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「野良猫ロック」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローの第10弾として取り上げる作品は、「ヒーロー」という感じはないが、日活のニューアクションシリーズの全盛期の作品である「野良猫ロック」シリーズを取り上げる。(WOWOWがこのシリーズ全5作品を放送する、ということもあります。)

このシリーズは、1970~1971年にかけて製作されたものである。第1作はホリプロが製作して日活が配給を行ったが、第2作以降は日活が製作してダイニチ映画が配給を行っている。物語の方はそれぞれ独立した作品であって、連続性はないが、全5作の全てに梶芽衣子さんと藤竜也さんが出演している。(梶さんはこの後に「女囚さそり」シリーズへということになる。)尚、第1作は和田アキ子さんが主演であって、この1本にのみ出演しているが、彼女の初映画作品ということになっている。

今回は、シリーズ第1作となる「女番長 野良猫ロック」です。
まずは作品データから、1970年のホリプロ作品で、時間は81分である。監督は長谷部安春、脚本は永原秀一、撮影は上田宗男、美術は斎藤嘉男、音楽は鈴木邦彦である。そして出演は、和田アキ子、梶芽衣子、和田浩治、范文雀、ケン・サンダース、藤竜也、アンドレ・カンドレ、たちである。

新宿にたむろする対立するスケバングループの抗争に割って入った流れ者・アコは番長・メイたちのグループを助ける。メイの恋人・道男は暴力団・青勇会にとり入って、ボクシングの八百長を引き受けて、これによって青勇会の会員にしてもらおうと画策する。が、ボクシングの試合はアコやメイたちの応援に発奮したボクサーが八百長のことを忘れて相手をKOしてしまった。青勇会は道男に落とし前をつけさせ、瀕死の重傷を負う。恋人を殺されそうになったメイは、アコの協力を得て青男会に殴りこみをかけるが...

演者のキャラクターそのままというアコの貫禄ある迫力は昔も今も変わっていないですね。と、主役についても一応述べておくが、やっぱり梶芽衣子さんが良いですね。(本作こそ主役を譲っているものの、次作からの本シリーズは梶さんが主演である。→本作を番外編は考えるというのも一つかもしれません。)最近では殆ど見かけなくなった「クール・ビューティ」というキャラクターは彼女のためにあるといっても良いようなものであって、凄味のある目と涼しげな表情は「凄い!」という言葉に尽きます。

時代は本作の舞台になった頃とは大きく変わったが、'70's前半という時代ならではという作品であり、邦画ファンであれば見ておきたい一本である。

 

女番長・野良猫ロック

女番長・野良猫ロック

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2006/12/08
  • メディア: DVD

↓シリーズのサントラ盤

野良猫ロック

野良猫ロック

  • アーティスト: オムニバス
  • 出版社/メーカー: インディペンデントレーベル
  • 発売日: 2005/07/23
  • メディア: CD

↓本シリーズのDVD-BOX

野良猫ロック コンプリートDVD-BOX

野良猫ロック コンプリートDVD-BOX

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2006/12/08
  • メディア: DVD


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「ろくでなし」(その4) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローの第9弾として記している「ろくでなし」シリーズも4回目となる今回で終了となる。今回は、シリーズ第3作であり、最終作となった1965年の「命しらずのろくでなし」である。やはり、日活が得意とする無国籍アクション・コメディ作品であって、テンポが良くてノリが良いのはこれまでの作品と同じであるが、本作の物語がシリーズの中ではスケールが一番大きく、それでいてまたコミカルさも高い一本となっている。いずれにしても、何も考えずに楽しむことが出来る作品である。

作品データを記しておくと、1965年の日活作品で、時間は87分、監督は江崎実生、脚本は若井基成と林弘明の2人、撮影は高村倉太郎、音楽は伊部晴美である。そして出演は、宍戸錠、小浜奈々子、弓恵子、小高雄二、谷村昌彦、高品格、近藤宏、土方弘、平田大三郎、市村博、たちである。本作では、宍戸錠が演じるのは第1作と同じ「竜巻丈次」という名前に戻っている。

