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「網走番外地」(その7) [映画(邦画)]

今回からは「新網走番外地」について述べることになる。石井輝男監督によるこれまでの10作は、次第に翳りが見えてきたものの、人気は高かったということで、東映はこのシリーズを更に続けることにした。で、監督にマキノ雅弘監督を起用して、主人公も演じるのは高倉健であるが、橘真一から末広勝治とし、新たな構想で「新シリーズ」ということで再スタートを切った。そのため「網走番外地」ではなく「新網走番外地」となっている。「新」シリーズは、全部で8作が製作され、その内の6本を降旗康男監督が監督を務めているが、作品順に見てみると、最初の3本がマキノ監督、降旗監督、佐伯清監督というように異なる監督が務め、その後の5本を降旗監督がメガホンを取った。尚、音楽の八木正生は「新シリーズ」でも引き続いて担当して、全18本の全て音楽を担当した。

新シリーズは、石井監督の10本にあった無国籍アクション映画という雰囲気が無くなり、如何にも東映作品らしい泥臭さが前面にでることになったことが特徴である。また、新シリーズの作品は、現時点(2007/10)では1枚もDVD化されていないが、この辺りにも人気の差が感じられてしまい、ちょっと残念な所である。

今回は、新シリーズの第1作であり、「網走番外地」としたら第11作となる1968年の「新網走番外地」です。(この年は本作1本だけでした。)

作品データを記しておくと、1968年の東映東京の作品で、時間は94分である。原案は伊藤一、監督はマキノ雅弘、脚本は村尾昭、撮影は坪井誠、美術は藤田博、音楽は八木正生である。そして出演は、高倉健、長門裕之、水島道太郎、三橋達也、松尾嘉代、志村喬、金子信雄、山本麟一、今井健二、佐々木愛、ジェリー伊藤、たちである。

物語は、昭和23年、復員して来た末広勝治は、新橋で進駐軍の兵士に無理矢理連行される日本人の娘を救ったが、兵士にパンチを浴せた末広は即座に逮捕されてしまい、北海道の米軍刑務所に送られる。それから4ヶ月、末広は再び故郷である新橋に戻ってきた。しかし、戦争で家は焼けて跡形もなく、また母や妹たちの消息も知れなかった。そんな新橋は、現在は石津組と華僑連合が対立するということになっていたる末広はその抗争に巻き込まれて義誠になった親友の仇を取るためにカービン銃を持ち出した...

色々とツッコミ所がある作品であるが、本作によって「新シリーズ」は、主演こそ高倉健であるが、主人公も別人になっているということで、全く別の作品(シリーズ)だということを強く感じる作品である。そのように解釈した方が、色々と楽しむことが出来ます。

 

↓本作はDVD化されていません。

新・網走番外地

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 1988/12/09
  • メディア: ビデオ

↓一応、これらを

網走番外地 (1965年)

  • 作者: 伊藤 一
  • 出版社/メーカー: プレス書房
  • 発売日: 1965
  • メディア: -

網走番外地

網走番外地

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 2002/07/21
  • メディア: DVD


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大根刑事#15 [アニメ]

BS朝日での第15話の物語は「ショート DE アニメ魂」の時には最終回の第13話として放送された「2097ダイコンデカ」である。今回は近未来のSFタッチです。また、時間も4分10秒ということで、これまでで最も長い物語でした。

「2014年、第三次世界大戦」ということで「人類VS機械」の戦いになり、人類は滅亡した。そして機械の機械による機械のためのメトロポリスが誕生した。それから時は流れ、2097年になった。大根刑事ロボコップは2097年のメトロポリスで刑事をやっていた。人類が滅亡し、機械が支配するこの世界では犯罪はない。大根刑事ロボコップの任務はマザーコンピューターの指令に従って、セルフコントロールを失ったアンドロイドを始末することだった。

ベジタブル課の電話が鳴る。大根刑事ロボコップが電話に出ると、マザーコンピューターの指令が伝えられる。アンドロイドNo.0099が危険物質Fを持ち出して逃走中ということで、アンドロイドNo.0099を始末して危険物質Fを回収せよ。大根刑事ロボコップは「危険物質Fとは?」と尋ねると、それはメトロポリスを脅かす脅威の物質ということだった。

指令を受けた大根刑事ロボコップは出動し、走る、走る、走る。で、アンドロイドNo.0099を追いつめた。大根刑事ロボコップはアンドロイドNo.0099めがけてジェットパワーで突進し、「スーパージャンプ!」で飛びかかる。そして、メタルロケットと化した大根刑事ロボコップはアンドロイドNo.0099の胸を貫通した。倒れたアンドロイドNo.0099(さっきは胸に貫通した穴があったのに、倒れるときにはそれが無くなっているぞ...)は最後の力を振り絞って、持っていたカプセル(普通の水筒にしか見えません...)を開けて、危険物質Fを取り出そうとする。で、中から出てきたのは一輪の花だった。それを目にした大根刑事ロボコップは、「まだ残っていたのか...」と感慨深くなる。

