズBOX
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2007/08/25
- メディア: DVD
007 トゥモロー・ネバー・ダイ アルティメット・エディション
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2006/11/22
- メディア: DVD
「GASLIGHT」 [映画(洋画)]
表題の作品は1944年のアメリカ映画「ガス燈」である。この作品はイングリッド・バーグマンがアカデミー主演女優賞を獲得し、美しさだけでなく、演技力の点でも認められるようになった作品でもある。また、同時に美術監督賞と室内装飾賞も本作は獲得している。心理的サスペンス・ドラマである。また、本作は1940年の同名タイトルのイギリス映画(ソロルド・ディキンソン監督、主演はアントン・ウォルブルック、ダイアナ・ウィンヤード)のリメイク作品である。(リメイク作がオリジナル作よりも高い評価を受けるというのは、珍しいことである。)
作品データを記しておくと、時間は114分、製作はアーサー・ホーンブロウ・Jr.、原作はパトリック・ハミルトン、監督はジョージ・キューカー、脚本はジョン・ヴァン・ドルーテンとウォルター・ライシュ、ジョン・L・ボルダーストンの3人、撮影はジョセフ・ルッテンバーグ、音楽はブロニスラウ・ケイパーである。そして出演は、シャルル・ボワイエ、イングリッド・バーグマン、ジョセフ・コットン、メイ・ウィッティ、アンジェラ・ランズベリー、テリー・ムーア、たちである。(アンジェラ・ランズベリーのスクリーン・デヴュー作でもある。)
物語は、19世紀のロンドン・ソーントン街。有名な歌手であるポーラは叔母を殺され、そのポーラは遺産を相続する。そして、夫と共に受け継いだ叔母の屋敷で新婚生活を始めたが、彼女の身辺では奇妙な出来事が起こる。犯人の目的は、ポーラを発狂させることであった...
バーグマンの演技力の高さもあって、本当にストーリーに引き込まれる。(やっぱりアカデミー賞は伊達ではないですね。)そう言えば、この作品は、バーグマンが亡くなった時(1982/8/29)、それから最初の日曜日の放送の時に日曜洋画劇場が本作を追悼作品として予定していた作品と差し替えて放送したのだが、(最近は、名優が亡くなっても、急な差し替えによる追悼放送が少なくなりましたねぇ...)その時、解説の故・淀川長治氏が10分ちょっとも最初の解説で語っていたことを思い出しました。→それだけ思い入れの深い作品ということになりますが、そういう作品では本当に語り出したら止まらなくなるものです。
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↓参考まで
大根刑事#11 [アニメ]
第11話の物語は「走らない刑事は腐る」ということで、「ショート DE アニメ魂」の時には第9話として放送された物語です。それにしても、不思議です。大根とパプリカ、すいかと、キャベツ、トマト、かぼちゃやジャガイモの腐り方が極端に違うのですから...(ジャガイモは芽が出たら面白かったのに...)
いつものように、ベジタブル課に事件の連絡が入り、その電話に出るボス・メロン刑事。「おれおれ詐欺団らしき奴らのアジトを発見した」ということで、ベジタブル課のみんなは張り込みのために出動する。(いつものように走る大根刑事。)
アジトらしきマンションに到着した一同は、ベランダに忍び込んで張り込み開始。1日目は動きがなかった。そのまま張り込みを続けるが、2日目、3日目、と張り込みは続くが、全く尻尾を出さない。4日目、5日目、…と張り込みは続く。(大根刑事の頭だけが次第にしおれていく...)そして一週間が経過するも、やはり動きはない。9日目、大根刑事だけがしおれて倒れてしまう...(それでも張り込みは続く。)11日目には大根刑事とパプリカ刑事だけがシワシワになっていた...(それでも張り込みは続く。)
15日目の夜は雨が降ったが、雨の中でも張り込みは続く。雨の16日目、大根刑事の頭にはカタツムリが、17日目には大根刑事の背中にミノムシが付いていた。(それでも張り込みは続く。)21日目になっても何も起こらない。で、「ガセネタじゃないか?」という思いが浮かぶ一同。(それでも張り込みは続く。)24日目、誰かが臭くなっていた。27日目、すいか刑事には酷く虫が湧き、28日目には酷く酸っぱい臭いを漂わせていた。29日目には、あまりにも酷いので、モザイク処理がされるすいか刑事。(それでも張り込みは続く。)30日目も動きはない。で「俺たち、いつまで張り込むんだ???」と一同。
その頃、警視庁のベジタブル課では、ボスが気づいた。「ガセネタか...」
大根刑事とパプリカ刑事、すいか刑事だけしおれて腐っていくのに、トマト刑事とキャベツ刑事は全くしおれていかない。大根よりもこちらの方が傷みやすいはずですけどねぇ... それにしても、30日も全く動かず張り込んでいるなんて、実にお暇な刑事たちでした。
次回・第12話は「さらば!メロン刑事」です。「ショート DE アニメ魂」の時には10話として放送された物語です。
↓これらの作品が頭ら浮かびます...
HEART『DOG & BUTTERFLY』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1978年に発表された4th.アルバムである。1978年には2枚のアルバムを発表したHEARTであるが、バンドとしても人気を集めるようになり、音楽性も一段と磨きがかかって、完全に人気バンドの仲間入りを果たすことになった。そんな勢いもあって、本アルバムは1979年のBillboard年間アルバム・チャートで32位にランクインすると共に、レギュラー・チャートでは最高位17位を記録している。
2004年にリマスタリングされて再発された時に3曲のボーナス・トラックが追加されて、現在は全11曲が収録されている。収録曲は以下の通りである。(後ろの3曲がボーナス・トラックである。)『Cook With Fire』『High Time』『Hijinx』『Straight On』『Dog & Butterfly』『Lighter Touch』『Nada One』『Mistral Wind』『Heartless』『Feels』『Little Bit』。
この中からは2曲のシングル・ヒットが生まれている。(2曲ともBillboardの年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていない。)『Straight On』が最高位15位、アルバム・タイトル・ナンバーの『Dog & Butterfly』が最高位34位を記録している。
この中からの筆者のお薦め曲は、『Cook With Fire』『High Time』『Dog & Butterfly』『Mistral Wind』という所をピックアップしておく。(一応、ボーナス・トラックの3曲は除外とする。)
世の中は丁度ディスコ・サウンドの大ブームに突入していたが、そちらに走ることなく、骨のあるロックから綺麗なバラードまでを聴かせてくれる本アルバムは、WILSON姉妹の魅力に満ちた秀作であり、じっくりと聴き込みたくなるアルバムである。とにかく、世界的なディスコ・サウンドの一大ブームの時期に、このようなアルバムが生まれているというのは、ロック・ファンにとっては嬉しい所である。じっくりと聴き込みましょう!