「METEOR」 [映画(洋画)]
表題の作品は1979年のアメリカ映画「メテオ」である。'70'sには「パニック映画」というジャンルの作品が色々とヒットを記録したが、本作はそういうパニック映画にSF作品ということで登場した作品である。後に「アルマゲドン」などが同じようなコンセプトの作品として生まれているが、そういうジャンルのSFもの作品としたら古典の部類に入ることになる。映像の方は'70's作品らしいものであって、「アルマゲドン」のリアルな映像には及ばないが、手作りという部分を感じることが出来、これが独特の味になっている。特に、ソ連が崩壊した現在では、「ソ連」自体が存在していないので、「SF」ということでは面白い設定にもなっていると解釈できる。
作品データを記しておくと、時間は107分、原案はエドマンド・H・ノース、監督はロナルド・ニーム、脚本はエドマンド・H・ノースとスタンリー・マンの2人、撮影はポール・ローマン、音楽はローレンス・ローゼンタールである。そして出演は、ショーン・コネリー、ナタリー・ウッド、カール・マルデン、ブライアン・キース、ヘンリー・フォンダ、トレヴァー・ハワード、マーティン・ランドー、リチャード・A・ダイサート、ビビ・ベッシュ、シビル・ダニング、たちである。
小惑星群オルフェウスに彗星が激突、砕け散ったオルフェウスが巨大な限石群(メテオ)となって地球に向かってくる。これが地球に衝突したら人類は滅亡してしまう。猶予は僅か一ヶ月しかない。アメリカは仮想敵国・ソ連のために宇宙に打ち上げている核弾頭14基を備える武装人工衛星ハーキュリーズを大隕石に向けて発射して、メテオの軌道を変えて地球の危機を防ごうと計画する。しかし、軍には反対の声があった。そんな中、大統領はソ連にも協力を呼びかける。ソ連もハーキュリーズに対抗する核ミサイル・ピョートル大帝を打ち上げていて、地球を救うために利用することに応じる。しかし、米ソには共に相手に対する不信感があり、どちらが先にミサイルを発射するかで揉めて、なかなか上手くいかない。そんな中、世界各地ではメテオの影響が出ていて、崩壊していく都市が出る...
スケールの大きな作品であるが、何故か隕石の影響を受けるのは世界の有名な所ばかりであり、その都市の被害状況は思ったよりも小さいということで、本当に地球は滅亡するの?と途中で思ってしまうのが、ちょっと残念な所である。しかし、米ソの冷戦状況下での物語としたら、表向きは協力するが、実際は相手を信用していない、というように、現実を上手く描いていて、これは面白いところである。
東西冷戦が終結した現在では、こういう物語は一つの絵空事になってしまったが、製作年度や当時の社会情勢を考えてから鑑賞すると、より深く楽しむことが出来る作品である。ただ、特撮に関しては、最新のCGを中心としたものよりはリアルさでは劣るが、ハートを感じるものであり、技術が全てではないことを教えてくれている。一度は見ておきたい作品である。(でも、ソフトがない...)
↓本作のソフトがないということで、S.コネリーのSF作品をいくつか
孤独の歌声 [ドラマ]
先週に続いて、WOWOWが制作したドラマWの今月の新作の2本目はサイコ・サスペンスの「孤独の歌声」。天童荒太原作の同名小説のドラマ化作品である。
主人公の刑事・朝山風希(あさやま・ふき)は13歳の時に経験した親友の死がトラウマになっている女刑事で、盗犯係に勤務している。担当しているのは連続コンビニ強盗事件であるが、最近発生した猟奇的な連続女性監禁殺害事件に異常なまでの反応を示す。そんな中で、コンビニ強盗事件がまたも発生、当初はコンビニの店員・芳川潤平も共犯ではないかと疑われる。かれも高校の時のある出来事によって孤独を抱えている若者で、投げやりな態度を取る。そして家族に対して暗い愛情を持つ男・松田。この3人の孤独と心の闇が交錯していく。
猟奇的な事件の物語ということで、重苦しい世界になるかと思ったが、心の闇が交錯していく見応えのあるドラマが重苦しい雰囲気を生むことはなかったが、決して明るい物語でもなかった。ただ、WOWOWの宣伝文句である「主人公は映画「羊たちの沈黙」を思わせるような心にトラウマを抱えた女性捜査官」というのは、間違いではないものの、かなりオーバースペックな宣伝文句でした。
先週の「長い長い殺人」は登場人物が多かったが、それとは逆に、登場人物を絞り込んでいた点が本作の特長で、それが3人の描写をたっぷりと描くことに繋がっていた。また、時間的には2時間弱(117分)ということで、映画1本という時間も良い所であった。
ふと思ったのは、心に孤独を持った人物とは言っても、日常生活はごく普通である。それだけに、この物語で描かれた世界がいつ現実の物になってもおかしくないか、ということであって、現代社会に潜む「心の病気」の奥深さを感じると共に、ちょっと恐怖を感じることになった。
ところで、4週連続放送で、毎週作品にちなんだ問題が出題されるプレゼント・クイズ(4週目にならないと応募できない)であるが、忘れないように今週分の答えをメモとして残しておくことにする。先週は「財布」であったが、今週は「盗犯係」。(共に2つ目の選択肢。)
↓原作はこれです。
↓主演はこの人・内山理名でした。(最近の出演作を)
NAT KING COLE『THE VERY BEST OF NAT KING COLE』 [音楽(洋楽)]
