「SEPARATE TABLES」 [映画(洋画)]
表題の作品は1958年のアメリカ映画「旅路」である。(同名タイトルの日本映画が複数あるが、全く関係ない作品であるのは言うまでもない。)今回も、デボラ・カーさんの追悼企画として、5度目のアカデミー主演女優賞にノミネートされた本作を取り上げる。(全部で6度ノミネートされたが、獲得は1度もならなかった。また、本作で3年連続のノミネートとなったが、これも凄いことである。→最近では、1981年から1983年にメリル・ストリープが3年連続ノミネートされている。しかし、彼女は1982年に受賞している。)
作品データを記しておくと、1958年の白黒作品で、時間は100分である。原作はテレンス・ラティガンで、監督はデルバート・マン、脚本はテレンス・ラティガンとジョン・ゲイの2人、撮影はチャールズ・ラング・Jr.、音楽はデヴィッド・ラクシンである。そして出演は、バート・ランカスター、デヴィッド・ニーヴン、リタ・ヘイワース、ウェンディ・ヒラー、デボラ・カー、キャスリーン・ネスビット、ロッド・テイラー、フェリックス・アイルマー、グラディス・クーパー、たちである。尚、本作では、デヴィッド・ニーヴンがアカデミー主演男優賞を、ウェンディ・ヒラーがアカデミー助演女優賞を獲得している。
イギリスのある小さな海岸の町を舞台にした「グランドホテル」形式の作品である。逃避的な生活をしている中年男女の人間模様を描いたシリアスな人間ドラマである。派手な所は一切なく、名優たちの演技をじっくりと堪能するための作品である。(派手な作品がお好きな方には向かない作品である。)大人のドラマをじっくりと堪能しましょう。
大根刑事#16 [アニメ]
BS朝日での放送は、今回からは「ショート DE アニメ魂」では未放映の物語に突入しました。で、今回の物語は第16話「飛べない大根はただの野菜さ」です。前回の近未来を舞台にしたものから、今までと同じ現代を舞台にした物語に戻っていたのだが、殉職したはずの刑事たちもしっかりと登場している。ということで、話数を見直す必要がありますね。
犯人を追いかけて、削れてしまって動けなくなってしまった大根刑事。その夜、ある居酒屋で大根刑事が酒を飲みながら嘆いていた。「また削れて犯人逃してしまった...」とぼやいていると、メロン刑事が「お前は大根だよ。よくやってるさ」と声を掛けてきた。これに大根刑事は「だけど、どうしようもない。この肉体的コンプレックスを抱えていては、刑事としての俺の人生は...」と悩んでいた。するとメロン刑事は「それが現実さ。聖書に良い言葉がある。刑事に相応しい言葉さ」と言って、その言葉を口にする。「ローマ人への手紙第5章。患難は忍耐を生み出し、忍耐は練達を生み出し、練達は希望を生み出す。そして希望は失望に終わることはない」で、メロン刑事は大根刑事を見ていると若い頃の自分を見ているようだ、告げた。
別れて独身寮に千鳥足で歩いている大根刑事はメロン刑事の言葉を受けて考えていた。「どう考えるかだ。でないとただの食物だ、刑事じゃない...」と呟いていた大根刑事。
翌日、警視庁ベジタブル課。電話が鳴り、メロン刑事が出る。で、殺しの連絡を受けて出動命令を出す。が、大根刑事が「その前に...」と言って口に花火をくわえて「誰かこれを俺のケツにさしてくれ」と言った。で、じゃがいも刑事が「こんな感じか?」と言いながら、花火をさした。
花火に火が付けられる。それによって大根刑事は空を飛んで現場に向かった。「ジェットボディに刑事魂。俺の名前は大根刑事。ロケット花火を搭載して削れることなく犯罪を追いかけるぜ!」と威勢の良さを取り戻して、現場に向かっていた。で「削れない、削れないぜ!」と喜んでいた。しかし「だけど、どうやって停まるんだ...?」と気づき、何処までも飛んでいってしまった。で、それを見送るベジタブル課の刑事たちは「さようなら、大根刑事」と呟いていた。
「about 12 hours after」とテロップ。(約12時間後)、大根刑事はある所にいた。そしてそこが何処だか気づいた。大根刑事はニューヨークにいたのだった。で、ニューヨークの町中を橋目大根刑事は「マイ・ネーム・イズ・ダイコンデカ」と叫びながら走っていた...
