「忍びの者」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローの第14弾として取り上げる作品は、市川雷蔵主演の忍者映画シリーズである「忍びの者」シリーズです。このシリーズは大映が1962年に第1作を製作し、それがヒットすると、1966年までに全8作が製作される人気シリーズとなり、大映のドル箱作品になった作品である。また、本シリーズのヒットによって、他社も忍者が主人公という映画を製作するようになったということで、映画界に新たなヒーロー像が生まれることになったシリーズでもある。
シリーズ全8作のタイトルと製作年は以下の通りである。
第1作「忍びの者」(1962年)、第2作「続・忍びの者」(1963年)、第3作「新・忍びの者」(1963年)、第4作「忍びの者 霧隠才蔵」(1964年)、第5作「忍びの者 続・霧隠才蔵」(1964年)、第6作「忍びの者 伊賀屋敷」(1965年)、第7作「忍びの者 新・霧隠才蔵」(1966年)、第8作「新書・忍びの者」(1966年)。
8作のタイトルから分かるように、本シリーズは4つの作品群に分けることが出来る。それは、第1作~第3作の石川五右衛門を主人公にした作品(五右衛門を忍者という設定にしている。)、第4作、第5作、第7作の霧隠才蔵を主人公にした作品、第6作(霧隠才蔵二世が主人公)、第8作(霞小次郎が主人公)である。尚、主人公は途中で変わるが、全8作全てが市川雷蔵の主演である。
今回は、それらの中から、シリーズ第1作の「忍びの者」について記す。
作品データを記しておくと、1962年の大映作品であり、時間は104分の白黒作品である。原作は村山知義、監督は山本薩夫、脚本は高岩肇、撮影は竹村康和、美術は内藤昭、音楽は渡辺宙明である。そして出演は、市川雷蔵、藤村志保、伊藤雄之助、城健三朗、西村晃、岸田今日子、丹羽又三郎、浦路洋子、藤原礼子、真城千都世、小林勝彦、中村豊、高見国一、千葉敏郎、水原浩一、沢村宗之助、加藤嘉、たちである。
物語は、戦国時代末期、伊賀の国に高技術を誇る忍者が輩出した。その中に、石川村の五右衛門がいた。彼は三太夫の配下に属する下忍であり、全国制覇の野望に燃える織田信長に敵対心を持つ忍者の頭領・三太夫は下忍達に信長暗殺を命じる。また、その三太夫と対立している藤林長門守も信長暗殺を命令していた。三太夫の妻・イノネと関係を持った五右衛門だったが、女中・ハタが三太夫の命を受けて二人を監視していた。それに気づいた五右衛門はハタを追うが、その間にイノネは三太夫に殺される。そして五右衛門に信長を暗殺すれば罪を許すと囁く三太夫。で、五右衛門は京に出て信長を狙うも、織田信雄、木下藤吉郎らによって阻まれて信長暗殺は果たせず、信長を追い続けることになる。そんな中、堺に来た五右衛門はハタにめぐり合い、イノネが三太夫に殺されたことを知り、全てが三太夫の策略だったことを知り、伊賀へ帰り三太夫を面罵するも、三太夫は逃げてしまう。その頃、安土城を完成させた信長は、伊賀攻めに兵を動かした...