先にNATALIE COLEのアルバムを取り上げたが、そうなると父も取り上げておこう、ということで、今回はNAT KING COLEです。彼はアメリカ音楽界に偉大な足跡を残したジャズ・ピアニストであり、シンガーである。1965年に46歳の誕生日を迎える一ヶ月ほど前に肺ガンで亡くなり、それから既に40年以上の歳月が流れているが、彼の影響を受けたアーティストは数多い。で、何を選ぼうかと思ったが、1枚のDISCで彼の代表的なヒット曲を聴くことが出来ると言うことで、表題のアルバム(タイトルからも分かるが、ベスト盤である)を選ぶことにした。
このアルバムは2006年にリリースされたものであり、一体何枚目のベスト盤になるのか分からないぐらい数多くのベスト盤がリリースされているが、選曲といい、曲数といい、1枚ものとしてはとても充実したベスト盤である。
収録曲は以下の全28曲である。『Stardust』『Sweet Lorraine』『(Get Your Kicks On) Route 66』『Straighten Up And Fly Right』『(I Love You) For Sentimental Reasons』『What'll I Do?』『Morning Star (Previously Unreleased Film Version From St. Louis Blues)』『Penthouse Serenade[Instrumental]』『Candy』『Walkin' My Baby Back Home』『Unforgettable』『Mona Lisa』『Nature Boy』『Somewhere Along The Way』『Smile』『A Blossom Fell』『Can't I?』『Let There Be Love』『Almost Like Being In Love』『Ballerina』『I'm Gonna Sit Right Down (And Write Myself A Letter)』『Let's Face The Music And Dance』『Autumn Leaves (French version)』『When I Fall In Love』『That Sunday, That Summer』『Looking Back』『L-O-V-E (Multi-lingual Version)』『I Wish You Love (LIVE At The Sands Hotel, Las Vegas 1/14/60)』。
彼の代表的な曲は一応網羅されているが、嬉しいのはラストに収録されているライブ・バージョンが収録されていたり、英語以外で歌っている曲も収録されているということである。それらの全てを全て堪能しようというのは、1枚もののアルバムでは当然ながら無理であり、BOXセットなどを聴いてもらうのがベターである。が、本ベスト盤は、1枚のDISCで彼の幅広い世界をかいつまんだ形になるものの、堪能できるという所である。(ダイジェスト的なものでもある。)ということで、本アルバムは、彼を知らない初心者から、彼の音楽をたっぷりと堪能しているファンも気軽に聴くことが出来るということで、とても貴重なベスト盤である。
「NAT KING COLE」の名前はあまりにも有名であり、誰もが知っているであろうが、彼の音楽の方は聴いたことがない、という方には、入門用として持ってこいのベスト盤である。(気に入ったら、BOXセットなどの方に足を踏み入れていけばいいですから...)
The Very Best of Nat King Cole
- アーティスト: Nat King Cole
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 2006/05/02
- メディア: CD
↓同名のベスト盤もいくつかあります。(ジャケットで判断しましょう)
The Very Best of Nat King Cole
- アーティスト: Nat 'King' Cole
- 出版社/メーカー: Unknown Label
- メディア: CD
- アーティスト: Nat 'King' Cole
- 出版社/メーカー: Disconforme
- 発売日: 2005/07/25
- メディア: CD
The Very Best Of NAT KING COLE Original Greatest Hit
- アーティスト: ナット・キング・コール
- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2006/05/25
- メディア: CD
↓BOXの一例
Stardust: The Complete Capitol Recordings 1955-1959
- アーティスト: Nat King Cole
- 出版社/メーカー: Bear Family
- メディア: CD
L-O-V-E: The Complete Capitol Recordings
- アーティスト: Nat King Cole
- 出版社/メーカー: Bear Family
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: CD
The MacGregor Years, 1941-1945
- アーティスト: Nat King Cole
- 出版社/メーカー: Music & Arts
- 発売日: 1996/07/23
- メディア: CD