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「THE NAKED GUN 2 1/2: THE SMELL OF FEAR」 [映画(洋画)]

表題の作品は1991年のアメリカ映画「裸の銃を持つ男2 1/2」である。1988年に第1作が製作された「裸の銃を持つ男」の第2弾であり、前作と同様に、いくつかの映画のパロディを含めたおバカ映画である。(第1弾については1年ほど前に記している(ここをクリックしたらご覧頂けます。)が、今回、その第2作について記す。)

タイトルも第2作なので「2」とすれば良いのに、それを「2 1/2」とすると言うように笑わせてくれるが、こういうセンスの良さが全編に渡って出ている。また、前作と同様に、数々の映画のパロディがあるが、今回は「ゴースト ニューヨークの幻」を取り上げている所がザッカー兄弟らしいところである。また、今更ながら「E.T.」のパロディを行うという所もまた面白い。

作品データを記しておくと、時間は85分、製作はロバート・K・ワイス、製作総指揮はジェリー・ザッカー、ジム・エイブラハムズ、ジル・ネッターの3人、監督はデヴィッド・ザッカー、脚本はデヴィッド・ザッカーとパット・プロフトの2人、撮影はロバート・スティーヴンス、音楽はアイラ・ニューボーンである。そして出演は、レスリー・ニールセン、プリシラ・プレスリー、ジョージ・ケネディ、O・J・シンプソン、ロバート・グーレ、リチャード・グリフィス、アンソニー・ジェームズ、ザ・ザ・ガボール、ロイド・ボックナー、たちである。

物語は、麻薬密売人逮捕の輿石によって表彰されることになったドレビン警部はホワイトハウスへ。しかし、晩餐会でまたも大総道を引き起こす。そんな中、アメリカの新しいエネルギー政策として、マインハイマー博士が開発した太陽エネルギーに関して発表する直前、博士の研究所で爆発が起こる。現場に赴いたドレビン警部は、そこで勝手の恋人・ジェーンと再会することになる...

ドレビン警部の捜査によって巻き起こす珍騒動と、恋の物語が並行して進んでいくが、そこにたっぷりとギャグが散りばめられている。何も考えずに、笑って楽しむことが出来る作品であるが、劇中に登場する数々のパロディの元ネタを探りながら見る(パロディ映画はこういう楽しみ方が出来るだけに、奥深い映画の知識が必要になるものである。)のも楽しい所である。笑って楽しみましょう!!

 

裸の銃を持つ男 PART2 1/2

裸の銃を持つ男 PART2 1/2

  • 出版社/メーカー: パラマウント ジャパン
  • 発売日: 2005/10/21
  • メディア: DVD

↓本シリーズのセット

裸の銃を持つ男 パック 初回限定生産

裸の銃を持つ男 パック 初回限定生産

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2003/09/26
  • メディア: DVD

↓第1作と第3作はこちら

裸の銃を持つ男

裸の銃を持つ男

  • 出版社/メーカー: Paramount Home Entertainment(Japan)Limited(CIC)(D)
  • 発売日: 2007/08/24
  • メディア: DVD

裸の銃を持つ男 PART33 1/3 最後の侮辱

裸の銃を持つ男 PART33 1/3 最後の侮辱

  • 出版社/メーカー: パラマウント ジャパン
  • 発売日: 2006/05/12
  • メディア: DVD


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NAKED LUNCH(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

表題の作品は1991年のイギリスとカナダの合作映画「裸のランチ」である。ウィリアム・バロウズの処女小説をD.クローネンバーグ監督が映像化した作品である。映画化は不可能と言われた本作であるが、クローネンバーグ監督は原作者であるバロウズの半生の物語を取り入れて大胆に脚色して、見事に映像化した。

作品データを記しておくと、時間は117分、原作はウィリアム・バロウズ、製作はジェレミー・トーマス、監督と脚本はデヴィッド・クローネンバーグ、撮影はピーター・サシツキー、音楽はハワード・ショアである。そして出演は、ピーター・ウェラー、ジュディ・デイヴィス、イアン・ホルム、ジュリアン・サンズ、ロイ・シャイダー、モニーク・メルキューレ、ニコラス・キャンベル、マイケル・ゼルニカー、ジョセフ・スコーシアニー、たちである。

物語は1953年のニューヨークを舞台に、害虫駆除の仕事をしている男を描いている。害虫駆除の仕事をしているウィリアム・リーは駆除薬が減るのが早すぎることに気づく。妻・ジョーンが駆除薬を麻薬として使用していたのだった。ある日、彼は麻薬捜査官に連行されるが、彼の前に巨大な虫が現れ、彼に話しかける。インターゾーン商会の回し者というジョーンの殺害を指示されるが、彼はムシを叩き潰して逃げ出す。彼は友人に紹介された医師を訪ねて妻のために中毒に効くというムカデのパウダーをもらってくる。そして帰宅してウィリアム・テルごっこをするが、彼の撃った弾丸でジョーンは死んでしまう...