忍者といえば、闇の世界で活躍するという設定の作品が多いが、本作では、権力争いに巻き込まれた犠牲者として忍者を描いている。アクションの方もなかなか見所たっぷりということで、発想はちょっと奇想天外な所があるが、たっぷりと楽しむことが出来る作品である。(ヒットしたのにも納得です。)
↓まもなく、再発されます。
↓原作小説
「QUARTERBACK」 [映画(洋画)]
表題の作品は1994年の映画「クォーターバック」である。「メジャーリーグ」の監督D.S.ウォードがアメリカンフットボールをテーマにして描いた青春スポーツ映画である。(アメリカでは、アメフトはメジャーなスポーツですからね。)
作品データを記しておくと、時間は115分、製作はサミュエル・ゴールドウィン・Jr.、製作総指揮はダンカン・ヘンダーソンとトム・ロスマンの2人、監督はデヴィッド・S・ウォード、脚本はデヴィッド・S・ウォードとアーロン・レイサムの2人、撮影はヴィクター・ハマー、音楽はミシェル・コロンビエである。そして出演は、クレイグ・シェイファー、ジェームズ・カーン、クリスティ・スワンソン、オマー・エップス、ハリー・ベリー、エイブラハム・ベンルービ、ジョーイ・ローレン・アダムス、たちである。
アメリカン・フットボール・カレッジ・リーグ界の強豪・イースタン大学(ESU)は、念願の初優勝へ向けて、ヘッド・コーチのウィンタースの下、名クォーターバックのジョー・ケインや、戦力強化のためにスカウトされた期待のルーキー・ジョンソンを擁して、正念場を迎えた。全米ベストプレイヤーの一人であるケインはリーグ最後の挑戦に加え、シーズン最優秀賞(ハイズマン賞)の獲得を期待されて騒がれていて、そのプレッシャーに悩み、アルコール依存症の父の轍を踏む一歩手前となっていた。彼はキャンパスで知り合ったカミーユとの交際も気を緩めることが出来ず、酒浸りの日々に陥り、ついにはアルコール依存症で入院となり、リハビリ生活に入ってしまった。一方、ジョンソンは学業不振のために補習の毎日が続いていて、個人補習を手伝ってくれたオータム・ヘイリーという娘に恋する。しかし彼女は先輩のチームメイトの彼女だった。そんな中でもシーズンは日程を消化していく。ジョンソンは奮闘するも、ケインの欠場という穴は大きく、チームは負けが続く。そんな中、コーチのサムがケインを訪ねて、ケインを励ましてプレイヤーとして立ち直らせようとする。そして迎えたファイナルゲーム。療養期間が明けたケインがチームに復帰してベストメンバーで最後の勝負に挑むESU。果たして栄冠を掴むことが出来るか...
物語の展開は、スポーツ映画というよりも青春映画という方に重きが置かれているのが救いであるが、スポーツ映画としたら、やっぱり出来すぎた内容である。しかし、有望選手に対してはマスコミが騒ぎ、そのプレッシャーに苦悩するケインという姿が描かれているのは、青春映画ということでは良い所である。尚、結末は最初から予想できることであるが、やっぱり嬉しくなる終わり方でもある。(ということで、まあそれなりの作品である。)が、アメフトの試合のシーンは色々と見所があります。
↓一応、本作のビデオです。
↓参考まで
世界のスポーツ〈1〉南北アメリカ―サッカー、野球、アメフト、バスケほか
- 作者: 友添 秀則
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2005/03
- メディア: 大型本
BEST HIT USA 2007[2007/12/11] [音楽(etc.)]
いつものように、一番早い放送となる火曜日夜のBS朝日での放送において、「TIME MACHINE」のコーナーの情報を中心にON AIR曲と共に記します。
最初は、「1998年の凄いライブです」ということで、これに登場するアーティストたちのことを語りだし、「凄いライブです」と言うことを繰り返し、その曲がON AIRとなりました。その曲とは、1998年のライブで、CELINE DION, GLORIA ESTEFAN, ARETHA FRANKLIN, SHANIA TWAIN, MARIAH CAREY, CAROLE KINGの『A Natural Woman』です。(確かに、顔ぶれだけでも凄いですし、曲の方もじっくりと聴かせてくれる良い曲です。)
続く話題のアーティストを紹介する「HOT MENU」のコーナーはお休みで、「COUNTDOWN USA」の20位から11位までの発表になり、CMを挟んでの「STAR OF THE WEEK」のコーナーは、YELLOWCARDの主要な2人(SEANとRYAN)がスタジオに登場してのインタヴューとなりました。色々と語り、ON AIRされた曲は『Light Up The Sky』でした。(スタジオに登場ということで、このコーナーは長かったです。)
続いて「C/D USA」の10位から4位の発表があり、今週のALTERNATIVE CHARTのTOP 10が紹介されました。で、CMを挟んでから「TIME MACHINE」のコーナーとなり、今回の「TIME MACHINE」のコーナーは、12/11ということで、以下の5件が紹介されました。
