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「男の紋章」(その4) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローの第12弾として記している「男の紋章」シリーズであるが、4回目となる今回は、1964年に製作された3本の内、残っている2本(シリーズ第5作と第6作)についてです。第6作によって、4~6作からなの第二部が完結することになる。

シリーズ第5作男の紋章 花と長脇差
作品データを記しておくと、1964年の日活作品で、時間は103分、監督は滝沢英輔、脚本は甲斐久尊と中西隆三の2人、撮影は高村倉太郎、美術は小池一美、音楽は小杉太一郎である。そして出演は、高橋英樹、和泉雅子、桂小金治、小高雄二、近藤宏、小池朝雄、高品格、杉山俊夫、郷えい治、楠侑子、井沢八郎、玉川伊佐男、木浦佑三、弘松三郎、上野山功一、加原武門、大町文夫、宮坂将嘉、深見泰三、伊藤寿章、轟夕起子、山形勲、菅井一郎、たちである。

今回の物語は、弾丸道路建設工事をめぐって悪事を働く組との抗争を描いたものである。東海一円を手中にしようと邪魔者たちを闇討ちしていた結城組の佐原を竜次が斬殺する。が、彼は竜次の母・村田組組長・きよの血縁であり、結城組親分・郷田は、佐原の暴挙を押えられなかったきよの責任を責め、村田組と大島組の縄張りを奪おうと刺客を送り、激しく対立する。そんな中で、竜次は関東と関西を結ぶ弾丸道路建設工事(時代を感じる言い方ですね。)で、川辺村の7軒が立退きを拒否していて、工事を請け負った結城組が手を焼いているというので、説得して貰いたいと相談される。最初は相手が相手だけに迷ったが、結局、立ち退きを拒否することたちを説得することを引き受ける竜次。が、結城組は竜次の妨害を始める。というのは、結城組は工事のことを事前に知り、土地を買い占めてボロもうけをしようと企んでいたのだった。しかし、住民たちは竜次の誠意に動かされて立ち退きを決めるが、結城組は新たな手を打ってきてくるが...

物語の舞台が高度経済成長期に入ろうとしている時代であるだけに、時代を考えた物語としては良いのだが、決着の仕方はいつもの通りというのは仕方ないのでしょうかねぇ...

シリーズ第6作男の紋章 喧嘩状
作品データを記しておくと、1964年の日活作品で、時間は85分、監督は井田探、脚本は甲斐久尊、撮影は萩原泉、美術は小池一美、音楽は山本丈晴である。そして出演は、高橋英樹、和泉雅子、和田浩治、西尾三枝子、小池朝雄、桂小金治、佐野浅夫、高品格、近藤宏、二本柳寛、弘松三郎、嵯峨善兵、雪丘恵介、鈴木瑞穂、杉江弘、玉村駿太郎、河野弘、鴨田喜由、衣笠真寿男、神山勝、片桐常男、清水将夫、轟夕起子、たちである。

ヤクザの弱みにつけ込んで、賭博を見逃す大小として賄賂を要求する悪徳刑事・深田。竜次は日頃から深田の行為に怒りを感じていた。で、ある日、その行為を警察署長に暴露する。しかし署長は警察の威厳を守るために事件をもみ消した。処分を逃れた深田だったが、竜次に激しい憎悪を燃やし、竜次を潰そうと動き出すが...

今回の物語は、賭博を見逃す変わりに賄賂を要求する悪徳刑事が相手である。任侠映画でなくても物語は成立するものであるが、任侠映画の決着の付け方としたら気持ちいいものである。ここまでの物語では、主人公・竜次は大島組の組長として、母・きよの村田組の庇護の下で渡世人の修行をしている、ということで、大島組と村田組、更には村田組の味方となる存在が色々といるので、結構甘い所もある。次作からはこれが無くなるだけに、主人公・竜次の成長物語として見るのもまた面白いところである。

 

↓本作はシリーズ1作目しかビデオ化されていない...

男の紋章

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 1991/03/08
  • メディア: ビデオ

↓今回は和泉雅子出演作をいくつか...

高原のお嬢さん

高原のお嬢さん

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2007/06/08
  • メディア: DVD
あゝひめゆりの塔

あゝひめゆりの塔

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2002/11/22
  • メディア: DVD

女たちの忠臣蔵~いのち燃ゆるまで~

女たちの忠臣蔵~いのち燃ゆるまで~

  • 出版社/メーカー: キング
  • 発売日: 2002/12/25
  • メディア: DVD

絶唱

絶唱

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2007/05/03
  • メディア: DVD

哀愁の夜

哀愁の夜

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2007/05/03
  • メディア: DVD

銀座の恋の物語

銀座の恋の物語

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 1999/06/25
  • メディア: DVD


結婚詐欺師 [ドラマ]

今月は4本の新作が放送されるWOWOWが制作したドラマW。3週目の今回は、乃南アサ原作の「結婚詐欺師」です。タイトルから分かるように、ある結婚詐欺師を追っていく物語である。時間は115分ということで、2時間ドラマよりは長く(CMをカットしたら90分ちょっとですから...)、映画1本分という感じである。(WOWOWの放送は、途中にCMが入らないから、途中で白けることが無いのが良い所でもあります。)