かなりグロテスクな映像が出てくるが、この作品をクローネンバーグ監督なりの映像として完成させた所は大いに評価できるところである。また、こういう作品は音楽が幻想的であって作品の世界を上手く表現している。このサントラ盤はなかなか内容のある良い出来である。

サントラ盤の収録曲は以下の全18曲である。『Naked Lunch』『Hauser And O’Brien/Bugpowder』『Mugwumps』『Centipede』『The Black Meat』『Simpatico/Misterioso』『Fadela’s Coven』『Interone Suite』『William Tell』『Mujahaddin』『Intersong』『Dr. Benway』『Clark Nova Dies』『Ballad/Joan』『Cloquet's Parrpts/Midnight Sunrise』『Nothing Is True;Everything Is Permitted』『Welcome To Annexia』『Writeman』。

一部の曲はオーネット・コールマンのサックスが良い味を出していて、重厚なオーケストラ・サウンドと互いを立てながら見事に融合している。映画はともかく、サントラ盤は一聴の価値のある名盤である。

 

Naked Lunch: Music From The Original Soundtrack

Naked Lunch: Music From The Original Soundtrack

  • アーティスト: Howard Shore, Ornette Coleman, London Philharmonic Orchestra
  • 出版社/メーカー: Universal/Polygram
  • 発売日: 1992/02/11
  • メディア: CD

↓映画DVDはこちら

裸のランチ

裸のランチ

  • 出版社/メーカー: アスミック
  • 発売日: 2002/09/25
  • メディア: DVD

↓原作小説はこちら

裸のランチ (河出文庫)

裸のランチ (河出文庫)

  • 作者: ウィリアム・バロウズ
  • 出版社/メーカー: 河出書房
  • 発売日: 2003/08/07
  • メディア: 文庫


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ケータイ刑事銭形海20話(2nd.7話) [ケータイ刑事]

二段構成として記している「銭形海」。こちらの方は物語の中身を追っている長文&ネタバレたっぷり編です。今回の事件は通算では20話(この大台に乗りました)となる2nd.7話「暗闇の殺人者! ~銭形海VS完全犯罪の男」です。今回はギャグは抑えて、「シリアス路線」をという物語でした。但し、海ちゃんのキャラクタの迷走ぶりもあった物語でした。しかし、脚本の方は、若きエース・KJということで、ここ数回の迷走ぶりと比べると、内容の方はしっかりしていました。それではいつものように、ネタバレありの長文で、本編に行きます。(尚、放送直後に記した「感想+次回予告」版はここをクリックして下さい。)

警視庁、五代さんが新聞に目を通している。(呼んでいる新聞は「ビーエスタイムズ」→高村さんとは違う新聞ですね。)で、溜息をついている。記事の見出しは「連続5件目が発生! ひったくり事件」とある。そこに「おっはようございま~す!!」と、やたら元気のいいちゃんが姿を現す。更にちゃんは笑顔で「あれ~?ご機嫌斜め?」と言って五代さんに絡んでいく。(何か悪い物でも食べたのでしょうか?こんなに明るいちゃんは別人のようです。)五代さんは「見ろよこれ、連続ひったくり事件。今月に入って5件目だぞ」と、新聞記事の事件のことを嘆いていた。海ちゃんは新聞を手にすると「夜道で女性ばっかり狙った事件ですね...」と、一応事件のことは知っていた。五代さんは記事の受け売りで「犯人が捕まらないのは警察の怠慢のせいだってさ...」と嘆いていた。(→こういう場合、マスコミは誰かを悪人にして叩くことしかしませんからね...)更に「俺が現状にいたら、絶対に逃がさないないんだよ」と熱いことを口にする。で、これにちゃんは拍手をして「流石、スニーカー刑事。頼もしい!」と口にする。(こんな砕けたちゃんも初めてですが、やっぱり昨夜、変な物を食べたとしか思えません...)