今回はいつもの3分の物語で、ちょっと抜けた大根刑事のキャラが活かされた物語でした。ただ、12時間でニューヨークに到着というのは、少し早いと思うんですけど...それに、ロケット花火ってそんなに長時間は持続しないと思うんですけど...
次回の第17話は「NYPD大根刑事」で、やはり「ショート DE アニメ魂」では未放映の物語である。(この後、「セプテンバー・ツインタワー・ドリーマー・フラワー」、「未来世紀ダイコン」の前後編と言うように、未放映の物語が続くことになる。)こうなると、逆に「ショート DE アニメ魂」では放送されてBS朝日の放送では未放送の「カーチェイスだぜ!大根刑事」と「爆裂都市だぜ!大根刑事」もしっかりと放送してもらいたいところですけど...(今からだったら物語の順番がおかしくなるから、30分枠で1回7本の全3回というような形で放送でもしてくれたらいいんですけど...)
↓くれぐれもケツに差し込まないように...
「FROM HERE TO ETERNITY」 [映画(洋画)]
表題の作品は1953年のアメリカ映画「地上より永遠に」である。(「ここよりとわに」と読みます。)本作はアカデミー賞を8部門に渡って獲得した名作・人間ドラマである。原作は、アメリカ陸軍組織の腐敗と、兵士たちの愛憎ドラマを描いてベストセラーとなった1951年に発表されたジェームズ・ジョーンズの小説の映画化作品である。本作も、デボラ・カーさんの追悼の意味を含めて取り上げている。
まずは作品データを記しておく。1953年の白黒作品で、時間は118分である。原作はジェームズ・ジョーンズ、監督はフレッド・ジンネマン、脚本はダニエル・タラダッシュ、撮影と音楽はバーネット・ガフィ、音楽監督はモリス・W・ストロフである。そして出演は、バート・ランカスター、モンゴメリー・クリフト、デボラ・カー、フランク・シナトラ、ドナ・リード、アーネスト・ボーグナイン、フィリップ・オーバー、ジャック・ウォーデン、ミッキー・ショーネシー、クロード・エイキンス、アルビン・サージェント、バーバラ・モリソン、たちである。
獲得した8つのオスカーは、作品賞、監督賞、脚色賞、助演男優賞(F.シナトラ)、助演女優賞(D.リード)、撮影賞(白黒)、編集賞、録音賞である。尚、受賞ならなかった部門が4部門(主演男優賞(B.ランカスター)、主演女優賞(D.カー)、劇・喜劇映画音楽賞、衣装デザイン賞(白黒)の4部門)あって、ノミネートは12部門であった。
1941年夏、ハワイのアメリカ軍基地。プルウィットという青年が転属してきた。彼は上官に反目したために一兵卒に落され、転属されたのだった。また、彼はかつて軍のボクシング大会でミドル級のチャンピオンだったことから、下士官昇進を条件にチーム入りを勧められるも、戦友を失明させたことから二度とボクシングはやらないと誓っていたので、申し出を断る。で、ウォーデン軍曹から反抗は辞めるように忠告されるも聞き入れず、彼は虐待行為を受けることになり孤立していく。そんな彼の唯一人の味方であるアンジェラも営倉に入れられて... そうしている内に、12/7、日本軍の真珠湾攻撃の日がやってきた...
アメリカ軍生活の過酷な一面を暴露することになった本作は高い評価を受けたが、男女ともアカデミー賞で主演賞を逃していると言う所がまた興味深い所である作品でもある。ちなみに、主演男優賞は「第十七捕虜収容所」のウィリアム・ホールデン、主演女優賞は「ローマの休日」のオードリー・ヘプバーンが受賞しテイル。(助演賞は男女とも獲得しているだけに、主演男女優賞まで獲得していたら、それこそ総なめになったんですけど...)
↓原作小説