そこにマザーコンピューターから大根刑事ロボコップに「状況を説明せよ」という通信が入った。これに大根刑事ロボコップは「アンドロイドNo.0099は始末した」と報告する。「危険物質Fは回収したか?」とマザーコンピューターが問う。これには「危険物質Fは、戦闘中に消失。よって回収不能」と報告した。報告を終えると「人の心はまだ失っていない」と呟いていた。

人類が滅亡、機械が都市を築き上げる、という設定は、SF作品では珍しいものではない。しかも、人類が滅亡したのは「第三次世界大戦」によるというものもありふれたものである。よって、SF作品を色々と見ていたら、全く目新しさはないが、「大根刑事」としたら頑張ったんじゃないでしょうか... ただ、第三次世界大戦から83年が経過しているとしても、富士山麓はもっと荒れ果てているんじゃないのかなぁ...(と思ったりしました。)ところで、「危険物質F」の「F」は「FLOWER」の「F」だったんですね...

次回の第16話は、「ショート DE アニメ魂」では未放映の物語である「飛べない大根はただの野菜さ」です。地上波では全13話の放送であったが、BS朝日ではしっかりとその後の物語も放送してくれるのですね。(12月に発売になるDVDは全21話ということになっている。)が、それを考えたら、「ショート DE アニメ魂」の放送では、第2話と第3話として放送された物語が今回放送されないというのはどういうことなんでしょうかねぇ?

 

↓DVDは12月に発売になります。(予約できます。)

大根刑事

  • 出版社/メーカー: エースデュースエンタテインメント
  • 発売日: 2007/12/21
  • メディア: DVD

 ↓やっぱり元ネタのこれを...(TVシリーズと映画をそれぞれ)

ロボコップ プライム・ディレクティヴ DVD-BOX

ロボコップ プライム・ディレクティヴ DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/02/04
  • メディア: DVD

ロボコップ DVD コレクターズBOX

ロボコップ DVD コレクターズBOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2002/02/08
  • メディア: DVD

 


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K. D. LANG『ALL YOU CAN EAT』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1995年に発表した彼の7枚目のアルバムである。カナダ出身のカントリー・シンガーとして'80's後半から活躍している彼であるが、'90'sも半ばになってくると、色々と実験的な試みも行っているが、本アルバムは、そんな実験作の一つとして発表されたアルバムの中の一枚である。尚、本アルバムは、本国カナダよりもオセアニアで大きなヒットとなり、ニュージーランドではNo.1を獲得している。(ちなみに、アメリカではBillboardで最高位37位、カナダでは10位、イギリスでは7位を記録している。)

収録曲は以下の全10曲である。『If I Were You』『Maybe』『You're Okay』『Sexuality』『Get Some』『Acquiesce』『This』『World Of Love』『Infinite And Unforeseen』『I Want It All』。

この中からは『If I Were You』『You're Okay』『Sexuality』の3曲がシングル・カットされたが、カナダでのヒットはそれなりに大きかったが、アメリカでは鳴かず飛ばずという状況であった。(カナダ出身の彼だから、当然と言えば当然です。)

元々、歌の方は上手い彼であるが、艶のあるボーカルが微妙なラインを狙い、ちょっと不思議な雰囲気を作り出している。彼の生み出した世界は、一度や二度聴いただけではよく分からないが、聴き込めば聴き込むほど、味が出てくるのである。

本アルバムからの筆者のお薦め曲は、『If I Were You』『You're Okay』というシングル・カットされた2曲と、『This』『World Of Love』をピックアップしておく。いずれの曲も、派手な所はなく、オーソドックスにボーカルを中心にした曲であるが、彼のボーカルはただ歌っているだけではなく、そこから醸し出される世界がまた何とも言えない魅力を出している。

カントリー系のアルバムと言うことで、収録時間が短い(約36分)というところが不満点になるが、カントリー系のアルバムでこの時間は長い方である。('60'sから変わらず、カントリー・アルバムは収録曲数はそれなりにあるが、曲自体が時間的に短いので、時間が短い(所謂「不景気レコード)と言っています)という変な伝統をしっかりと守っている...)

腰を落ち着けて、じっくりと何度も味わってみましょう。(何度も聴くことを思えば、時間が短い方が都合が良いのでは?と擁護するようなことはしませんが...)

 

All You Can Eat

All You Can Eat

  • アーティスト: k.d. lang
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1995/10/10
  • メディア: CD


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