物語は、日本を代表する三大ギャンブルの関係者が何者かに白昼、次々と殺されていくという事件が起こった。ギャンブル協会は犯人逮捕の功労者に一千万円の賞金を与えることにした。それを聴いたジョーこと竜巻丈次は、博奕の借金も貯まっていたことから、賞金を得るために犯人逮捕にノリでした。ジョーは事件の背後にノミ屋のシンジケートがあると睨み、裏ではあくどい仕事をしている轟商事に目を付ける。一方、轟は、ジョーの動きを察知すると、ジョーを始末するために爆弾を仕込んだ腕時計を作り、ジョーを消しにかかるが...

ハラハラドキドキしながらも大いに笑わせてくれるのはこのシリーズに共通する所であるが、とにかくノリが良くて楽しくなってくる。日本映画の黄金時代の無国籍映画ということで、時代を感じる所があるものの、この痛快さもまた魅力である。是非、本作に陽の光を当ててもらって、DVD化してもらいたいところである。(それにしても、宍戸錠も若いですね... って、40年以上も昔だから当たり前なんですけど...)

 

ソフト化されていないので、これを...

シシド―小説・日活撮影所

シシド―小説・日活撮影所

  • 作者: 宍戸 錠
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/02
  • メディア: 単行本
みんな日活アクションが好きだった

みんな日活アクションが好きだった

  • 作者: 大下 英治
  • 出版社/メーカー: 廣済堂出版
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 単行本


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INXS『KICK』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1987年に発表された彼らの6枚目のアルバムである。前作「LISTEN LIKE THIEVES」が大ヒットを記録して人気バンドの仲間入りを果たした彼らであるが、本アルバムは彼らの最高のセールスを記録することになり、名実共にトップ・バンドになったアルバムである。イギリスでは最高位2位を記録、アメリカではBillboardのチャートで最高位3位を記録すると共に、1988年の年間アルバム・チャートでも4位にランクインしている。

収録曲は、1987年のオリジナル盤では12曲であったが、現在はリマスターした時に4曲のボーナス・トラックが追加されて、全16曲となっている。(後ろの4曲がボーナス・トラックである。)『Guns In The Sky』『New Sensation』『Devil Inside』『Need You Tonight』『Mediate』『Loved One』『Wild Life』『Never Tear Us Apart』『Mystify』『Kick』『Calling All Nations』『Tiny Daggers』『Move On [Guitar Version]』『Jesus Was A Man』『Mystify [Chicago Demo]』『Trap[Demo Version]』。

この中からは、彼らの唯一の全米No.1シングルとなった『Need You Tonight』(1位は1週のみ、1988年のBillboard年間アルバム・チャートで2位にランクイン)したのをはじめ、4曲の全米TOP 10ヒット曲が生まれている。残る3曲のシングルは、『New Sensation』(最高位3位、1988年のBillboard年間シングル・チャートでは65位)、『Devil Inside』(最高位2位、1988年のBillboard年間シングル・チャートでは46位)、『Never Tear Us Apart』(最高位7位、1988年のBillboard年間シングル・チャートでは95位)である。また、『Mystify』はイギリスとカナダではシングル・カットされてヒットを記録している。

本アルバムからの筆者のお薦め曲は、『Devil Inside』(筆者は本アルバムの中ではこの曲が一番のお気に入りである。)を筆頭に、『New Sensation』『Need You Tonight』『Mediate』『Kick』『Calling All Nations』という所をピックアップしておく。

ポップな所もあるキャッチーでテンポの良い、とても聴きやすいロック・ナンバーということで、楽しみながら聴くことが出来るアルバムであるが、それだけではなくて、彼らは、'70's終盤から多くのヒットを放ったAIR SUPPLY、'80's初頭のMEN AT WORKに続く、'80'sのダウンアンダー勢力の中心的なバンドとして、オジー魂をしっかりと受け取りましょう!

 

Kick

Kick

  • アーティスト: INXS
  • 出版社/メーカー: Rhino
  • 発売日: 2002/10/15
  • メディア: CD


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