調子に乗った五代さんは「俺が六曲署にいた頃な...」と言い出して、毎月スニーカーを2、3足履き潰していて、靴屋の看板娘のけいこちゃんのことを話し出して自分の世界へ。ちゃんは呆れ顔になって「うわ~、話、長くなりそう」とそっぽを向いて口にする。そんな所に、天の助けなのか、「警視庁から入電中」と、携帯に事件を知らせる入電が入る。で、海ちゃんは携帯を開く。

港区赤坂の路上で殺人事件発生。被害者は新進作家の藤川紀之(ふじかわ・のりゆき)。直ちに現場に急行せよ。(今回は世田谷区下北沢ではなくて、港区赤坂でした。)ということで、ちゃんと五代さんは現場へ。

赤坂12丁目のガード下トンネルの事件現場。被害者に手を合わせてから捜査を開始したちゃんと五代さん。辺りには被害者の持ち物が散乱していて、現金は持ち去られていた。五代さんは「連続ひったくり犯の仕業かもしれんな」と口にする。そこに逆立ちをした柴田さんが登場。逆立ちを止めて直立すると「報告します」ということで、「死因は後頭部殴打による脳挫傷。死亡推定時刻は本日午前1時から3時の間。どうやら、帰宅途中に襲われたようですね」と告る。凶器は近くに落ちていた鉄パイプで、それは直ぐ側にある建売り住宅の工事現場から持ち出された物で、指紋は検出されなかった。また、被害者は、昨夜、出版社が主催するパーティに参加していたとのこと。この辺りは住宅地で、夜は殆ど人通りがないので、発見が遅れたのだった。ちゃんは「目撃者は期待できませんね」と言うが、五代さんはひったくり犯を捕まえれば解決すると考える。しかし、ちゃんは一連の事件とは無関係だと考えていた。というのは、連続ひったくり犯とは手口が違っていて、被害者は全て女性、死傷者は出ていないからだ、と言うが、五代さんは調子に乗った犯人が男を襲い、抵抗されて殺してしまった、と言うも、ちゃんはそれを否定し、犯人は事前に鉄パイプを建築現場から持ち出していて、これは被害者を死傷させることが目的だと言う。(で、あっさりと納得する五代さん。)

「TOYOSHIMA」と表札のあるマンションにやってきたちゃんたち。そこは推理小説家の豊島圭太(とよしま・けいた。→ここでは豊島圭介監督の名前をいじっています)のマンションだった。で、警察手帳を見せるちゃんと五代さん。それを見た豊島は「警視正殿と、こちらは巡査部長さんですか」と言って、五代さんのことを笑って小馬鹿にする。

中に上ったちゃんと五代さんは話をする。豊島は去年の江戸川散歩賞を受賞した新進気鋭の推理作家であり、20歳の現役東大生だった。豊島も昨夜、出版社が主催するパーティに参加していた。(しかし豊島は一次会だけで帰った。)藤川と交友のあった人に話を伺っている、と言うちゃんに、「ひったくりの犯人に殴られて死んだんじゃないですか」と言う豊島。これに「まだ何とも言えません」と答えるちゃん。続いて五代さんが死亡推定時刻の居場所を尋ねると「おやおや、俺も容疑者ですか?」と豊島。「関係者の皆さん全員に聴いています。協力して下さい」とちゃんが言うと、少し考えてから「ここで仕事していましたよ」と豊島。しかし、それを証明する人はいなかった。(締め切り間近は電話のコードを抜いておく、隣の住人は顔すら知らないと言う豊島。→現代の都会ではこういうものですからね...)そんな豊島は「これ見よがしにアリバイがあったら、逆におかしいと思いますけど」と反論を開始。五代さんが「つまり、昨夜ここにいたことを証明できないって訳だな」と言うと、「でも、ここにいなかったということも証明できないと思いますけど」と切り返す。

五代さんはさっき豊島が「被害者は殴られて死んだ」と言ったことに食いつき、「何でそれを知ってるんだ?」と反撃をするが、豊島は「なかなか鋭いですね。犯人しか知らない事実を口にしてボロが出る。推理小説じゃあお決まりのパターンですか」と反撃することも忘れない。で、出版社の人に電話で聞いたと言い、「少し考えればそれぐらい分かるんじゃないですか。巡査部長さん」と言って、五代さんをやりこめる。そして「藤川の為にも協力は惜しみませんよ。何でも言ってくださいよ」と口にする。