1957年:JERRY LEE LEWISが13歳の従兄妹・マイラと秘に結婚式を挙げる。(前妻と離婚が成立して折らず、重婚罪で訴えられることになった)、1964年:SAM COOKEがロスのモーテルで女性管理人に射殺される。享年33歳。彼女の話では、SAMが暴行したため3発射ったということだった、1971年:FRANK ZAPPAがモントリオールのカジノで行ったライブで、ステージの途中で火事が発生し、機材が全焼してしまった。尚、この火事をレマン湖の対岸で見ていたDEEP PURPLEがこの模様を曲にしたが、その曲とは有名な『Smoke On The Water』である、1982年:TONI BASILの『Mickey』が全米シングルNo.1となる。(1週のみのNo.1だった。この曲は1983年のBillboard年間シングル・チャートでは36位にランクインしている。また、彼女のヒット曲はこの曲のみだった。→正真正銘の「一発屋」ということになります。)、1993年:JANET JACKSONの『Again』が全米シングルNo.1を獲得、彼女の7曲目のNo.1ソングとなり、2週連続1位となる。(1994年のBillboard年間シングル・チャートでは74位にランクインしている。→この時期のNo.1ソングは、完全に2年にチャート成績が別れてしまうので、年間チャートではどうしても順位が低くなってしまいます。)
また、12/11が誕生日のアーティストとして紹介されたのは以下の3人でした。PEREZ PRADO(1916年生まれ、享年72歳)、BRENDA LEE(1944年生まれ)、MOTLEY CRUEのNIKKI SIXX(1958年生まれ)。
このコーナーからのON AIR曲は、「TIME MACHINE」で紹介されたSAM COOKEの補足説明がされて、彼の映画があるということから、1964年の彼の『The Riddle Song』がON AIRされました。(映画は「レジェンド」という作品です。)
そして「C/D USA」のTOP 3の発表があり、1位となったTIMBALAND featuring ONEREPUBLICの『Apologize』がON AIRされました。
そして、ラストのリクエストのコーナーは、1994年のOASISの『Whatever』でした。勇樹を与えてくれる良い曲であり、13年前の曲ということになるが、筆者としたら、このコーナーで流すには新しいということで、やっぱりここは'80'sの曲にして貰いたいところです。
次回は、EPGの番組情報によると、次世代の歌姫CHRISTTE MICHELEが日本初登場!ということです。
Timbaland Presents Shock Value
- アーティスト: Timbaland
- 出版社/メーカー: Geffen
- 発売日: 2007/04/03
- メディア: CD
RUSH『2112』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1976年に発表された彼らの4th.アルバムである。これまでに発表したアルバムもそれなりのヒットになっていた彼らであるが、本アルバムが出世作となり、飛躍することになった。また、本アルバムはロック・オペラという内容であって、'70'sも後半に入った当時(ディスコ・サウンドのブームが起こる少し前です。)はプログレ・バンドをはじめ、いくつかのバンドがコンセプト・アルバムに傾倒していて、名盤が多数生まれているが、本アルバムも大作指向のアルバムである。が、彼らは独自色をしっかりと打ち出していて、その辺りがプログレとも、またハードロックとも区別される所である。尚、本アルバムはBillboardのアルバム・チャートで最高位61位を記録して、彼らのアルバムとしては初のTOP 100内にランクインしたアルバムでもある。
収録曲は以下の全6曲である。『2112』『Passage To Bangkok』『Twilight Zone』『Lessons』『Tears』『Something For Nothing』。
本アルバムからは、やはりアルバム・タイトル・ナンバーでもある『2112』である。ロック・オペラ仕立てのこの大作は、本アルバムの半分以上を費やした20分を越える組曲であり、7つの楽章から構成されている。(LPではこの曲だけがA面に収録されていました。)緻密に計算された音作りがされているが、ここに出てくる音は実に様々であり、彼ら独自の音の世界を見事に構築している。その他の曲も悪くないのだが、やはり本アルバムでは、アルバム・タイトルでもある『2112』である。(一応、残る5曲からのお薦め曲を選んでおくと、『Twilight Zone』と『Tears』といった所でしょうか。いや、『Lessons』も付け加えておきます。)
'70'sの時代には、プログレ系では本当に大傑作アルバムがたくさんあるが、カナダ出身の彼らの本アルバムも忘れないで聴いてもらいたいアルバムである。ただ、プログレと言っても、本アルバムはハード・ロック寄りということもあって、純粋なプログレ・ファンからは敬遠されがちうのがちょっと残念な所でもある。プログレ・ファンの方は本アルバムを通してHRの方に、HRファンの方はプログレの方にクロスオーバーさせて、聴く音楽の幅を広げて貰いたい所である。兎に角、じっくりと(スケールの大きい組曲『2112』を)堪能しましょう!