物語は、結婚詐欺師の男・橋口と、それを追う刑事・阿久津、そして被害に遭う女性たちが絡む物語である。橋口は、ゲームソフトの会社を経営していると言っていて、複数の女性を罠に掛けている男である。4年前に一度詐欺で逮捕されて、刑務所に入っていたが、出所してから再び結婚詐欺をしている男である。戸籍上は妻がいるが、出所してからは妻の元には一度も帰っていない。物語はホステスの女性が橋口を捜して欲しい、と警察に依頼した所から始まる。話を聞いた明津は、橋口は結婚詐欺師だと気づく。警察が動き出したことを知らず、橋口は新たなターゲットの女性・曽田に迫っていた。

更に橋口は日本舞踊の家元、小料理屋の女将も金づるとしていて、詐欺を働く。また、曽田からお金をだまし取ると、新たなターゲットとなる江本美和子に迫る。が、美和子は阿久津の学生時代の恋人だった...

先週のようなサイコ的な要素もなく、緊張感のあるサスペンスというものでもなく、また派手な所も一切なく、阿久津の人間臭い一面(イジイジしたところ、昔の恋人とはいえ、「詐欺師」だとは言えない苦悩がにじみ出ている。)が物語を引っ張っていく。

尚、本作では、結婚詐欺のターゲットとなる女性の一人(曽田)を星野真里さんが演じていたが、曽田は橋口の子供を身籠もり、籍を入れるということで、「結婚したから詐欺じゃない」と言ったが、確かにその通りなんですよね。(しかし、夫婦生活が始まるかと言えば、そうはいかないことになりましたけど...)

1週目は派手な感じのする物語で、2週目はサイコ・サスペンスということで、それぞれ強力な特徴があったが、3週目の今回は特にこれという特徴がなかったという感じだったが、強力な特徴がないというのが特徴の人間ドラマでした。

ところで、4週連続放送のクイズの答えをメモしておくと、今回は「元恋人」。選択肢は最初のものでした。→来週の放送後に応募しようと思います。(4つの答えが揃わないと応募できないので、現時点では応募できませんし...)

 

↓原作はこちら

結婚詐欺師〈上〉 (新潮文庫)

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  • 作者: 乃南 アサ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/01
  • メディア: 文庫

結婚詐欺師〈下〉 (新潮文庫)

結婚詐欺師〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: 乃南 アサ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/01
  • メディア: 文庫
結婚詐欺師

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  • 作者: 乃南 アサ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1996/09
  • メディア: 単行本
 
↓「詐欺」に引っかからないように勉強しましょう。
詐欺師入門―騙しの天才たち その華麗なる手口

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  • メディア: 単行本
詐欺師のすべて―あなたの財産、狙われてます (文春文庫)

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  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 文庫
 

POLICE『OUTLANDOS D'AMOUR』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1978年に発表されたPOLICEの1st.アルバムである。(邦題は「アウトランドス・ダムール」ということで、原題をそのままカタカナにしたものでした。)当時、新しいサウンドとして産声を上げたパンクの精神を内包しながら、レゲエの要素を取り入れるという斬新なサウンドが受け入れられて、瞬く間にスター・バンドとなった。本アルバムは大ヒットを記録して、イギリスでは最高位6位を、アメリカでもBillboard誌で最高位23位、1979年の年間アルバム・チャートでは71位にランクインするヒットを記録している。

収録曲は以下の全10曲である。『Next To You』『So Lonely』『Roxanne』『Hole In My Life』『Peanuts』『Can't Stand Losing You』『Truth Hits Everybody』『Born In The 50's』『Be My Girl - Sally』『Masoko Tanga』。

この中からは『Roxanne』と『Can't Stand Losing You』がシングル・ヒットを記録しているが、それ以外でも『So Lonely』もシングル・カットされている。但し、1978年にシングル・カットされてリリースされた時は『Can't Stand Losing You』がイギリスで最高位42位を記録するということだけで、特に大きなヒットとはならなかった。しかし、翌1979年にシングルとして再発されるとヒットを記録して、『Roxanne』がイギリスで最高位12位、アメリカでは最高位32位を記録するスマッシュ・ヒットとなり、続いて『Can't Stand Losing You』はイギリスでは最高位2位を記録するビッグ・ヒットになった。ということで、良い曲はしっかりと評価されると言うことでもある。

本アルバムからのお薦め曲は、やはり『Roxanne』である。更に、この名曲を挟むように、その前後を固める『Next To You』『So Lonely』『Hole In My Life』は初期の彼らの名曲である。また、シングル・カットされた『Can't Stand Losing You』も素晴らしい出来であり、ラストを飾る『Masoko Tanga』もお薦めである。

'80'sに華やかな足跡を残したPOLICE(再結成したのは記憶に新しい所ですけど...)のサウンドを聴くのであれば、原点となった本アルバムは必聴である。但し、後の彼らのサウンドとは少し違っていて、パンクの香りがする。まあ、'70's終盤は、世界的なディスコ・ブームと、パンク、ニューウェーブなどの新たなサウンドが次々と登場したということもあり、面白い時代でもあったが、そういう所が垣間見られるというのもまた面白い所である。それにしても、ジャケットの3人は若いですね...(当然ですけど...)

 

Outlandos d'Amour

Outlandos d'Amour

  • アーティスト: The Police
  • 出版社/メーカー: Universal Japan
  • 発売日: 2003/03/04
  • メディア: CD


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