警視庁に戻ったちゃんは手掛かりがなく、困っていた。そこに五代さんが戻って来て、出版社人から、豊島と藤川は相当仲が悪かった、ということを聴いてきた。二人とも現役東大生で、去年、芥ツ川賞(あくつがわしょう)と江戸川散歩賞を貰っているライバルということだった。更に、柴田さんがやってきて、交番勤務の巡査が現場付近で怪しい男を目撃したそうだ、と告る。

その巡査を呼んで話を聞くちゃんと五代さん。巡査はちゃんの前でガチガチに緊張していて、大汗をかきながら敬礼して、名乗る(交番勤務の三宅巡査でした)。それを見てちゃんは「そんなに緊張しなくていいですよ」。で、三宅巡査は語る。午前2時頃、酔って自転車に乗った青年を注意していた(自転車でも飲酒運転はダメです。)時、犯行現場から一人の男が出てきた、ということだった。(そんなに怪しい素振りはなかったので、後を追うこともせず、それだけだった。)

再び、豊島のマンション。(江戸川散歩賞の賞状が出て、受賞作品は「灰塊」、選考委員会委員長は縦溝清二、江戸川散歩財団の代表・江戸川ゴッホ、の名前がある。→ちなみに、橫溝正史は「江戸川乱歩賞」の選考委員を務めたことはありません。また、2008年の江戸川乱歩賞の選考委員は内田康夫、大沢在昌、恩田陸、天童荒太、東野圭吾の5人です。)藤川と揉めていた理由を問われた豊島は「日本の警察は優秀ですから、直ぐに調べ上げるでしょうから、先に白状しますね」と、シニカルに口撃することを忘れずに口にしてから語る。で、感性の違いで、自分は推理作家、藤川は純文学で、藤川は推理小説を文学として認めておらず、よく口論になったということだった。(自分の本「灰塊」と藤川の本「赤いキミ 白いボク」を見せる。)ちゃんは「あくまで作家として主張しあっただけですか?」と尋ねるが「いいえ」と言って、藤川の自分は本物を書いているという態度が鼻につき、「殺してやろうと思ったことは何度もありますよ」と言う。ちゃんは「大胆な発言ですね。あなたにはアリバイがないんですよ」と言う。豊島は「確かに」と言って認め、「アリバイはなく、殺人の動機はある」と言うが「俺が犯人なら、わざわざこんなこと警察に話したりしませんよ」と完全に挑発する。

ちゃんは「一つ、聴いても良いですか」と言い「推理作家として今回の事件はどう思います?」と尋ねる。これに「意表を突いた質問だなぁ」と言う豊島は少し考えてから、推理小説に出てくる犯人って頭が悪いと思う。(散々知恵を絞ってトリックだ、アリバイ工作だ、と余計なことをするからボロが出て名探偵に捕まる、と主張する。→言われてみればそういう気もしますが、工作をしなかったらストレートに逮捕されるだけじゃないの?)

そして「警視正殿。実際の殺人事件で迷宮入りの確率が最も高いパターンを知っているかね?」と問う。これに「行きずりの衝動殺人ですね」と答えるちゃん。すると豊島は「例えば、むしゃくしゃして人を殺したいと思っている奴がいたとする。…」と語りだし、「トリックもアリバイ工作も必要ない。まさに完全犯罪ですよ。もし俺が人を殺そうと思ったなら、この手段は見逃さないと思うな...」と言い、警察を挑発する。(→髪の毛1本、汗やツバの1滴でも現場に残っていたら、最近の科学捜査では犯人を割り出すことが可能なんですけどねぇ。しかし、被害者と面識が無く、捜査線上に全く浮かばなかったらその可能性は否定できないとは思いますけど、思いがけない所から分かってしまい、結局は逃げ切れないと思います。)そして「もし、犯人呼ばわりするならそれ相応の証拠を掴んでからにして欲しいね」「ひったくり犯、まだ捕まってないそうじゃないですか。俺なんか疑っている暇があったら、そっち片付けたらどうですか」「だから警察は怠慢だと言われちゃう」と、好き放題に口にする。これに五代さんが怒り「お前がやったんだろう」と迫る。ちゃんは「五代巡査部長!」と叫んでそれを制し「口を謹んで下さい」と言って豊島の挑発には乗らなかった。そして「今の発言を謝罪します」と豊島に言う。これに「構いませんよ、警視正殿に免じて、今のは聴かなかったことにしますよ」と言うが、「失礼な部下を持つと苦労しますね~」と皮肉を口にすることも忘れなかった。ちゃんは「ただこれだけは言わせて下さい」と言い「私は完全犯罪なんか信じません。犯人は必ず捕まえます」と語ると「失礼します」と言って帰って行く。が、江戸川散歩賞の賞状や豊島の本などを思い浮かべ、目を閉じてじっくりと考えると「寄せる、悪のさざ波」(今までのちゃんと少しパターンが違いました。目を閉じてじっくり考えるのはちゃんの「潤む、悪の雫」という印象が強いんですけど...)(ここでAパート終了。経過時間は13分半を回った所なので、Bパートのドラマ部分は12分弱となり、今回は少し早めでした。)

近くの公園のブランコに乗っているちゃんに「ほれ」と言って五代さんがジュースを渡す。(五代さんがジュースをというのは、何故か「・1話」の印象が強く残っている筆者です。)ちゃんは「さっきはすいません」と謝るが「いきなりでビックリしたぞ」と五代さん。ちゃんは「あれじゃあ、名誉毀損で訴えられちゃいますよ。気持ちは分かりますけど、冷静になって下さい」と言う。(最近、「名誉毀損だ」と言って強烈に反論する犯人がいないとはいうものの、やっぱりちゃんは常に冷静です。)これに五代さんは「ああ、悪かった」とちゃんの言いたいことを直ぐに理解する。しかしちゃんもどうしたらいいか分からなかった。そんなちゃんに「どうした。珍しく弱気だなぁ」と五代さん。(確かに、今回のちゃんはいつもとは様子が違います。)

これにちゃんは、豊島は全て自分から先手を打っていて、自分たち(警察)が何も掴んでいないことを知っている、と言う。すると「だったら、掴んでやろうぜ」と五代さん。ちゃんは「えっ?」と訳が分からない。すると「いつも言ってるだろう。刑事の価値はすり減らした靴の数で決まるって」と五代さん。ということで、徹底的な聞き込みをすることにした。(五代さんと組んでいた本家四姉妹も徹底的な聞き込みをすることを教えられていましたが、ちゃんもこれでようやく仲間入りですね。ちなみにお姉ちゃまも岡野さんから聴き込みを教えられていましたし...)

五代さんとちゃんは二手に分かれて徹底的な聞き込みを行ったが、目撃者はいなくて、収穫はなかった。五代さんは「こうなったら強硬手段にでるしかねえな」と言い、状況証拠で豊島を任意で引っ張って吐かせようと考えた。が「待ってください」とちゃん。「相手は有名人ですよ。もし立証できなければ世論が彼の味方に付きます」と五代さんの考えに待ったを掛ける。五代さんは「このまま黙って指をくわえて見ていろ、と言うのか」と熱い言葉を口にするが、ちゃんも打つ手がなかった。で、「必ず捕まえて見せます」と言うのが精一杯だった。

そんな所に、三宅巡査が「あの~」と言って、電気工事のおじさんを連れてきた。街灯の蛍光灯の交換をするというのだった。五代さんは「勝手にやってくれ」と言うが、海ちゃんは驚いて「えっ?この街灯は切れているんですか?」と問う。すると、「5日前から切れているそうです。昨日、苦情の電話を貰いまして...」と工事のおじさんが答えた。これにちゃんは考え始める。少しすると笑顔になって「そうか、そうだったんだ」と言うと「その手がありますね。謎は解けたよ、ワトソンくん

ちゃんは豊島を呼び出した。「どうも、ご足労ありがとうございます」とちゃんは言うが「まだ俺に何か用ですか」と面倒臭そうな豊島。ちゃんは「確認したいことがあります」と言って、「実は目撃者がいるんです」と切り出す。豊島は「そいつは暗い夜道で何を見たと言うんだ」と言う。これに五代さんが「どうしてくらいと分かるんだ?お前、犯行現場見たのか?」と突っ込む。豊島は「見てる訳無いでしょう。夜道で人が殺されたら、誰だって暗いって思うんじゃないですか」と返すと「何を企んでいるのか知りませんけど、いい加減にして欲しいね」と切れる。これにちゃんは「協力を惜しまないと言ってくれましたよね。もう少し、私たちにつき合ってください」と言う。これに豊島は「分かりました。良いでしょう」と仕方なく受けた。

豊島が先を歩き、その後ろをちゃんと五代さんが付いていく。豊島は「ひったくり犯はどうなったんです?」と尋ねる。豊島はひったくり犯が藤川を殺したものだと言うが、ちゃんは「いいえ、この事件はひったくり犯とは無関係です」と言う。すると「断定ですか。その根拠は?」と食いつく豊島。ちゃんは、この事件がトリックもアリバイ工作もないゆきずりの衝動殺人だったら手の施しようはなかったかも知れないが、犯人は一つ、余計なことをした、と告る。(財布の中身を抜いて、ひったくり犯の犯行と見せかけたこと。)そして街灯が消えていたことを口にする。暗闇の中で行われた犯行なのに、その場で財布を確認して必要な物だけ抜き取るのはおかしいと言う。が、豊島は「犯人は懐中電灯で財布を照らしたのかも知れない」と反論する。しかしちゃんは「何故、そんな危険を冒すんです。一刻も早く現場から逃げたいはずですよね。財布ごと持ち去ればいいじゃないですか」と返す。これに豊島は「さあ、犯人に聴いてみたらどうですか」と惚ける。ちゃんは「聴くまでもありません。あれは偽装に決まってます」と断言した。

そうしている内に、3人は事件現場となったガード下に到着した。豊島は「お嬢さんの推理通り、これはひったくり犯に見せかけた殺人だったとしよう。で、それが何だって言うんだい?」と言う。これにちゃんは「藤川さんを殺害したのはあなたですね」と告げた。豊島は笑いながら「随分話が飛躍するね。俺が犯人だって証拠は見つかったの?」と余裕を見せる。ちゃんは「言ったはずですよ。目撃者がいるって」と返す。しかし「疑わしいなぁ。何処にいるんだ」と豊島。すると後ろから三宅巡査が走ってくる。ちゃんは「目撃者は三宅巡査です。彼は昨夜、この界隈をパトロールしていました」と言う。しかし豊島は笑いながら「おいおい、支離滅裂だね、お嬢さん」と笑い、「たった今、この現場は暗闇だったって言ったばっかりだろう」と反論し、三宅巡査には「それともお前さん、昨夜ここで俺の顔、はっきり見たのか?」と問う。三宅巡査は「いいえ、見てはいません」と答える。すると豊島は勝ち誇ったようになって「だってさ。それじゃあ目撃証言として使えないんじゃないの」とちゃんを小馬鹿にしたように言う。そして「もう少し頭が良いと思ったんだけどなぁ、警視正殿」と言ってちゃんに敬礼すると背を向けて帰って行こうとする。

その時、三味線の音が響いてきた。立ち止まって周囲を見る豊島を海が包む。「大波小波かき分けて。…」ちゃんの口上が始まり、「私の碇で沈みなさい!」から「神奈川沖浪裏」の波がうねり、赤い碇のストラップをちゃんが投げる。勢いよく飛んで行く碇は地面に突き刺さり、繋がっている鎖が豊島を拘束していた。で、ちゃんが鎖を引くと、大回転してその場に倒れる豊島。(「目が回る...」と無感情で言う所がいい感じです。)倒れた豊島はちゃんを見上げると「何するんだよ」と睨みつける。

ちゃんは「慌てないでください。三宅巡査は事件の目撃者じゃありません」と言って説明を始める。そして、自分たちの行動を目撃して貰った、と告る。そして、ここに来るまでちゃんたちはずっと豊島の後を歩いてきたと言う。(「間違いありません。証言できます」と三宅巡査)なのに、豊島迷わずこの場所に来た。何故犯行現場を知っているのか?先ほど現場は見ていないと言ったはずだ、と豊島の行動の矛盾点を指摘した。すると豊島は「くっそう。やられた」と填められたことを察した。五代さんが「お前は自分で罪を認めたんだよ」と言うと、豊島は笑い出しして「なるほど。そうか、街灯の話なんかどうでも良かったんだなぁ。俺を無意識の内にここに来させるのが目的だったんだ」とちゃんの意図したことを見抜き「いやぁ、完全にやられたよ」と負けを認め「あんたの勝ちだよ、お嬢さん」と言って握手を求めて手を出す。が、ちゃんはそれを受けなかった。

五代さんが藤川を殺した動機を尋ねる。すると豊島は「深い意味はありませんよ。ただ目障りだったから。現役東大生の新人作家は一人いれば十分でしょう。それに、上手くいったら小説のネタになるし...」と全く悪びれることなく、ゲームを楽しんでいるかのように話した。すると五代さんが豊島の胸ぐらを掴む。が「五代さん」とちゃんが待ったを掛ける。豊島は五代さんを見て笑うだけだった。そんな豊島を見ているちゃん。五代さんは豊島を殴ることはせず、拳を降ろすと、手錠を取りだして豊島を逮捕した。

事件解決後、夜の町を歩いているちゃんと五代さん。ちゃんは「さっきは殴るんじゃないかと冷や冷やしましたよ」と言うが「何を言ってるんですか、俺だって刑事の端くれですよ。その辺はちゃんと弁えていますよ」と言う。そして「本庁から連絡入ったの聴いた?」と尋ねる。これにちゃんは「はい」と言って、豊島のマンションから底に血痕が付いた靴が見つかったと言う。(藤川の物と一致するはずで、動かぬ証拠だと言ってホッとする。)更に五代さんが「それからもう一つ。連続ひったくり犯。捕まっちゃいました」と言う。これに笑顔で「本当ですか。良かった~」とちゃん。五代さんの説明で、殺人の容疑が掛けられるのが怖くて自首したということでした。

で、五代さんは感慨深げに「地道にコツコツと自分の足で事件を解決していく。これが刑事の基本だ」と言い、ちゃんの方を見ると「分かったな」と言う。ちゃんは神妙な顔つきになって「はい」と答え、敬礼をして「たいへん勉強になりました」と言う。すると五代さんは「良い子だ良い子だ」と言ってちゃんの頭をナデナデしようとし、それからちゃんの自転車を奪ってそれに乗ろうとする。が、ちゃんは「ダメです」と言い、「本当は五代さん、疲れてるんじゃないですか」と反撃開始。「ピンピンしてますよ」と駆け足の格好をして元気だとアピールする五代さんだったが「さっきから湿布の臭いプンプンしてますよ」とちゃん。で、ジャンパーを嗅ぐ五代さん。その隙に「身体には気をつけてくださいね~」と言ってちゃんは自転車をこぎ出して帰っていきました。五代さんは「ばれてたの?シェー!」と、最後にいつものギャグを披露。立ち止まって振り返ったちゃんは「でも、まだまだ馬車馬のように走っていただきますから、ね~。」

次回、21話(2nd.8話)の物語は「私を水族館に連れてって! ~シーパラ尾行大作戦」です。次回予告を見た所では、「・18話」に登場した鬼塚福本のコンビの再登場と思われたが、そうではなく、ボンゴレ兄弟と言うことになっていました。(世の中には自分とそっくりな人間が3人はいるというので、たまたま似ているだけということなのでしょう。)が、そのボンゴレ兄弟はコカインの取引をするとか、ちゃんを拉致するというように、「・18話」を意識しているのは疑う余地がありません。ということは、ちゃんに「海に沈める」と言うことになって、ピンチ!ということになるのでしょうね。(ちゃん、ちゃんとは違ったリアクションを見せてくれるちゃんだと思いますけど...)ただ、「・18話」「・2nd.16話」のちゃん/ちゃんの誘拐事件(更にはその逆パターンで五代さんが誘拐された「・11話」)とは違うようですけど... が、一応は鬼塚&福本のそれぞれの弟という可能性もあるのでは?だって、兄弟と言うにはあまりにも似ていないですし。(異母兄弟だとしたら似てなくても全く不思議ではないですけど...)

また、五代さんが「尾行検定」を受けたばかりということになっているが、「8話」にしてこのネタフリをするということは、「2nd.」は13話で年内終了、新年になるとシリーズ初となる第3シリーズに突入して、「3rd.」相棒は岡野さんの復帰という可能性が高くなったと思います。(「・1st.6話」で五代さん復帰を匂わせるネタフリがありましたからね。)

鑑識メモ。いつもより真剣な顔つきの柴田さんは「完全犯罪など絶対成立しません」と強く断言する。(が、次の言葉からはいつもの柴田さんに戻っている。)「だから最後に犯人も参ったとなった訳ですね」と言うと「そこで、ジャン!」と言って「さかなへんに参ると書いて「あじ」」と言って「鯵」と書かれたフリップを出す。「これは美味しくて参りました、と言う所から来ているんですね」と言うと、フリップを投げ捨てて「突然、柴田の物まねコーナー!」と言って立ち上がると「鯵が焼かれる瞬間」と言ってテーブルの上に横になり「アジジジジジジ...」直ぐにテーブルから降りると「参りました」と言って頭を下げる。そして元に戻ると「鯵だけに、100点!」と言って万歳をしていました。→柴田さんらしいネタでした。尚、「鯵」という文字は、「魚」+「喿」(「操」の右側)だったが書き誤ったらしいのですけど...

今回の物語は、ギャグが抑えられていたということで、「シリアス路線」と謳っている「銭形海」らしい道を歩んでいこうとしていることは分かる。しかし、ちゃんのキャラクタの方は相変わらず迷走している。冒頭のあまりにも明るいちゃんはちょっと違和感を感じます。ただ、今回はちゃんの笑顔が少なく、沈んでいる所が多かったので、サービス・ショットのつもり何でしょうかねぇ。事件解決後、今回の経験で一回り大きくなったちゃんが次回から人が変わったようになるというのなら、まだ良いんですけどね。

物語の方は、「VS」シリーズの物語らしく、銭形が追い込まれる、手の打ちようが無くなり行き詰まってしまう、という緊張感があり、「」に近い雰囲気が出ていて良いものでした。(やっぱり、エース・KJ脚本でした。)しかし、冒頭のちゃんの明るすぎる部分が大きなポカでした。これを野球で言えば、先頭バッターにいきなりホームランを打たれたが、そこからあとは27人全てを1人も出塁させることもなく完全に打ち取った、という所でしょう。(試合は0-1で負けたか、1-1で引分けたということで、「勝」にはならなかった)

 

ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2003/05/22
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2005/06/24
  • メディア: DVD
ケータイ刑事 銭形舞 DVD-BOX

ケータイ刑事 銭形舞 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2004/04/23
  • メディア: DVD
 
↓江戸川乱歩賞関係を更にピックアップ
探偵小説辞典―江戸川乱歩賞全集〈1〉 (講談社文庫)

探偵小説辞典―江戸川乱歩賞全集〈1〉 (講談社文庫)

  • 作者: 中島 河太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/09
  • メディア: 文庫
伯林‐1888年・高層の死角―江戸川乱歩賞全集〈7〉 (講談社文庫)

伯林‐1888年・高層の死角―江戸川乱歩賞全集〈7〉 (講談社文庫)

  • 作者: 海渡 英祐, 森村 誠一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/09
  • メディア: 文庫
殺意の演奏・仮面法廷―江戸川乱歩賞全集〈8〉 (講談社文庫)

殺意の演奏・仮面法廷―江戸川乱歩賞全集〈8〉 (講談社文庫)

  • 作者: 大谷 羊太郎, 和久 峻三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/09
  • メディア: 文庫
危険な関係・枯草の根―江戸川乱歩賞全集〈3〉 (講談社文庫)

危険な関係・枯草の根―江戸川乱歩賞全集〈3〉 (講談社文庫)

  • 作者: 新章 文子, 陳 舜臣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/09
  • メディア: 文庫
原子炉の蟹・写楽殺人事件―江戸川乱歩賞全集〈13〉 (講談社文庫)

原子炉の蟹・写楽殺人事件―江戸川乱歩賞全集〈13〉 (講談社文庫)

  • 作者: 長井 彬, 高橋 克彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 文庫
黄金流砂・焦茶色のパステル―江戸川乱歩賞全集〈14〉 (講談社文庫)

黄金流砂・焦茶色のパステル―江戸川乱歩賞全集〈14〉 (講談社文庫)

  • 作者: 中津 文彦, 岡嶋 二人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 文庫
白色の残像・浅草エノケン一座の嵐―江戸川乱歩賞全集〈17〉 (講談社文庫)

白色の残像・浅草エノケン一座の嵐―江戸川乱歩賞全集〈17〉 (講談社文庫)

  • 作者: 坂本 光一, 長坂 秀佳
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 文庫
幻影城 日本推理作家協会賞受賞作全集 (7)

幻影城 日本推理作家協会賞受賞作全集 (7)

  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 1995/05
  • メディア: 文庫
 
↓こういうのって役立つのかなぁ?
小説家になる!―芥川賞・直木賞だって狙える12講 (ちくま文庫)

小説家になる!―芥川賞・直木賞だって狙える12講 (ちくま文庫)

  • 作者: 中条 省平
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 文庫
↓こういう本もあります。
完全犯罪

完全犯罪

  • 作者: ジャン ボードリヤール
  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 単行本
 
完全犯罪のエチュード

完全犯罪のエチュード

  • 作者: 森村 誠一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/03
  • メディア: 文庫
完全犯罪―フェアリー (PFコミックス)

完全犯罪―フェアリー (PFコミックス)

  • 作者: 萩尾 望都
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1988/11
  • メディア: -

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